2015年4月29日水曜日

春爛漫



 小鳥が朝の5時からぴーちくぱーちく、ヒナやパートナーの為の餌探しにひっきりなしに飛び回り、小川を見れば何かの卵がフワフワと水底に揺れて、野の草花もびっくりするような激しい勢いで開花してきています。まるで大地の命のエネルギーが色とりどりの火になって噴出しているような感じで。管理人の住む北バージニアは春という季節のうちでも、もっとも派手な時期に突入したような気がします。写真の花は、管理人がこの時期で好きな野草のひとつで、Bleeding Heart「血を流す心臓」という名で親しまれている花、実は日本のケマンソウ。園芸種として人気が出て、北米に移入されたという話です。花が可愛らしいので去年、自分の裏庭のすみっこにも植えてみたのですが、それには花がつきませんでした。「置かれた場所で咲きなさい」と言うフレーズがあり、前向きでいいと思いますが、自然の草花はふつう、咲く場所は自分で選びますね。だから自分の教訓は「咲けぬなら、無理をしないで 咲ける所に行きましょう」です(笑)。


自生するピンクと白のケマンソウの横で。「チ~ズ」
生後15週目の終わりに差し掛かった。体重が50パウンド(22キロ)になった日

春を告げる花 バージニア・ブルーベルと。



 話題その2。先日、うちから車で1時間ほど西へいった所で小さなシャイロ・シェパードのケンネルを営む知り合いの家で、パピー・プレイデートがあったので行ってきました。仔犬は5頭、コディ以外の4頭は全て兄弟だったのではじめは仲良くしてもらえるか心配だったけど、穏やかで面倒見のいいメスの仔犬たちに遊んでもらう事が出来、本人(犬)はとても満足していた様子だった。この知人の家を訪ねるのは2回目だけれど、いわゆるアメリカの田舎暮らしと言った感じで家が農耕地に囲まれた数エーカーの土地に建てられており、小さな家庭菜園と、ちょっとしたニワトリとヒツジのコーナーがあって、改めて楽しそだなあと思った。都市部に気軽にアクセス出来ないのはちょっとつらそうだけど、人生のうちの一時期をこんな感じで生活してみるのもいいかもなあと、ときどき夢想します。




 コディは大好きなアローお姉ちゃんの隣に座れて顔のニヤけがとまらない状態。アローお姉ちゃんは薄いグレーのセーブルに明るい黄色の眼がオオカミみたいでちょっとコワイですが、コディのような仔犬にも非常に寛大でとても優しいのです。コディには、お姉ちゃんは次会う頃にはすごい美人に成長してお前など鼻にもひっかけてもらえなくなるから、今のうちによく遊んでおくようにと言い聞かせておいた(笑)。





 話題その3。先日書いていた、コディの原因不明の軟便に関しては、いまだ原因の特定には至っていないものの、糞の状態に限って言えばほぼパーフェクトなところまで戻すことが出来ました。最終的に、病院のアドバイス通りの「ドライフードを一切カットし茹でたコメ・マッシュドポテト・チキンだけの餌」を厳密に守って5日ほど試したところで、どうにもパーペキにならなかったので、以前からオヤツなどとして与えていて「この食材は絶対大丈夫」と分かっていたヴェニソン(鹿類の肉)と家で準備したイモのまぜまぜに、思い切ってスイッチしたら、ピタッと良くなってしまった。コメかチキンか、もしくは今まで与えていたドライフードの中の何かがダメだったのかもしれないですね。

2015年4月24日金曜日

川辺の街へ




 犬を連れてウロウロ街歩きしようとすると、いつもだいたい似たような所へ行ってしまう事に気が付いた。ので、アマゾンで秘密兵器を注文してみた。届くのを楽しみにしつつ、またもや「ドッグフレンドリーな街」バージニア州アレクサンドリアへ行ってきた。キング・ストリートというメインの大通りを東へずらずら歩いていくと、有名なポトマック川に突き当たる。周辺には小さなレストランやハーバーがあり、管理人の好きな街、カナダのトロントを少しだけ彷彿とさせるような散歩道が続いている。ひっきりになしに人や鳩の行き交う路上の喧騒と歩調を合わせることなく、川では水上バスがプカプカ、日の光を沢山浴びながらのんびりと行ったり来たり。年に数回犬が乗れるフェリーツアーも行われているようなので、あまり暑くなる前に一度乗ってみたいと、期待を胸にしている。


