2015年12月19日土曜日

超大型犬に負けないかみかみグッズ(勝手にレビュー)

審査員近影


 大型犬の若犬と人間の乳児の世話との同時並行と言うと、大道芸的な要領を問われるタスクが多いですが、基本、行動がゆっくりかつ、ザ・シングルタスク人間である自分にはとても難しい局面というのがここまで何度かありました。例えば、、、赤ん坊が泣いているのを何とかしようとがんばっている所に小包が届いて呼び鈴がピンポーンと鳴ります。そこへまだ散歩へ行けてなくて興奮気味の犬が爆音で吠えたてる→子供さらに大泣き。そして「よしよし」とやっている間に、準備していた粉ミルクのお湯が出来たタイマーが鳴り・・・止めようと駆け寄る途中で落ちてたコングを踏んで転びそうになる・・・と、もうどうにも収集がつかない混沌状態になるわけであります。

 なので、忍者のまきびしみたいな感じでぽいと投げるとたちまちのうちに犬を大人しくさせるかみかみグッズ探求には、まったく余念がありません。我が家にとってこれらは単なる犬の嗜好品というよりかは、生活をうまくまわすための必需品となっています。今日は、ここ2カ月あまりの間に利用したものを(独断と偏見に基づき)かってにレビューしたいと思います。尚、グッズ類は全て家の審査員によって一度試食されており、若干お見苦しい状態になっている点はお許しください(汗)。




 ① 鹿の角:amazon。これはちかごろアメリカの自然派ドッグオーナーの間でだんだん需要がのびているもので、最近は日本の「ペットのコジマ」に相当するような量販店ですら、手に入るようになった。犬によって夢中になるものとそうでないものがおり、どちらかと言うと若い犬の方が好きみたいですね。また一本一本形状も大きさも違うので、ある特定の角に異様に執心する犬と言うのもいるらしい。一説によると中の方に特有のフェロモンがあってそれが犬を惹きつけるという人もいます。

 鹿の角は齧りかすや汚れが一切出ないのが非常にありがたい一方で、犬の歯が欠けるという報告もあり、特に 4th premolar toothと呼ばれる、犬の口の中でも特に重要な小臼歯がダメになるという主張があるため、飼い主の監督下にある時以外は与えない方が無難かなという気がします。うちは犬が遊んでいる間逐一見張っていることは出来ないので、お蔵入りになりました。100%オルガニックかつ伝統的なイヌのおもちゃでコンセプト的には良い感じだと思うので、残念です。




 ② 鹿の角・ナイラボーン版。Dura Chewの確か、Antler Alternativeというやつだったと思う。12/23追記:これはナイラボーンではなく、ペットステージ社から出ている類似品の「ディアホーン:Amazon」でした。確か角の成分が入ってるんだったか、ヴェ二ソン・フレーバーだったか(急いで買い物したので記憶にない)、とにかく「ナイロンにフレーバー?」「削りかすは飲み込んでも排泄される??」と、自称自然派の自分にとってはネガティブ反射をもよおさせる謳い文句が書かれていたのですが、使ってみたら案外悪くなかった。ナイラボーン自体はロングセラー製品なので、それに付随して安全性も高い(ナイロンに香りが付いているというアイデアだけはまだ受け入れにくいんですが)と考えられます。もちろん、犬の大きさに合ったものを買ってくるのは大前提で、というのも自分の身の回りに限ると犬のオモチャ誤嚥で一番よく聞くのがこのナイラボーンの破片なので。

 使ってみて一番ありがたかったのは床が全く汚れない事です。またときおりカスが散らばっても、無機物なので不衛生になりにくく、掃除機でささっと吸い取れることはよい点です。犬の噛む力と歯の強度をよく考慮して作られているので、本物の鹿の角のように歯の問題のもととなる可能性が低い事。反対に微妙だったのは、やはり犬の方もこれが本当に動物由来の(食べられる)パーツではないことを薄々分かっているらしく、比較的飽きやすい傾向にあると思ったこと、それと噛み口がギザギザになるのでたまに歯茎から出血すること。




    ③    ヒマラヤンドッグチュウ:Amazon。ヤクとウシのミルクの混合物で出来ているという、自然なおやつ。非常に硬く、〜70パウンドまで用のグレーのパックに入っているものを与えましたが一向に割れる気配もなかった(コディの体重は100パウンド以上)。このチュウの面白いところは、電子レンジで加熱するとパフ状になって二度遊べるところです。齧っているうちにどんどん小さくなって喉に詰まらせる危険が出てきたら取り上げてチンしてやると良いと、お店の人に教わりました。というか、ヤクミルクの固形物を電磁波で加熱してみようと思った人、その発想がすごいと思うのは自分だけでしょうか。

