2023年10月25日水曜日

気持ちのいい秋


 夜空を見上げると、カシオペア座が目に付く頃となりました。朝夕の冷え込みも顕著になってきて犬君は絶好調です。飼い主の方はというと、犬のメンタルと気圧の関係に興味を持っています。コディは年を取ってから物音に敏感になっているのですが、一日の間に気圧の変化が激しい時は、特にちょっとした物音で不安が高まりやすい傾向にあるように思えます。急に雨など降ってくると私の周囲にチェックしに来る回数が増えるし、ふと気が付くと自分でクレートに入るという行動が見られるのもこのような日です。目に見えて天候が変わる前からソワソワしている事も多い気がしています。

 一方高気圧の続いている時期は、ドアの前でせがんで積極的に庭へ出ていくし、一日中外で過ごしても平気な様です。表情を見ると精神的にも安定しているように感じられます。たまに近所の人が打つ鉄砲の音が聞こえると文字通り尻尾巻いて帰って来ますが(笑)、もともと調子のいい日は不安からの回復も早いですね。今日は短い停電があったのですがクレートの中でオヤツを食べると、また颯爽と外へ飛び出して行きました。毎日元気で楽しそうなコディを見ていると、私も気分がよくなります。飼い犬のQOL(生活の質)は飼い主のQOLに直結した問題だなあと、改めて思います。



 学校から帰ってきて一番にコディと遊んでいる娘。最近8つになりました。トレーニングもどきのような遊びを二人でコソコソやっています。娘が作った謎のルールにあわせて犬が動いていたり、なぜか娘が石コロでトリーツを砕いて、それを犬がジーッと見ていたりしてすごく楽しそうです(笑)。話の通じる大きな動物が号令に合わせて動いてくれるのが面白いようです。コディの方も、一緒にゲームをしてくれる人に強い興味を示して執着する犬なので、これからこのふたりはもっと仲良くなれるでしょう。

 ある調べによると、犬の知能は人間の子に換算すると平均2歳~2歳半だそうです。たし算やひき算が出来るとか、言葉をおぼえるとか、所謂「技能」にフォーカスするとそのくらいとなるのかも知れないですが、精神面で見ると犬と娘はここ1、2年でようやく対等になってきた感があります。同じ年にオギャアと生まれて、ここまでの彼らの成長を思うとついニヤニヤしてしまうのですが、これは親心的な感情かもしれないです。子供が小さい頃など特に、まわりの人と比べて親心はおろか、家庭人としての気持ちの芽生えもなく、「このままで一体じぶんは大丈夫だろうか」と気になっていたけれど、大丈夫だったみたいです。




 田舎の集落に越して3年目が近づいています。なにもないところですが、もうずっとここで暮らしていたんじゃないか?と思うくらい時の流れがゆっくりで、広い空に山からの雲が、また毎晩天の川が見えるところが嬉しいです(スターリンク衛生も見えました)。少しずつ都市化は進んではいますが、治安も良く古き良きアメリカの生活を残した土地に住めることは幸運だと思います。人ものびのびしているし各自好きに生きている感じで気楽です。

 周辺には庭が大きい家が多いのですが、この頃の季節になると一日中外で過ごしている犬達をよく見かけるようになります。犬種的にはジャーマンシェパード、オーストラリアンシェパード、ピレネー犬、シベリアンハスキーなどの比率が多いようです。私の家の近くの個人宅では、庭のニワトリの護衛のためかマレンマと思しきの子犬が飼われ始めました。車で通りかかる度に、ヨタヨタした大型犬の子供が一丁前に吠えたり、庭の隅でめんどりに飛びかかるマネをして遊びにさそっていたりして本当に可愛いのです。


Graptopetalum 'Murasaki'

 田舎ならではの小事件にも事欠きません。最近だと敷地の中をスカンクが横切るのを見て戦慄した事と(もしコディが見つけたらと思うと)、それからこの写真見てください、私が「タコ部屋」と呼んでいる鉢ですが、これ、誰がやったと思いますか。細いクチバシ型の切れ込みがあります。私の裏庭の一角を根城にしているマネシツグミの仕業です。

