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2025年6月15日日曜日

小さな獣医科医院


 コディが10歳になったのを節目に、ふだんの検査や予防接種を受けている病院とは別に、高齢になってきた愛犬に優しく接してくれ、コンサルテーションに時間をかけてくれて、またもしもの時の往診や、自宅での緩和ケアに特化した獣医さんを根気よく探してきました。運よく「ここは」と思える医院を隣村に見つける事ができ、さっそく検診にいってきました。

 行ってみて驚いたのですが、ここの獣医さんは看護師さんがおらず、いわゆる「診察室」もありませんでした。改装されたオフィスはおそらくかつては農家の納屋だったらしく、ところどころ名残がありました。診察はこの広々したスペースで1頭ずつ行ってもらえます。怖がり屋や緊張しやすい犬にも優しく、ふだんに近い犬の動きがみられそうですね。非常に画期的だなと思いました。

 オペレーションは、写真の獣医師さんが全て一人でやっていて、奥に検査機器がいくつかと小さなラボがあるのと、残りは移動用のバンにすべてまとめてあるのだそうです。今まで通った事のある獣医さんとはだいぶ形態が異なるので面白いなと思いました。


すみっこに子供が座れるイスと机もありました

 今回の主な話題は、2月の検査で分かった肝臓のALT(SGPT)の値が高まっていること、後ろ脚の筋力が弱り気味なこと、前足とオシリまわりの毛の変色について、腫れやすい歯茎のケアなどなど、シニアライフのちょっとした懸念事項についてアドバイスをもらいました。

 まず肝臓については老齢なのである程度は仕方がなく、今何かしなければいけないというような数値ではないという見立てでした。タンパク質や脂質の代謝にも関わらないだろうということで、ドッグフードをベースにしながらも「毎日1回なにかうまいものをあげる」という生活に戻して大丈夫、と言われました。またコディが心置きなく『うまいもの』を食べられるぞ!と嬉しくなりました。

 後ろ足の筋力については、じっくり触診してもらい、また行動や歩様の観察で、おそらく軽度から、もしかすると中程度に進む段階の関節炎があるだろうと言われました。後肢に違和感や痛みがあるので、そこから少しずつ体重のかけ方が変わっていったり特定の動作を避けるようになり、そのことの繰り返しで筋力の低下が生じているのだろう、という見立てでした。

 これは私自身も色々調べて、思っていた通りの内容の診断だったので、聞いてスッキリしたと同時に「これからどう緩和・改善させるか」ということに関心が向きました。獣医さんの方針ではまずは薬で炎症や痛みをとりながらサプリメント類で栄養を補い、筋力を温存するための運動を、ということでした。同時に積極的投薬などで老化した肝臓に負担をかけすぎないように気を付ける必要があるとのことでした。

 印象に残ったのはシニア犬の健康に関して獣医さんの、なにごとも『完治』を目指さない事、という発言です。コディの若い頃を知っていることで無意識にそのころの状態をベースに考えていたかも知れませんが、人間でいえば75歳をゆうに超えています。全身的なコンディションが緩やかな下降線上にある今のこの状態そのものがこの犬にとっての「健康」なのだと、今回、私のものの見方も変えていった方がいいなと思いましたし、現状に即した日々のケアをしていないとな、と思いました。


2025年5月1日木曜日

最近のトレーニング

 


 10歳にもなって新たなトレーニングもないもんだと言われそうですが、相変わらずちょこちょこ色々やっています。ボール投げは足腰の負担を考慮して「ボール拾い」(転がって行って止まるまで待たせてから拾いに行く)になって久しいですが、単純なボール拾いからだんだん複雑になった「変化ボール拾い」をエンジョイしてます。

 例)20メートルくらい先まで投げ、いったん止まったボールを拾いにいかせる。⇒拾ったら呼びもどす。戻って来る途中でボールを咥えたまま「マテ」。⇒次にボールを咥えたまま「フセ」させる。⇒また呼び戻す。⇒戻って来る途中で「ドロップ」でボールを口から落とさせる。出したボールを「リーブイット」して、放置したまま私の所まで戻らせる。⇒褒める。再度、さっき「リーブイット」したボールを拾いにいかせる。⇒探して手の上に持って来させる。



 「これをやったらおもしろがるのではないか」というネタを考えながら少しずつ変化させていったボール拾いなので、遊ぶ時間や状況、地形などによっても様々なルールの分岐があって有機的なゲームです。犬を遠隔操作できるのが楽しいし、こういったことをすごく一生懸命やっている姿を見ると「ちゃんと牧羊犬なんだな」と思います。今は「木のまわりをまわる」という動きを強化しています。

 遠隔操作と言えば、ボーダーコリーとかだと、顔をこちらに向けたまま右や左へ平行移動する動きがありますよね。かっこいい!と思いますが、あれをコディがやっているところはあまりイメージがわかないです。

 シャイロシェパードがそうなのか、コディが特にそういう個体なのかはわからないですが、この犬はBody Awareness (身体意識)がもともとちょっと薄いかんじがします。若い頃からいろいろな活動をしてきましたが、十分じゃなかったみたいです。今からでも、きちんと教えてやれば身に付くのかも知れません。


ちらっ

 最近車をフルサイズのSUVに買い替えました。今、コディにとっての最も大きな課題は「車の荷台に乗ること」。実は買い替えたしょっぱなに本犬が思っていたより足腰が弱っていたのか目測を誤ったのか、荷台に跳ね上がろうとして派手にズッコケてしまったのです。以来警戒モードに入ってしまい、車に乗れなくなっていました(シェパードあるある現象)。こういうのもBody Awareness (身体意識)の曖昧さが招いたことなのかもですね。

 ズッコケさせた瞬間、その後の展開が読めた私は「あーーーまた始まる(練習の日々が)」と天を仰いだのですが、小さな目をチョボチョボさせながら鼻息荒くして一生懸命練習しているコディは健気で「世話がやけるが可愛い奴」といった感じで、がんばれよ、やればできる、大丈夫だよと鼓舞しています。今はいったん荷台に前足をかけさせて、後肢は私が持ち上げてやる肉弾戦スタイルで乗り込んでいます。スムーズに乗れるようになったら新しい散歩道の開拓がしたいですね。アパラチアのトレイルに行きたいです。


