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2023年10月25日水曜日

気持ちのいい秋


 夜空を見上げると、カシオペア座が目に付く頃となりました。朝夕の冷え込みも顕著になってきて犬君は絶好調です。飼い主の方はというと、犬のメンタルと気圧の関係に興味を持っています。コディは年を取ってから物音に敏感になっているのですが、一日の間に気圧の変化が激しい時は、特にちょっとした物音で不安が高まりやすい傾向にあるように思えます。急に雨など降ってくると私の周囲にチェックしに来る回数が増えるし、ふと気が付くと自分でクレートに入るという行動が見られるのもこのような日です。目に見えて天候が変わる前からソワソワしている事も多い気がしています。

 一方高気圧の続いている時期は、ドアの前でせがんで積極的に庭へ出ていくし、一日中外で過ごしても平気な様です。表情を見ると精神的にも安定しているように感じられます。たまに近所の人が打つ鉄砲の音が聞こえると文字通り尻尾巻いて帰って来ますが(笑)、もともと調子のいい日は不安からの回復も早いですね。今日は短い停電があったのですがクレートの中でオヤツを食べると、また颯爽と外へ飛び出して行きました。毎日元気で楽しそうなコディを見ていると、私も気分がよくなります。飼い犬のQOL(生活の質)は飼い主のQOLに直結した問題だなあと、改めて思います。



 学校から帰ってきて一番にコディと遊んでいる娘。最近8つになりました。トレーニングもどきのような遊びを二人でコソコソやっています。娘が作った謎のルールにあわせて犬が動いていたり、なぜか娘が石コロでトリーツを砕いて、それを犬がジーッと見ていたりしてすごく楽しそうです(笑)。話の通じる大きな動物が号令に合わせて動いてくれるのが面白いようです。コディの方も、一緒にゲームをしてくれる人に強い興味を示して執着する犬なので、これからこのふたりはもっと仲良くなれるでしょう。

 ある調べによると、犬の知能は人間の子に換算すると平均2歳~2歳半だそうです。たし算やひき算が出来るとか、言葉をおぼえるとか、所謂「技能」にフォーカスするとそのくらいとなるのかも知れないですが、精神面で見ると犬と娘はここ1、2年でようやく対等になってきた感があります。同じ年にオギャアと生まれて、ここまでの彼らの成長を思うとついニヤニヤしてしまうのですが、これは親心的な感情かもしれないです。子供が小さい頃など特に、まわりの人と比べて親心はおろか、家庭人としての気持ちの芽生えもなく、「このままで一体じぶんは大丈夫だろうか」と気になっていたけれど、大丈夫だったみたいです。




 田舎の集落に越して3年目が近づいています。なにもないところですが、もうずっとここで暮らしていたんじゃないか?と思うくらい時の流れがゆっくりで、広い空に山からの雲が、また毎晩天の川が見えるところが嬉しいです(スターリンク衛生も見えました)。少しずつ都市化は進んではいますが、治安も良く古き良きアメリカの生活を残した土地に住めることは幸運だと思います。人ものびのびしているし各自好きに生きている感じで気楽です。

 周辺には庭が大きい家が多いのですが、この頃の季節になると一日中外で過ごしている犬達をよく見かけるようになります。犬種的にはジャーマンシェパード、オーストラリアンシェパード、ピレネー犬、シベリアンハスキーなどの比率が多いようです。私の家の近くの個人宅では、庭のニワトリの護衛のためかマレンマと思しきの子犬が飼われ始めました。車で通りかかる度に、ヨタヨタした大型犬の子供が一丁前に吠えたり、庭の隅でめんどりに飛びかかるマネをして遊びにさそっていたりして本当に可愛いのです。


Graptopetalum 'Murasaki'

 田舎ならではの小事件にも事欠きません。最近だと敷地の中をスカンクが横切るのを見て戦慄した事と(もしコディが見つけたらと思うと)、それからこの写真見てください、私が「タコ部屋」と呼んでいる鉢ですが、これ、誰がやったと思いますか。細いクチバシ型の切れ込みがあります。私の裏庭の一角を根城にしているマネシツグミの仕業です。

 時期的に餌が減ってきて新しい味覚にチャレンジしようとしたのでしょう。一枚上の写真で見ると隣のキュービックフロストもちょっとやられています。娘が「おまんじゅうさん」と呼んで可愛がっていたリトープスなんか、土からほじくられて穴を開けられ、無惨な姿で床に落ちていて久々にブチきれました(笑)。最近、夏の休眠が終わって少し活動再開という感じになってきていて、初めて育てるリトープスの脱皮を心待ちにしていたのに、、、グリーンハウスが欲しくなりました。


娘のリトープス 非業の死から2日前の姿



 二鉢のエメリアエも元気です。右にいるやつれた顔をしている方が、2022年の3月末に奇抜な姿でやってきた個体の現在です。子株だらけになっているせいかすぐ茶ばんでしまうしドンドコ際限なく花を咲かすし、ちょっと行き急いでる感じがします。それにしてもロゼットを形成する多肉植物は、売られている時点で徒長しておかしくなってしまっていても、家で世話してるうちにまずまずそれらしい姿になっていくという好例を見せてもらっています。愛着のある草。

 左の比較的きれいな方は同じ、22年3月末のポストの最初の写真の、左端に映っていた個体です。奇抜な株を植え替える時、ポロっととれた1つだけの子株を2回植え替えた状態です。葉っぱも傷んで、根も数本の状態から1年半ほどで左の状態になるので、丈夫だし成長が早い草だなという印象。私はやっぱりエメリアエが大好きで撫でまわしてしまいます。葉の表面がザラザラしてて気持ちいいんです。