 時期的に餌が減ってきて新しい味覚にチャレンジしようとしたのでしょう。一枚上の写真で見ると隣のキュービックフロストもちょっとやられています。娘が「おまんじゅうさん」と呼んで可愛がっていたリトープスなんか、土からほじくられて穴を開けられ、無惨な姿で床に落ちていて久々にブチきれました(笑)。最近、夏の休眠が終わって少し活動再開という感じになってきていて、初めて育てるリトープスの脱皮を心待ちにしていたのに、、、グリーンハウスが欲しくなりました。


娘のリトープス 非業の死から2日前の姿



 二鉢のエメリアエも元気です。右にいるやつれた顔をしている方が、2022年の3月末に奇抜な姿でやってきた個体の現在です。子株だらけになっているせいかすぐ茶ばんでしまうしドンドコ際限なく花を咲かすし、ちょっと行き急いでる感じがします。それにしてもロゼットを形成する多肉植物は、売られている時点で徒長しておかしくなってしまっていても、家で世話してるうちにまずまずそれらしい姿になっていくという好例を見せてもらっています。愛着のある草。

 左の比較的きれいな方は同じ、22年3月末のポストの最初の写真の、左端に映っていた個体です。奇抜な株を植え替える時、ポロっととれた1つだけの子株を2回植え替えた状態です。葉っぱも傷んで、根も数本の状態から1年半ほどで左の状態になるので、丈夫だし成長が早い草だなという印象。私はやっぱりエメリアエが大好きで撫でまわしてしまいます。葉の表面がザラザラしてて気持ちいいんです。




 レツーサです。これは去年の8月に「根が伸びず葉が縮れてきてしまった」と書いていた個体の現在です。私最近、急にこの草の機嫌の取り方がわかってきたんです。ちょいちょい世話をしていたら徐々に元気を取り戻してくれ、今月になって突然親株が傾いたと思ったら、下から子株が生えてきました。多肉植物は丈夫で一度あ~失敗したかなと思っても、悪あがきを受け入れてくれる寛容な点もいいですね。


Echeveria lilacina

 おいおい、犬のブログでいつまで道草を食っているんだ、とそろそろ思われていることでしょう。これで最後にします!2年前のブログでEcheveria lola "Mexican Hens and Chicks" として紹介していましたが、調べたり、購入した園芸店にも確認してエケベリア・リラシナ、北米での通称は『ゴーストエケベリア』ということが分かりました。基本ずっとほったらかしだったので不格好だし、すっかり鉢よりも大きく広がってしまいましたね~ちと可哀想な状態です。

 北米の学校には学年末に先生にあげる「ティーチャーズ・ギフト」というのがあって、迷惑かもしれませんが、私はいつも多肉植物の寄せ植えをあげることにしています。子供が紙粘土で飾った小鉢なんかに入れると、簡単でもそれっぽくなるので便利なのです。写真のリラシナは2年前に葉挿しで増やしたものの最後の2株です。今年のギフトに活躍してくれるかもしれません。




 二年間も窓辺でゆっくり成長してきたルームメイトを失うのは寂しいような気もしますが、大丈夫!最近引き取ってきたリラシナをまた分解してあるんです(笑)。今回のは結構状態がいいので、また2年後には、可愛い姿に成長してくれていることを期待しています。さてさて、道草はもう本当に終わりにしますね。次回の道草では「ひと夏の間にとてつもない状態になってしまった我が家のアロエ」をお届けします。



 よし、よし、コディ君、そんな目で見るのはやめなさい。おやつをあげよう。私が植木屋やホームセンターに行く時は必ずコディも連れていかれるのです。「植木屋ひきまわしの刑」です。こういうの、コディは内心どう思ってるのかな。特にホムセンは機械だらけで、コディにとっては嫌な音もするのでしょう、時々体をブルブルっと揺すってがんばっています。でも「行きたくない」とは絶対ならないところがこの犬の面白いところです。なんでもいいから飼い主についていくぞという気合を常に感じます。はなればなれが一番いやなんですね。

 シェパードなど牧羊犬の仲間は昔から飼い主を守って交通事故に遭うとか、飼い主を追って燃える家の中に飛び込んでしまうなどの話がときどき聞かれますが、こうした環境への不安よりも、飼い主との分離(セパレーション)への不安の方が勝る傾向があるためではないかと最近思っています。人間のまわりで多種多様な作業にあたるため基本的に知能が高いほうへ、些細な変化を感じやすい方へとチューンアップされています。それらは不安を感じやすいことと表裏一体だということなんだと思います。