いつでもダッシュの準備万端


2025年4月25日金曜日

ツツジの季節です。


 庭のツツジが咲いています。まだ8分咲きなのにおおいばりでブログにポストすることをお許しください。
 なにしろこのツツジにこんなに花をつけさせたのは久しぶりで嬉しいのです。
 
 去年一年、素人ながらいろいろ読んで調べ、「来年は花を咲かすぞ」と決めていた三種がレンギョウ、アセビとこのツツジでした。三種ともこの春は沢山花をつけてくれたので嬉しかったですが、特にツツジはおもったより蕾がたくさんついて、それがどんどこ咲いて大喜びしています。裏庭の誰も見ないようなところに咲いているのでせめて画面の前の貴方様に見て頂けましたら。




 本格的に暑くなる前に庭の隅のトラッシュ・パイル通称「ゆめの山」の征伐に乗り出しました。前の住人が家を建てた残りのタイルやレンガをなげたものを起源とするトラッシュパイルなので、20数年物のごみ山です。20年分の落葉や倒木、それらが堆肥化したものを足掛かりに、こちらでは外来種であるスイカズラが繁茂して周りの木を圧迫しています。昔ながらの日本式ののこぎりとナタで攻略していますが、そろそろ小型のチェーンソーやウィードワッカーが欲しくなってきました。ふたつとも使い方を誤ると結構危ないので二の足を踏んでいます…あと、小枝を燃やす場所も作りたいですね。いい斧も欲しいです。欲を言えばきりがありません。

 ここの角、虫さんやかたつむりが出るのと、掘って遊ぶのが楽しいのとで(「南北戦争時代のお宝があるかも」とのこと)子供が遊びたがるのですが、雑草を好きに生い茂らせておくと各種、ダニ類が大発生するのです。ライム病をはじめとするダニ媒介性感染症は北米だけで年間数十万人が感染するとされ、しかも抜本的な治療法が確立されていない、やっかいな風土病といっていいものです。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のカウンティごとのトラッキングパネルがあるので、見てみてください。バージニア州はライム病の好発地域なので、自然観察や野外活動をする際はよく気を付けられてください。




 作業中、コディはずっと私のことを見ています。

 コディをもらってくる前、シャイロ・シェパードのことを調べようと思って足を運んだドッグショーで始めて話したオーナーの方(なんと偶然にも日本の方だったのです)が、ショーが始まると机の下に隠れていたことを思い出しました。とにかく、飼い主の方をいつも見ているのでショーイングの最中はいつもこうして隠れてる、と仰っていました。飼い主への大集中はシェパードの類みんなに見られるものだと思いますが、かなりかわいい特徴だと思っています。

 コディの生活も、大まかに分けると寝てるか、私を見てるか、私のたてる物音を聞いているか、家の見回りをしているかのどれかです。そんなにおもしろくもない私をそんなに眺めてどうするのかと思いますがぜんぜん飽きないようです。このブログでは繰り返し言及しているかもしれませんが、この犬達は飼い主の日常全てに介入することが好きなので、介入されることが平気な飼い主、介入させることが可能な飼育環境だと、犬がよりいっそう輝くと思います。


トイレにも「介入」するよ

 これは「お隣さんのボクサーが窓からこっちを見ていた」と私にちくっている様子です。↑


 わたしたちの暮らしの様式全体が都市化し、仕事も複雑化し、余暇の娯楽も多様化した世の中に変わっていますから、大型犬特にシェパードみたいな、いつも話しかけたり遊んだり、繊細なところについて気にかけてやったり、飼育に一定の責任がともなったり、といった側面は考えてみると手間がかかりすぎるのかもしれません。

 なによりも大型犬を飼う事のような「人手が必要な活動」全体が時と共にだんだん困難になっているようにも思えます。家族内であっても、各個人のスケジュールが複雑化していて、家族で予定をあわせて何かするとか、そういうことがだんだん難しくなっているように思います。

 「一個人で完結できる活動としての犬の飼育」を考えると、フレンチブルドッグなどのような「気楽でかわいいルームメイト」的側面を持ち、ローエナジー・比較的ローメンテナンスな犬種の興隆は、時代をよく反映しているなあと思います。犬種とはわたしたちの生活史そのものですね。


2025年4月22日火曜日

10歳の春/犬の聴覚過敏と付き合う➂



 ようやく暖かくなったと思ったら、もう一気に初夏の空気であります。そうかと思えばまた急にどどんと冷え込んだり。上の写真の日などは、4月初旬の朝でしたが雪がちらつきました。高緯度の白い陽光の中に横殴りにちぎれた雪が舞う様子はどこか神がかりを感じるお天気でした。

 我が家の犬君もついに10歳となりました。毛づやよし、足腰OK、頭脳明晰、快食快便、おおむね快調、うれしいです。しかしこのくらいの年になると、しばらくたよりがないと「死んじゃったかな?」という感じになると思うので、少しまめにアップデートを心がけたいと思います。このごろは庭作りやコディと遊ぶことにより多くの時間を費やしていること、あっという間に高学年になった子供の勉強(アメリカの公立校+家庭学習で日本の小学校の四教科を教えています)や身の回りの面倒、そしてなによりもデジタル・デトックスが進み過ぎたことで、なかなかPCに向かう時間が少なくなって来てしまいました。

 ということで短く近況をまとめます。


お隣のトウモロコシ畑は売り払われ、建売のおうちに変わりました。
飼い主は残念ですが犬は見るものが増えて忙しそうです

 体調はおおむね快調、とはいったものの『満点ハナマル』ではないのがやや残念な老犬ライフです。2月の血液検査で肝臓のALT(SGPT)の値が196となり、高いことを指摘されました。じつは去年も同じ内容でちょっとひっかかってその後のパネルで異常なしとなった経緯があります。数値としては前回よりも高いので、要観察、8月に再検査を行う予定です。

