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2025年9月16日火曜日

筋トレのその後/飲み水について



 今年は比較的涼しくて、過ごしやすくてありがたいなあ……と思っているここ最近です。盛夏をすぎ木々や葉っぱもどことなく「秋支度」といった雰囲気です。早々と黄色や赤になっている葉っぱも出てきて驚いています。朝夕はぐっと冷え込んできており、北バージニアの田舎はこれから馬たちが太って、ぶどうが甘くなる季節に入ります。

 飼い主の筋肉再生プランに付き合わされて、毎日エクササイズに取り組んできたコディもかなりがっちりが復活してきました。下半身のふらつきがあるていど解消し姿勢がよくなりました。やりすぎて関節が痛くなったりしたらいけないし、どのあたりまでが適正な運動量・強度なのか、塩梅がつかみにくいのが唯一の心配事です。犬自身は毎日のトレーニングでわりと頻繁に新しい行動をしてきたりして、常に思考している様子がわかります。絶対チンパンジーの子供くらいの知能はあるにちがいないと思っています(親ばか)

 タンパク質もとっています。肝臓の数値という懸念事項はあるけれどもうある程度は好きなもの、おいしいものを食べたらいいと思っています。テーブルに寄って来るのも許しました。コディは生まれてから一度もテーブルから直接つまみ食いをしたことがないのです。


せっかくムキムキ復活しても 毛でなにも見えない😅

 面白いことに月末にチェックしたら後ろ足の爪、特に左足のが少し伸びていました。

 たぶん筋力が回復して歩行時に足がより上がるようになった結果、散歩で地面に擦れる回数が減ったことが原因なのではないかと思っています。後ろ足の爪は知らない間に犬が足を引きずっている知らせにもなるかもなと気が付きました。またほんの少し運動をさぼっただけでこんな急速に筋肉が衰えるなんてと、空恐ろしさも感じました。



 涼しくなり、外に行く機会が増えたので鑑札もつけていました(写真にも写ってます)
 するとコディがあまり水を飲まなくなりました。

 どうも鑑札が水皿にあたるチャリンチャリンと言う音が嫌で水入れを避けているようでした。何度確認しても水飲みの回数が減るので、家にいる時は鑑札は外しました。ほんとに難儀なヤツです!そういえば先日、家の中で久々に遊びでクリッカーを鳴らしたら、ストレスで涎を垂らしていたし。子犬の頃あれほど聞いたクリッカー音も、いつの間にかストレス源に変わってしまっていたようです。



 そんなにお耳が良くっちゃあ、困った奴だなあ、おまえは…。そんなことでこれから一体どうすんだい。とか言って、よく話しかけています。コディはこうしてお話してもらうのが本当に大好きです。嬉しいとすぐ上の写真のように地面に寝転んで、一緒に寝ながらお話しようと誘ってきます。私も一緒に寝転んでやるとフガフガと鼻を近づけたり、私の手を咥えたりして喜びをアピールします。全身をワシワシと撫でてやるとすぐに目がボヨヨンとして、リラックスした感じになります。

 水入れのことでああだこうだやっていて感じたのですが、「常に新鮮な水をあげましょう」って、すべての生物飼育の基本ですが、これがなかなかに徹底が難しいものの一つだなと思っています。水入れを毎日完璧に除菌までして綺麗にできている人は案外多くないのではないだろうか。

 犬が一口でも口をつけた水は、特に今みたいに暖かい季節なんかは数時間程度で不衛生になってしまいますよね。だから理想的には水入れのボウルを常時複数使いまわし、数時間ごとに冷たい・新しい水ととりかえてやるのがいいのだろうな。エサ入れも同じでしょう。


コディがたまにするこの表情、家族に「私(飼い主)に似てる」と言われている↑

6月の終わり頃子にせがまれ2ドル99セントで買ったベタのメス。おもしろがってみなで餌を与えていたらすごく立派になった

こんなにきれいなのに、2ドル99セントでよかったんだろうか? 利益率はどうなってるのか


2025年8月6日水曜日

犬のハムストリング(大腿二頭筋)の強化

 