 レツーサです。これは去年の8月に「根が伸びず葉が縮れてきてしまった」と書いていた個体の現在です。私最近、急にこの草の機嫌の取り方がわかってきたんです。ちょいちょい世話をしていたら徐々に元気を取り戻してくれ、今月になって突然親株が傾いたと思ったら、下から子株が生えてきました。多肉植物は丈夫で一度あ~失敗したかなと思っても、悪あがきを受け入れてくれる寛容な点もいいですね。


Echeveria lilacina

 おいおい、犬のブログでいつまで道草を食っているんだ、とそろそろ思われていることでしょう。これで最後にします!2年前のブログでEcheveria lola "Mexican Hens and Chicks" として紹介していましたが、調べたり、購入した園芸店にも確認してエケベリア・リラシナ、北米での通称は『ゴーストエケベリア』ということが分かりました。基本ずっとほったらかしだったので不格好だし、すっかり鉢よりも大きく広がってしまいましたね~ちと可哀想な状態です。

 北米の学校には学年末に先生にあげる「ティーチャーズ・ギフト」というのがあって、迷惑かもしれませんが、私はいつも多肉植物の寄せ植えをあげることにしています。子供が紙粘土で飾った小鉢なんかに入れると、簡単でもそれっぽくなるので便利なのです。写真のリラシナは2年前に葉挿しで増やしたものの最後の2株です。今年のギフトに活躍してくれるかもしれません。




 二年間も窓辺でゆっくり成長してきたルームメイトを失うのは寂しいような気もしますが、大丈夫!最近引き取ってきたリラシナをまた分解してあるんです(笑)。今回のは結構状態がいいので、また2年後には、可愛い姿に成長してくれていることを期待しています。さてさて、道草はもう本当に終わりにしますね。次回の道草では「ひと夏の間にとてつもない状態になってしまった我が家のアロエ」をお届けします。



 よし、よし、コディ君、そんな目で見るのはやめなさい。おやつをあげよう。私が植木屋やホームセンターに行く時は必ずコディも連れていかれるのです。「植木屋ひきまわしの刑」です。こういうの、コディは内心どう思ってるのかな。特にホムセンは機械だらけで、コディにとっては嫌な音もするのでしょう、時々体をブルブルっと揺すってがんばっています。でも「行きたくない」とは絶対ならないところがこの犬の面白いところです。なんでもいいから飼い主についていくぞという気合を常に感じます。はなればなれが一番いやなんですね。

 シェパードなど牧羊犬の仲間は昔から飼い主を守って交通事故に遭うとか、飼い主を追って燃える家の中に飛び込んでしまうなどの話がときどき聞かれますが、こうした環境への不安よりも、飼い主との分離(セパレーション)への不安の方が勝る傾向があるためではないかと最近思っています。人間のまわりで多種多様な作業にあたるため基本的に知能が高いほうへ、些細な変化を感じやすい方へとチューンアップされています。それらは不安を感じやすいことと表裏一体だということなんだと思います。

 シェパードを飼う時は、根源的にそういう犬たちだと知った上で、独立心のある犬を選び、なるべく小さいうちから自信を高める練習をしてあげることで、そういった精神の面をうまくマネジメントしていくことが鍵になるかと思います。完全に出来ているわけではない私がこう書いても説得力はないかもしれませんが(笑)、犬はいつ始めても一生懸命、応えてくれます。どんな試みも決して無駄にはならないでしょう。

2023年8月16日水曜日

Bazil Newman Riverfront Park (&草)


  あっという間に、夏です。…と思ったら近所のホムセンでは早くもハロウィンの商品への入れ替えが始まってたりして、「ちょっと待ってくれ~!」と思いました。まだ夏を満喫した実感もないうちに、慌ただしいですね。私達はアッと言う間に過ぎ去った東京帰省を終えて、バージニアに帰ってきたばかりです。

 今週は、帰省の間シッターさんの家で過ごしていたコディを連れ出してせっせと夏らしいことをしました。木の生い茂った公園の開拓が楽しいです。自分とコディのオヤツを持ってきておき、公園の見どころっぽいところに来たら腰を下ろして分けて食べます。ずっとこうしていつまでもコディと冒険を続けたいですが、果たしてあとどれだけ付き合ってくれるだろうか、などと考えるようになりました。

 Bazil Newman Riverfront Park(地図)は、ポトマック川の流れに沿った公園です。最近、このポトマック川という奴がだんだんわかってきたのですが、この川は水流が変則的なのと、水面下に思わぬ障害物があることもあるのでちょっと注意が必要です。急に深くなったところに、動かせないぐらい大きな流木が沈んでいたりするので、たまにリードをつけたまま犬を泳がせているひとを見ますが危ないなーと思います。近くに住宅街を流れるグース川の注ぎ口があるので降雨後一週間ぐらいは水質的にも犬の水遊びはやめたほうが良いでしょう。


川に降りられるところがあると大急ぎで寄っていくコディ
私がどんな顔をしているかすごくチラチラ見てくる



 お呼びでないかも知れませんが・・・草たちも元気にしています

 休暇中、水やり係(私)がいなくなったので各自茶色や紫に変色していましたが、緑に戻ってきました。今回の日本では作家さんの作ったいい植木鉢をいくつか買って、船で送ってあるんで、届くのが非常に楽しみです。割れずに海を超えてくれますように。いやあ、早く草を植えたいですね。何を植えるかも何も決まっていないけれどひたすら楽しみだーーー。(二回目)