 ALTは、アラニンアミノトランスフェラーゼという酵素で、肝臓に何らかの異常があると血中に漏出して数値が上がるということのようです。自分でもいろいろ調べてみましたが、老犬の場合ALT値の上昇は単に肝疾患以外にも膵炎、クッシング病、心臓回りの不調、それから激しい運動や甲状腺機能障害(犬ではまれ)などなど、肝臓からはなれたところに原因があることもあるそうです。まあ一大要因として加齢があることは間違いがないと思います。相変わらずトレーニングで一日に一回は猛ダッシュしているのですがやめさせた方がいいのかな。

 肝臓に関係があるか分からないのですが、コディは放っておくとほとんど水を口にしない、昔のヨーロッパ人みたいな奴です。なんとなくこれも良くないような気がしています。それで最近、フードにぬるま湯を混ぜて、ふやかしてあげています。こうすると香りが立っておいしくなるみたいなので一石二鳥です。「1日1回はコディになにかおいしいものを食べさせる」取り組みも続けてしばらくになりましたが、特にタンパク質や脂質を摂る事ことの内臓への影響に不明な点が出てきた今、いったん中止して、「基礎の食餌(ドッグフード)を工夫してたのしく食べる」ということに切り替えています。

 でも、水けの多い餌だと歯が汚れるので歯肉や口周りの皮膚が弱いコディにとってはまた別の問題が生じるわけであります。こうしてどこかを立てれば別のどこかが立たず、という感じになってきたのがいかにも老齢期の健康という感じで、なるほどねと思っています。わたしだって今はピチピチの中年ですが、明日は我が身だと思っています。




 聴覚過敏の現在です。(犬の聴覚過敏と付き合う①犬の聴覚過敏と付き合う➁

 寒く気候の安定していた冬は終わり、春雷の季節に至りました。コディは相変わらずちょっとの音で慌てまくっております。ピーピーヒャラヒャラどすどすと、暴れコディの笛太鼓といったかんじで大騒ぎです。そういう時、コディの顔を見ると「👁👁命の危険!!!」という感じの目をしているので可哀想なんですけど、何かちょっとかわいいなと思っています。

 ただ最近は騒ぎ方に変化が出てきました。ゴロ……と来たら落ち着いた声で「クレート入んなさい」と声をかけてやると、がむしゃらに2階に駆け上がったり走り回ったりせず、ガタガタ震えながらも確固とした足取りでクレートに入り、奥の壁ぞいに座ってがんばるようすを見せるようになったことです。初めてはっきりと落雷を怖がる様子を見せてから約4年。クレートに入ってゴロゴロをやり過ごす経験が蓄積した結果、「ここに入れば命だけは助かる」という信頼がクレートに対して芽生えたように思います。

 クレートを快適にして長時間入っている時のストレスを軽減したことにも少し効果があったかなと思っています。特にクレート内の風通しを良くし、足元を涼しくする素材のマットに換えて、壁に水入れをかけられるようにしてやってから目に見えてクレートに入るスムースさが向上しました。コディは雷の音だけでなく急な光の明滅(稲光を思わせる)にもかなり反応するのですが、クレートに居る間は周囲の電気を点けてやるようにしたのもよかったのかも。ちょっとでもアヤシイと思うとすぐクレートに出入りするようになりました。


ドッグフードへの感謝を伝えるために、食後に寄って来るコディ
最近、このタイミングで口を拭いてやることにしました

 重要なアップデートはこのくらいでしょうか……。そういえば最近、知り合いがゴールデンレトリバーの子犬を飼ったので遊ばせてもらったんですよ。金色の、命そのものみたいなふわふわのつむじ風でした。誰もかれもを笑顔にする魔法をかけられて生まれてきたような・・・ひとしきり子犬との時間を堪能して、それで、うちに帰ってからこちらの相棒の顔をまじまじと見ていて気付いたことがあります。

 コディの方がずいぶん、かわいいのです。

 ゴールデンレトリバーの赤ちゃんより10歳で白髪だらけで鼻の色素が退色していて、歯も抜いちゃったし、瞳も少し濁ってきているおじじの方が愛らしいなどということはどう考えてもあり得ないと思うのですが。何度目を擦って見てもコディの方が可愛いです。もっと言えばコディだってまだ子犬なのです(いよいよ正気があやしい物言いになって来ました)。正確には、コディは見た目が古くなっただけで、中身はあの雪の日にもらってきた子犬の時から何も変わっていない存在だということで、どうして、と聞かれても「ただ分かるから」としか言えない飼い主です。

 人間だって、『三つ子の魂百まで』です。最近、自分自身やまわりの人を見ていても、これをよくよく意識することが増えました。だから犬だって『三カ月の魂十まで』としたって、きっとおかしくないと思います。目くばせの仕方、注意されてバツの悪い顔をしている時、寝相ひとつとっても、子犬の日となにも変わったところがありません。魂って、時間の影響を受けていない!古くならないんだ!(物理法則的にそんなのあり得るのかな?!)と、コディの事を見ていて、すごいことに気付かされています。


2024年11月24日日曜日

牧羊犬の「空間的感度」



 最近、夜中にこっそり娘のスナネズミ飼育コーナーに入って行って、こそこそハムスターフードを食べてるところを現行犯逮捕された犬の後ろ姿です↑。どうりでエサの減りが異様に早いと思っていました。大きな体をまるめて、静かにケージのまわりを歩き回り、小さなバケツに入っていたフードをぽりぽりと食べてました。

 おなかの不調になやまされたここ数週間だったのですが、その検査の結果も何も異常がなく、獣医さんにも「おそらく庭で『食べるべきでないなにか』を拾い食いしたと思われます」と言われたコディです。乳酸菌等サプリを処方してもらい(ハムスターフードも取り上げられ)、失われた体重も回復し、すっかり元通りにしています。