    このおやつは犬が齧って唾液がつくと、乳製品特有のというか、ちょっと野生的な「いぶしたゴートミルク」みたいな匂いが発生します。それはとりわけ臭い!というほどでもないのですが、ミルク系の匂いが苦手な人(私です)にとっては少々気になりました。また意外と細かい屑が散らばるので、特定の場所でおやつを食べるよう犬をしつけている人以外は、後で掃除をしなくてはなりません。




    ④    ブリー・スティック。ロウハイドの、より良い代替品として近年ポピュラーになってきつつある棒状のかみかみです。ロウハイドと比べるとより自然な素材で出来ていて、消化もしやすいとされる。その「自然な素材」とは正確には「ブル・ピズル」で、バイト先で内容表示を見た移民のおばちゃんなどが時々これ、何のこと?と聞いてくる。「雄牛のプライベート・ゾーンです。」と言うとちょっと照れてたりするので、ひとりウケている。

    今まで色々なメーカーの、大小様々なブリースティックを消費してきたけれど、プロセス方法によって多少品質にばらつきがあるように思います。見た目からは区別が付きませんが、以前インターネットなどで安価に売られているものを試したら、小さなスティックだったにも関わらずコディが下痢になってしまったこともあります。きちんたした会社のものを選んで買った方が良いと思います。

 ブリースティックはまた、犬が噛んでいるとヌルヌル・ベタベタしてきて特有の臭気が出るのも難点です(ただし犬にとってはいいにおいらしくうちの犬も一生懸命噛んでいます)。もう一つの難点は、消えもの系のカミカミとしてはちょっと割高感があることですね。うちの犬の大きさに合ったものを買い与えようとすると非常に高く付くので、ちゃんとした製品を安価におろしてくれるメーカーをいつも探しています。バージニア近隣では、地元のメーカーBARKWORTHIESがわりと品質もよくおすすめです。輸送にかかるエネルギーなども気にし始めるとキリがありませんが、そもそも犬のおやつは贅沢品ですから、できれば地産地消を心がけたいところでもあります。




    ⑤    スモークされた豚の膝の骨。こちらのペット量販店で購入したもののひとつです。メーカーはデントレーだったと思う。香りもよく、脂っぽく、コディにとってはおいしかったようですが、油っぽい細かいゴミが大量に散らばるのには閉口しました。たぶん、犬のサイズに対しておやつのサイズが小さすぎたのかもしれません。骨も加熱加工されて脆くなっているので、すぐにばりっと割ってしまい、長期的には歯をいためたたり、間違って飲んでしまうこともありそうだと思いました。お蔵入り決定。




 長くなってまいりましたので、御口直しに砂漠の蜃気楼の画像でも。あっ、なにか見えるような気がしますね。よく見るとうちに一瞬存在したような、しなかったようなカミカミグッズの数々に見えなくもありません!どういうわけだか分からないけれど、犬にあげたらも数分~数秒で消え失せた者達です。結論:スターチ系のチュウは大きな犬には役に立たない。ところで、デンタル・チュウにカミカミ要素を期待するなよ、と思われたかもしれませんがオーラルケア的観点からもどれだけ効果があるのか怪しい、という考察も以前書きました。




⑥ Etta Says!というシリーズの、メガ・チュウ、エルク味。パルプ状になった干し肉とロウハイドの混合物を30センチほどのスティック状にのしてあるもの。強度は頑張ればベキッと二等分に出来るくらいなので人間的には硬く感じますが、犬が噛むとこれも一瞬でなくなる儚きおやつ。ヴェニソン系の味が大好きなコディだが反応はイマイチだったので、もしかしたらあまりおいしくないのかも知れません。重複するけれどロウハイドの欠片が入っているので、胃腸が繊細な犬は注意したほうがよさそうです。




 ⑦ スモークされた?ブタのみみ:amazon。アメリカ人の言うところの「yackey things」のひとつ。ほかにも牛・豚の足や豚の鼻など、基本的にパーツそのものの形が残っているものがダメという人はとても多い。余談だけれど自分の大好きなしらすやちりめんじゃこも、さるアメリカ人に言わせると「無数の眼が一斉にこちらを見ている気がして無理」なのだそうです。中国人街で台に並べられたアヒルもだめだそうです。以前行ったパリのマルシェではお肉屋に豚の頭部がまるまる吊り下げられていたけれど、ああいうのもきっと気持ちが悪いのでしょうね。自分が平素どんなものを食して血肉を得ているかを直視することはとても大切なことだと思いますが。