 ご覧ください、色白の草も生えてきました。こういうのは色彩の変異としてはグレードが低く、日本では誰も見向きもしないですが、海を渡ったここアメリカではお客さんが来るたびに、ワオ!イッツソープリティ!植物ヲソダテルノウマイ!ベリービューティフル!と言ってもらえます。場所が変われば評価が変わる典型ですね。私達人間は植物にはない足がありますから、自分が最も評価してもらえるであろう場所へ少しずつでも動いていきたいものです。


2022年11月6日日曜日

アロエの成長

窓辺のスリー・アミーゴ


 去年の8月のノートに書いたアロエの今です。唐突ですが私はアロエの世話が本当にヘタなのです。ここまで何度も調子を崩させたり、気を使って植え替えしたらまた弱ったりで、(自分の腕は棚に上げて)「いつも何かしら問題がある人」というレッテルを貼ってしまっていました。でも、写真を見比べるとこれでもけっこう大きくなっていることが分かりました。これはなかなか嬉しかった。

 アロエ類は陽光が好きなイメージが強くて(ハワイのカンカン照りの道端で雑草と一緒に生えていたし)、基本的には外で育てるものだと思うのですが、こうしてなんとか室内でも生きて少しでも成長していてくれるのはありがたいです。過酷な我が家の環境、ケアに負けずこれからもがんばってほしいです。笑




 前回出てきた茶ばんだエメリアエは、きれいな緑色にもどりましたよ〜
 ホムセン出身のこの草は成長障害で妙ちくりんな姿ですが、元気です。

 じつは、最初の植え替えの時にとれてしまった子株を1つだけ小さい鉢に入れていたところ、調子を持ち直して順調に成長してきてですね、、、嬉しくて調子にのって水を与え過ぎ、若干徒長気味にしてしまいました。綺麗に太って青々とした状態を保つのと「やりすぎ」の境界線が少し難しいなあという気がしてます。


マクラータ

 私は変態なのでこういう植物の葉っぱがとれてしまうと、カッターでスライスして断面をなめるという奇行に走ってしまう。苦くも無く甘くもなく、ただただ、「植物が一生懸命貯めたもの」の健気な味がします。うう~む。。姿見て良し、なめて良しとはこりゃ参った。。。※良い子はまねをしないでネ




 半年ほど前にやってきたユーフォルビア・ファイヤースティックが優雅に手を振って「私のお味見もぜひどうぞ」と誘ってきます。ダメ、絶対。この鉢に2週間に一度ほど大型のじょうろで目一杯水をやるのですが、一回一回、なんか気味が悪い程でかくなっていくので最近コヤシをやるのをやめました。私は恥ずかしながら肌が少し弱いのでこいつの手入れはちょっと命がけです。一番どうしたらいいか分からない草。


こんなに高く伸ばす必要ある?と見る度思ってしまうH.ヴェノーサ.テッセラータの花


ハオルチオプシス属の特徴を備えたお花

 まあこのようにして、近所のホムセンに月イチていど行くたびに草のコーナーを覗いては、新しい葉っぱが増えたり、増えなかったりしているわけなのですが。。。この店にある草は皆けっこう見るのも悲しい状態になっていることが多いのです。江戸の火消しのさすまたかよ?と思うくらい見事なワイの字に成長したリトープスなどは平常運転です。

 さすがの私も最近は深読みし出して「この状況、わざとでは?」と思い始めました。こういった草花を適当にキープして「ほどほどに可哀想なすがた」にしておき、助けてあげる、という私のような愚かなカモをおびき寄せているのでは?そうしていつまでも私のような蒙昧なお人よしが購入していくから、可愛そうな草花の売買は永遠と続くのでは?と。


2022年8月23日火曜日

草の成長(とコディ)

 微妙に続いている「最近の草」シリーズです。子供の夏休み中の現実逃避ですがよかったら見ていってください。おそらくこの世の99%の方にとっては至極どうでもいい植物の話を好き勝手に喋っているので「夏休み疲れが溜まっているのだな」と見なかったことにしてやってください(笑)コディの写真は最後にあります!最近のコディ君はどうしたかな~と、気にして下さってる方は、よかったらこのノートの一番下までスクロールされてみてください。

 さて去年9月のノートで葉挿ししたエケベリアですが、だいたい1年が経過して、直径6センチメートル程度くらいかな?まで成長しました。ずっと室内で植え替えもしてないからか、ぐぐっと大きくなることはないですがゆっくり地味に成長しているようです。この微妙な青灰色が私の大好きな色です。触ると跡が残っちゃうのでいつもじーっと眺めるだけです。

 エケベリアの仲間は、殆ど育てたことがないのですが、唯一強い関心を持っているのが原種「ラウイ」です。あの清楚な姿にとにかく惹かれます。そのうち時間が出来たら種を取り寄せて育ててみたいです。家庭菜園プロジェクト、昆虫用の庭作り、風呂場に南国植物コーナーを作る、コウモリとメンフクロウの巣箱設置計画、テラリウムを量産する、ホビーファーム作りにガチョウの飼育と、今後数年で果たしたいホームプロジェクトがたくさんなので、忘れないようにここに書いておこう。