 「家が田舎で裏庭が野原になっている」と言うと犬を飼ってる友達などにはいいね!と言われることが多いですが、落ちてる異物を見つけるのはほぼ不可能だったり、野生動物の出入り(=招かれざるバクテリアやウイルス・寄生虫の出入り)や、時には何かの死骸があったり、時期によっては化成肥料が撒かれていたりと、ペットにとってはわりとリスクもある環境です。犬の安全と健康をとるか、自由と冒険をとるかというジレンマがありバランスがむずかしいです。


じー(凝視)

 ところで、最近たまたま目に留まった文章で牧羊犬についてのおもしろい言葉が出てきました。Spacial Sensitivity、私の翻訳機は「空間的感度」と訳してくれたのですが、日本語ではほとんど聞いた事がない言葉です。これはspatial awareness、空間認識(能力)とやや近似したコンセプトだと思いますが、牧草地などの平面上に散在する家畜をまとめるために非常に優れた空間認識能力を生まれ持つ牧羊犬が、その一面として持つ空間に対する感受性とか過敏さ、と言えると思います。これについての記述が面白いのです。

”…これは牧羊犬のもう一つの奇妙な特徴です。牧羊犬は周囲の空間を敏感に察知し、他の犬、家具や壁などの物体、人など、何に対しても近づきたがりません。犬の首輪に手を伸ばそうとしたのに犬が後ずさりした経験があるなら、それは空間過敏症です。牧羊犬の中には、空間過敏症が顕著で、飼い主から数フィートの距離を保とうとする犬もいます。そうなると、当然、犬をつかんでリードをつけるなどするのが非常に難しくなります。…”

と書かれていました。これはすごく面白いですね。犬のまわりにスペースみたいなものがあるということですかね。いったい、この世界がどんなふうに見えているのか聞いてみたくなります。今まで実際に働いているプロの牧羊犬は何度か見たことがありますが(例)、非常に賢い一方で、なんか野生の動物みたいなところがあったりペットとしては困った行動をする犬が多く「この子らは獣医でおりこうに出来るのか」という純粋な興味があります。こんど獣医さんに行ったら聞いてみようかな(飼い犬の年齢がら獣医のことが気になる人)。


うちの犬はあまりおりこうではないです

 そういう目で見てみると、一応牧羊犬の端くれであるコディもちゃんと(?)この「飼い主から数フィートの距離を保とうとする犬」の片鱗があるので感動してしまいました。今でも何もない草地などに自由にさせるとそのような行動を見せます。コディはまた、若い頃は確かに首輪を掴まれることを嫌がったので、それでしばらく練習をしたことも思い出しました。このブログの中でも何回か書いたと思いますが、撫でられたり体に触れられることも本質的にそんなに好きではなかったです(なでられるのは後から「良い事」と分かったみたいです)。これらは「犬が自分のまわりにある空間をはっきり認識してる」ためだったのかも知れません。

 また、コディが大きな体にも関わらず私自身や家具にぶつかったり、足元に置いてある小さな植木鉢を倒したりといったことがないことについても、言いつけを守ってエライと思ってきたのですが、それも上に書いたような牧羊犬らしさと連続した特徴なのではないか?と思いあたりました。彼の場合「境界」をかなり明確に認識していて、柵などで区切られたスペースから出ない、いったん袋に入れられたものはどんなチャチな袋であっても出さないなど、自分なりに決まりをあてはめながら日常生活上のいろいろな要素について繊細に感じ取っていることが感じられました(ハムスターフードの『バケツ』は境界として認識されなかったようですが!)。


私の長年のペットであるヘビ(14才)の餌を買いに、ペット用品店へ。
娘が消えたので探したらネコちゃんの里親コーナーに吸い込まれていた

この子猫が可愛くて、差し出した指にそっと白いお手々を乗せてきました
「マーベリック」という名前のオスの子猫でした。幸せを掴んで欲しい



 今月は学校行事やコディの獣医などで町に行く機会が多かったなあ。幼児の帰りに町に昔からあるちょっとしょぼめのグロッサリー(食料品店)に立ち寄ると、すごい色のカップケーキや、砂糖でネチャネチャした生地にM&Mがこれでもかとちりばめられた大人の顔くらいあるクッキーが棚にぎっしりと並べられ、こうなってくると忙しかった2024年ももう終盤、という雰囲気です。

 最近時々思うのですが、いつか自分がばあさんになった時、私は、こういった日々の普通のアメリカの光景のことを非常に懐かしく恋しく思う時がくるのだろうと思います。砂糖とショートニングの味がする極彩色のカップケーキであったり、地元の無料の新聞についている、どうでもいいクロスワードを娘と一緒に解く日曜日の午後の日差しだったり、乾いた北風にゆれる無人のガソリンスタンドの、錆びた看板の空の雀の巣や、犬を車にのせて通り過ぎるアパラチアの山すその鄙びた家々であったり、私はキリスト教徒ではないけれど、祈るとしたら今なのだということを肌で感じて分かります。今日自分を構成する、ひとつひとつのものについて手繰り寄せ、丹念に確認し、感謝を捧げることが祈りの本質であるのだと。


2024年11月15日金曜日

まずは足元から・・・



 北バージニアの田舎地域では急にぐっと気温が下がってきました。若干の霜も降り始めたので、外に出していた植物を順次、中に入れています。表では、今年もすっかり役目を果たした棚の枯れたぶどうが晩秋の風に揺れています。枯草の風あいを楽しみながら歩いているといつのまにか犬の全身にくっつき虫が付着していたりして、ちょっと隙を見せるとすぐジャブを打ってくる感じがいかにも植物、いかにも自然、といった感じですね。こうした所に住んでいると、人間にとって自然というのは「常に全力で叩きのめさないと制御できない存在」という方が本質であって、私達が慈しんでいる部分というのは、自然という神が、自分の着物の裾かざりらへんでちょっと遊ばせてくれているのに過ぎないんじゃないのかなと思います。