 シェパードを飼う時は、根源的にそういう犬たちだと知った上で、独立心のある犬を選び、なるべく小さいうちから自信を高める練習をしてあげることで、そういった精神の面をうまくマネジメントしていくことが鍵になるかと思います。完全に出来ているわけではない私がこう書いても説得力はないかもしれませんが(笑)、犬はいつ始めても一生懸命、応えてくれます。どんな試みも決して無駄にはならないでしょう。

2023年8月30日水曜日

麻酔と鎮静




 最近、お茶を入れるのが少し上達した気がするのですよ~。今日のお茶を見てください。ズズッとすすって、ふう、うまい。まあまあ食うに困らず、屋根があり寝る場所があり、本があり、仲良しの犬がおり、好きな時間にでかでかとしたマグカップにたっぷり熱々の茶を自分で煎れて飲めることは本当にありがたい。Knock on wood。などと急に今ある現実に感謝したくさせるのが、茶の主な効能だと思います。

 私はもともと茶を飲み過ぎなんです。お医者さんが見たらもう絶対にカフェインのとりすぎ!と言われるはずです。飲むのは主に紅茶で、自称サンクトペテルブルクで一番のお茶の消費者・こと義父と並んでも全く遅れをとらないレベルの茶飲みです(ロシア人の年寄りは紅茶が水の代わりなんです)。最近は家で抹茶をたてるとかいう余計なことまで始めてしまい、道具をすこしずつ集めています。その一環で茶の煎れ方にも少し注意を払ってみようか、という気になっています。どうせ茶の飲みすぎで叱られるならうまい茶を飲んで叱られたい(誰に?)。

 病院へ採血へ行くたび「脱水気味」と言われるのも絶対にこの茶の飲みすぎが原因だと思っているんです。私最近、健康診断の結果がパーフェクトではなくなってきたんですよ。これまで特に何もしなくてもずっと健康花丸だったのに。以前、コディの時計がカチッと「老化・死」に向かって傾いたのを感じた時のことをここに書きましたが、私も今生物としてあの頃のコディとだいたい同じあたりにあることを感じます。「成長」に向かってぐんぐん伸びるばかりだった段階が完全に終了し、これからは現状をまずまず維持しながら、だんだんと消滅に向かっていくのだろうという、漠然とした予感を。


一服しているとなんとなくそばの定位置に来てコロンとする犬

 コディ君、犬、8歳、などという存在は私よりももっともっと消滅に近いはずですが、本人は全く気にせず今日もちょっとした物音にびっくらこきながら一心に生きているようです。そうそう採血と言えば、先日動物病院で血液検査をしたのですが、コディは肝臓の数値がやや高め(ハイ・ノーマル)と分かりサプリメントを処方されました。こやつも全然水を飲まないのです。そんなところまで飼い主に似なくていいよという感じですが、、、最近は定期的に鶏を骨ごと煮た煮汁を作って、フードにかけて与えて水分補給に気を付けています(飼い主も煮汁を飲んだら?という感じですよね)

 前に書いたことがありますが、コディが採血に非協力的になったため今回から血液検査は鎮静下で行う事にしました。同時に今年するべきワクチン一式も全て前倒しして、健康診断や以前つまっている疑惑のあった肛門腺のチェック等も全て一度にしてもらうよう、事前に病院に掛け合って予約をしておきました。この方式はトータルで見るとコディにとってはかなりのストレス減につながりました。獣医師や看護師さん達のストレスもかなり減ったのではないかと思います。アメリカの獣医さんの説明では、現行の麻酔や鎮静剤はかなり安全なものになっているということです。日本語だと麻酔科の先生の書かれたこの記事がとても簡単にまとめてあってわかりやすかった

 それにしても、アメリカの獣医さんって費用の見積もりやサービスなどについて聞けばすぐプリントアウトやPDFをくれるのに、こちらからアクションしなければ施術上のオプションなどもわりあい黙ってスルーされます。私の通っている獣医さんだけかも知れませんが、いつも違う獣医さんや獣医看護師さん達に当たるし、同じ相談に対しても個々の獣医さんの答え方やアプローチが違う事があり(セカンドオピニオンをとりにいく手間は省けますが)、日本のようにいつも同じ先生がしかも聞く前に向こうからこと細かに説明をしてくれるといったことはあまりないと気付かされました。もちろん先生によるのだと思います。ただ、全体的にははっきり「これ」といった対策や治療などについては、あるていど能動的に意思を示すことが大事だと思いました。