ハーバーにて。コディも今日はおなか快腸快調で満面の笑顔
しかし耳は相変わらずバーコードおじさんみたいなままだった。



 今回ここへ来た一番の理由はこれ↑。義母の古希祝いに、普通のギフトのほかに何か形に残るものを送りたいと、アクセサリーを探していました。あまり高いものを送ると叱られるから、比較的高価なのでも500ドル以内で収まる、天然石ジュエリーを扱う店Silver Parrotにて、いろいろ物色した。写真のローマガラスのシリーズは、イスラエルで採掘されたローマ時代のガラスの破片を集めて固め、色んな形に細工したものだそうで、いいなと思ったもののひとつだった。

 因みにこのお店を選んだのは、犬入店OKだったから(笑)。好むと好まざるとにかかわらず、だんだんと、生活のすべてが犬基準になってゆく。この日は結構日差しが強く、くたびれたコディは、そんな自分の考えをよそにひんやりとしたレンガの床でひっくり返っていた。天下泰平なのだった。ふと、自分が幼かった日々、まだまだ若い盛りだった両親も、自分を見てこんな感覚を味わっていたのではないかと思った。




 「強い日差し」と言えば北バージニア、もうジワジワ気温が上がってきています。そうかと思えば急にどーんと寒くなったり。この近辺に住んで3年目になるけれど、ここには季節が夏と冬しかないのでは?と、最近疑いはじめた自分です。ホワホワのパピーコートで全身毛まみれのコディ君は、暑い日はものすごくハアハアしてて可哀想なんですが、いい夏毛に生え変わることを期待して、積極的に表へ連れ出して、頑張ってもらっている。

 トレーニングの方は、ここのところ急に「ツケ」の反応が悪くなった。犬、四か月目を目前にして、人間の方が「仔犬育て」にちょっと息切れしてきたのを如実に反映しているような気がする。反面、「マテ」にはすごく情熱を燃やして一生懸命やるので、遠くからスワレやフセをさせる事と組み合わせたり、待たせてる最中に怪しい火星人の様な動き(笑)を取り入れたりしながら、変化をつけて楽しくしている。悩みは、やはり癖になってしまったらしいジャンピングと、ときどき練習中に突然「フィーバータイム」に突入するようになったこと。フィーバーしはじめるとワンワンいいながらこちらに向かって飛びかかってくるわ、リードはモグモグするわ、制そうとする手はハグハグするわで、全くクレイジーになってしまうのである。これも前の犬では経験しなかったことで、一定時間(しかも結構長い時間)とりあえずフセさせて落ち着かせる以外どう対処していいか分からないので、次回のパピークラスでトレーナーにナゼこうなるのか聞いてみようと思っている。





2015年4月19日日曜日

犬が一日に必要なカロリーの出し方



 最近管理人一家の一員となった犬「コディ」は生後14週目になった。このくらいの週齢は、一般的に犬が仔犬らしい可愛らしさと、あるていどの分別も身に付けて、手元にある犬の本「The Art of Raising a Puppy」にも、あなたが飼う犬の一生を通じて最も尊い時期の一つと書かれている。そんな特別な時間を噛みしめたいところだったが、コディは少し体調を崩してしまった。

 ここ数日続いている主な症状は、鼻をフガフガさせていて普通より多い量の鼻水が出ることと、悪くなったり良くなったりする、大腸性と思しき軟便(たまに下痢)。既に3セットのワクチン接種とボルダテラ(Bordetella:アメリカでケンネルコフの予防に使われるワクチン)の吸入を済ませているので、鼻水が出るのはそれ以外の感染症が疑われたし、軟便・下痢に関しても、ちょうど今月のあたまに二回目の寄生虫チェックをクリアしているので、なにか他の要因があるらしかった。


