2016年9月30日金曜日

夏が過ぎ~



 風あざみ~、と昭和人間のカラオケ意欲が刺激される時分となりました。暑かった季節が過ぎてようやっとブログに何かを書く気力が復活してきたわしです。例の「小さいにんげん」がハイハイを飛ばして突然歩き始めるというトリプルC技を見せてくれたため、ここ三か月ほどの間は毎日の子の監視(お世話ではなく見張るという雰囲気)、イヌの世話と家事・労働の反復横飛びでただただ過ぎ去っていく体となっていました。

 犬のコディはと言えば、あいかわらず朝は自由運動、夜は日がかげる頃にドッグランへ遊びに行く毎日を過ごし、飼い主とは反比例的に元気全開にしています。雑木林の傾斜で、体重10キロほどに成長した赤子をしょって汗だくの自分の前を颯爽と駆けていく後姿を見るたびに、ヒトよりずっと体力のある犬が赤ちゃんを背負うべきでは?と何度黙想したことでしょう。

 雑木林の中ではシカを追いかけるゲームが犬的にトレンディなようです。面白かったのが、自分がシカを見つけた時(大抵犬より先に見つける)、そちらの方向を向いて静かに突っ立っているようにしたところ、静止した飼い主の目線の方向→シカという図式を2回で完全に分かった様子だったことです。

 コディは新しいものを覚える時、題材にもよるけれど大抵平均5~8回ほど繰り返さないと理解しないので、2回というのは記録的に速く、「林のシカ」という題材がいかに強烈な刺激物か、彼の生活の中で重要視されているのかが分かったようで、面白かった出来事でした。




 ドッグランでも面白かった事がありました。先日遊んでいた時にたまたま地域の新聞取材が来ていて「にんげん♂」とコディが写真を撮ってもらったことです。短いインタビューも受けましたが、写真が使われるなんて考えもせずすっかり忘れていたところ、しばらくしてお隣さんから「あなた達、今週の新聞の表紙になってるわよ。」と言われ例の写真が1面にバーンと載っているのを見た時は本当にたまげました(インタビューされた内容もばっちし紙面を割いて載せてくれていました)。

 アメリカの新聞は、題材が人間の場合記事の書き出しが名前→その人の身分→人物の概要みたいな感じになるのが定型ですが、イヌの場合もそうなんだ(コディ→CGC→ドッグラン大好き)と分かり、へーっと思った出来事です。






 ここ三か月ほどの間はトレーニングクラスをとる元気が出なかったので、家で細々と今までの復習やトリック「ものを咥える練習」などを続けていました。(ユーチューブの黒枠右下にある5つのアイコンの左端「字幕」を押すとキャプションが出ます)

 ものを咥える練習はちょっとずつ進歩してきていて、サイクリストや他の犬も通る野外の空き地でダンベルを持ち歩いたり、咥えたまま立つ→すわる→ふせ→すわる→つけなど、少しずつ複雑な動きが出来るようになってきました。全体で見ると詰めが甘々ですが、なるべくやる気を維持する方向で、少しでも出来たらどんどん報酬をあげるようにしています。

 はじめは物を咥えるという行動そのものにすごく警戒していた事を考えるとだいぶ上達したように思うし、何かを咥えて適正な力かげんで保定するというのは犬にとっては結構神経を使うようで、頭も体も同時に鍛えられていいかんじだと、自画自賛しています。

 次のステップとしては、クリッカーを使って一つ一つの動きを正確にして(今まではアナログな教え方をしていた)、それが出来たらダンベルを咥えて障害物を飛んで戻ってこられるようにしてみたいです。あと、できれば報酬をタグトイに変えたい。けどこれは難しいかもしれないと半分諦めています。色々手を変え品を変え試してみましたが、コディは私とものを取り合いたいというモチベーションが殆どないので、難しいと感じました。

 モチベという点ではコディはトリックの練習などに関するモチベ―ションも全体的に低いです。先日しびれを切らして「おめさん、シェパードなのに何もしないなあ」と口走った所、口を開けてお饅頭の様な顔をして、ニヤニヤしていました(全てが許される犬のあの顔)。前にもうんちくを書いた通り、犬の作業欲求が低い事は家庭犬としてはぜんぜん悪い事じゃない(むしろ好ましい)と思いつつも、少し残念です。



道行く人に「クマちゃんみたい」と言われ、撫でられることが多い


 上はコディが家族に加わってから初めてバージニアに遊びに来てくれた義父母と一緒にグレートフォールズ公園へ歩きに行った時の写真。今回の彼らの滞在では、自分にとって、今まで犬に色々教えてきたことが実を結んだと感じた瞬間が結構あって嬉しかった。




2016年5月24日火曜日

最近の自主トレ

うちのキッチンが小さいのではなく、犬が大きい(いいわけ)


 地味に続けているコディの自主トレ記です。立ったまま物をホールド→ホールドしながら座る→待つ、と、少し難易度が上がりました。意外と口が敏感だと分かったコディのために、身近にあるものの中から何が咥え易いのだろうかと色々試した結果、今は牛のアキレス腱に落ち着きました。ホールドしながら体制を変えるのがかなり難しいらしく、まだまだスパッと出来るようになるには時間がかかりそうです。表情も硬いので、練習を重ねてもう少しリラックスしながら出来るようになるといいなあと思っています。

 おもしろかったのが、それまで牛アキレスと言えば大好きなおやつだったのに、ホールドの練習に使用するようになってからは、おやつ→→→何かが起こる魔法の棒へと、その存在が格上げになったらしいことです。留守番の時などに置いて行っても、食べずにとってあるのを見かけるようになりました。やはり食べ物を使う案は良くないのかも知れません。何か、他にいいものを見つけないと。