 北米に住んで10年くらいですが、この国では何ごとにおいても日本風に静かに指示を待ってきちっとその通りに動くだけではだめで、どんどん気軽に意見を言ってみたり、時と場合によっては不快感をあらわにしてみたりすることは有効です(日本ではそんなのは最後の手段、くらいのものだと思います)。調べてきて自分が知識を持っている事は必ず示し、「それについてあなたはどう思うか?」と、「聞く」んじゃなくて能動的に答えを引き出していった方が、より短時間で核心に迫った回答を得られることにも気付きました。気付くのに10年かかってしまった。しかし、人間の医者でも同じ現象が起こるかと思うとぞっとしませんが。

肉が出てきた。突然「昨日からここで待っていました」という顔をする犬




2023年8月27日日曜日

くさい!


 コディと夏を満喫シリーズ継続中。もう、くさいんです。とにかく写真見てください。この顔、いたずらっこの顔しています。この後一瞬のスキをついて再びドボンしていたんです、今度は頭から、、、。アメリカではドッグランの中によかれと思って犬用の水浴び桶を持ってくる人がいるんですが本当に心の底からやめて頂きたいです(笑)こうやって一瞬でべちょべちょになった上床をまんべんなく転げまわる輩がいるんです……、、、本人は嬉しいと思うのですが、水は跳ねるし、毛の中に木くずは入り込むし、とにかくなんかくさいし、です。

 それにしてもこういう大きくてダブルコートの犬の水遊びとは実に贅沢なものだなあと思います。身体を洗ったり乾かしたりするのって、基本半日がかりですし、バスタオルも何枚も使います。洗う場所もきちんと検討して必要ならプロにやってもらうこともあるでしょう。うかつに家の風呂場などで洗うと深刻な詰まりが発生しますし、中年になってくると切実な話ですが、腰が悪い人は洗えないです。また翌日から数日間は抜け毛が大量に発生するので、頻繁に掃除が要ります。こうしてシャンプーしない場合も、わざわざ車で山の方まで運転して清流まで行く人もいると思います。もし周囲の大型犬で頻繁に水遊びさせてもらえている犬がいたら、すごく献身的な飼い主さんがいると見てまず間違いないでしょう。幸せな犬です。



 シャンプーとブローをしてフカフカにもどっても、未舗装路を闊歩しているうちにすぐまた土埃まみれになってしまうのです(笑)。コディは庭のホースから出るそのままの冷たい井戸水で身体をワシワシ洗ってもウンともスンとも、震えもしないので、その点はとても助かっています。




 お風呂に入れられて乾かしてもらった後のコディ。ふざけてゴロンゴロンして気持ちよさそうです。自分の希望で田舎の静かな家に引っ越したせいでコディが音に敏感になったのかも知れないとここ暫く気をもんでいたのですが、広い原っぱでたっぷり遊んでもらったり、満足いくまでじっくりと匂いを嗅いだり、ただ寝転んでいる時、犬はとても楽しそうに見えるのです。東京から帰ったばかりだと、ここが比較的涼しくて乾燥した土地であることもありがたいと感じます。正直今は何が正解なのかは分かりません。この選択をより良い解に近付けることは可能だと信じ、取り組んでいきたいです。


2023年8月16日水曜日

Bazil Newman Riverfront Park (&草)


  あっという間に、夏です。…と思ったら近所のホムセンでは早くもハロウィンの商品への入れ替えが始まってたりして、「ちょっと待ってくれ~!」と思いました。まだ夏を満喫した実感もないうちに、慌ただしいですね。私達はアッと言う間に過ぎ去った東京帰省を終えて、バージニアに帰ってきたばかりです。

 今週は、帰省の間シッターさんの家で過ごしていたコディを連れ出してせっせと夏らしいことをしました。木の生い茂った公園の開拓が楽しいです。自分とコディのオヤツを持ってきておき、公園の見どころっぽいところに来たら腰を下ろして分けて食べます。ずっとこうしていつまでもコディと冒険を続けたいですが、果たしてあとどれだけ付き合ってくれるだろうか、などと考えるようになりました。