 夏の帰省で日本にいる間久しぶりに和室で硬い布団で寝てたら、朝強烈な寝違えのようになって目が覚めて、もう3週間経ちますがまだ痛みが続いています。あと1週間待ってみて、続くようだったらMRIを撮りに行こう。多分、軽いけど椎間板ヘルニア的なやつなのだと思います。それにしても寝てるだけでなる……そんな奴いるの?と思いますよね。正直私も思いました。寝てる時になったので、日中の活動には影響がなくて夜、寝る体勢になると痛みます。

 これが地味につらいんだな。「鎮痛薬を飲んで寝ても翌日に痛みが戻って来るケガ」の類を人生でしたことがなかったばかりか、よく聞くぎっくり腰も、冷え性も、肩こりすらなったことない人生だったので、これまで自分は本当に幸せ者だったと思います。うしなって はぢめてわかる けんこうかな ←俳句の才能ははぢめからなさそう



 犬の方もちょっとヨレヨレしています。帰省前の準備期間も含め、約ひと月ほど「大きいニンゲン」に主な世話を委ねていたのですが。ちょうど仕事が忙しい時期と重なってしまったらしく運動を全くしてもらえなかったようです。帰って来てチェックしたところ、6月の時点ですでに弱り気味だった後ろ足の、biceps femoris(大腿二頭筋)が一気に失われていて驚きました。齢のせいか筋肉がなくなるスピードがかなり加速している!



 そういうわけで、犬も飼い主も機能回復につとめる週間をやっています

 犬の大腿二頭筋の力をつけるには、股関節と膝関節の両方を屈曲・伸展させる運動が必要になってきます。具体的には坂道の上り下り、障害物をまたぐ運動などが特に有効です。下にいくつか併記します。これらは、普通の元気な状態の成犬であってもメリットがあると思うので、できる範囲でチャレンジするとよいかと思います。ハムストリングはじめ動物の四肢はわりと大きい筋肉が集まっているのでおそらく犬の全身的な代謝などにもよい影響があると思います。

 高齢犬の場合は全てのモーションをコントロールされた環境下で行いケガを防止しながら、痛みなどが出ていないかよく確認しながら行うことをよく気を付けたいです。ふとしたはずみでケガするとなかなか治らないと思うので。

【またぐ運動】
ハードルや障害物、アジリティのカバレッティレールなど
コントロールされた脚の動きと伸展で大腿二頭筋を強化
つっかかると自信を失うことがあるのでまずは地面に置いた棒などから。

【重心の移動が伴う運動】
立っている状態で体重を片足からもう片方の足へ移動させる運動
「犬を不安定な場所に立たておくこと」で達成できる
体重の軽い犬は、前肢を持ち上げて体を動かしてあげるのでもよい
大腿二頭筋を含む姿勢を安定させるための筋群全体の強化の活性化
持久力の向上、バランス感覚のエンリッチメント

【坂道の上り下り】
大腿二頭筋を含む筋肉により強い負荷をかける
坂道を降りるのは肩と前肢にかなり負荷がかかるので気を付けて行う。
特に下り坂に向かってボールを投げるのは若い犬であっても気を付ける。
屋外の坂を利用する時は地面のコンディション(濡れててすべらないか、等)注意

【昇降運動】
犬の体重を持ち上げるために大腿二頭筋が大きく使われる
後肢の筋力全体の強化と持久力向上。
坂路と同じく、下りる時に上半身の関節に負担がかかるので注意して行う。
特に階段など段差の下りに注意する。

【その他】
トロット(速歩)、後ろ向きに歩くこと ※できるわんちゃんの場合
大腿二頭筋を動的に鍛えることができる

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 「犬のエクササイズ」というと痩せた白人のおばちゃんが(偏見)犬を立たせたり座らせたり、ピーナツみたいなボールの上に乗せたりしてそれらについて「シット・トゥ・スタンド」とか「ウエイト・シフティング」とか色々名前をつけて大げさにやっていたりするのを見かけることもありますが、運動量としては、ふだんのメンテナンス的な運動(たとえば散歩や水泳)にプラスアルファとして取り入れるべきものだと思います(「シット・トゥ・スタンド」を1日15分ずつ何回も繰り返せる人なら、話は別ですが)