友達の愛犬(小型犬)にあげる分、お土産袋に異物混入したと思われないよう、リボンを結んでみた。


 食べ物ねたその2です。

 日本滞在中、実家の近所のペット量販店でみつけた「サメ軟骨」。サメの軟骨と言えば、一部ではガンを治す効能があると信じられていて、漢方として犬にあげる人もいるようですね。これらの効能に科学的な根拠はないそうですが、犬にとって健康的でおもろいおやつだという事には、間違いなさそうです。袋を開けた時、海産物の乾物のとてつもなくイイ香りが部屋中に広がって、普段からニボシ一匹貰っただけでも有頂天になるコディは、もう夢み心地だったようです。お気に入りのラグの上にサメ軟骨のかけらを置いて、それを舐めたり口に入れたり、出したり、一人シッポを振りながら食べていました。




 食べ物ねたその3。

 管理人が愛読しているブログ、ドイツ釣りにんげんの筆者akaさんが紹介されているのを見て「いいなあ!」と思っていたドイツのトレーニングトリーツ「チュビドッグ」をゲットしました。レバーヴルスト味で、内臓スキーである自分にとっては、非常時はこれでビール飲めるんじゃ!と思うくらい、とてもおいしいそうな香りがしました。鈍りまくった人間の鼻でもそう思うくらいなので、イヌにとってはきっとたまらない香りがするのだと思います。

 因みにこのおやつは、友人の愛犬の似顔絵を描いたときに、その友人がお返しの一環にとドイツに帰省ついでに手持ちで持ち帰ってくれたものなのです。おお、心の友よ!感謝、感激でした。




 いいオヤツが色々揃った所で、外でのトレーニングも再開しています。赤ん坊を寝かしつけた後、街のお店が閉まるまでに1時間ほど猶予があるので、行って様々な場所をまわっています。ペット量販店やホームセンター、通路の広い大型のユテリティグッズ屋などが練習しやすいと感じます。写真はThe Container Store、直訳すると「入れ物や」ですね。文字通り収納ボックスや容器類に特化したお店ですが、このビジネスモデルを考え付いた人すごいなと、来るたびに感心します。ともあれ、最近急に湿気て暑くなってきたので、冷房の効いた店内での練習は犬にとっても嬉しいようです。


ショッピングカートをわざとガタガタ言わせたりして、不審な目で見られた。


 お店を入った所で、店内の端っことかジャマにならない場所に(こんな感じで↑)静かに伏せていられるようになれば、他の人の迷惑になったり、犬が割れ物を触ってしまうかもと言う心配もなくゆっくり買い物が出来るのではないかと思いました。いつかそんな日が来るだろうか。




 今日の最後は「ちいさいにんげん」の「あたま」です。
 日本でお宮参りへ行った次の日から、だんだん毛が生えてきました。
 なんか御利益があったんだろうか???


2016年5月19日木曜日

シャイロの運動量

不在の間に季節が変わっていた。 野生のバラのシーズンに間に合った!

 あっという間の日本滞在も終わり、北バージニアへと舞い戻りました。旅行後の後片付けをしながら、日常生活も再開です。ほぼ五年ぶりの日本でのおもしろかったエピソード(例に漏れず殆どは動物関係;)などを、撮りためた写真などとともに今後も時折紹介したいと思います。とりあえずこれから、64ギガのメモリーカード二枚分(!)の写真を整理します。

 三週間ぶりに帰宅した時、愛犬コディはクレートの中で、存在を感じられない位静かに息を潜めていました。薄暗いクレートの中からオレンジ色の小さな2つの目がじーっとこちらを見ていて、自分の帰宅をあまり喜んでいないのか?と思いつつ扉を開けると、途端に飛び出して小さいキッチンの中でヒーヒーと鳴きながら、ぐるぐると円を描いて走り回りました。心臓発作にでもなるんじゃないかと心配になるくらい興奮していたので、コディが年取ったら、家を長期で空けるのは難しいのかもしれないと、漠然とした不安を感じました。

 家人の話によれば、自分が発って一日目、二日目は(窓の外を見たり、不審そうにしながらも)まあまあ普通にしていたものの、三日目に家の中を探し回る素振りを見せたそうです。犬は、長期記憶はあまり良くないと聞いた事がありますが、コディの日々のルーティンの中で、私の存在に関する記憶をトリガーする状況が多々あったということなのでしょうか。不思議でした。

ビミョ~な表情のふたり

 帰宅翌日の朝散歩の様子。1歳4カ月になったコディは、日ごろの運動量がきちんと足りていれば、あさイチでドッグランへ行かなくてもこうしてバギーの横を落ち着いて歩いていけるようになりました。個人的に、下準備ナシでも町中で落ち着いていられるようになったのは、嬉しいステップアップと感じています。

 そういえば、シャイロシェパードの運動量に関しては、ときどきこの犬種に興味のある人との間で話題になるもののひとつで、色々な説があるようです。彼らが言うに、ネット上のサイトでは「アパートメントで飼えて、ローエナジーなので散歩は少しでOK」的な記述をしているサイトもあると聞きました。

 確かに運動量さえ足りていれば、セオリー上はシャイロシェパードを(というかどんな犬でも)アパートで飼うことは可能だと思います。また、同じシャイロでも、犬によってエナジーレベルの差があるので、特にのんびりした個体に関しては、本当に少しの散歩だけでもOKなのかも知れません。一方私個人の見解では、少なくとも犬が若いうちは毎日最低2~3時間くらいは、なんらかのアクティビティをさせてやることが、心身の健全な発達に必要な気がします。

