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2020年8月16日日曜日

シェパードと借家


 今、借りているアパートでは犬を飼うことができます。先日は共用エリアでジャーマンシェパードの子犬を散歩している住人と世間話をしました。「コロナで在宅勤務になって、運動不足だし、丁度いいからこの子を迎えたの。」と話してくれました。訝しげな眼で私の事を見るその子犬の様子を見ていて私は、今年生まれた子犬達が社会化に大きなハンデを課されていることに気が付きました。

 この話題については、やっぱり同じことを考えてた人がいたみたいで、アメリカンケンネルクラブの記事にもまとめられていました。また「行動の変化」という点に目を向けると、成犬であっても、自主隔離生活期間が長引くにつれて分離不安傾向が強まる等の問題が考えられるようです。犬によっては分離(セパレーション)の練習をし直す必要が出てくるかもしれません。この話題について気になる人はBloomberg Businessweekのこの記事も見てみてください。残念なのですが、時間的にまとめる機会がなさそうなので、、、

 
関係ない写真:ボロ屋の思ひ出


 時を遡って3月、家を借りる前の話です。借家を斡旋してくれるエージェントが、車の窓から無言でこちらを覗いているコディを見たとき、一瞬むずかしい表情になりました。予想しなかった「アメリカで犬と一緒に家を借りる」という段になって、比較的犬にやさしいイメージのあるこのバージニアでも、ジャーマンシェパードやロットワイラー、ドーベルマン、ピットブル等がいる家庭は賃貸探しが比較的難しいことを、改めて実感した瞬間でした。

 私達の場合は、事前に「都市の優良家庭犬資格(CGCU)」を取った時のペーパーワークとセラピードッグ(TDI)の証明書(☞これをとった時の長くドキドキした話)、実際の活動の経歴などを簡単にまとめたものを準備しておいて渡したところ、賃貸の査定の時に有効だと言われました。アメリカの優良家庭犬資格などは「やれば誰でもとれる」とか、とってもあまり意味がないとか様々なことを言われていますが、公的な認定はこうした場面で効力があるという事を、再確認しました。大型の犬やいかにも強そうに見える犬種の飼い主は目指すと良さそうです。いつかどこかで役にたつこともあると思いました(法廷でも有利に働くそうです)。

 とまあちょいちょい苦労しながら晴れてのアパート暮らしが始まったわけですが、3ヶ月ほど暮らしてみて「やっぱりうちの犬にはやや無理があるかな~」と感じています。手前みそですが、コディはとても良い番犬で、そのおかげでボロ屋時代は毎日安心して暮らすことが出来ていました。ところがアパート生活では彼の番犬としての「良い資質」が、ぜんぶ裏目に出てしまうことに気が付きました。

 窓が沢山あって明るい部屋ですが、逆に家の前の通り道が丸見えで、コディは定期的に見回りに行き、吠えようとします。声量があるのでとてもうるさいです。「もういいよ」と言うと渋々吠えるのをやめますが、「ウオ~、ウオ~」「ピーピー」と文句を言う事もあります。犬からしてみれば、「あそこにまだヘンな人がいるのに」といったところでしょう。フラストレーションがたまるようです。

 また、住居の構造的にも難しい点があります。自動ドア、みしらぬお掃除の方、オートロックが開く「ピー」というハイピッチ音など、犬的にこれはチェックしないと!と強く気持ちを煽る仕掛けが点在します。エレベーターなどもまさにそうで、セラピーの訓練でも実地でも何度も利用して全く慣れたものでしたが、日常使いのエレベータだと、急にドアが開いていきなりガウガウと吠える犬が現れたりします。

 コディは、吠えられると引き下がらず、前に出ていくタイプです。案の定速攻で覚えて準備(ドアが開いたらとりあえず吠える)するようになってしまい、ついには人が立っているだけでも吠えるようになりました。セラピードッグとしては、かなりまずい状態です。別途練習することになりました。シェパ飼いの皆さんはご存知だと思いますが、いらんクセは一度で覚え、直すのには10倍時間がかかるので、結構疲れました。

 最も深刻な懸案事項は、集合住宅で夜不意になったりする全館火災報知器の爆音です。5歳を過ぎて音に敏感になりつつあるようで、火災報知器が鳴った日のコディのテンパり様は、とても可哀想でした。私達の安全な暮らしのために絶対必要な装置だと思いますが、音とあわてて移動する人々の喧騒や、階段で出会う混乱した他の犬に吠えられたりと、感受性のやわらかい1才未満の若い犬や、音響シャイな犬などにとってトラウマになってもおかしく無い状況が生じます。「もう、鳴りませんように」と祈りながら住んでいます。


2016年5月19日木曜日

シャイロの運動量

不在の間に季節が変わっていた。 野生のバラのシーズンに間に合った!