 自分自身でも筋トレを長く続けているので、ふつうの日常の動作の中で犬の筋肉がドラマチックに大きくなり、筋力が向上するということは基本的には『ない』と思っています。やはり犬の筋肉にもあるていど負荷をかけることが必要だと思う。そのことを念頭に、「ケガや痛みに気を付ける」「目的に見合った運動を選択する」ということを行い、あせらずじっくり筋力をつけてあげるのがよいと思います。また負荷をかけることで短時間でもフィットネスの効果が生まれるので、今のように暑くって、長時間の散歩などが厳しい時でも効率的に運動させ、代謝をよいかんじに保ってあげられるかと思います。



 犬っちは10歳6ヵ月です。認知能力も緩やかに下降気味です。前回書いた時より更に、ストレスに弱くなった感があります。天候が悪かったり、風が吹いていると「あれ(雷)がくるかも」と、散歩や運動中でもさっさと切り上げて家に帰ろうとするようになりました。発砲音やハイピッチ音が聞こえると即座にUターンしてあわてて駆け足です。ボール投げの最中でも、おかしな音がすると急いで帰ろう!とボールを持って駆け寄ってきます。この犬の中でボールより優先することがあることに驚きです。

 またこれまでコディは散歩中、吠える犬の家を通る時は一気に首の毛を逆立てて尾を立て、毅然とした様子で二、三言、主張(※大音量)をしてから通り過ぎるのが常だったのですが、ここのところ毛を立てて「僕は大きいぞ」「僕にかかわるな」とジェスチャーする以外はさっと通り過ぎるようになりました。私も筋肉が減ると気力も「減」になる気がしているのですが、コディも筋肉の減少と共に自信が減ったのかな・・・と同情しています。



 毎日のお薬です。
 左側のコディの皿に乗っているのはフィッシュオイル、PROVIABLE-FORTE(プロバイオティックのサプリメント)、Denamarin(肝機能のためのサプリメント)、Galiprant 60mg(関節炎の痛みをおさえるお薬)です。フィッシュオイル以外は、サプリメントも全て獣医さんに処方されたものです。コディはいつも通り痛みがあるのかないのかよく分からない犬なので、とりあえず所定の日数を投薬しています

 去年の年始に犬の生活の充実は飼い主の健康からと書きましたがほんとにその通りだと思います
 まずは自分の腰をしっかり治しながらコディ君と少しずつ体を動かして筋力回復していきます。


おお よし よし


2024年11月15日金曜日

まずは足元から・・・



 北バージニアの田舎地域では急にぐっと気温が下がってきました。若干の霜も降り始めたので、外に出していた植物を順次、中に入れています。表では、今年もすっかり役目を果たした棚の枯れたぶどうが晩秋の風に揺れています。枯草の風あいを楽しみながら歩いているといつのまにか犬の全身にくっつき虫が付着していたりして、ちょっと隙を見せるとすぐジャブを打ってくる感じがいかにも植物、いかにも自然、といった感じですね。こうした所に住んでいると、人間にとって自然というのは「常に全力で叩きのめさないと制御できない存在」という方が本質であって、私達が慈しんでいる部分というのは、自然という神が、自分の着物の裾かざりらへんでちょっと遊ばせてくれているのに過ぎないんじゃないのかなと思います。

 コディは久しぶりに子供関係の寄り合いに出席する可能性が出てきて、今週は近隣の街まで出てトレーニングをしていました。犬は、「練習だ」と分かると目がきり!として一生懸命です。セラピーワークなどを始め訪問の活動は長く続けられる良いライフワークですが、訪れる場所柄、あまり写真に残せない現場が多い点はちょっと残念です。 


千切れ雲の合間に飛んでいくハクトウワシが見えました


 そんな中ですが、実はここ2週間ほどコディのおなかの調子がよくありません。本犬は食欲もあってボール持って走り回っているのが救いですが、調子いい時と悪い時とが数日間隔くらいできています。すでに病院へ行って検査を始めていますが、まだこれといった要因が分かりません。私は炎症性腸疾患を疑っています。腫瘍などの可能性もチェックしないといけないので来週以降、さらに細かい検査をする予定です。