大好きな動物病院でスマイル♪ このあとお尻に体温計を入れられ大泣きするのであった。

 早速病院にアポをとってチェックアップと、念のためもういちど便検査もしてもらったけれど何も出なかった。ますます不可思議である。鼻は、鼻気管炎という診断を受けた。獣医師の先生によると「スプリング・アレルギーズ」、いわゆる花粉症などの可能性もあると言われた。犬が花粉症?と思ったけれど、うちのまわりは緑が多く、特に今週に入ってからは外の車が黄色くなるほど花粉がふっているのでありえるかもしれない(もちろん人間達も苦しんでます)。下痢の治療と並行して消化のいいものを与えて、比較的安静にしていればそのうち自力で回復しますよ~、との事だった。おなかに関しては犬用プロバイオティックとメトロニダゾールの錠剤を処方された。体重は測ってみたら40パウンド(だいたい18キロ)をマークしていた。これが順調なのか、それとも上に書いたような症状によって遅れがあるのかは分からないけれど、とりあえず成長はしているようだ。余談だが昨日ご近所に住むコディの友達「デヴィ」の飼い主と話していたところ、寄寓にもデヴィもコディと同じ日にくしゃみ・鼻水の症状を呈し始めていたということが分かった。鼻に関しては自分達が共通して利用しているパピークラスで、何か拾ってきてしまった可能性も浮上した。




 主治医の先生には鼻や便の様子が落ち着いて暫くするまで、ドライフードは一旦中止して煮たコメ、マッシュドポテトなどに茹でた鶏肉などを加えたものを、少量ずつやってみてくださいと言われた。しかしいざやろうとすると、コディが一日にどのくらい食べればいいのか見当がつかない。とりあえず必要なカロリーに関してはPETMDのウェブページに、犬が一日に必要な摂取カロリー量(MER)を計算する式があったので、覚書きとして下に書いておきたい。

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手順

1.犬の体重がパウンド表記の場合、キログラムに変更する。
2.安静時の必要熱量(RER)を計算する。70 × 犬の体重(kg)の0.75乗
3.一日に必要な摂取カロリー量(MER)を計算する。適正な乗数 × RER

一般的に使われる乗数は以下になる。

去勢・避妊された犬 1.6
未去勢・未避妊の犬 1.8
肥満傾向の犬 1
やせ気味の犬 1.7
作業犬(軽度) 2
作業犬(中度) 2
作業犬(重度) 6
成長期の犬(生後四カ月未満) 3
成長期の犬(生後四か月以降) 2 

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 コディの体重は40 lb、=18.1437 Kgになる。この犬のRERは(70 x 18.1437)の0.75乗で、212.749193434キロカロリーになる(便宜的に213kcalとする)。MERを求めるには、ここに「成長期の犬(四カ月未満)の犬の乗数」である3をかけて、コディが一日におおよそ必要とするエネルギー量は639キロカロリーと分かる。因みに参考にしたウェブの注意書きによるとこの計算で出た数字は少ない方にも多い方にも、20%の誤差が出る可能性があるという(えっ!それじゃあ、最大で40%も違ってしまう)。しかし確かに経験上、同じ犬種でも妙に太りやすい犬がいたり、常にやせ気味の犬がいたり、また大型犬よりも小型犬の方が代謝も活発だと思うので、見た感じの体格も判断材料にしながら、数字にはそれほど厳密にならずおおまかな基準程度に留めておくのがいいのかもしれない。