 Bazil Newman Riverfront Park(地図)は、ポトマック川の流れに沿った公園です。最近、このポトマック川という奴がだんだんわかってきたのですが、この川は水流が変則的なのと、水面下に思わぬ障害物があることもあるのでちょっと注意が必要です。急に深くなったところに、動かせないぐらい大きな流木が沈んでいたりするので、たまにリードをつけたまま犬を泳がせているひとを見ますが危ないなーと思います。近くに住宅街を流れるグース川の注ぎ口があるので降雨後一週間ぐらいは水質的にも犬の水遊びはやめたほうが良いでしょう。


川に降りられるところがあると大急ぎで寄っていくコディ
私がどんな顔をしているかすごくチラチラ見てくる



 お呼びでないかも知れませんが・・・草たちも元気にしています

 休暇中、水やり係(私)がいなくなったので各自茶色や紫に変色していましたが、緑に戻ってきました。今回の日本では作家さんの作ったいい植木鉢をいくつか買って、船で送ってあるんで、届くのが非常に楽しみです。割れずに海を超えてくれますように。いやあ、早く草を植えたいですね。何を植えるかも何も決まっていないけれどひたすら楽しみだーーー。(二回目)




 ご覧ください、色白の草も生えてきました。こういうのは色彩の変異としてはグレードが低く、日本では誰も見向きもしないですが、海を渡ったここアメリカではお客さんが来るたびに、ワオ!イッツソープリティ!植物ヲソダテルノウマイ!ベリービューティフル!と言ってもらえます。場所が変われば評価が変わる典型ですね。私達人間は植物にはない足がありますから、自分が最も評価してもらえるであろう場所へ少しずつでも動いていきたいものです。


2023年1月6日金曜日

8歳🎂


 あけましておめでとうございます!(ました!!)。

 コディが8歳の誕生日を迎えました。毎日常につるんでいるのでもう20年くらい一緒にいる気がしていますがまだ8歳、とはいえ、もう8歳です。上の写真のようにふとした時に見せる表情に、年を感じさせるようになってきました。口のまわりに白髪が増えて、なんだかかわいくなってきました。セラピー犬の訪問活動もペースは落ちていますが定期的にリクエストが入り、ちょっとしたキャリアみたいになってきています。年をとっても世の中に必要としてもらえるなんて我が犬ながらあっぱれだな、と見習いたい思いです。

 中身は相変わらず何にでも常に全力のコディ君です。表情とか寝っ転がり方なんかは、よく見ると子犬の時と全く同じで心の中は何も変わっていないんですね。シェパードらしくやる気と独立心と飼い主を思う無垢なスピリットに満ちています。ボール命、追っかけ、かじり、気になる事を見つけるとすぐに全速力で飛んだり跳ねたりするので、そろそろ注意が必要です。そういう飼い主(私)の方も年末に友人の子供と「体育会系カルタとり」をしててついつい熱くなり肉離れをやったばかりなので他人事ではないです。健康の大切さを感じる年頃になってきました。



 バースデー散歩は、宅地用の開発地をウロウロすることでした。暖かく感じましたが気温はマイナスで、足元の凍った草をシャリシャリ踏みながら楽しく歩きました。ここはだいたい200年位前に農地になった場所です。古井戸や古い牧柵など、そこかしこに年季を感じさせる牧場の残留物があります。人が済む限りあるていどの都市化は免れない変化ですが、アメリカの田舎の良さを体感してしまうと「寂しいもんだ」という感情も出てきます。

 コディの(そして私の)今後1年間の目標は、まずは「無ケガ」です。鹿追い、転がっていくボールを追うこと、この2つの運動は、今年いっぱいで卒業させようと思います。ボール遊びというのは犬のフィットネス関連のセミナーでも指摘されるのですが、怪我につながることが多いのです。犬はふだんから前肢に体重の70%程の重さが乗っている生き物なので、体高と体重がある犬ほど「走りながら地べたのものを拾う」動作は負担になります。とはいえ、コディはボール命の犬なので、同じような内容でより筋肉や関節に負担の少ないゲームを開発中です。

 その次の目標は、筋トレゾーンの拡充とこまめな運動習慣を継続することです。基礎体力作りにはまず適正な運動の継続、栄養、しっかり休養の3セットが大事なので、これを今年1年続けていきたいです。




 ふたつめの目標は「歯を大切に」ですね。一応、毎日歯磨きをしているので見える所はまあまあ綺麗です(パラダイムやりはじめてから歯垢があんまりつかなくなった気もします)。最近歯磨き粉を手あたり次第買い集めてフレーバーの研究をしていました。コディが一番好きなのはビルバック C.E.T.歯磨きペーストチキンフレーバーです。もちろん、毎日歯磨きが出来れば一番いいですが、もと獣医さんの友達によるとビルバックはなめさせるだけでも一定の効果があるとされている、ということです。