 また、今年後半に入ってから、後ろ足の筋力に少し衰えが感じられるようになりました。そこで遊びの一環として階段に前足をかけた状態でゆっくりとタテ・スワレをする動きをやっています。コディはここでも「練習だ」と分かると目がきり!として一生懸命です。でも『やるよ』と言うとカッとパワーが沸きすぎて「ゆっくり正確に」が苦手な犬なので、私がいつまでも厳しく合格を出さないと、耳を倒し前足ですがりついて「クウォ~ン」と文句を言ってくるようになりました😂。私も日本語で「ちゃんと落ち着いて丁寧にやんなさい」とか言い返したりして、もう、お互いに付き合いが長くなって遠慮がなくなってきてるわけです。笑

 犬は、前肢に意識が集中している生き物で後肢は工夫しないと重点的には使いません。この部分を鍛えるにはあるていどの負荷が必要になりますが、これが犬の場合かなりの難題です。特に体重のある犬の場合はすぐ膝などに負担がかかるので案外ちゃんと鍛えるのが難しい箇所だと思います。とにかく、腸と足元の健康は本当に大事だな、なるべく保存をと、地道にできる事をやっています。→(追記)犬のハムストリングはじめ後肢の筋肉強化について書きました。


番でしょうか、ハクトウワシがもう一羽続きます。見えるかなー

 そういえば前回ぶつぶつ言っていたアメリカの大統領選挙も終わりましたね。
 二大政党の応援合戦も終わり、どこかホッとしたような街のようすです。

 私とコディが今住んでいる村一帯は北バージニアの中でもかなりコンサバティブ(保守的)な地域ですが、ここに来る前に住んでいた街は逆にかなりリベラルな地域でバージニア州に住んでかれこれ15年弱、政治的には180°の環境を経験してきたことになります。それで気付いたことがあるのですが、ほとんどのアメリカ人はコンサバティブであれ、リベラルであれ、共通点がひとつあって、それは皆政治的な議論には熱心だけど、自分の足元に落ちているごみを拾うひとはあまりいないということです。笑

 リベラルな街にいた8年間は、特に印象的でした。その頃私は赤ん坊を背負ってコディのひもを腰に巻いて、毎週自宅周辺のブロックの歩道をブロワーで掃除したり生垣の伸びすぎた枝を摘み、落ちたごみがあればささっと拾っていたのですが(スモールトークが苦手なのでいつも超速で)、民家の間を縫うように進む公共の道はごみがたくさん落ちていました。それについては誰も気にしてない感じでした。わりと仲の良かったナチュラリストのご近所さんがある日「季節ごとにゴミ拾い作業員の方を雇うし、その人達の仕事を奪わないため」と教えてくれました。

 私はそれは変だな・・・と思いました。毎日通る道について「数カ月に一度大掃除をするから今は汚れてても平気」という考え方はまあなんとなく分かるけれど、なんか納得はしにくい。それに、ある地点のゴミの総量が減れば業者の仕事の質があがり、決められた時間内でより広範囲に清掃が進み、私達の生活の質も上がり、清掃業者のレビューも良くなって、みんなそっちの方が良いんじゃないだろうか?やはりもとからゴミが少ないに越したことはないはずだ、と思っていました。

 でもそれより気になったのは「誰かの仕事を奪わない」とか、なんとなくいいかんじの理由をつけてやらないことを正当化しているところでした。ゴミのことは単なる一例ですが、自分のすぐそばに散乱している問題、たとえば勉強とか将来設計とか家族関係を良くすることだとか、には取り組まずに、自分だけは快適な部屋の中で地球環境とか動物や女性の権利の議論に興じようという人、という図にしばしば出会った気がします。大義のためには滅茶苦茶がんばるけど、自分自身や至近距離の人のくらしを良くすることについてはやけに力を出し惜しむような。でも別の見方をすれば私のような考え方も「些末な事にばかり気をとられて大局的でない」と思われるのだと思います。