 コディは久しぶりに子供関係の寄り合いに出席する可能性が出てきて、今週は近隣の街まで出てトレーニングをしていました。犬は、「練習だ」と分かると目がきり!として一生懸命です。セラピーワークなどを始め訪問の活動は長く続けられる良いライフワークですが、訪れる場所柄、あまり写真に残せない現場が多い点はちょっと残念です。 


千切れ雲の合間に飛んでいくハクトウワシが見えました


 そんな中ですが、実はここ2週間ほどコディのおなかの調子がよくありません。本犬は食欲もあってボール持って走り回っているのが救いですが、調子いい時と悪い時とが数日間隔くらいできています。すでに病院へ行って検査を始めていますが、まだこれといった要因が分かりません。私は炎症性腸疾患を疑っています。腫瘍などの可能性もチェックしないといけないので来週以降、さらに細かい検査をする予定です。

 また、今年後半に入ってから、後ろ足の筋力に少し衰えが感じられるようになりました。そこで遊びの一環として階段に前足をかけた状態でゆっくりとタテ・スワレをする動きをやっています。コディはここでも「練習だ」と分かると目がきり!として一生懸命です。でも『やるよ』と言うとカッとパワーが沸きすぎて「ゆっくり正確に」が苦手な犬なので、私がいつまでも厳しく合格を出さないと、耳を倒し前足ですがりついて「クウォ~ン」と文句を言ってくるようになりました😂。私も日本語で「ちゃんと落ち着いて丁寧にやんなさい」とか言い返したりして、もう、お互いに付き合いが長くなって遠慮がなくなってきてるわけです。笑

 犬は、前肢に意識が集中している生き物で後肢は工夫しないと重点的には使いません。この部分を鍛えるにはあるていどの負荷が必要になりますが、これが犬の場合かなりの難題です。特に体重のある犬の場合はすぐ膝などに負担がかかるので案外ちゃんと鍛えるのが難しい箇所だと思います。とにかく、腸と足元の健康は本当に大事だな、なるべく保存をと、地道にできる事をやっています。→(追記)犬のハムストリングはじめ後肢の筋肉強化について書きました。


番でしょうか、ハクトウワシがもう一羽続きます。見えるかなー

 そういえば前回ぶつぶつ言っていたアメリカの大統領選挙も終わりましたね。
 二大政党の応援合戦も終わり、どこかホッとしたような街のようすです。

 私とコディが今住んでいる村一帯は北バージニアの中でもかなりコンサバティブ(保守的)な地域ですが、ここに来る前に住んでいた街は逆にかなりリベラルな地域でバージニア州に住んでかれこれ15年弱、政治的には180°の環境を経験してきたことになります。それで気付いたことがあるのですが、ほとんどのアメリカ人はコンサバティブであれ、リベラルであれ、共通点がひとつあって、それは皆政治的な議論には熱心だけど、自分の足元に落ちているごみを拾うひとはあまりいないということです。笑

 リベラルな街にいた8年間は、特に印象的でした。その頃私は赤ん坊を背負ってコディのひもを腰に巻いて、毎週自宅周辺のブロックの歩道をブロワーで掃除したり生垣の伸びすぎた枝を摘み、落ちたごみがあればささっと拾っていたのですが(スモールトークが苦手なのでいつも超速で)、民家の間を縫うように進む公共の道はごみがたくさん落ちていました。それについては誰も気にしてない感じでした。わりと仲の良かったナチュラリストのご近所さんがある日「季節ごとにゴミ拾い作業員の方を雇うし、その人達の仕事を奪わないため」と教えてくれました。

 私はそれは変だな・・・と思いました。毎日通る道について「数カ月に一度大掃除をするから今は汚れてても平気」という考え方はまあなんとなく分かるけれど、なんか納得はしにくい。それに、ある地点のゴミの総量が減れば業者の仕事の質があがり、決められた時間内でより広範囲に清掃が進み、私達の生活の質も上がり、清掃業者のレビューも良くなって、みんなそっちの方が良いんじゃないだろうか?やはりもとからゴミが少ないに越したことはないはずだ、と思っていました。

 でもそれより気になったのは「誰かの仕事を奪わない」とか、なんとなくいいかんじの理由をつけてやらないことを正当化しているところでした。ゴミのことは単なる一例ですが、自分のすぐそばに散乱している問題、たとえば勉強とか将来設計とか家族関係を良くすることだとか、には取り組まずに、自分だけは快適な部屋の中で地球環境とか動物や女性の権利の議論に興じようという人、という図にしばしば出会った気がします。大義のためには滅茶苦茶がんばるけど、自分自身や至近距離の人のくらしを良くすることについてはやけに力を出し惜しむような。でも別の見方をすれば私のような考え方も「些末な事にばかり気をとられて大局的でない」と思われるのだと思います。

 例えばこれがたとえばユニフォームなどを作って、ただのゴミ拾いを「#地域の保全活動」みたいな形に整えてあげると急に「コミュニティのために!!!」と我先に飛び出してきてやってくれるところもあるんですよね。メディアでは自由奔放に見えるアメリカ人も、一般大衆は意外と『体裁』をかなり気にしているし、常識から逸脱することにもかなり抵抗を示す人が多いですね。

2024年10月20日日曜日

散歩の愉しみ



いや~、散歩には最高の季節がやってきましたね

空の色、枯草の色合い、行き過ぎていく景色がいいなあと思いながら歩いています

うちの犬は毛深いのでこれから3月上旬までが「散歩シーズン」です。

個人プロジェクト(ごみ拾い)も再開です。コディよ、がんばってね。




いきものウォッチングにもちょうどいい季節になりました。

・ドッグトレーニング
・ドッグフィットネス
・自身のトレーニング
・個人プロジェクト
・気分転換
・両生類の観察(長年の趣味)

などなど、相変わらず散歩に全部盛り込んでいます。
日々新しい場所を探索するきっかけとしても見過ごせないですね

私が生き物を探したりそのへんの人と立ち話する間、待たされるコディは不満顔ですが!