  この豚の耳は、コディ的にはまずいらしく(結局、笑)与えてもずっと床の上に置かれていたりします。また、一度食べ始めるとパリパリと一瞬でなくなってしまうし、ポテチのかすみたいなものが床に散らばります。我が家の場合はあまり役に立っているとは言い難いので、残念です。これと似たようなのでポーキー・ウエファー:amazonとよばれる要はブタの鼻も試したけれど、これもほぼ同じ理由で駄目でした。またブタの耳はあまり知られていませんが非常に高脂肪な部位で、ダイエット中の犬にはあげない方がよいと言われています。




⑧ マローボーン。犬用の製品が複数の会社から出されているし、スーパーの冷凍肉コーナーへ行くと「シチューボーン」とか言って、人間用のが二束三文で売られていることもあります。上のはプライマルというメーカーのもので、生の牛骨を加圧処理してあるので雑菌の心配がないそうです。犬によって食べる所要時間は異なり、うちの犬はこれひとつにつきだいたい15~30分くらいごそごそやっています。知り合いのティーカッププードルは2~3時間かけるそうです。マロ―ボーンは単なる輪切りされた冷凍生骨なので匂いも殆どなく、犬にとってもおいしい&楽しいかみかみグッズといえます。

 難点は、大型犬だとすぐ食べ終わる、もしくは中の方まで食べられないで終わること。ほかのおもちゃやおやつと併用する手もありますが、なにしろ他のカミカミに比べて圧倒的に犬の興味をひくので、人間の思惑通り順繰りに遊んでくれる犬は少ないと思います。また、ボーンマロー(骨髄)は脂質なので、お腹の弱い犬や、食べ過ぎた場合は下痢になることがあるのも注意ですね。同じ理由で床がヌルヌルになることもあるので、衛生面に注意がいります。ベランダやデッキの上など、野外で、監督できる範囲で食べさせるのが良いように思います。

 マローを食べ終わったあとの空っぽの骨で遊ぶのが大好きな犬がいるのも気を付けたいです。間違えて吞んでしまう可能性もあるし、咥えて走り回りながら思い切り落として床が傷ついたり、騒音でせっかく昼寝していた赤ん坊が起きたりするので、気になる人は頃合いを見て取り上げたほうが良いと思います。



⑨ 最終兵器、ラムのすね。スーパーや肉屋などで、新鮮な子羊の骨付きシャンク肉を買っておく。時間をみつけて水洗いし余分な脂をナイフでトリムし、一本ずつワックスペーパーなどでくるみジップロックバッグに入れて凍らせておく。シャンク部はお肉も結構ついているので、うちの犬の場合これ一本につき1時間~位時間をつぶしてくれる。すね肉の中を一本通っている骨の一端に関節がついているものは、噛んでいるうちに犬が飲み込むことがあるので、頃合いを見て取り上げる(そのためにも自分の犬がこれ1本食べるのにどのくらいかかるのか時間を計っておくと、あとで便利)。

 難点と言うか、屋内で犬の好きなように食べさせているとおうちがナショナルジオグラフィックのような光景になりかねないので、特定の場所で食べるようにしつけておくべきだと思います。うちでは天気のいい日は前庭か、リビングの特定のマットの上で食べるように教えていますが、しつけがめんどうな場合はクレートにいらない古布などを厚めに敷いて、その中でやると良いと思います。

 色々書いたけれど、結局のところはこれもマローボーンと同じく、野外でやった方が楽だと思われます。最近ひしひしと思うのは、犬と言うのは、というか大型犬と言うのは、そもそもある程度敷地のある家で飼うのが適しています。具体的には3、4エーカー、最低でも2エーカーは欲しい。そうすれば彼らを世話する上での労働の多くは、おのずと解消されるし、それだけスペースがあれば、犬の好きなものをいろいろ設置できます。コディの場合だったら例えば、ヒツジやニワトリのペンや、ふかふかの草が生えたフィールド、きれいな水の湧く池、倒木を組んでアスレチックを作ってやったりしたら、すごく喜んで毎日遊ぶと思います。嗚呼、我が家にもおおきな庭があったならば(※我が家は築40年のぼろい極小メゾネットです)。と、人生の深い悩みと憂鬱にとらわれたところで、今日のレビューを終わります。