 去年の6月頃だったかな、ほとんどまるはだかの状態でうちにやってきて、いつの間にか子だくさんのボーボーへと変貌を遂げていた宝草(?)。なんだかボーボー姿も板についてきて鉢の中でワサワサと茂る姿がおもしろいです。葉っぱの質感なども可愛らしく、いつもすてきな草だな~と思いながら見てます。わずか5ドルの植物でこんなに楽しませてもらっていいのかな?という感じ。台所のすぐ手を伸ばせば届くところに置いてあるので、子供の友達が来てワッフル焼き係の疲れが極限を迎えた時など、ふと心和ませてくれる存在です。


 ボーボーといえばこちらも。
 今年3月、ホムセンから持って帰った頃は楚々とした姿だったのにもうぎゅうぎゅうに成長して大変なことになってます。この大きさで子供がたくさん出来るという事は、わりと小柄な品種なのかな。もの集めが好きな者にとって、アメリカのホムセンの適当な品種カードはすごく歯痒いものがあります。この葉っぱもシンビフォルミス系(?)と勝手に思っているけど真相はなぞ。


 シンビはそろそろ植え替えて大きな鉢にうつしてあげたいですね、なにしろ鉢はいくらでもある。時はすでに遅しで、私のもの集め癖はジワジワと再燃し応接間の方まで広がり、すでに窓辺を侵食しはじめていたのであった。


 レツーサ。2株あるのですが私の世話の何かがいけなかったらしく、1株は根があまり伸びず葉がちぢれてきてしまいました。窓辺組は園芸店のお取り寄せ出身なので台所にいるホムセン組とは風格がちがいます。肩をいからせて話しかけても答えてくれなさそうな感じじゃありませんか。そのわりには土被ってるけど…(こういうのにあまり気付かない)


 リミフォリアです。硬葉系は最近分類がHaworthiopsisに変わったそうですね。これ系はポーカーフェイスで何考えてるか分かりにくく水やるタイミングもなんだかイマイチ分からないので苦手意識があって、うちで育てるのはこの株が初めてです。こないだ少し触ったら根がしっかり張っていてひと安心です。男性的な草。


 すみませんまだ続くんです。
 3月に奇抜な姿でうちへやってきたエメリアエは奇抜なまんまワシワシと成長を続け、今はこんなんなりました。徒長したところはもう治りませんが真ん中から正常な葉っぱがいくつも出てきて展開しています。こういうしぶとい感じがかっこいいですね~客観的に見るとエメリアエが一番好きかも知れないな、、、嬉しい事に子株もいくつか出てきて。旅行で留守にした間水が足らなかったらしくちょっと茶色くなってしまった。もう、根っこも大分まわってると思います、植え替えよう(もはや念仏)


 私が草を眺めてああでもない、こうでもないと静かに現実逃避しているところに必ずやってくる犬です。思えばこの犬は子犬の頃から「不注意でモノを倒す」というのをやったことがなく、今こうして彼の足首ほどの高さに置いてある植木鉢なども、一切倒さずに歩き回るので助かります。それにしても犬も子供と同じで大人の異常行動に敏感ですね~。このすごい懐疑の眼差しを見てください。飼い犬だってこういう目で主人を見る事があるのである。

 これを書いている今は子の夏休みも終盤で、ハワイに義父を訪ねる2週間の旅行を終えた所です。コディはその間新しいドッグシッターさんの所で過ごしていました(いつもの人がアジア圏へ里帰りしていたので)。私はここの所ずっと犬の体力向上について考えていたり、ドッグフィットネスの講座を受け終わったりで多少目が肥えてきたのでしょうか、2週間後に再会したコディの体格の変化におどろきました。コディをさわるだけで、この半月間どんなケアを受けていたかは覿面に分かりました。こういうことは、口では何とでもいう事が出来ますが筋肉は正直で、ごまかすことはできませんね。余計な勉強によって私はやっかいな客へと成長してしまったのかもしれません。耳ダニらしきおまけももらってきたので来週は病院です。

2022年3月30日水曜日

最近の草


 そだてている草(多肉植物など)の近況です。犬も子供もまっったく関係のない記事でごめんなさい。いつぞやもボヤいていた通り、私の地方の園芸やは管理があまり良くないところが多いので、買った株をすぐバラバラにして養生したりしていると、鉢ばっかり増えてしまいます。でも、こういう草は一般的にはミニチュアの頃が一番可愛いとされ貰い手も多いんで、これでいいのかもしれません。根がきちんと張って太ってきたやつから友達にあげたりしていますが、結構喜んでもらえます。



 去年の8月の時点ではこんなに初々しかった宝草。それから子株がボーボーに生えてきていつのまにか「ヤンママ風」の様相を呈しています。そろそろ植え替え時なのかもですが、これはこれで可愛いのでいじりたくないです。でもこのままだと根づまりしそうなのでやっぱりそろそろ土を変えた方がいい気もします(めんどくさし)



 これも去年の8月頃に買ってきて解体して、そこから発根していたエケベリア・ローラですが、こんな風になっています。盆栽用の浅鉢に入れて放置してたのであまり育ってないのですが、先週重い腰を上げて植え替えて見ました。大きく育ってほしいやつはちゃいろの鉢に入れてみました。夏に向けてバンバン光を当てたいです。先週の金曜あたりを最後にバージニアは氷点下の夜は終わったので、今後は外で管理します。デッカくなってネ。