第一村人発見


最近自室を整理して、ついでに生活習慣も見直していました。

今年は年始の抱負通り、貯筋にはげみ、ずっとほったらかしだった検診なども受けてきました。
脳MRIをとって脳の灰白質や白質の容積を見たり、認知機能の確認もしてきました。
こんなにも忘れっぽいのに信じられないですが異常ナシ。

次は膝と脊椎の専門のスキャンを受けてみたいですがいつになるかな。
婦人科系、マンモグラフィーなども主治医にこれからは毎年しなさいと言われたので、ハイ、します。笑
偏食も何とかしたい。私は同じものばかり食べるので栄養状態が偏ってるみたいです
これは、血液検査で分かりました。

犬だったらドッグフード食べてるだけで健康なのに、人間は大変だ。


カエルが通ります 美しいですね


生活習慣の見直しは始めてみると結構おもしろくて、発見が沢山ありました。
今年は生活の中で不要な癖化していたものをいろいろやめたんですよ。
何かをやめること、やめどき、というのは判断が難しいものですが
「途中までやってほったらかしになっていた趣味」などは一旦、すべてリセットしました。

外食、計画外の買い物(※多肉植物以外)、snsもやめました。
意味なく人と逢う事もやめました、、、というとなんか孤独な中年の第一歩みたいなひびきですが
人間関係も投資と捉え、今後はこれはという目的がある人や催しに重点的に力を割り振るということです。

こうして削り出した時間を、優先度の高い事柄に集中して使っていこうと思います。


わたしは散歩はきらいです byおこげ


今の私にとって優先度の高い事柄は勉強、家族と個人のプロジェクトです。

不思議なのですが小さい頃から楽しんでた事
たとえば読書、新聞のスクラップ、運動、自然観察、捕獲と釣り、飼育栽培、
どうでもいいこまごまとした考え事や調べもの、それらを手帳をつける、お話を書く、犬、
そういったことはやはり生活の基本として残るし、いくらやっても飽きないということです

つまり楽しいのでしょう。

「三つ子の魂百まで」とは本当に言い得て妙であります。




見慣れた農道は無心で歩けるので、いろんな考え事も捗ります

人も犬も馬も、みな無心に行く古い道です

これも散歩の愉しみの一つでしょうか。


2024年10月15日火曜日

犬の優しさ



読みやすくなるかなと思って、ブログの書き方を変えてみました。

頻繁に改行すると字は見やすいけど、長い文の時は大変ですね。

私は話したい事が沢山あるのでこの書き方は向いてないのかも知れないな、、、

だめだと思ったら諦めます(笑)




コディも順調に年を取ってます。相変わらずの調子で、ありがたいですね。

今日はいつの間にか見た事ないくらいでっかい洋梨をひろってきて得意げに見せてくれました。

梨の木は百メートル近く離れた所にあるのです。

ちょっとしたチワワくらいある梨を、わざわざ私のためにデッキまで運んできてくれたようです。




この梨で遊ぼうよと誘ってます。

犬のおもちゃはなんと質素なんだろうと思うと、ちょっと涙が出そうになりますね。

ぼろぼろのボールとか、おもちゃ箱にあるがらくたも、コディはほんとに大事にしています。

そのわずかな大切なおもちゃも、いつでも、何でも私にくれようとします。

ものも、自分の時間も、なんでも惜しげもなくわけてくれます。

これが大昔から人類の心を打ち続けてる犬の優しさなんだろうな。




私はこれほどの愛と優しさに見合う飼い主なんだろうか。

私は自分のおもちゃを山ほどもっているのにひとつも犬に分け与えていないと感じる。

PCを閉じたらちょっと外に行ってこよう、犬と。


2024年10月10日木曜日

バージニア、秋です。




カエデの葉の紅葉がはじまりました。
バージニアの山々が一番華やかになる季節がもうそこまでやってきてます。
前の夜は、見上げると立ち眩みがするほどの満点の星が見えました。

うちの地域はみんな夜が早すぎて夜も7時くらいを過ぎるとどこの家も真っ暗
道を歩いてるのはポッサムかアライグマだけとなります。
天の川も、流れ星も、自宅の庭から見放題なのは嬉しいです。
寒風にガチガチと鳴る奥歯に耐えられればの話ですが・・・。




どうして昨晩の夜更けの星空について私が詳しいのかというと、、、
お腹をこわしていたこちらの犬のクンクン声に夜中たびたび起こされたためです。

肌着一枚みたいな恰好で外に出てしまったのでめちゃくちゃに寒かったです。
私は一度起きると眠れない体質なので諦めて起床し数日分のおやつを焼いたりしていました。
コディも外に出てトイレしたあとは台所をうろうろして焼きたてのクッキーやロールパンを欲しがっていました。

コディは炭水化物にはあまり興味がないんです。
でも、ホールフーズ(日本の成城石井みたいなスーパー)で買ったフランスパンの両端の部分と、
「家で作ったパン」だけは例外的にすごく欲しがります。
背丈があるのでカウンターもテーブルのものもなんでも手が届きますが、
私から直接わけてもらうまで絶対に待っているので、律儀だと感心しています。

 コディの聞きわけの良さは一般的な犬のレベルを超越していてたまにちょっと心配になるほどです。

時々友達の家に行ってそこんちの犬と遊んだりすると
「ああ、犬って本来こうだったな」
と思い出すことが色々あります。

小型犬も含めてどんな犬でも好きなのですが、聞き分けに関してはやはりシェパードは飛び抜けて良いですね。
9年間でほんとにスポイルされてしまった。

 
スナネズミも養い始めた我が家

とくべつ料理好きでも得意でもない私なのですが、
なぜせっせと焼き菓子などを作っているのかというと、、、ズバリ経費削減のためです。

前回のブログで触れたように、
大型犬がちょっと具合が悪くなっただけで、すぐ驚くほどの医療費がかかります。
そんなことを言っている自分達だっていつ病気や事故に遭うか分からないですよね。