 うちの犬を例にとると、土のあるところで、色んな匂いを楽しみながら、勾配の有る場所を延々と自由運動するとか、途中でちょっと泳ぐとか、トレッキングやハイキングに類する運動スタイルを特に好むみたいです。見た目はちょっとズングリしていますが、気候さえ良ければ歩いたり走ったりしながら6時間くらいならノンストップで外遊びをエンジョイできるタフさもあります。家にいる時も風通しの良いベランダやデッキの上など外に居る事を好むのを見ると、他のシェパード犬種達と同じく、本質的には半ソト犬なんだろうという感想を持ちます。

「質の良い運動場」の一例 (笑)

 この犬種に関しては、コンクリートの上で一気に走らせるような運動(長距離のジョギング、自転車での曳き運動など)は2歳くらいまでしない方が良いというのは、複数のブリーダーから聞いた事です。やはり体重があるので、質の良い運動場に日ごろからコンスタントにアクセスできるかがミソな気がします。

2016年4月30日土曜日

東京鳥聞録

「美魔女よ!」と申しております。


 日本に帰省しています。ふるさと東京に滞在するほか、家族の故郷山口県にも立ち寄ってきました。
 久しぶりの日本の田舎は、犬が減ったのにビックリ。
 かわりにちょっと未来のペットを思わせるおもしろい動物に出会いましたので、あとで書きたいと思います。
 写真は実家においてきた愛ハトです。4月24日にお誕生日を迎えました。
 15歳めざして元気で頑張れるよう、アメリカへ戻る前にひよこ電球をプレゼントしようと思います。


家の中を縦横無尽に飛び回るぽっぽさん

タンスの上を闊歩


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2016年4月19日火曜日

IPO競技会へ



  数日前から棒状の物を口に咥えさせる練習をはじめました。まだずっと咥え続けていることはできないですが、カメラのキャップを外して写真を撮るくらいの時間は待てるようになりました。咥える=座るという行動がリンクしないように次からはショートリーシュをつけて練習するのを覚えておかないと。

 コディは硬化プラスチックとか、金属のパイプとか、変な質感の物が歯に当たるのが大嫌いです。一方で、ちゃんと気を付けてホールドしてないと物を落っことしてしまうので、こういうのは集中力を鍛えるいい練習になりそう。最初は件のダンベルで練習を始めたのですがうまく行かなかったので、使い古したナイラボーンをホールドさせるところから始めました。写真ではミント味の骨がむを咥えています。木で出来たダンベルがあればもっとやりやすいかも。

2016年4月9日土曜日

新しい友達

ベランダでものおもいにふける?コディ


 四月となりました。気候はまだ暖かくなったり、寒くなったり雪がちらついたり(!)と不安定ですが、鳥や動植物の様子を見ると春はちゃんと訪れているようです。うちの犬「コディ」は生後14か月めに入り(おつむの方はともかく)体の方は体重が50キロを超え、毎日の赤ん坊連れ散歩のおともをりっぱに務めてくれるようになりました。

 今週で、コディを去勢してからだいたい1ヶ月が経ちました。ホルモンがだいぶ抜けたからなのか、どうなのかは分かりませんが、見慣れないものやほかの犬に対する反応がマイルドになった気がします。それから、散歩の途中でも撫でられると喜んで、耳ペタでヘラヘラするようになりました(以前は散歩中は常に真顔、シッポは先っちょを気持ち程度に振るだけだった)。去勢前と後とでオビディエンス的な意味合いでの行動は変わらないものの、以前はもっと衝動のおもむくままに探求したい欲求があったのを、我慢しながら散歩していたのかも知れません。今の方が全体的にリラックスしているように思います。


コディとニック


 それからこれも去勢に関係した事かもしれないと思っているのですが、いつも行くドッグランでとても面白い事が起こりました。コディに大人のオス犬の親友が出来たのです。ドッグランによく来るボーダーコリーのニックは、飛行機と走っている車の車輪、浜辺のさざ波がちょっと強迫的なレベルで好きな(←ボーダーコリーあるある)かわいい犬ですが、このニックとコディとは、今までの1年間ほぼ毎日のように顔を合わせていながら、1度も一緒に遊んだことがありませんでした。

 この2匹は年齢も違うし(ニックは3歳半)、ニックの好きな遊びというのは走り回る他の犬を追いかけて鼻先でこづきながら自分の思ったほうへ走らせると言う、いわばハーディングごっこなので、どすこいぶつかり稽古派のコディとは接点がありませんでした。ところが数日前、ランに入って互いに軽く挨拶 を交わした所で、二匹の間で何か「パチッ」と化学反応が起きた瞬間を目撃しました。そして、彼らは猛然と遊び始めたのです。



2016年3月29日火曜日

ペットエキスポへ



 三月ももうおしまい、ここ北バージニアでも日差しがどんどんと春めいて、満開になった桜のすきまから、あっという間に若い葉っぱがのぞくようになりました。ここまでくるとあとは一気に暑くなっていきそうな予感。日照時間ものびて、最寄りのドッグパークではイブニング・タイムの人波が復活しました。人々も犬もみな暗い冬のあとの再会の喜びを分かち合っているようでした。