 一番最近来たやつ、ハオルチア・エメリアエ。近所のホムセンでひと冬ネグレクトされてたようでとんでもない姿になっているけど、「もともとこういう植物だ」と思い込むことにしました。すると、これはこれで可愛く思えてくるので不思議です。窓がブツブツしてて触ると気持ちがいい。いつか子株がとれたら、植え替えをしてピチピチのプリプリに仕上げてやりたい草。



 休眠処理という名の屋外放置を経て芽を出しているギボウシ左グアカモレ・右ゴールドスタンダード。いやあ強い!こんな小さな鉢で何度もガチガチに凍ってもう絶対死んだと思っていましたが生えてきましたね~。枯れ葉など体積物をそのままにしたのと、完全に乾燥させたのがよかったかもしれません(むしろ中途半端に水やってたら死んでたかも)。しかしさすが日本の野草、アメリカにはるばる渡ってきても大和魂は受けつがれていると思いました。

 無事新葉も出てきたので、また今年も室内で育成してみたいと思います。ゴールドスタンダードは西日で焼け死ぬと知ったので今年は同じ失敗はしないようにしたいです。というか、気を付けてあげないとちょくちょく植物が焼け死ぬ家です。普通に天気のいい日にデッキとかに出て照度計で計っても8万ルクスは固いので、さっさとサボテンでも買ってきた方が良いのかも知れません(この思考、破滅への入り口)。


2021年11月19日金曜日

褒めることの有効性


 どの飼育書、しつけ本にも必ず書かれていることがあります。犬がいいことをしたら「犬を褒める」ということです。でも常々疑問に思っていることがあって、「褒める事はいつも必ずしも有効なのか」ということです。これはいままでいろいろな犬にふれあったり、また以前飼っていたドーベルマンや、今飼っているシェパードに毎日かかわる中で出てきた問いです。

 この世には「褒められる事が有効な犬」というのと、そうでない犬がいるように思います。私の思う「褒められることが有効な犬」というのは、①生まれつき褒められる事への感受性が豊かな犬、そして②後天的に褒められる事への感受性が豊かになっている犬の2種類です(厳密に言えば、同じ犬でも状況によって感受性が増減しますが、、、たとえば家のキッチンと公園とでは褒めへのリアクションが違ったり、、、今回は「本質的に褒められることが有効かどうか」について考えたいと思います)。


 ①は、遺伝的背景などによって、ほとんど生まれつき褒められることが大好きなように見える犬です。子犬なのに声掛けすると短いしっぽをピロピロ振って、いくらでも人間の活動に付き合おうとするような犬です。特別人に対して親和性を育みやすい性質などの副産物なのかもしれません。私からするとそんな犬と暮らす事が出来ている人は大変ラッキーだと思うのですが、世の中の多くの犬はむしろ、飼い主との沢山の良い思い出を通して「褒められること=いいこと」と、頭の中でしっかりとヒモ付けられて、はじめて褒められることの意味を真に理解できるようになっていくように思います。これは②のパターンです。

 ②の犬は、しかし、「自分が褒められてる」「褒められることはうれしいことだ」とピンとくるまでに、かなり時間がかかることもあります。飼い主の側がそう思える状況を十分に作れていないなど、理由は多々考えられますが、生まれ持った性質としか思えない事もあります。私が以前飼っていたドーベルマンもそうで、「この犬は自分が褒められて心の底からよろこんでいる」と私が確信するまでに、じつに7年位かかりました。しつけ本に出てくるみたいな「素直に喜んでくれる犬」「褒められようとがんばる犬」になるまでに、寿命の半分以上が経過してしまったのです。後から思えば、犬にとって私と言う存在がまだまだそこまで重要視されていなったからだと思います。ドーベルマンは強い犬なので、そんな人間にほめられようが怒られようがシッタコッチャネ~、だったというわけです。

 犬のしつけを考えるとき、トレーナーさんの言う通りにやっているけどなかなかうまくいかないな、というペアの中には、こうしてほめるとかしかるとかいう以前に、犬と人の関係がまだきちんと構築できていないケースもけっこうあるのではないかと思いました。そういう時「褒める事」は報酬として全く意味を成さなくなります。




 考えてみればあたりまえなのですが、実際のところ自分に対してどんな価値があるのかはっきり分からないひとが、自分がやったことに対して突然キャーキャー言って喜んだって、なんか嬉しそうだと気分が盛り上がることはあっても、それで天にも昇るような気分になったり、震えるほど感激するということはないわけです。周囲のドッグトレーニングの様子を見ていても、そんな状況になっている場面を時折見ます。飼い主はワオ!グッド!とすごく嬉しそうだけど犬自身は全く気にしてなかったり、むしろ気弱な犬とかだと、どうも自分が原因らしい飼い主の豹変(?)に挙動不審になっている場合すらあります。こうなると「褒め」は通過して、犬にとってはドッキリの域といえます。個体によって適切なレベルの褒め方があるとも考えられます。

 また超個人的な見たてになりますが、これは、叱る時も同じだと思います。もともと飼い主と強い絆で結ばれている犬は、少々叱られたり、小突かれたりした位では揺らぎませんが、仮にそれら抜きにいきなり叱ったりしたら、「頭ごなしな学校の先生」とか「暴力的なオヤジ」みたいな感じになってしまい、自らの飼い主としての魅力を著しく下げることになるでしょう。また犬は驚き、「こわいから言う事を聞く」ようになるかもしれません。これは良い人&犬の関係を築く上で、多くの人が目指したい所ではなさそうです。先進国社会では犬を叱ることについては非常に賛否両論ありますが、私は、自分の犬を厳しく叱ることがあります。ただし叱る時はふだんからその10倍、いや50倍は褒めるくらいの気構えでいるのと、叱る事も褒める事も犬にわかる・伝わる形で行う事を最優先に考えている、ということは明記します。