 求めたカロリーの中からどんな食材をどのくらい与えられるのかは、食品のカロリー グラムの分かる写真館というわかりやすい日本語のウェブページがあったので、参考にした。上の写真はチキンの骨・皮付きモモ肉を水から茹でて、灰汁と油を適当に掬い、骨と皮を除き、そこに小さいイモ一個とコメ一合を合わせて柔らかくなるまで煮た状態。コディの体重と成長期なことを考慮して、これを6等分し(二日分)、別途茹でておいた胸肉ひとつかみ、ドライフードを少量、毎食ごとに足してやれば必要なカロリーはだいたい得られるという事になった。ドライフードは中止と言われたがどうしても細かいミネラル分やビタミン類の不足が気になって仕方なかったので、コディが今の所一番好きでよく食べるアカナのグラスランドを1カップだけ、チキンのゆで汁でふやかしたものを混ぜた。おやつはカッテージチーズやヨーグルトをやってカルシウムの足しにした。うちでは自前で餌を作るのはほんの一時的な事なのであまり気にしないけれど、犬、特に仔犬は人間と比べかなり多くのカルシウムなどのミネラル分を必要とするので、恒常的に手作り食を与えていく場合はカルシウム剤やサプリメントの添加はかならず必要になると思う。犬の必須栄養素についてもっと詳しく知りたい場合は米国飼料検査官協会(AAFCO)のAAFCO Pet Food Nutrient Profilesの3から5ページ目に、いろいろ詳しく載っている。


「まだご飯つぶあるよ!」 血眼になるコディ。

まだまだねばる 「ベロベロベロ」

ごはん もうない。。。

 コディは突然はじまったこの「何か美味しいもの」の山盛りに大興奮して、目の色を変えてべろべろしている。あとでちゃんとドライフードだけの食事にもどれるのか心配だ。しかしおなかの方は薬のおかげもあってかだいぶ良くなってきているので、今週いっぱいは家で作った餌でがんばってもらおうと思っている。引き続き動物病院でフォローアップの検診を受け、原因も調べて行きたい。





2015年4月14日火曜日

ワシントンDC桜まつり


「スクーター」という名前のチワワ。半身麻痺して捨てられていた犬だという。
特注の車イスにアメリカの旗を立てて、ナショナルモールを闊歩していた。 Go!Go!スクーター。

先週末の日曜日は、ワシントンD.C.中心部で行われた全米桜まつり(National Cherry Blossom Festival)の雰囲気の端っこだけでもかじろうと、犬を伴って出かけてきた。下は第二次世界大戦記念碑の広場からリンカーン・メモリアルを臨んだ所だけれど、今見返してもかなりの人出があったことが分かる。ここから日本の送った桜並木に囲まれたタイダルベイスンのあたりはさらに混んでいたので、全部回りきることは早々に諦め、もっぱら花霞を楽しむ花見となった。



タイダルベイスンの橋の上から。桜は今週末が最高潮だったと思う

 「アメリカの人は基本的に個人主義でパーソナル・スペースを大切にする」とは、2年前ESLのクラスでほぼ最初に教わったこの国の文化的特徴なわけだけれど、この日この橋の原宿・竹下通りばりのギュウ詰め加減を見ていると「本当かなあ」という気がした(観光で訪れている人も多いだろうから一概に言えないけれど)。管理人の故郷東京はよく人の過密さからくる特異な状況が取りざたされるけれど、ここD.C.だって通勤ラッシュ時にメトロにのれば、スーツを着たアメリカ人がすし詰めになるのを見ることが出来るし、ちゃんと(?)痴漢だって出るのだ。そうかと思えば、特にうまいとも思えないカップケーキ屋の前に皆して、嬉々として行列を作っていたりもする。人は思いのほか環境に依存した生き物であり、同じような環境下では、国や文化に関係なく同じような行動をとりがちになるという事らしい。この地に来て教わったことのひとつだ。



ブルガリア大使館の裏門の前で。
この写真を後から見て、彼の一生のうち一度くらいはヨーロッパにも連れて行ってやりたいと思った

 桜狂想曲からは早々と退散し普通に街歩きをすることにした。祭りに人を吸い取られたのかD.C.市内の他の場所は案外閑散としており、天候がよかったのもあってすいすい気持ちよく歩くことが出来た。

 市内でとても気に入っている散歩道のひとつに、ジョージタウン・ウィスコンシンアベニューからQストリートへ入り、デュポン・サークル及びコネチカットアベニュー方面へと抜ける道がある。ジョージタウン側は、古いけれどきれいに維持された邸宅の並ぶエリアで、アメリカではあまり見る事のないレンガで舗装された道が延々と続く。道なりに進んでいくと各国の大使館街に入る。東京の広尾や麻布などあの周辺の雰囲気を少し彷彿とさせる道だ。そういえば前一度昼休みどきに、南米系の大使館の裏門から、大型で背が高く痩せたジャーマンシェパードと、ぶっとい葉巻を咥えたオジサンがふらっと出てきたのを見たことがあった。建物の様子と言い、オジサンの服装といい、強烈な異国情緒を感じた一瞬だった。アメリカという異国で、さらに異国を味わうというちょっとお得な体験だった。