 家でも、アフターファイブに家の人が犬の散歩をやってくれる日が出てきました。ふだん一人で全ての犬の世話をしているし、散歩中のルールが変わるのがいやでなかなか散歩を人にかわってもらおうと思えない性分ですが、一日一回でも誰かが散歩を手伝ってくれるとこんなにも体が楽なのか!と目の覚める思いでした。やはり大型犬は家庭で分担して世話するものですね(あたりまえ?)。

2016年3月19日土曜日

エリマキドッグ


 思い立ったが吉日ということであのあと獣医さんで手はずを整えていただき、去勢手術が終わって、家に帰ってきました。すでに場所をだいぶとってるコディが大きなエリザベスカラーをつけてゴトゴト動き回るので、もともと小さい居間がさらに狭く感じられます。そして、手術のあとペっちゃんコになったイヌのたまたまを見るとかわいそうやら、気の毒やらで、本人が(犬)が何もわかっていないのがせめてもの救いです。

 コディはカラーをつけてから食欲がなくなってしまいました。餌にかんづめをちょっと入れてやったり、餌台の角度をかえたり鎮痛薬をあげてみたり、ちょいちょい様子を見ていますが元気がありません。病院へ行って先生や看護師さんに囲まれて楽しくはしゃいでいるうちに急に朦朧として、目が覚めたらエリマキトカゲならぬ、エリマキイヌとして生まれ変わっていたのから仕方ないですね。ハンスト二日目に試しにドライフードを手からやったらポリポリといかにもつまらなさそうに食べていました。

『ゆうつ』モードのコディ。


 去勢後5日間は激しい運動はダメと言われたので、その間はフレキシをつけて地域の遊歩道をゆっくり・しっかりめに歩くことにしました。ここ数日間はバギーを押しながらOR抱っこひもをつけて、朝夕で計10~15キロくらい歩きました。アメリカに越して以来こうしてコンスタントに長距離を歩くことが無かったので体がなまりまくっていた事を痛感。こんな体たらくでは日本へ帰ってももう山には登れないな(引っ越すまでは毎年富士山に登っていたのに)。

 反面歩き散歩の最中、遊歩道脇の雑木林で、朝もはよから頑張っている鳥類の姿を頻繁に見かけることが出来たのは得した点でした。ふだんこの時間帯は公園かドッグランにいるのでずっと知らずに過ごしていましたが、こんなに面白い鳥の世界があったんだと気付き、ちょっともったいなかったと思いました。

 とくに感動したのは4日目の朝にクロコンドル(American Black Vulture)三羽の食事風景に出くわした事です。これは、歩道から20メーター位奥まった場所だったので見つけられてラッキーでした。すごいと思ったのは、この鳥達のすごくおっとりした性質です。真っ黒で大きく「森の掃除屋」と言われるイメージとは違い、穏やかで静かな鳥達で、カメラをもちながらいつのまにか5、6メートルくらいの距離まで接近していました。野生の鳥なのに!この寛容さに感激して、すっかりファンになってしまいました。以下に写真をアップします(一部動物の死骸が写ってるので「つづき」に畳みます)。

2016年3月14日月曜日

ボール遊び


 もともとボールにそれほど執着のない子犬だったコディなので、トッテコイ遊びを少し工夫しています。途中でゲームの展開が読めるようになってくるとおもしろさが減少してしまうので、コディ的に価値の異なるボールを6こ用意して、場所や状況に応じて投げるボールの種類を変えながら遊んでいます。たまに逆戻りしたりもしますが、基本的にはとってこいをすればするほど次に飛んでくるボールのランクが上がっていくので、最後まであまりダレずに遊べるようになった気がします。ボールのランクは、マックスアウトする前、犬が「もう少し遊びたい」と思う所でやめにして、次回への期待感をのこします。最高ランクのボール(上の青いボール)は投げず、遊びの終わりに「コイ」でサッときてリーシュをつけさせた時点で、手渡してあげています。


 ボールはフィールドで投げる瞬間までは「ボール入れ」にしまっていて他のどんな時も触る事が出来ないようになっています。また、ボール入れにはたまにフリスビーや枝が混ざっていることもあり、コディにとっては次どんなオブジェクトが飛んでくるのかわからない事があるので、ここでも多少ワクワク感が増すようです。


 投げるボールの種類をかえるほか、他のゲームと融合させたりしてもったいつけてから投げることも多いです。最近よくやっているのは「あれ拾って」ゲームです。

 以前、犬が落ちてるペットボトルを拾ってこれたら便利かもみたいなことを書いた事がありますが、そのアイデアを転用したゲームです。今日の収穫は1ガロンの水容器と、ミネラルウォーターのペットボトル。週末明けの公園にはこういうものがそこかしこに散らばっているので、いい練習場になっています。近く(2、3メートルくらい)まで歩み寄って「あれ拾って」と言えばだいたい拾って、私の手のところまで持って来られるようになったので、次はもっと離れたところにあるオブジェクトをターゲティングにするにはどうしたらいいか、犬にとって指示を明確にするのになにかいい方法はないか考えています。


 数日前の夕方のトッテコイのビデオです。前で赤ん坊をしょっているのであまり遠くへは飛ばせていませんが、こんな感じでちょっとづつ移動しながら、30分くらい遊びました。このあと遊歩道をまた小一時間ほど歩き(私は春先の両生類ウォッチが出来てウハウハ)、帰路につきました。

2016年3月9日水曜日

週末のログ



 週末いった所・やった事の記録。

 土曜日はバージニアとワシントンDCのちょうど間あたりに位置するおハイソな街、クラレンドンで「クラぶら」してきました。と言っても真にぶらぶらするほどの広さはなく、「小さな小奇麗なエリア」という感じの場所です。雰囲気は大変良いのに案外やることは少ないという点で、東京の白金に似ているような気もします。そんな場所で子・犬つきでぞろぞろしていると出来ることがさらにかなり限られ、この生活があと数年続くと思うと正直気が滅入りました。