 「褒め」のもう一つの側面として、「犬をやたらと興奮させてしまう」という効果もあるように思います。これは逆に褒められることの意味をとてもよく分かっている犬に起こりやすいように思います。たとえば今飼っている犬のコディは、特定の状況で遊びをしている時に「グッドボーイ」と言うと、真顔になり、耳が直立し、身体がこわばり、私を凝視する瞳がギラギラしてくることがあります(以前通っていたドッグランに、この状態のコディがどうしても怖くて冷汗がでて体が硬直してしまうという人がいました)。犬自身は歓喜と期待で興奮状態です。こうなると、コディの場合はその後何かをさせても乱雑で適当な動きになってしまいます。「グッドボーイ」が刺激的すぎて、コディの心と体のコントロールを弱めてしまうのです(考えようによっては、犬が爆発的に力を出すようなタスクをやるには向いてるのかも知れません)。このことから、場所や状況によっても、適切なレベルの「褒め」があるのではないかと思いました。

 いつもの如く長くなってきたので振り返りますが、犬を褒めることも(叱る事も)、まずは関係ができてから、犬に「この人にほめられたい」と思う人になることが、多分先決だということ。そして、個体・場所・状況によっても適切な褒め方があるんではないか~?、、、というところまでまとめて、おわりにします。

 今日の写真は2ヶ月前に発根していたエケベリアです。ゆっくりですが窓際でも成長を見せてくれています。これらは皆同じ親株から出たクローン体のはずですが、成長速度や体色にけっこうばらつきがあるのがおもしろいです。来春頃には人にゆずれる位の大きさになってるかも知れません。



2021年9月5日日曜日

犬の聴覚過敏とつきあう

Echeveria lola – "Mexican Hens and Chicks"

 

 近所の園芸店で買ってきたエケベリア。思うところあって掘り返してみたら、根っこがグズグズで茎の中央部まで根腐れが進んでいた。アメリカの「その辺の植木屋」で多肉を買うと結構よくある展開です。葉っぱをばらばらにしてひと月くらい、最近発根がはじまりましたよ(白いマルのところ)。上手く発芽までいってほしいです。こうして根っこが出ても、芽が出ないというヤツもいます。

 昨晩は犬のコディのクンクンという声と、階下をウロウロ歩き回る音で目が覚めました。時折大音響で雷が鳴っています。山の近くに引っ越してから「短時間で急発達するビックリするほど激しい雷雨」というのが、このあたりでよくありがちな天候イベントだと気付きました。

 コディが雷を不安がる様子をはっきりと見せたのは、実は昨日が初めてです。5歳を過ぎたころから音にやや敏感になってきている印象があって気にかけていましたが、不安感が強くなってきているようです。犬の聴覚過敏の類は、遺伝による先天的なものと、恐怖体験によってあとから身に着くものとに大別されるとされ、また近年では落雷前後に発生する静電気が不安感を増幅させるのではないかという説がいわれています。

 加えて、牧羊犬は聴覚過敏に陥る傾向が強いことが分かってきており、特にボーダーコリーとジャーマンシェパードで多く報告されています。コディの場合はおそらく犬種的なものと、中年を過ぎての2度の引っ越しや、すごい嵐が来る地方に来てしまった事で、音に対する嫌悪感が累積してきていると考えられます。田舎の家は、今まで5年間過ごした郊外の家とくらべて雑音が一切ありません。本当にめちゃくちゃに静かなのです。騒音が全くない環境なので、逆に雷の爆音とか、「へんな音」がより際立って感じられるのかもしれません。呼び鈴への反応も強くなったように思います。生活環境から生じたかもしれないこれらの不安感だとか警戒心は、不可抗力とはいえ、可愛そうに思います。

 犬に聴覚過敏の傾向がある場合、①特定の音に対して過敏性を減じる(ディセンシタイズ=脱感作)トレーニングを行う、②犬の精神の安定を助けるとされる道具や医薬品の助けを借りるという2つの対処法が一般的です。これに私はあと、➂日中に運動をたくさんするも付け加えたいと思います。人間でもそうですが、衣食住にも困らず、仕事も肉体労働もせず、日がな一日ブラブラしていたら、誰だって余計な事が気になりだすと思います。犬もきっと同じなのではないでしょうか。



 ということで、早速雷の音源を使ってトレーニングを開始しました。並行して、時間をきっちり測って運動する時間を増やしました。最近暑かったこともあって、散歩に出かける時間や長さはやや適当になってきていましたが、時間を計って有酸素運動の時間をたっぷりとり、その後に筋肉を使う運動をする時間もメニューを組んで入れるようにしました(この時間帯に、今練っている筋トレメニューをテストしています。いい感じになってきたら、そのうちノートに残したいです)。

 また、これはまだ試していませんが、クレートを防音仕様にするのはどうかとも思いつきました。家庭で使える防音ブランケット(参考)などが市販されていますが、これをクレートを囲むように、若しくは直接貼り付ける形で設置して、小さな防音室のようにする考えです。それで、ものすごい嵐が来る夜だけ、クレートで寝て貰えば多少はマシになるのではないかと思いました。ただ、コディは非常に暑がりなため、クレートの中の風通しが悪くなるとそれはそれでストレスを感じると思われます。なのでもう少し考えてみる必要がありそうです。