 例えばこれがたとえばユニフォームなどを作って、ただのゴミ拾いを「#地域の保全活動」みたいな形に整えてあげると急に「コミュニティのために!!!」と我先に飛び出してきてやってくれるところもあるんですよね。メディアでは自由奔放に見えるアメリカ人も、一般大衆は意外と『体裁』をかなり気にしているし、常識から逸脱することにもかなり抵抗を示す人が多いですね。

2024年5月24日金曜日

コディの喜び

 


 夕、今年最初のホタルがふわ~っと横切っていきました。細々と続けていた歴史街道のごみ拾い散歩ですが、バージニアは夏の間は非常に暑く湿気も凄いので、犬の負担にならないよう、一旦お休みに入ります。今春はコンスタントに5キロ分位のごみを運んでいい運動になっていました。家族や友達にもほとんど知らせていない、犬と私の『個人プロジェクト』が何気に続いていて楽しいです。私は相変わらず使役犬のフィットネス関連のメーリングリストに加わっていて、送られて来るものを色々読んでいます。犬の身体能力は気温によってかなり大幅に左右されますね。

 コディは小さい頃から目力があってわりとポーカーフェイスの犬で、それで結構怖がられてきたりしたのですが、こうやってリュックをしょって歩く時、ふと見るとニコニコしているのです。「Oh, what a good boy you are! 」とか声を掛けると本当に嬉しそうな目をして尻尾をブン!と一回大きく横に振ります。褒められると舞い上がり、しばらくウキウキと軽快なステップで歩くのもかわいい。

3月に隣の農地にて。今年は沢山のトウモロコシが植えられました

 しばらく前になりますが、なにが君のしあわせという記事に「自分の犬が『これをあげれば(すれば)とても喜ぶ』ということ、報酬がどんなものごとかが事前にはっきり分かっている事は非常に大事である」いうようなこと書きましたが、最近になって、私がずっとコディが喜ぶものだと考えてきたものごと、おやつやおもちゃの事ですが、についてずっと見当違いをしていたのでは?と思うようになりました。

 確かにおやつやおもちゃのためにすごく頑張るんです。なんだけど、そういう行動の元を辿って行くと「自分がした事が飼い主を喜ばせた時」コディは嬉しそうに見える、と年を追うごとにだんだんはっきり分かってきました。これがよく犬の教本などに出てくる「Eager to please (人を喜ばせたい)」という性質なんだ!と気が付きました。なんと初歩的で、なんとあたりまえなことに、なんと今更気付いてしまったのか(笑)。

 だからおもちゃがなくても、私のポケットの中におやつが入っていなくても、ヒモがついていなくても、何十メートルと離れた場所にいても、コディはいつも私のリクエストに応えようとするのかと気が付きました。おやつやおもちゃは彼にとっては「すごくうれしいオマケ」みたいなもので実際トレーニングを加速させるものでしたが、本当の所は飼い主が喜ぶのが好きだからだったんだと。


激しい雷雨があった翌朝、落ちている楓の枝を不審に思いいきなり猛ダッシュでチェックしに行ったコディ。
雷のストレスと急に猛烈に走ったことでぐったりしている様子。
半年前と比べても、息が上がりやすくなった気がする。

 家族のために何かするのが大好きな犬だとわかるからこそ、今後、老いや病気などで「今まで出来たことが出来なくなった時」も、なんとかできる事を見つけて「同じような毎日」をメンテナンスすることができたらなと思っています。

 たとえば聴覚過敏が進んですぐパニックになるコディとか、痴呆になってボンヤリしてるコディ(あんまり想像できないけど)、体が思うように動かないコディ、心臓が悪く走らせてはいけないコディ、とか色々シュミレーションをしながら、そういう状況下でどんな事をさせてやれるのか考えています。普段、まだ起こっていないことに対してそんなにあれこれ考えない方ですが、最近はふと気が付くとそのことを考えていることが多いです。