ごみひろい遊びもまだまだ続いてます。

 ノイズセンシティビティに関しては色々な手を尽くしていますが、残念ながらまた悪化してきています。以前から苦手だった雷、停電時の警告音は本当に苦手になってきて、震えて逃げ回ります。最近では天候の変化があると「雷がくる可能性がある」と思い至ったらしく、雨が降ってくるだけで二階にある家族の寝室まで入り込んでくるようになりました。特に夜中が不安が大きくなるようです。ピーピー始まるとクレートに入れますが、そういう時はクレートに入るのも嫌がるようになってきました(クレート自体が嫌なのではなく「飼い主と分離した状態で軟禁される」のが嫌なようです)。花火、ピストルの発砲音もはっきりとダメになりましたね。芝刈り機と落ち葉を吹き飛ばすブロワーも、苦手になったようです。
 
 はっきりとした対策がないまま、着々と状況が悪くなっているように見えます。音への過敏さがコディの生活の質をかなり落としていることは間違いなく、憂慮していますが、とはいえ飼い主が引きずられてああでもない、こうでもないと落ち着かないとまたさらに犬を不安がらせるので、私の方では敢えて刺激を無視し、普段通りの生活スタイルを維持することを気を付けています。それと同時にクレート内の風通しをよくしたり、涼しく感じるパッドに定期的に取り換えるなどしてなるべく落ち着けるようにし、定期的なトレーニングと運動だけは欠かさないようにして緩和に務めています。



2023年1月1日日曜日

おにぎり君とおしんこ君(別れ編)


 

 「長期わたる犬の友情」というのは、非常に稀有な現象で、特に引っ越しなどの人の移動が頻繁なアメリカ暮らしの中では、それが存在している(していた)こと自体にとても感謝しないといけないなあと感じている今日です。犬って、自分の生活のことは自分ではなにも決められません。それに私達のに比べて、悔しくなるほど短い一生を生きています。そんな彼らにとって犬の友達がいることは、本当に貴重でありがたいことだと思います。

 愛犬に犬の友達を作ったほうがいい、という意味ではないんです。犬は、自分に犬の友達がいなくでも、全く平気です。これは、犬が本質的に「人間のトモダチ」を目指して歩んできた動物だからということと関係していると思います。けれど犬と共に社会生活を送って、犬同士の遊びなども逐一観察してみると、犬にもちゃんと友達の好みがあるし、個体同士のケミストリーや、複数集まった時に起こるダイナミクスが存在することが分かります。


 

 うちの犬が3歳とか4歳くらいの頃だったかな。何気ない会話の中で、ドッグランでよく遊ぶ犬の名前を出すと、吠えるようになりました。確認のため何度も日を改めてやってみたのですが、「ライリー」とか「ニック」とか「ショーン」とか、特定の犬の名前を出すと、必ず吠えるのです。ワンワン言いながら玄関に移動して、外に行きたいような素振りを見せることもありました。他の犬の名前が分かるんだ!と、驚いた覚えがあります。犬でも、特定の好きな犬の事が脳裏に浮かんだとき、まさに豆電球が光るかのごとく、活力が生まれてそして吠えているんだと気付いた時は衝撃でした。



 コディが生後3か月の頃からの友犬ショーン、こちらのブログでは通称「おしんこ君」が、お正月を跨いで遊びに来てくれていました。おしんこ君の一家は今春、ヨーロッパにお引越しします。出会ったのはついこないだの事のようなのに、いつのまにかコディは8歳、ショーンは12歳になってしまいました。国をまたいでの移動となるので、この2匹が生きて会えるのは今日が最後となるでしょう。

 コディに小さい犬との付き合い方を(時に鉄拳と共に)叩き込んでくれた「おしんこアニキ」です。様々な場面でアニキに教わってきた知恵は、コディの中に深く刻み込まれています。一生のお別れは寂しいですが、それで今までの楽しさや、キラっと光る思い出までもが帳消しになることはない。お互い元気なうちに笑ってさよならできる良さだってあるはずです。新天地での、おしんこ君・おしんこファミリーの生活に、沢山の幸運があることを願っています。