2015年12月9日水曜日

むすめ2カ月

White Maze-pore polypore mushroom


 早くも12月になった。落葉は完璧に終了して、これから地面が霜や雪で覆われるまでのわずかな期間、林床はコケや菌類の類でにぎわっている。上の写真は散歩中見つけた日本のサルノコシカケに似たキノコ。北バージニアにはこれと似た形状でターキーテイルという言い得て妙なネーミングのキノコもよく見られるけれど、これは真っ白でとてもきれいだなあと思い調べたところ、学名はLenzites elegansというらしかった。エレガンスと言うにふさわしいルックスだ。こんな美人が森の奥深くの朽木にひっそりと息づいていると思うと、ロマンティックだ。

2015年11月29日日曜日

白いコディ君

ついに美白に成功したコディ君 「嘘はやめてください」

 そういえばこの間まで滞在していた日本の母がお土産にと、限定販売の「白いブラックサンダー」というのを持ってきてくれていました。ふだん黒かったり有色であるべきアイテムが白いというだけで特別感がいや増し、神々しくすら感じられるのは面白いですね。

 閑話休題。犬連れ散歩にバージニア州スコッツラン自然保護地区がなかなかいいよと勧めてくれたドッグランでの顔見知りに、遊歩道の終わりにあるという小さな滝を見なかった事を知られ、「チッチッチッ。やり直し!」と笑われた為、今月2度目のスコッツランです。生憎のお天気の中、今回はブログ兎に角みんなでアメリカ生活のちえぽん氏と、氏のご家族と愛犬・ホワイトスイスシェパードのわんた君が仲間に加わってくださりました。日本人がそう沢山住んでいるというわけでもないワシントンDCエリアで、犬を飼っていて、しかも大型犬シェパードの子犬でとなると非常に奇遇で、滝までの往復道中終始犬トークで盛り上がることが出来、なんと滝の写真を撮るのを忘れました。わんた君はご覧のとおりとてもきれいなパピーで終始ちえぽん氏のお子さん達を気にするようなそぶりを見せており、若いながらも立派にシェパードなのだなあと感心しきりだった。




 笑顔のわんた君とコディ。写真のコディがなんだかやけに汚いのは、辿り着いた滝つぼで泳いだうえ、わんた君と遊びたくて遊歩道の落ち葉の上で終始ウホウホしていた結果です。因みにコディの遊びへの誘いは全て華麗にスルーされていた。無情なり犬世界!しかし確かに自分だって、こんな何だか分からないムサイ大男がいきなり来て落ち葉のついた尻を弾ませながら遊ぼうぜ!と誘われても、あまり近寄りたくはないかもしれない。コディよ、また諦めずに頑張れ。

 この日はこうして子供さんやわんた君、他の大勢の行楽客やその犬が歩き回るなか、皆で散歩が出来た事はコディにとってもよい勉強の機会になりました。改めてちえぽん氏に感謝!楽しい時間をありがとうございました。


セネカ公園にて。普通の遊歩道をそれて、GPSを頼りに森の中を歩いていった

 因みに別件でセネカ広域公園へも再び足を伸ばしていました。今週はアメリカの感謝祭の週で全体的に人出・犬出が多く、リコールやリーシュウォークの点で多くの課題を発見したトレッキングになりました。これらは、小さな赤ん坊を連れながらだとなかなか練習する時間がとれない項目なので少々焦りを感じるけれど、なんとかタイミングを計りながらがんばりたい。




2015年11月24日火曜日

バージニア州 セネカ広域公園



 先日リトル・ディフィカルト・ランで犬かき(?)を練習したコディ。本格的に冬が来る前に、より水深と多少の流れのある場所で復習をさせようと、バージニア州セネカ広域公園にやってきました。ここは広々として人けが少なく、当地のイヌトモの間ではひそかにファンの多い公園です。自分は出産などいろいろあり8月に来て以来なので、改めて落葉の終わった明るい森と、澄んだ空気をとても楽しむことが出来た。


公園内の獣道で。ポトマック川めがけて大きな勾配の続く、この高低差も魅力のひとつ

水場に到着しました。コディの入水の儀 「匂いよし 味よし」
あまり川の水は飲んでほしくないけれど、仕方ない。

今日持ってきたオモチヤとオヤツです。ところどころ破けながらも生き残っているアンフィビアス・バンパーと、
近くの量販店でゲットしたノンブランドの予備の浮きです。
オヤツはセールの日に買って、ニンニク少々を加えて炒めて、冷凍しておいた牛肉のこま切れ。

GO! 今日も気合を入れて拾っているコディ君。

泳いでる、泳いでる!