2021年11月16日火曜日

「ミッション・レディネス」


 犬の運動機能の向上についてちょこちょことオンラインの講座を受講したりして、勉強を続けています。日々の生活のすきま時間を利用してなので、自分でも考えたりためしたりしながらだと遅々として進みませんが、徐々に犬の体を見る目が養われてきているような気になって?楽しいです。学んでいるのは主にワーキングドッグ(警察犬、探知犬、救助犬や牧場で働く犬等)、プロテクションスポーツをする犬のハンドラーを対象としたものなので、自分の犬には転用できない事もありますが、参考として全て頭に叩き込むつもりで見ています。

 題材の中に、「Mission Readiness/ミッション・レディネス」という言葉が出てきます。「使命を果たす準備がととのっているか」というような意味でしょう。作業犬にはさまざまな使命がありますが、ペットに毛が生えたようなコディにも、セラピーの訪問という使命があります(日夜命がけの作業に従事する犬がいる中、本当にお気楽な『使命』ですが)。

 犬達は要請があった時、即座に社会の役に立つために、最上級のパフォーマンスが出来る状態を極めておく必要があります。これだけ言うと、使役する人の側の都合を押し付けているみたいですが、心技体がバランスよく整っていることは犬の自信を向上させ、ストレスを軽減し、怪我を防止し、間接的にその犬が長く健康に仕事に従事することが出来るという意味でもあります。犬自身の福祉にとっても非常に大切なことなのです。


 ワシントンDCは新型コロナウイルスの流行下、政府の施設の多くが閉鎖されたため、政府付属の機関に定期的に通っていたコディの活動も休止していました。ワクチンの普及と共に街のようすは元にもどってきたものの、セラピードッグ達が気軽に訪れられる状況はまだまだといった感じで、コディも加齢とともに以前と違った行動を見せているし、もしかするとこのまま引退かなあなどとのんきにしていました。

 ところが先月になって緊急の招集がかかりました。行き先は、最近政権が崩壊した中近東の国のタスクフォースで、土日祝24時間稼働しているとのことでした。ライフワークバランスを重視すると思われがちなアメリカ人が、昼も夜もスーツで缶詰になっている部署というのはふつうではありません。こういう、緊張感の高い場所へ行くほど、犬も人もむしろ平常運転でいることの方が大切です。窓のない政府の建物の中で日夜、冷たい活字と早口の要請の渦の中にいる人々にとって、犬は温かい生命や、日常の象徴ともいえるものです。ふつうの、どうでもいい会話の糸口であったり、落ち葉やよだれや、生き物の温もりを運ぶことがコディの「ミッション」です。夜間の訪問でしたが、準備は万端で臨むことができました。

 この訪問をアレンジしてくれているコーディネーターの方は、この機関にセラピードッグが定期的に訪問するようプログラムを確立したのは「2年前、初めて訪れてくれたコディアック(『The pup who started it all』)が大きなインスピレーション源になった」と、あとでメールに書いてくれました。また、訪問後自宅にブリンケン現合衆国国務長官のサインの入った感謝状が届けられました。セラピードッグの訪問活動を通して、こんなに大きな賞賛を立て続けにもらうことは今後もないと思われますが、「Mission Readiness」を意識しながら日々犬も人も心身の状態を整えていたことが、わかりやすく報われた出来事でした。


2021年6月30日水曜日

田舎生活の課題点

 ランチブレイク時のミニミニトラッキング(黄色い旗が目印)

 田舎エリアへの引っ越しから早くも8カ月が経過しました。仕事や子供のホームスクーリングもどきも大詰めを迎える中で、かなり忙しくしてしまい、コディにはその分しわ寄せが行っていたように思います(本犬はのんびりウサギの糞を食べたりして満足そうですが…)そんな中で、「田舎生活と飼い犬の健康ライフ」という観点から、2つほど気付いたことがあります。

 まずひとつ目に、田舎では犬との行動範囲がかなり制限されるということです。車を出してどこかへ行って…、というような事はもとより、ふだんの散歩などにおいても、畑あり、林道あり、雑木林あり、各家々の敷地などは広々としてスペース的には十分な見たかんじとは裏腹に、自由に立ち入らせたりできる所はほぼ皆無なのがちょっと残念な所だと思いました。これらの場所は私有地なのでもちろん勝手に犬を放して遊んだりといった活動もいけません。