日本と同じでアメリカも物価上昇が続いています。
あまり先のことを考えすぎるのも無意味かもしれないですが・・・
できるだけ計画的にやらなきゃなと思い立ちました。
生まれて初めてかんたんな家計簿もつけてみたりして。
数値化されるとゲームみたいになってきて、ちょっと楽しくなっています。

 


そんなこんなで、ちょっとずつ「家庭で育てられる食糧調べ」にも着手していますよ。

ハーブ類は、費用対効果がすごく高いですね。
バジルなんか環境が合えば際限なく茂るから、ペストにして、
家で作った「なんちゃってピザ生地」にのせて、チーズを加えて焼けば一食できます。

コディのためにとってる鶏ガラスープも、ニンニクとキノコ、
ちょっと摘んだディルを入れるだけで食事の足しになって、とっても得した気分です。


2024年6月4日火曜日

下顎部のしこり


 バージニアは日一日と暑くなってきます。田舎の四季は空の色と、畑の作物の草丈が教えてくれますが、中でもトウモロコシの成長の速さには驚きます。今年はこの一帯はみんなトウモロコシを作っているんです。いつも歩く道のこの、写真の場所に立つと、ちょっと劇場の中に居るような気分になります。両側に高く伸びた古い農道の木がソデで、台詞を忘れた役者がウロウロしているようですが(笑)、しかしこの背景はとてもいいなあといつも思います。日本の田んぼは、吹き渡る風が見える時が好きなのですが、アメリカのこの若いトウモロコシがみんな一篇に風になびく様子もそれに似てなかなか素敵です。




 木曜日の夜、コディの下顎部のちょうど舌の筋肉の裏側から右側の顎にかけて小さな2センチ前後の塊状のなにかが、骨に密着するようにしてある事に気付きました。夜遅く病院へ行って先生の手があくまで1時間半待って診察を受けました。待ってる間はずっと立って待合室をうろうろしていたので結構くたびれました(笑)。コディは獣医さんに着くといつも病院の外から中までと、受付のスペース、お手洗い、物販スペースなどを全て確認したがります。他の患畜さんがいない場合は、気が済むまでチェックさせます。目に見えてストレスが緩和します。

 9時半をまわった頃獣医さんが出てきたので状況を話し、一旦触診を受けました。早く検査をやった方がいい状況だというのは分かっていたのですが、翌朝の朝イチで来られれば口腔外科の先生の予約が取れることを確認し、すぐ家にとんぼ帰りしてコディにトラゾドンとギャバペンチン(獣医などで治療に積極的でない犬に用いられる、向精神薬)の投与を始めました。コディに水をやってちょっと寝てから、また早朝のアポのために薬でボワワンとしたコディを車に積み込んで出かけました。


5月13日の写真。歯石もなく、奥歯の方まで(見た目は)わりとよかった


 麻酔を口腔外科の先生にレントゲンを撮ってもらった結果は「歯根膿瘍」でした。特に膿瘍が見られた歯はその場で同意書にサインしてすぐに手術してもらいました。年2回の健康診断で口腔内のチェックをして、綺麗だと言われてきたのでこの結果にはいささか驚きましたが、本当の状態は表からはの評価ではだめで、ちゃんと麻酔してレントゲンを撮らないといけないということですね。

 今回の件で口腔外科専門の獣医さんにいろいろ質問したのですが、結局、コディの膿瘍の直接的な原因になったものは「正直自分にもよく分からない」と言われました。犬用の小さいやわらかいブラシで、1日最低1回は歯磨きをし、ビルバックのデンタルトリーツをもらって、4年前のこの頃からスケーラーでの歯石とりも定期的にするようにして、「もしかしたらこのまま寿命までクリーニングなしでいけるかも」などと思っていましたが、甘かったようです。コディは大型犬ではあまり問題になりにくい前歯にも膿瘍があり、2本抜いたので、やっぱり歯肉が炎症を起こしやすい犬なのかもしれないと獣医さんも考えていました。今後も気を付けていく必要があります。

 下顎部のしこりは炎症にしては硬いと思ったので組織検査にも出してもらい、腫瘍をスクリーニングする為のブラッドパネルもやりましたが『ただの炎症』以上の結果が出ませんでした。膿瘍がもとで起こった炎症か、もしくは今丁度時期的に営巣し始めているハチに刺されたか、ではないかと言われました。(3週間後の追記:現在はしこりも、縫合の糸もほとんど解けてふだん通りの状態に戻っています)


表情が変わらなすぎる犬

 今回、コディの表情とか様子などがいつもと全然変わらないので、なかなか問題がある事を発見できませんでした。膿瘍は結構痛むということなのですが、、、

 検査数種と麻酔、抜歯で約2800ドル(およそ45万円)かかったのも、心と予算の準備は出来ていましたが、「超大型犬の医療費パンチ、重いぞ」を実感しました。

 でも、40年前だったらコディはこのまま痛い顎に苦しみながら生きてたんだと思うと病院があってお医者さんがいて、本当にありがたいことです。気を取り直して生活習慣のメンテナンスと、節約生活!に励みたいと思います。


2024年5月24日金曜日

コディの喜び

 


 夕、今年最初のホタルがふわ~っと横切っていきました。細々と続けていた歴史街道のごみ拾い散歩ですが、バージニアは夏の間は非常に暑く湿気も凄いので、犬の負担にならないよう、一旦お休みに入ります。今春はコンスタントに5キロ分位のごみを運んでいい運動になっていました。家族や友達にもほとんど知らせていない、犬と私の『個人プロジェクト』が何気に続いていて楽しいです。私は相変わらず使役犬のフィットネス関連のメーリングリストに加わっていて、送られて来るものを色々読んでいます。犬の身体能力は気温によってかなり大幅に左右されますね。

 コディは小さい頃から目力があってわりとポーカーフェイスの犬で、それで結構怖がられてきたりしたのですが、こうやってリュックをしょって歩く時、ふと見るとニコニコしているのです。「Oh, what a good boy you are! 」とか声を掛けると本当に嬉しそうな目をして尻尾をブン!と一回大きく横に振ります。褒められると舞い上がり、しばらくウキウキと軽快なステップで歩くのもかわいい。