 あとは、以前、専門店でバイトをしていた店によく売れていた「サンダーシャツ」「サンダースプレー」も、購入しました。私はどちらかというとこういう民間療法ぽいものよりもすぐに薬に頼るほうなので効果には懐疑的でしたが、当時のお客さん達は効果があると言っていたので…、、、

 ところでこのシャツの購入には手こずりました。案の定、チャートの上では大丈夫そうだった「XL」が、胴回りがぜんぜん足りず、返品したり新しいのを取り寄せたり、ひと仕事でした。コディのように大きくかつ体格のいい犬の場合、使えるグッズがそもそも限られます。ほかの大型犬種、ボルゾイとかデンなどとも体形が全く異なるので、「超大型」と書いてあるグッズを買ったとしても、サイズがあわないという失敗が多いです。XLのシャツは、胸の所がパツパツで襟元から厚い胸毛が噴き出し、パリのゲイバーで見たおじさんみたいになっていました。コディの名誉のために写真は載せないことにします。


2021年8月31日火曜日

井戸水の問題/オフ・グリッド化


 室内で育てているギボウシ(ホスタ)のつぼみがめちゃめちゃ長くなってきました。いつの間にか拉致されて、部屋の奥のほうにある戸棚に置かれていた。照度計で調べたところ、明るい時で24000ルクスくらいある棚ですが、いかんせん日の当たる時間が短い。暗い所が平気で有名なギボウシとはいえ、長期的に生きていけるか疑問のロケーションです。もともと林床などに生育するので相当暗くても(林内の照度は夏季が最も低くなる)大丈夫なはずですが、家の中で育てたことがないので、不明です。


 大分ふくらんできている。


 この草は冬季は葉っぱが全部カラカラに枯れて休眠するのですが、室内にいるギボウシもスムーズに休眠が進むのかという疑問もあります。気になって園芸サイトなどで調べてみると、だいたいにおいて

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  • 少なくとも2~3か月の間、気温が4℃程度で安定した、暗く涼しい部屋に配置する。
  • 破砕した木の皮やオルガニック・モルチなどをかぶせて根っこを守る。
  • 1か月に1回程度の割で軽い水やりを行う。完全に乾燥させないこと。
  • 春先に休眠場所からもとの場所に設置。植え替える場合はこのタイミングでする
  • 大きくなり過ぎたら株分けをする。でも、「しなくていい」と書いてあるものもある
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というかんじのことが書かれていました。休眠開始時期としては、北バージニアと緯度的に近い東北地方では10月に入ると枯れ始める株が出るというので、10月頭から外に出して寒気にあてて休眠処理し、初霜が降りる11月の初旬までにガレージに取り込んでみようかと思います(水やりを…というか存在をわすれそうですが)。また冬季に加温して冬越しさせている人のブログもありました。冬冷やさなくても、別段株が弱るなどの問題はないようです。しかし、最近のグーグルなどは「情報まとめブログ」のような形式のウェブが沢山検索の前の方に来て、こういう個人の人が時間をかけて情報を集積している良質なソースにアクセスしにくくなっているのは残念です。


今週のコディ君です


 最近、植物にやる水のことで大事なことを学びました。

 わたしたちが今住んでいる地域は北バージニア圏でも山のほうに位置するため、水道が通っておらず、生活用水は家庭ごとにポンプでくみ上げています。地下100m以上から引いている水はかなりの硬度を有するので鉄分を除去する装置を通しますが、処理の過程で水のphバランスが変化します。

 この水を長期にわたって植物に与えた場合、株が脱水状態のようになって弱っていったり、鉢内の土や土壌に塩類が蓄積します。土の変質は非可逆的なもので、物理的に土を入れ替える以外に改善方法がないため注意が必要です(特に夏場に芝生がカラカラだからとホースでじゃんじゃん庭に水をまいてたりすると、芝どころか土ごとだめにする可能性まであるといえます)。田舎の生活スタイルだと、こういう「知ってないと絶対まずいコト」が結構あって、改めて自分が都会育ちの無知なモヤシだということに気付かされます。

 井戸水問題に話を戻しますが、水に関しては雨水を集めてためておく装置の導入を検討しはじめました。ポンプから直接水をとれるよう、バイパスする方法もありますが、工事が必要になるのですぐには難しい。雨水をためるだけなら比較的簡単そうだと思いました。

 観葉植物は、それ自体はローメンテナンスでエコなペット(?)になり得ますが、たとえば水をやるためだけに、わざわざ、資源を使って遠くで作られトラックで店まで運ばれたミネラルウォーターを買って、時間とガソリンを使って家まで運んで、つかったボトルはプラスチックごみになるというのでは、本末転倒です。ボトルをリサイクルすればまだましと思いますが、リサイクルも、そもそもそれ自体大量の電力や水資源が必要であり、処理の過程でマイクロプラスチックの問題が派生したりということがついてまわります。


 犬の世話をしている時も思うのですが、一見エコロジカルに見えることでもためつすがめつしてよく見てみると案外、ノン・エコロジカルな側面が気になる場合があります。たとえば、犬の餌です。「ケージフリーのたまご」「ヒューマン・グレードの魚」「有機農法の野菜」「倫理的に育てられた家畜の肉」「環境に配慮された包装紙」などを使って作った餌があったとして、それらを遠隔地から膨大なエネルギーを使い取り寄せる(時には冷蔵・冷凍設備が必要なこともありますね)ことと、一歩餌のランクは下がるが、近所の量販店などで売っている近隣で製造しているソコソコのブランドの餌を買う、という行動を比べたときに、エネルギーのロスという観点ではローカル産の量産品で満足するほうが、結局ははるかにエコロジカルなのではないか?と感じています。特に本来ヒトが食べない部位や素材等も使って一気に工場で大量に作れ、長期保存がきく「昔ながらのドッグフード」は、エコ指数という観点ではわりと高いのでは、と思っています。