 あっという間の日本滞在も終わり、北バージニアへと舞い戻りました。旅行後の後片付けをしながら、日常生活も再開です。ほぼ五年ぶりの日本でのおもしろかったエピソード(例に漏れず殆どは動物関係;)などを、撮りためた写真などとともに今後も時折紹介したいと思います。とりあえずこれから、64ギガのメモリーカード二枚分(!)の写真を整理します。

 三週間ぶりに帰宅した時、愛犬コディはクレートの中で、存在を感じられない位静かに息を潜めていました。薄暗いクレートの中からオレンジ色の小さな2つの目がじーっとこちらを見ていて、自分の帰宅をあまり喜んでいないのか?と思いつつ扉を開けると、途端に飛び出して小さいキッチンの中でヒーヒーと鳴きながら、ぐるぐると円を描いて走り回りました。心臓発作にでもなるんじゃないかと心配になるくらい興奮していたので、コディが年取ったら、家を長期で空けるのは難しいのかもしれないと、漠然とした不安を感じました。

 家人の話によれば、自分が発って一日目、二日目は(窓の外を見たり、不審そうにしながらも)まあまあ普通にしていたものの、三日目に家の中を探し回る素振りを見せたそうです。犬は、長期記憶はあまり良くないと聞いた事がありますが、コディの日々のルーティンの中で、私の存在に関する記憶をトリガーする状況が多々あったということなのでしょうか。不思議でした。

ビミョ~な表情のふたり

 帰宅翌日の朝散歩の様子。1歳4カ月になったコディは、日ごろの運動量がきちんと足りていれば、あさイチでドッグランへ行かなくてもこうしてバギーの横を落ち着いて歩いていけるようになりました。個人的に、下準備ナシでも町中で落ち着いていられるようになったのは、嬉しいステップアップと感じています。

 そういえば、シャイロシェパードの運動量に関しては、ときどきこの犬種に興味のある人との間で話題になるもののひとつで、色々な説があるようです。彼らが言うに、ネット上のサイトでは「アパートメントで飼えて、ローエナジーなので散歩は少しでOK」的な記述をしているサイトもあると聞きました。

 確かに運動量さえ足りていれば、セオリー上はシャイロシェパードを(というかどんな犬でも)アパートで飼うことは可能だと思います。また、同じシャイロでも、犬によってエナジーレベルの差があるので、特にのんびりした個体に関しては、本当に少しの散歩だけでもOKなのかも知れません。一方私個人の見解では、少なくとも犬が若いうちは毎日最低2~3時間くらいは、なんらかのアクティビティをさせてやることが、心身の健全な発達に必要な気がします。

 うちの犬を例にとると、土のあるところで、色んな匂いを楽しみながら、勾配の有る場所を延々と自由運動するとか、途中でちょっと泳ぐとか、トレッキングやハイキングに類する運動スタイルを特に好むみたいです。見た目はちょっとズングリしていますが、気候さえ良ければ歩いたり走ったりしながら6時間くらいならノンストップで外遊びをエンジョイできるタフさもあります。家にいる時も風通しの良いベランダやデッキの上など外に居る事を好むのを見ると、他のシェパード犬種達と同じく、本質的には半ソト犬なんだろうという感想を持ちます。

「質の良い運動場」の一例 (笑)

 この犬種に関しては、コンクリートの上で一気に走らせるような運動(長距離のジョギング、自転車での曳き運動など)は2歳くらいまでしない方が良いというのは、複数のブリーダーから聞いた事です。やはり体重があるので、質の良い運動場に日ごろからコンスタントにアクセスできるかがミソな気がします。