 これまたおハイソなアウトドアブランドORVISのドアに「Dogs Welcom」の文字を見つけたので入ってみると、綺麗過ぎて、恐れ多く、とても使えないような釣り竿やルアーが所狭しと並べられていました。見るだけでもとても楽しかったです。フライの針に使う素材になるシカの尾やリスの尾もあり、これで友達の飼ってる柴犬用のルアー作ったらどうなるかなあ等と妄想しました。フィールド用の犬の首輪をプリントしてくれるブースや、犬雑貨もいろいろあり、楽しめました。コディもビスケットをもらえました。



ドイツから来たGシェパのフィギュリン発見!あんまり腰がおちてないような

 お次はまたぞろおハイソなベビー・子供グッズのKinder Haus Toysへ。ドイツ製のおもちゃ類を中心に、ヨーロッパの輸入子供雑貨が売られていました。私見ですがこの辺に住む若い親世代の間では、原色バリバリで目の中に星が飛び散っているアメリカ製のお人形よりも、より素朴でリアリスティックなディティールにこだわった(または美しくシンプリファイされた)西欧のおもちゃや洋服の方が人気があるようです。

 ところでワシントンD.C.は北米でも人種のダイバーシティが最も多様な街のひとつですが、ここでいろんな言語教育のためのつみきが売られているのを見つけました。もちろん日本語のも。このアメリカという地に生れ、アメリカ人として、そして日系ニ世、ロシア系ニ世として育っていく娘の人生がどんなものになるのか、思いを馳せました(そして自分の想像力では全く思いもつかないことにも気が付いた)。いつか遠い未来のある日、自分も、コディもいない世界を生きている彼女の事を考えるとちょっと不思議な気分になります。




 日曜日は自分・子・犬の三匹で、フライングパン牧場公園へ行きました。牧場の、特にウシのフンに含まれるバクテリアの死骸は赤ん坊の免疫機能を強化するそうなので、良い散歩場所だと思いました。ただ犬にとってはすごい刺激のある匂いでいっぱいなので、あっちゃこっちゃしてしまうコディをうまくハンドルするのが大変でした。

 ヒツジの柵まで行ってみるとオスの羊がこちらへ向かってやってきました。すごく大きい羊でしたがとても人懐っこく、犬にも全く物怖じせず、感心しました。




{{{ヒツジさん逃げて!!!}}}


そんな「獣っぽい系」のお肉の香りに目のないコディ。
この週末はふつうのご飯にテイスト・オブ・ワイルドのシカ味をトッピングしましたが、あまり反応していませんでした。
何がだめだったのだろうか。




2016年3月4日金曜日

ピットブルのこと


 新年早々ランで犬にはねられ華麗に宙を舞ったばかりの私でしたが…

 ドッグランでコディの事を気に入らなかったらしい、大型のオスのピットブルが、歯を剥き出しで突進してきました。コディはそれ以前にも地面にころがってお腹を出して、好きなだけオシリの匂いも嗅いでもらって、どこまでも低姿勢だったので、「大丈夫そう」と思った矢先でした。

 向かってきたきた犬とコディの間に入った時、スキー用のグローブをはめた手に衝撃を感じ、その時は相手の歯がちょっと当たった程度と思っていましたが、場が収まってからしばらくすると、左手が痺れてズキズキしていることに気付きました。手を出してみるとなんと!小さな穴が開いて、傷口の大きさのわりにびっくりするくらい血がたくさん出ていました。帰りに薬局でベタダイン(日本のイソジンみたいな薬)を購入し帰路につきました。

 奇しくもこの日は夕方からの獣医さんのアポイントメントで、コディの去勢手術の日程を決める事になっていました。不運だったとはいえ、ランでこのように成犬オスから厳しくマークされたのは初めてのことだったので、そろそろ潮時かも知れないと感じました。本当は月齢16カ月から24カ月の間でと考えていたところを、日程を早めて14カ月目(=今月)に行う事に決めました。※ここから先はピットブルに関して超ながながと自論・暴論?展開しているので、よかったらそれでもOKな方だけお読みになってください。


ランに嫌な思い出を残さないため、同じ場所に午後もう一度訪れた。
ほとんどハスキーちょっぴりウルフmixの女の子とは以前からの仲良し。


 それにしても、ピットブルほど「人を憎んで犬を憎まず」だと思う犬はいません。

 この現象、アメリカだけかもしれないけれど、カジュアルな感じでピットブルを飼う人が、とにかく多すぎるように思います。またこの犬種は基本的にラン向きではないと思いますが、(子犬・若犬のころなら楽しめる個体も多いですが)無理にランで遊ばせようとする人も目立ちます。

 犬の事について真面目に勉強していないオーナーがとても多いのも気になっています。今回の犬の飼い主さんも、自分の犬の様子は一応ちゃんと見ているものの、犬の出すサインをあまり理解しておらず、自分の犬が他の犬にものすごくマッチョにしているのが全く分かっていないようでした(それどころか「ジュノー、ナイスよ~」と褒めていた)。たまたまその場に居合わせた別の飼い主さん曰く、コディが来る前にも何度もほかの犬と小競り合いがあったそうなので、パックドライブの強い犬で、恫喝癖がついていたのだと思います。

