2022年7月27日水曜日

うんちから生えたお宝


 犬の糞尿って、長い目で見ると果樹や植え込みの植物などに思いの外影響がありますね。うちの犬は体も大きいし、排泄場所にはいつも気を付けていましたが(日本みたいにおしっこの後を水で流すほどではないけど)、今のうちに越してからも、犬のトイレはかならず庭の柵の外まで歩いて行って「自分の土地ではあるけれど雑草生い茂る一角」ですませるようにしていました。


 ここにはミミズや小さなトビムシ、ワラジムシなどが大量にいて、コンポストみたいになんでもすぐに土に還してくれます。道で轢かれた獣を置いた時も、すぐに骨だけになったりしてハエ類や小さな虫たちの力には驚きました。地下水系にも影響はないとふんで、ここでしたコディのうんちは、拾わず置きっぱなしにしていました(てへ)。そんな一角に生えてきたお宝の話です。

Wine Berry  -  Rubus phoenicolasius
 
 今月に入って「雑草生い茂る一角」にすごい勢いでキイチゴが実りだしました。小さくて宝石みたいなきれいな赤い実が、食べても食べてもなくならないくらい、あっちこっちに鈴なりになりました。バージニアに自生するワインベリーです。形状は、小型のラズベリーみたいで丸みがあり、艶があり、ホールフーズ(日本のザ・ガーデンみたいなスーパー)で売ってないのが不思議なくらい風味があって、タネの食感もプチプチしておいしいです。

 この種は実は東アジア原産のキイチゴで、1800年代後期にラズベリーの品種改良のために輸入されたストックが外部に広がったものとか。日本ではエビガライチゴとか、ウラジロイチゴ等と呼ばれてるみたいです。雑木林と草地の境目みたいなところによく生えていて、広大な農地の辺縁を重機を使って定期的に刈り込むアメリカ人の生活様式が、この種の好む環境ともピッタリだったのでしょう。故郷から遠く離れたこのバージニアの田舎でかなり繫栄しています。

 それにしてもコディのうんちや、獣の死骸からこんなにもおいしいものが実るなんて、、、自然とはなんともありがたいです。キイチゴのもうひとつの楽しみと言えば、キイチゴを食べる時のコディの変な顔です。今年も変わらぬ愛犬の様子が見られて嬉しいな(以下、変ガオのおすそ分けです)。