3月に隣の農地にて。今年は沢山のトウモロコシが植えられました

 しばらく前になりますが、なにが君のしあわせという記事に「自分の犬が『これをあげれば(すれば)とても喜ぶ』ということ、報酬がどんなものごとかが事前にはっきり分かっている事は非常に大事である」いうようなこと書きましたが、最近になって、私がずっとコディが喜ぶものだと考えてきたものごと、おやつやおもちゃの事ですが、についてずっと見当違いをしていたのでは?と思うようになりました。

 確かにおやつやおもちゃのためにすごく頑張るんです。なんだけど、そういう行動の元を辿って行くと「自分がした事が飼い主を喜ばせた時」コディは嬉しそうに見える、と年を追うごとにだんだんはっきり分かってきました。これがよく犬の教本などに出てくる「Eager to please (人を喜ばせたい)」という性質なんだ!と気が付きました。なんと初歩的で、なんとあたりまえなことに、なんと今更気付いてしまったのか(笑)。

 だからおもちゃがなくても、私のポケットの中におやつが入っていなくても、ヒモがついていなくても、何十メートルと離れた場所にいても、コディはいつも私のリクエストに応えようとするのかと気が付きました。おやつやおもちゃは彼にとっては「すごくうれしいオマケ」みたいなもので実際トレーニングを加速させるものでしたが、本当の所は飼い主が喜ぶのが好きだからだったんだと。


激しい雷雨があった翌朝、落ちている楓の枝を不審に思いいきなり猛ダッシュでチェックしに行ったコディ。
雷のストレスと急に猛烈に走ったことでぐったりしている様子。
半年前と比べても、息が上がりやすくなった気がする。

 家族のために何かするのが大好きな犬だとわかるからこそ、今後、老いや病気などで「今まで出来たことが出来なくなった時」も、なんとかできる事を見つけて「同じような毎日」をメンテナンスすることができたらなと思っています。

 たとえば聴覚過敏が進んですぐパニックになるコディとか、痴呆になってボンヤリしてるコディ(あんまり想像できないけど)、体が思うように動かないコディ、心臓が悪く走らせてはいけないコディ、とか色々シュミレーションをしながら、そういう状況下でどんな事をさせてやれるのか考えています。普段、まだ起こっていないことに対してそんなにあれこれ考えない方ですが、最近はふと気が付くとそのことを考えていることが多いです。

2024年5月22日水曜日

あれがなった!


 どういうわけかあれがなりました(驚)

 錯乱坊のみなさん

 この場所に越してきて4年目。ついに、うちにサクランボの木がある事を発見した初夏です。私がいかに地面ばかり見ながら歩くヤツなのかこれではっきりしましたね(笑)こんなに鈴なりになっていて、味は、まんまお店で売ってるサトウニシキの味です。何もしていないのにこんなにおいしい実がなって、驚きました。

 残念な点は、多分私達が越してくるまえからずっと剪定をしていなかったのでしょう、木がすごく高く伸びていてほとんどの果実が収穫できないことです。ただの背の高いサクラの木になってしまいました(笑)木の手入れは大事ですね~



  
 寝起きのボサボサ顔のコディ😂 
「サクランボ持って。」と言ったら器用にヘタの所を牙にひっかけて持っていた。
 
 コディはこうやって頼まれた事をとりあえずやる所がほんとにえらいなあといつも思います。「この行為に何の意味があるのか」とか「おやつがなければしない」という素振りをいっさい見せないのは立派だと思うしこの態度はマネしたいです。サクランボを持つことだってコディにとっては別に面白おかしくもなんともないんです(この仏頂面を見てください笑)。ただ私を喜ばせるのが好きなだけなんです。




 こちらも無剪定でワイルドな状態に陥っているリンゴです。リンゴやナシは夏剪定・冬剪定というアイデアがあるらしく、ユーチューブ大学で一生懸命学んでいますが、慣れるまで練習がいりそうです。とにかく木を殺さないように頑張ります(青森のガチ農家の方の剪定ビデオが沢山上がっているので本当にありがたいです)。

 私達の住むバージニアは、19世紀初頭頃は合衆国で随一のリンゴの産地として知られていました。移植者がヨーロッパ産のさまざまなリンゴの品種を持ち込んだことで知られます。今でも一部では、そういった昔からの珍しい系統のリンゴが維持されているらしいです。わたしも一応、バージニア10年選手としては立派なリンゴを育て上げて、周囲の人に見せびらかしたいところです。




 こちらは洋ナシです。こちらも無剪定で大変な状態。でも、多分私が一番最初にうまく収穫できるようになるのはこれだと思う。少しずつですが分かってきてる気がしています…………。ほんとに気のせいかもしれませんが……‥‥…‥‥……。味はけっこうおいしくて、若い間に実を摘んで減らしておくと、本の通りにちゃんと大きめの実がなるのが面白いです。コディもナシは大好きです(サクランボはぺーします)。美味しすぎるのかスズメバチがたかってしまい、温かい時期はハチとの闘いが起こるのが玉にキズですね

 奥には桑も生えてます。まだ熟さないですが実がすずなりです。その上を日本からの外来種であるスイカズラのつるが占領しています。今年は子がスイカズラの蜜のうまい吸い方を発明して伝授してくれました。




 別の一角です。去年やった手入れのうち何かがよかったのでしょう、今年はバラがたくさん咲きました。悲しいかなど素人の見様見真似なので、「自分のやった世話のうち何がよかったのか」が分かりません。とにかく時間をかけて「これはうまくいった」というデータを蓄積するしかないですね。でも植物の場合、自分の寿命なんかも考慮するとこの先無限にチャンスがあるわけではありません。一回一回が勝負だ(笑)




 最近暑くなって来てドライブもセラピーワークもホムセンなどもどこにも行っていない犬。セラピーがないと風呂にも入らないしブラシもかけないヒゲも足のパッドまわりもカットなしです。なんかちょっと休日のおじさんみたいな雰囲気になってきました。