久しぶりに飲んだチャイティー・ラテは1年前とくらべて激甘になっていた。

 コネチカットアベニューからフロリダアベニューに入り18thストリートとぶつかる所に、なぜか知らないが常にゲイピープルのたむろする軽食屋がある。自分がずっと「ピンク・エレファント・カフェ」だと思っていたこの店はL'Enfant Cafe Barといい(おしい!)、皆昼間からワインを飲んで、ちょっとフランスちっくな雰囲気が漂っている。パティオは犬連れもOK。




 人間たちが何か食べている間に昼寝する犬。写真を見ると分かるけれど、D.C.の床は結構色んなゴミや塵・ホコリが落ちているので、何か下に敷いてやるものを持ってくるのが賢明だと気付いた。実はコディはこのあとトラブルに見舞われ、彼の14週目は結構ラフなスタートを切ることになってしまったのだった。それについては次回触れたいと思う。





2015年4月10日金曜日

生後13週目

バージニア州とワシントンD.C.の間に位置するクラレンドンというエリアで歩いた時の写真。
右のピンクの女の子が犬に「私と友達になって!」と言い、
自分も地面に犬のようにオスワリしていたのがとても可愛らしかった。


 新しく家族の一員になった犬「コディ」は生後13週目に入った。12週目までの一番重要とされる社会化期は終わったように見えるけれども、これからしばらくはまだまだ「やわらかアタマ期」が続くと考え、相変わらず一日最低2回か3回は外へ連れ出して、色んな人に触ったりしてもらっている。犬を飼うと決めた時点では無頓着だったけれど、今、貰ってきたのが春先で良かったな~と思っている。これが真夏や真冬だったらきっとかなり大変だったのではないかと思う。

 犬は、可愛い盛りだからか、街ではけっこうたくさんの人が声を掛けてくれる。犬種を聞かれると相変わらず「ロングヘアのジャーマンシェパード」と言っているのだけれど、すると皆口々に「僕はジャーマンシェパードと一緒に育ったよ」とか、「私のおじいちゃんが家で繁殖していたの」と、どんどん色々な話に発展する。道ですれ違いざまに「ダイソンアニマル(掃除機)がいいよ!」と声をかけながら走り去るジョガーにも遭遇した(笑)。アメリカへ来て、これほど沢山の人がジャーマンシェパードに関して個人的な思いを持っているんだという事が分かり、正直びっくりした。AKCの調べではこの犬種は頭数で全米第2位にランクインしている(2014年)。直接的・間接的なものも含めると、アメリカの犬好きのほとんど誰もがこの犬種に対してなにがしかの接点を持っていると言っても過言ではない勢いを感じる。日本で大型犬(ドーベルマン)を飼っていた時には経験しなかった事だ。

 そういえば以前凧揚げフェスティバルの時の日記に、触りたい人がやって来た場合まず「よければ犬に『スワレ』のコマンドを入れてください」と言うタイミングが難しいと書いたが、実はまだ克服できていない。自分のきき方が悪いのか、アメリカ人はあまり気にしない人が多いのか、Hiパピ~~~!とやって来た時点でもう犬に接触していることが大半で、そこから犬を改めて座らせたところで「正しいマナーを学ばせる」という意味では、効果は期待薄だと思っている。また仔犬を見てワ~っと盛り上がった状態で急にタッチしてくる人も多いので、犬の方もエキサイトした人の気配を汲み取るのか、ピョンとジャンプして迎えようとするようになってしまった。それだけが原因なのかはわからないけれど、ここの所ジャンプ癖がつきつつあるので頭を悩ませている。この大喜びで挨拶する様子が今は可愛くても、6ヶ月後にはきっと迷惑な行動になっているだろう。飼っている私の年齢的なものなのか、妊娠中だったり小さい子供のいる友達が多いこともあり、このままではダメだと思っている。早いうちに対策を練りたい。