 私は以前、とてもお世話になった知人がこの犬を沢山飼っていて、生れたての子犬と触れ合ったり成犬ともよく一緒に遊んだ、ほんとうに楽しい思い出がたくさんあるので、ピットブルには特別な親しみを感じています。いろんな個体と触れ合って私が知った事は、ピットブルはとても性格が良く、楽天的で人間に対して非常に従順なので、教えてあげれば本当に様々な事が出来る犬達だということです。わざわざランへ連れてこなくても、トレーニングやアクティビティを通して十分幸せにしてあげることが可能です。

 またもう一つ気になっている事があります。最近、この界隈でピットブルにポジティブ・レインフォースメント(+R)のトレーニングのみで頑張ってる人もよく見かけます。このあたりは意見が分かれるところと思いますが、個人的には、ピットにはバランス型の訓練が適すると考えます。バランスというのは、良い事をした時はどんどんクッキーを貰えて褒められるけれど、望ましくない行いをした時は、その行為に帰結(コンシークエンス)があるのだと犬が分かっているべきだという事です。

 このあたりは個体の差が激しい部分になりますが、非常に強い闘争心を持つように改良された過去のある一部のピットブルのドライブは、普通の飼い主には理解できない・普段のその犬の姿からは想像もつかないくらい激しい事があり、その分強いブレーキが必要だと思うからです。闘犬の本能とは、おなかに穴が開いたり、究極的には命を失うまで闘争を続ける可能性があるということであり、激烈な欲求です。クッキーや褒めでリダイレクトできる類のものではありません(繰り返しますが『一部のピットブル』についての話で、一般的には、蚊も殺さない優しい犬が大半ということは、強調しておきます)。

 気を付けねばいけないのは、自分の犬が一生のうち一度でもそういう、強烈な闘争本能に火がつく境地に陥ったとして、たとえその1回だけであったとしても、他者やほかの犬に致命的な危害を加えるのには十分なのだということを、飼い主がしっかり認識していなくてはいけないという点です。それを踏まえたうえで、ピットと暮らすのに最もたいせつなことは、飼養管理(マネンジメント)をきっちりとやることにつきます。周囲の人や動物も、犬自身も、安心して暮らしていけるライフスタイルを維持するためには、無用な興奮や争いの可能性のある場所を避け、観察と勉強を重ねながら、落ち着いた環境下で丁寧に犬を飼うことが不可欠です。


私がよく遊んでいたピットブル。ツギハギだらけの顔を擦り付けてくるかわいい奴だった。
元闘犬で、負けたのでポイっとボロ雑巾のように捨てられたのを、貰われてきた犬。
人間が大大大好きで、とても良いコンパニオン・ドッグの素質があった。

 いわゆる「強い犬」、ピットもそうだし、ロットワイラーやドゴ、マスチフ、アキタ、闘犬、護畜犬、etc.を飼ってる人は、「自分の犬との暮らしを楽しみたい」という欲求を満たす前に、まずは社会生活上の責任を果たすべきです。責任とは、犬を100%いつ・何時でも自分のコントロール下に置くことでありまた、このコントロールを得るために手段を選ばないという覚悟です。これは、オビディエンスどころか基本的なしつけにも手こずった先代のドーベルマンが教えてくれた事でもあります。書くとかんたんそうだけれど、犬の一生を通してやりきることはお金も、時間も、精神力も膨大に消費するので、「誰にでもできる」とは到底言い難いことです。

 今日はとりわけ長くごちゃごちゃとウンチクを書いてしまいましたが、とにかく日ごろ街や公共の場でピットがのけ者扱いになっているのが悲しいと思っていたので、考えていたことを書き連ねてしまいました。現状を見てると、自分なんか極端なのでシェルターでピット(含ピットミックス)のアダプトを禁止しろと思う事もあります。非常に残酷に聞こえますがこの犬種に関しては、シェルターが機能すればするほど、レスキューの人達が頑張れば頑張るほど、無責任な飼い主達の間で「飼えなくなったらシェルターに連れてけばいいいや(だれかがなんとかしてくれる)」という考えが蔓延するし、里子にもらったらもらったで、「うちのピットはシェルターから来たから」と、問題行動を正当化する魔法の言い訳を飼い主達に与えてしまいます。これは、問題の核心の一つだと思います。


2016年3月1日火曜日

園芸店へキャラバン




 記念写真ぽい場面で必ず目を閉じるコディ。

 先日思春期に散歩ルートのルーティン化は良くないと偉そうに書いたくせに、よく考えれば自分だって毎朝ドッグランへ行くことで「スケジュールのルーティン化」が起こっていたと反省しました。最近は犬の方も興奮して定時にクンクン鳴くようになってしまっていたし。

 そういうわけでこの日はランへは行かず別の公園でトッテコイをし、ベビー付きで小一時間ほど歩き、その後例の園芸店へ寄って自分・子・犬の三匹で、またぞろ歩きました。自分だけでこのふたりを世話するのはちょっと大変でしたが、冬の間空っぽだった花や樹木のコーナーに苗や蕾のついた若木の数々が、おっちゃん達の動かすフォークリフトで次々と運び込まれる様子を見ていると、何とも言えない春の予感がひしひしと感じられ、行ってよかったと思いました。

2016年2月24日水曜日

この犬な~んだ




 ドッグランに来ていたのはハンガリアン・クーバースの女の子でした。生後五か月。この犬のオーナーの女性とは以前から顔見知りで、もう一頭既に成犬のクーバースを飼っているので、よくこの犬種についての話を聞かせてもらっていました。というのもネット上にある「あなたに適した犬種は?」みたいなセレクター・ツールを使うと、自分の場合、ベルジアンシェパード三種やブラックロシアンテリアと共になぜか参考にあがってくることがある(全然傾向が違うのに)犬種だったのもあり、勝手に親しみを感じていました。