 昔ながらのドッグフード、所謂「カリカリ」はコンパニオン・ドッグ界隈では「マックのポテトのようなもの」とか「食べ物じゃない」と言われてわりと散々な評価を受けていますが、たとえば警察犬や軍用犬などのワーキング・ドッグはカリカリを毎食食べて長く健康を保ち(軍用犬の退役平均年齢10~12歳警察犬の平均退職年齢10歳)、一般家庭の犬をはるかに超えたパフォーマンスを出します。犬の健康を考えるうえで食は非常にたいせつですが、犬の栄養についての多くの科学は、前述のドッグフードから昨今ブームの生餌まで、非常に歴史が浅く発展途上であるということも覚えておかないといけないですね。特に人間は、新しいこと=正しいことだとすぐ勘違いしやすい生き物なので…、、、

 はなしをエネルギーに戻しますが、「なるべく資源を無駄にしない生き方」を考えるとこれはもう「マクロエコ生活学」が必要だと思う位非常に複雑にからみあった問題で、常に何が最適解かを模索している状態です。はっきり言える事は、自分のペットのためだからといって際限なく資源を使うことは、たぶん間違っているということと、同時に、手が届く範囲で出来ることをやる・続けていくことが重要だということです。私の場合は、生活に必要な水・ガスの問題をほぼ自前でなんとか出来るようになったので、数年以内に屋根にソーラーパネルを設置して、生き物や植物の飼養にかかわる電力をできるかぎりオフグリッド化出来たらと、妄想しています。


2021年8月19日木曜日

よしなしごと


 夏が過ぎてゆきます。娘のアメリカの学校びらきまであと丁度一週間となりました。本当に長かった「ホームスクーリングもどき・うぃずコロナ」もあと1週間です。パンデミック以降、子供達が学校で学ぶ権利や、普通に友達と話したり遊んだりする暮らしは圧迫され続けてきましたが、あがき続けた1年と5カ月が終わろうとしています。頑張っても誰に表彰されるわけでもない地味な日々の連続の中で、私は大量の時間といつのまにか髪の毛を失いましたが(昨日、1年半ぶりに会った美容師がびっくりするほど)、子供らのために力いっぱいがんばったと思うので、満足です。

 ところでここ2カ月ほど草に手を出していました。ふだん一人で何かの作業に従事する「個人の時間」を何よりも大切にしているたちなのですが、半年以上自分の時間が全くなかったので、見えないうっぷんが溜まっていたのでしょう。そういう時、逆にこうやって全く関係ない事に着手して、さらに自分の首を絞めてしまう悪いクセがあります。上の写真のは、学生のころ日本で集めていた種類で、とてもなつかしいです。たまたま立ち寄った古道具家で「品種不詳土ナシダニあり根っこ2本」みたいな状態で物置から引っ張り出されてきた個体ですが、家で養生していたところ元気を盛り返してきました。新葉も出ています。すごい生命力ですね~。



実験的に室内で育てているギボウシ(Hosta 'Guacamole')につぼみがついた



 草だの、爬虫類だの魚だの、両生類だのを愛好して幾星霜ですが、こういったいきものが好きなのは、こうして逆境に強い生きる力であったりとか、生きようとする姿勢とか、まわりを気にせず自分の都合のいいほうに勝手にどんどん伸びたり、体温や感情がない(なく見える)分、自分の時間を生きている様子がひときわ鮮烈に感じられるせいかと思います。


たのしみです


 しかしアメリカで日本と同じように趣味のことをやろうとすると、たとえばいい用土や道具がぜんぜん見つからなかったり、あっても高かったり、大量だったり、取り寄せなどで時間が掛かったりで、着手しにくいことがあります。また冒頭の話のように死にかけのやばい状態の草なども平気で売っていたりするので、どんなに安い草でも丁寧に世話をして売っていた日本の地元の植木屋を思い出し、恋しく思いました。ここでは、あらゆるサービスが玉石混合で、よい店や人を調べる事自体に多くの時間や費用を費やさねばなりません。チャイルドケアなどもおなじですね。日本の保育園のような、朝から夜まで、食育あり、連絡帳も書いてもらえて時間外の突発保育もあり、などなどなど…のレベルを期待しようとすると、月に2000ドルは必要です。安価に、非常にバラエティ豊かなサービスを享受することができるという点では、日本はすごくいい場所だと感じます。



 ここ1週間のコディ君です。アパラチアン・トレイルに短いハイキングに行ったり、園芸店に連れて行ってもらってこやしの袋の上でローリングしたりと悠々自適に過ごしていました。上の写真はその後ペット用品店でシャワーをしているところです。こうして、オフロの中でヨレヨレになっている姿もとても可愛いですが、大きい図体&6歳という大の成犬のくせに、ク~ンク~ンといかにもか細い声を出すのが少しはずかしい。今回は特にとなりの洗い場にいたアメリカン・エスキモードッグ達がキリッ!とした表情で、サクッと洗ってもらっていたので、コディの情けなさが際立っていました。頭脳は子犬の時のままなのです。「あかちゃんおじさん」と呼ばれてます。