 このような住環境に来るときめた時点で、そういった点は考慮してありましたが、計算外だった点は積極的に犬を連れだす主な人(私)がこのコロナでうっかり多忙を極めてしまったことです。その結果、コディの外出機会が目に見えて減少するという事が起こりました。加えて、都会や郊外では馴染みのある犬の運動や遊びを代行してくれる場所や、サービスなどにもアクセスできにくい状況です。モノとモノの距離が離れているので、飼い主が忙しいと、途端に社会化のための外出や、しつけ教室等に参加する機会も限られてきます。子犬や若い犬と暮らしている人にとっては特に死活的な問題です。「愛犬との田舎暮らし」は、自然がいっぱいで空気もよくてと、なんとなく先行するイメージとは異なり、大きく飼い主のマンパワーに依存した案外脆弱なものであるという感想に至りました。

 またもう一点は、田舎の住環境で犬に与えられる運動が比較的単調だということです。道を延々と歩く…、、、林道を延々とウロウロする…、、、そういう運動が非常に多くなりました。これらの運動は気分転換やストレスを除くためにはとても大切なものですが、身体を作っていく運動とは異なります。コディは幸運なことに、犬生の初めの5年間を人気のない自然公園の横に住み、人工的な床での運動・昇降はもとより、自然の道や獣道、倒木の上を乗り越えて丘を谷を自由に駆けまわる生活を続けてきたわけですが、今思うとかなり恵まれた環境だったと言えます。現在の日々の運動の内容を見返してみると、以前と比べて見劣りがします。見た目からは分かりにくいですが、体幹の筋肉などはかなり失ったのかもしれません。こうなってくるとケガが心配です。何しろ、(後述しますが)完全にやる気が体力に先行している性格なので…。

 余談ですがアメリカの田舎の方のドッグイベントを調べると、アジリティ大会がものすごく多い事に気付かされます。今までは、実務になにも関係のない遊びの競技がなぜこんなにポピュラーなのかなあと思っていましたが、今回実際に似た環境に住んでみて、はじめてその理由を体感した気がします。アジリティは、単なるのドッグスポーツの枠を超えて人・犬にとっての社交の場、また犬に対してふだん不足気味な動きを要求するアスレチックの良さをバランスよく兼ねていることが人気の秘訣なのではないかと思いました。


みつけた~ (歓喜で目が血走る)

 今日の写真は、ランチブレイクの時にやっている「ミニミニトラッキング」のようすです。アーティクルは、コングにドッグフードをつめたもの。旗を持ってコングを置きに行こうとすると「早くやらせろ」と、ヒンヒンヒャーヒャーうるさいです。わざわざコングを見せてこれはお前がいつもつまんなそうに食べてる皿の中のドッグフードと同じものだよ、と言っても聞きゃしません(笑)でも、若い頃は私の前に陣取って天に向かってギャンギャン吠えたりしていたので大分おとなしくなったようにも思います。

 とにかく、シャイロのわりにかなりヤル気に満ちてるのが面白い反面、心配です。100メートル以上向こうの害獣(豆粒サイズ)なども見つけると、50キロ以上の体でかくやと思う本気の猛ダッシュを見せます。繁殖者から聞くところコディの母犬がまさにこういうタイプで特にシカを見た時の鬼気迫る感じはよく似てるそうです。シャイロ・シェパードの犬種向上プログラムの一環で、純血のジャーマンシェパードが導入されている血すじのためなのかもしれません(コディも1/8ジャーマンシェパードです)。色々と考えると面白いですが、高齢になってきているのでフィットネスと付け加えてケガの種類やケガ予防について、真剣に考えているここ最近です。



2021年5月1日土曜日

なにが君のしあわせ



 休日、コーキング剤を片手に這いまわるガレージでの作業が終わりました。かわいそうなミミズが潜り込む穴をおおかた塞ぎ終え剤を乾かしている間に、ガレージの隅にヒト・イヌ兼用のエクササイズコーナーを作りました。雨の日や日没後は、ここで娘や犬を遊ばせようという魂胆です。引っ越して少しスペースが出来たので、ついついこうして余計な事を考えてしまう。