 犬種の詳しい説明はウィキに任せるとして、他の山岳護羊犬と比べるとあまり磨かれてない素朴さを感じる犬です。オーナーの話によれば実際にピレネー犬やバーニーズ等と比べるとずっと実務に傾いた犬達だとか。本質的にソトイヌで、気候が許す限り庭でまったりしている事を好むそうです。この子犬も触ってみると(綿雲みたいな見た目に反して)結構硬めの巻き毛をしていたり、体つきも子犬とは思えないほどがっちりしていて、悪天候下でも職務を全うできるよう頑健なつくりになっているように思いました。警備と言う点ではバッチリで、家(と言っても日本の感覚では「洋館」的な間取り)の中に入れると窓から窓へと、ひとつずつ移動しながら安全確認してくれるそう(笑)。ただオビディエンスは全然ダメで、自分で考え自分で行う、とっても独立独歩な犬とのこと。


こちらはお姉ちゃんのほう。 果敢に挨拶しに行ったコディ(彼女の方は興味ナシ)





 コディ、彼女は高嶺の花過ぎるよ。100遍くらい顔を洗って出直してこないと。と言っても洗顔が大嫌いなおまえにとってはチャレンジだろね・・・。

 この後何かがクリックしあったのか、ちょっぴり追いかけっこをして遊んでくれたお姉さんクーバースでした。それにしてもコディ、メス犬へのチェックが念入りになってきているな。未去勢で1歳過ぎ、場合によってはテンション高め、比較的ラフな遊び方を好むと、ドッグランでは煙たがられがちなキャラを潜在的に備えているのでちょっと気を付けて見ていてやらないと。



2016年2月19日金曜日

バージニア州 タマラック・パーク



 またまたお散歩ログです。向かったのはバージニア州タマラック・パーク。この日は気温はそこまで低くなかった(マイナス7度くらい)ものの、風速が20マイル以上あり、子供は家に置いてでかけました。家のヒトに感謝。

 ふだん週末は「犬の放牧」はしませんが、こういうピクニック日和とは程遠い日は例外です。ねらい目はお屋敷や高級住宅街のなかにぽつんとある緑地帯です。みんな、自分のところで何エーカーもある庭を持っているので、こんな日にわざわざ公園まで出かける人はいない(※一部例外あり。後述します)。


2016年2月9日火曜日

ゲームウォッチな日々

朝のドッグパーク後の車内
コディ1歳、ちび4カ月(写真クリックで拡大)

 色んな人からちょくちょく、どうやって、あなたひとりで小さな赤ちゃんと大きなパピーを一緒に世話できるの?と聞かれる。答えは簡単である。ぜんぜん世話できていないのだ!(笑)。もちろん助けの手を差し伸べてくれる人の助けはどんどん借りようとは思っているけれど、母国の実家から遠く離れ、友達ナシ、お金ナシ(アメリカのチャイルドケアは目玉が飛び出るほど高い)の自分、日常はまさにこちらを立てればあちらが立たずといった感じで、なつかしのニンテンドー・ゲームウォッチをプレイしているような気分になってくる。なにかにじっくり集中してやり抜くという事は諦め、生活がなんとか一定の形態を保っていられるように要所要所で必要最低限のメンテナンスをする。俗に言う「ていねいなくらし」とは対極にある状態だけど、これが今の自分にできる精一杯なのである。

 コディを家族に迎える前、近所に住むドッグトレーナー兼、ドッグサイコロジスト兼、一児の母でもある知人が言っていたことを思い出す。「あなたの状況で子犬を迎えるのには反対だよ。子供にかける時間も犬にかける時間も削られて、どっちつかずになる。そしてあなたは疲れ果ててしまうよ」と。それを聞いて自分も「きっとそうなるだろう」と思った。しかし当時の機会を逃せば、犬を子犬から育てられる機会はひょっとしたら五年、十年後になるかも知れないという予想も同時にあり、考えた末に決めたのだった。「シェパードを飼う」と決めていた以上、子犬と自分がゆっくり向き合う事ができる時間が必要で、子供が生まれてくる前の七カ月間は、それが思う存分できる最後のチャンスだった。それで、子犬を連れてきたその日から、毎日最低二回の運動、一回のトレーニングを、出産前後の5日間を除いて、毎日欠かさずにやっている。

 結果どうだったか?

 友人の予想通り、私は毎日クタクタである。やはり間違った選択をしたんだろうか?と思うこともある。子供が早起きで、朝5時ぐらいにはもう起きてしまうので、そこから遊んで、食べさせて、換えるものを換え、また少し遊んでやり、それから車へ連れて行ってカーシートに入れる。カーシートに入れると寝るから、その間が犬の運動時間となる。ふしぎなもので、毎日朝の運動、昼の散歩、夜のトレーニング、合間合間に子供の相手をしたり家の清掃をやったりで肉体的に疲れ、ついでに夜中もちょいちょい起きて睡眠時間も欠乏気味になると、クリエイティブなことが全く考えられなくなって、ただ目の前にあるルーティンワークに集中するようになる。