 コディは犬同伴可のお店へ行くのも徐々に慣れてきたようだ。シェパードだからかこういう所だと練習に協力してくれる人が案外多く、嬉しい誤算だった。パピークラスの同級生の、フレンチブルの飼い主さんは、こういうおおやけの場で3ヶ月まだあどけなくヒョコヒョコしている仔犬にトレーニングをほどこしていると、それを見る(ちょっと「犬が哀れ~」的な)まわりの目が気になるとこぼしていた。犬は見た目によって世間での扱われ方が劇的に違うことは、犬の飼い主はよく覚えておくべき点だと思った。上の写真は数日前友人の犬「ショーン」と一緒にジムウェアのお店で、ベーシックなオスワリやマテなどの練習をしたところ。ジムウェアはヒラヒラとした素材が面白そうに見えるらしく、油断すると商品に触ろうとするので注意が必要だった。


真剣な二匹・・・目線の先にはレバートリ―ツが。
レバートリーツが嫌いだった犬は今までに一匹しか会ったことがない

オニギリ君 春の湖畔にて

 苦手だったマテも少しづつ距離がのびている。今はなんとか記念撮影らしき事が出来るようになった。まだまだ10歩以上離れると不安になるのかフラフラとついてきてしまう事があるけれど、10センチですら待っていられなかった半月前と比べると進歩はしているようだ。反面、最近家のまわりの散歩道の様子もあらかた知り尽くし、顔見知りの犬も増えたことで世界が広がったのか?ちょっと自信がついてきたのか?こちらに向ける注意力が、少しづつ散漫になってきているように思う。これから6ヶ月、1歳、2歳とだんだん難しくなっていく時期(俗にいう「犬の反抗期」)なのも踏まえて、定期的に見知らぬ場所を散歩させてやったほうがいいのかもしれない。

 一方、パピークラスなどの室内環境だと与えられた課題は取りこぼしなく出来るようになった。私達を教えてくれているベテラントレーナーは、通常パピークラスが終わった後は初級オビディエンス→中級オビディエンス→CGC(カニン・グッドシティゼン)→もっと上級のコース(競技オビディエンスなどなど)と進むのが順当だけれど、もし興味があるならCGCのクラスに直接進ませてはどうかとアドバイスをくれた。理由についてはいつか後述したいと思っているけれど、管理人とコディがこんな風にマンツーマンで練習できる時間には限りがあるので、なるべく早くからいいマナーを身に付けさせてやれるチャンスがあるなら、活用して行きたいと思っている。今通っているクラブでは、CGCのクラスは皆平均2回受講するという。おそらく、沢山の反復練習を必要とする課題が多いのではないかと思う。まずはパピーのクラスで毎回出される宿題を毎日ちょっとづつ練習して、基礎をしっかりさせておきたい。




 早春のあたたかな光の中湖畔から少し離れた雑木林の道を歩いていると、野鳩が死んでいるのを見かけた。長く厳しかった冬を切り抜け、さあ今から花咲き乱れる春と繁殖の時を迎えようというところで力尽きてしまったんだろうか。今の季節は夥しい数の生命体が花開いたり生まれてくる一方で、こうして何が理由か分からないけれど死んでしまっているいきものというのもちらほら見かける。春、4月と言うのはそういう季節なのかもしれない。




2015年4月4日土曜日

DEVI




 北バージニアの当地では溜まった落ち葉の間から、葉っぱやら、お花やらが伸びてくる季節となった。うちの犬と仲良くしてくれている「デヴィ」ちゃん、今までプラクティカルだと思ったことのないオーストラリアンシェパードのチョコ・ダップル模様はじつは落ち葉の保護色だった!と見当違いな発見に小躍りしている管理人です(本当はきっとヒツジと見分けやすいからとか、多分そんな風な理由なんだと思いますが)。以前書いた時とくらべるとコディもデヴィも大きくなってきているけれども、デヴィがどんどんスピードやスタミナを身に付けているのに対し、コディはなんとなくヨタヨタした印象で、かわいい様な情けない様な、変な感覚を味わっている。今後もコディがデヴィのスピードに追い付く日はきっと来ないだろうと思うけれど、お互い気が合うらしいデヴィとはずっと友達でいてほしいので、力はなくても小回りが利いて疲れ知らずという、この犬の特徴はありがたい。普段からミニ・台風のような彼女に付き合っている人間(飼い主)の方はすごく大変そうですが。