 犬用に作られたエクササイズ用具もいろいろ見たのですが、コディくらいのオオイヌだと、道具が小さすぎたり、逆にとても巨大で高価だったりして、こういうのは最初に良い道具をそろえるのがうまく行くカギだとは分かりつつも、二の足をふんでしまいました。当面は自分用のフィットネス器具をそのまま流用して、いつもはしない動きなどをさせるにとどまりそうです。少しくらいグラグラ、ガターン!となるようなオブジェクトの上でも、ボールを見せると細かい事は頭からふっとぶタイプなので色々な動きを一緒に出来るのではと、期待しています。


「できました」
なにか違うような気がするが……



 コディはグラグラボードの上に前足を置くことが出来たので、その後、ボールを空き箱の山の中に隠してもらい、一生懸命探していました。ものさがしに集中するとシッポの毛が広がって立ち、まだ見ぬボールへの期待で頭がいっぱいな様子が可愛いなあといつも思います。あらためて、犬となにか新しいことに挑戦するとき、自分の犬が「これをあげれば(すれば)とても喜ぶ」ということ、報酬がどんなものごとかが事前にはっきり分かっている事は非常に大事だと思いました。

 アンパンマンのマーチに「何が君の幸せ 何をしてよろこぶ」というフレーズがありますが、まさにそれが重要です。わからないまま終わらないための唯一の方法は自らの手で何十時間、何百時間、幾千時間と、犬と一緒に何かに取り組み相手の心を探求する時を過ごすしかないのですが、犬はそういうヒトの努力の過程やたとえそれがむだなあがきであっても、無限に応えてくれます。だから、そういった一見地味な日々の努力ができて、且つ苦にならない人々が、また「犬を飼う」という事の恩恵をとくべつ沢山享受できる人、という事が出来ると思います。




2021年4月4日日曜日

地面の効用


 一晩中吹き荒れたものすごい風が、幹の太さがひとかかえもありそうな庭木をなぎ倒して過ぎ去っていくというすこぶるワイルドな春一番を経て、バージニア北部の我が家地域にも春がやってきました。オオイヌノフグリや、カタバミ、シロツメクサなどといった日本でもお馴染の植物がそこここに群生しているので(というか、日本に移入していった植物の言わば『元ネタ』がこちらという事も多い)、あまり「ザ・海外の春」という感じはしません。両生類がたくさん見られるシーズンも始まっているので、結構頻繁に留守にしました。

 犬的な話題と言えば、最近、犬の解剖学と生理学に興味を持って、時折時間のある夜に本や文章を読むことが出てきました。フィットネスの観点から「中年以降の犬の健康をどう守るか」という疑問について考えた時、日々適切に体を動かして代謝を健全な状態に保つことが一つの解だと思いますが、それ以外にも衰えていく筋肉を安全な方法で増強したり、犬の体の柔軟性を維持・高め、ケガを予防していくには、どのような方法があるのかを探っています。もう一つ大切なカギとなるのは栄養だと思いますが、情報量が膨大なエリアなので、こちらはなかなか手が付けられていません。検定の時に覚えた知識も、だいぶ風化してしまいました。

 上の写真は、先日の雪の日の写真です。結果的に今年最後の積雪となった日でした。このような雪や岩などで段差ある自然の造形はまさに「でこぼこ」で、アットランダムに起伏が繰り返され、時に氷が張ってツルツルの滑りやすいところなどもあります。自然の大地の表面を、気を付けて歩き続ける事は、犬にとってはそれだけで(脳も含めた)全身運動、と言っても言い過ぎではないと感じます。犬の生活の舞台が、こうした場所からアスファルトの舗装路に変わっていく過程で、「歩行」のプロセスに使われなくなった脳の分野や、微細な筋肉群がきっとあるはずです。日々の暮らしの中で、これに似た運動を置き換える方法を考えています。