 けれどもこんな生活を数年がんばれば、すこし成長した娘と、頼もしい成犬になったコディとのたのしい未来が待っているような予感もなんとなくあるのだ。「あした」とか「あさって」ではなくて、いつかくる「未来」を楽しみに思う気持ち。今まで生きてきて、確率的に、こういう気持ちをもって生きていた時間をあとで思い出すと「ああ、あの時とても幸福だったな」と思う事が多い。だとすれば、自分は今、幸福の内に生きている可能性がある。いかにもシヤワセ~!と目で見て手で触れ、味わえないのは残念だけれど。「幸せ」は虹と似ていて、遠くからだと見えるけれども、自分がその中に居る時はわからないものなのかもしれない。



村いぬ考



    まわりのアメリカ人達がよく使うフレーズに"It takes a village to raise a child"というものがある。子育ての大変さを表す日常表現でもともとはアフリカの諺だったらしい。

    先進諸国でも半世紀ほど前までは、 ヒトの子育てはコミュニティ全体のアクティビティだった。子供は村全体で色んな人が入れ代わり立ち代わり世話をして、さらに時間をかけてようやく一人前の「ムラビト」になっていく。

 いつか日本の新聞で読んだけれど、ひとりの子供を不自由なく育てるのには、最低成人4人分の手が必要だという。自分で小さい子を持ってみても、確かにそう思う。まわりの大人達がかわるがわる世話を負担しあえる環境にあれば、両親達は子供を持ちながらも一人の人としての生産性を失わずにすむし、小さいうちから様々な社会体験を積み重ねていくことは、子供達の心身の発達にも重要な意味を持つ。

コディと散歩中こんな事をとりとめなく考えていて、これって犬にも言えることかも?と思っていた。




 村全体で入れ代わり立ち代わり世話をして、時間をかけてようやく一人前になっていく。自分の記憶をたどれば、日本の田舎でも3、40年位前までは、ヒモに繋がれていない犬がけっこう当たり前にフラフラしていて、人の家の庭でせんべいやミルクにひたしたビスケットなどをもらい日向ぼっこしていたり、表で遊ぶよその子供達のお守を勝手にしていたりする、そんな光景があった。

 両親が好き勝手に恋をした結果生まれてきた子犬たちは、「犬は社会的な生きもの!子犬の社会化!!」と力まなくても、生身の人と動物が行き交う社会の中で、沢山の経験を積みながら育っていくことが出来た。今、自分達のいるモダンな「社会」は、そういった昔ながらの社会からはだいぶ進化?というか、異質なものになってきている気がする。

 もちろんそういう生身と生身の「リアルな社会」には暴力的な側面もあって、闘争なんかは日常茶飯事であり、「リアルな社会化」の過程でケガをしたり病気になったり、最悪死んだりする子供や犬も多くいたわけだから、手放しで昔・礼賛をしたいとは思わない。ただ、子育ても犬育ても、わたしたちの歴史過去何万年もの間、そういうものだったという点はよく覚えておかなくてはいけないと思う。


🐕


 先進国の社会では、小さな子供が悪さをすれば、それはほとんど100%親のせいになる。しつけの悪い犬がいれば、それは100%飼い主のせいである。けれどそれは本当にフェアなんだろうか?

 今の親たちは、飼い主達は、愛情に満ち溢れたよい母親、よい父親であるだけでなく、本来村一つ分かけて用意するほどの環境を一人でとってかわれるほどの、優秀な教育者であることを求められる。どんどん長命になる年長の家族の為に、「良き娘」「良き息子」でもい続けなくてはいけない、そうするためには心身共に非常にタフでなければいけない。さらに仕事をすれば一個人としての生産性をも厳しく追及される。それらは本当に可能なことなのだろうか?

 週末のドッグランのベンチで、ノーメイク、または無精ヒゲを生やして、疲れた顔で携帯電話に顔を落としている人々がいる。以前なら「犬の監督をしないで、無責任だな」と思ってみていたが、最近だんだんそう思わなくなった。もちろん迷惑なことに変わりはないし、ほんとに無責任な人も中には含まれるかも知れないけれど、ハードワークの文化があるここ北バージニアにおいて、家庭でも職場でもタスク・タスクで、週末太陽の下で45分間だけの「マイタイム」をぼーっと過ごしたい人々もいるのだと、今は分かる。そんな貴重な時間をわざわざ愛犬のためにドッグパークで過ごそうと考えた時点でむしろ、とてもえらい人達なのではないかとも思うようになった。






 なんてな事を考えながらバージニア州フレッド・クラブツリーパークをコディと歩いていました。せっかくうちに来たからには、コディにも立派な「村いぬ」になってほしいけれど・・・、そのためにはどうしたら良いのか?自分に何が出来るのか?生後1歳1か月を迎えて、考えています。


2016年1月31日日曜日

バージニア州  ツインブランチ(仮)



 先日の雪嵐で空も水分を使い果たしたのか、すがすがしい晴天が続いていました。週末、赤ん坊を前にしょって近隣のトレイルまで足を伸ばしました。

 地図をみると「クロスカントリートレイル」とただ書かれているこの場所(38.931700, -77.324764)は、近くの道の名前から勝手にツインブランチ・トレイルと呼んでいるところで、どちらも総延長40マイルを超える北バージニアの二大トレイルThe Gerry Connolly Cross County TrailWashington & Old Dominion Trail 、それに5マイルほどの平坦で手軽な地域の遊歩道The Turquoise Trailを繋ぐちょっとしたハブポイントになっている場所です。普段は木々が生い茂り、夏場は毒蛇や半裸のヒッピーも出るのでなかなか木立へ分け入るチャンスもないですが、雪の日は特別です。車を停めに行きがてら近くの駐車場を覗くと、ほかの車は一台も止まっていませんでした。このトレイルはなぜかいつも人気があまりない = 犬の放牧(笑)にはうってつけなのが魅力です。