 二匹が手と手をタッチしているこの写真、飼い主的には非常に可愛いと思っており家族にも送った所「デヴィの可愛さ・利発そさとくらべて、コディはちょっとウシみたい」というありがたい言葉をもらった。特に義母はデヴィの青い瞳にやられてしまったようで、こんなにきれいな犬なら運動が沢山必要でもがんばれるわ!と意欲を見せていた。しかし今までの経験上、彼らの「犬基準値」の平均は彼らが以前飼っていたトイ・プードルに調整されている筈なので、オーストラリアンシェパードのいう「運動が沢山必要」が具体的にどの位の運動量か知っているかどうかは、疑問が残る(笑)。





 この日はコディがデヴィの家の庭に置いてあるカヌーにボッチャンして、丘サーファーならぬ「丘スイマー」になった日。この犬はあまり水を怖がらない(※シャワー以外)ですが、繁殖したブリーダーによると彼のお母さんが水遊び狂いらしく、遺伝かもしれないとのこと。彼はこういう水たまりだけでなく流れや湖に対しても見つけるとよろこんで前足等を浸そうとするのだけれど、ハイキングやトレッキングをする時にはあまり望ましくない行動なので、どう直すかが課題になった。

 因みに、この写真を撮った時を境に、コディの両耳が立っている所を見ることが無くなってしまった。シェパードを飼うのは初めてなので、最終的に立ち耳になるまでは成長につれて耳が立ったり寝たりすると聞いて驚いたのだけれど、きちんと立ってくれるかすこし気になっている。こちらのシェパードのフォーラムを読むと、コディの様に耳を触ってみた時柔らかく、両耳が比較的同じ方向に流れていわゆるバーコードおじさんの様な髪型(Comb-over)になっている時はまず心配ないと書かれており、ちょっとだけ安心した。



デヴィちゃんと遊んだ次の日、エレベーターを克服したよ。エスカレーターにも(ちょっとだけど)乗りました。

  コディは早いもので今週生後13週目に入る。日々活動時間が長くなってイタズラも始まり、またこれから歯が抜け替わる時期に入るのも考えると、もっともっとやんちゃになっていくことが予想される。家具などもきっと齧られるだろうから、またオモチャ探しの旅に出なければならない。飼い主の自分達が時間の制約があるなか、どう効率よく遊ばせるか、学ばせるか、一日のスケジュールをきちんと確立しとかないといけない時期が来た気がする。

 これからの2週間ほどは、生活上のマナー(特に、喜んで人にジャンプしない事!イスやテーブルに手をかけない事!他の人や犬に挨拶するときは座る事)を特に気を付けて練習させたい。最近自我が出てきたらしく、要求がどこまで通るか私達を吠えて試すようになったので、それは一切通じないということも学習させたい。吠えに関しては、以前飼っていたドーベルマンは仔犬の頃からとても静かな犬だったのでシェパードの仔犬がこんなにお喋りだとは思わず、心配して他のGSDの飼い主さんや仔犬クラスのトレーナーに聞いて回ったが、皆一様に「シェパードの子はこんなもんよ」と言われた。多数の人が吠え自体を防止するという考え方よりも、ある程度吠えたところでやめさせる(自分で衝動をコントロールさせる)ことを学ばせる方が得策だというので、ある程度吠えたら「やめ」のコマンドをし、聞き入れない時は「タイムアウト」として一定時間クレートに入れる方法を試している。クレートに入ると心境的になにか変化があるらしく静かになることが多いので、今の所は効果が上がっているような気がしているけれど、今後も観察を続けたい。