 今回嬉しかったのは、コディの犬かき(?)が、ちゃんとした犬かきへと進歩しているのを見られたことだった。しかも、一回だけでなく何回も、バンパーを拾うために泳いで取りに行くことが出来たし、泳ぎながらクルッとターンしたり、本人も急にコツをつかんだようだった。この様子を見ていたら、水遊びしながらできるもっと面白いゲームをやらせてみたくなった。たとえば彼は陸上のトッテコイ遊びの場合、取ってくるオブジェクトが大きいほど燃えるので、何か大きいブイのようなものを使ったらどうなるのかとか、水に浮くフリスビーを使ったらまた違った感じで楽しめるのかもしれないとか、想像が膨らんだ。今、ぼちぼちとだけれど指定した物を持ってこさせる練習を始めているので、そのうち手の届かないような川岸に落ちているペットボトルごみなどを、指定して拾ってきたりできるようになったら、犬にとっても面白いかもしれないし、人間にとってもけっこう便利なのではと思う。

 一方残念だったことは、呼び戻しが少し悪くなっていることに気付いた事だった。遊んでいる時たまたま通りかかった人達がかわいいトイ・プードルを連れていて、コディは陸に戻ると同時にバンパーを地面に置いて、制止を聞かず、あいさつに行ってしまった。飼い主の号令や、楽しい遊びや美味しいおやつよりも他の犬に挨拶することを優先した事が意外だったので驚くと同時に、またドッグラン等々で練習しないとなあ、と若干憂鬱になった。自分は、犬がラン内でいつ・何をしている最中でも呼び戻しに反応するかどうかをひとつの目安にしているので、おもちゃやオヤツを持参して練習するのだけれど、なぜかそういう場所におもちゃやオヤツを持ってくると怒る人がいるので、ちょっと肩身が狭いのだ。個人的にはそれは、自分のだけでなく他の犬にとっても良い事だという信念に基づいてやっている事なのだけれど、これについてはまた別の機会に(たっぷりの弁解・自己弁護を交えて 笑)書きたい。


水泳後。ちょっと誇らしげ?
「やったぜ」

陽だまりと落ち葉の匂いと感触を確かめていた

ところでこの公園へ来る本来の目的は、小型の両生類の観察(管理人のメインのシュミ)なのに、
朽木や落ち葉をどかしていると犬が興味津々でやってくるので非常にジャマです。
「leave it」が完璧になるにはまだまだ長い時間がかかりそう。



 セネカ広域公園。毎回来るたびに新たな楽しみが見つかり、あまり飽きがこない公園です。

 余談だけれど今回、公園の駐車場から一番近い水辺へ行って遊び→また戻ってくるまでの時間を計った所、所要時間は約1時間20分だった。うちの犬の場合、水場でのトッテコイ遊び+水泳は時間当たりのエクササイズの効率が最も良かったように思う。仮にドッグランを使うと、彼の場合は朝夕2時間づつ、計4時間くらいは(途中ゴロゴロしたりしつつ)平気で遊んでいられるし、間に一回、午後の早い時間帯に軽い運動の要求もある。それに普段のトレイルの散歩やジョギングくらいでは、根本的に「疲労している」という状態にまでは至らない。反面、水泳は運動の種類も全身運動で、けっこう頭も使うようなので、帰宅後は夜まで穏やかにリラックスして、その後外へ行きたそうにすることもほとんどなかった。案外、忙しい時ほど時間を割いてやる価値のあるメニューかもしれない。




2015年11月19日木曜日

いろいろ再構築の時



    家の犬「コディ」は生後10ヶ月の半ばに入った。年齢的なものなのか、ここへ来て様々な変化が起きている。なかでも目立つのは、彼の心境面の変化だと思う。明らかに大人の犬へと過渡期を迎えている感がある。具体的には、周りにあるもの全てに対して懐疑的な目を向けるようになった。でも、今までのいわゆる「恐怖期」とは少し違うのかなあと思うのは、この懐疑の対象に見知らぬ人や物だけでなく、子犬の頃からずっと慣れ親しんできたものも含まれているところだ。なんというか、身の回りにある物事ひとつひとつについて、もういちど彼なりの再考察&意味づけを行っているように見える。

    例えば、コディは最近クレートトレーニングをやり直した。コマンドでクレートに入り大人しくしていることは、しつけの中でもいわば「基本のキ」であり、彼も生後12週で「スワレ」の次に覚えた事だったのだけれど、それがどういうわけか出来なくなった。というか、やらなくなった。家人の言うところによるとある晩、何時ものように夜寝る前「クレート」とコマンドして、ナイトキャップ代わりのオヤツを手にクレートの扉を開けて待っていたが、いつまでたっても犬が来なかった。おかしいと思って見回したら、コディが家人をじっと凝視したまま、むこうの玄関の石のタイルの上に伏せていたという。まるで「今日から自分の寝場所はここにするよ。」と言っているようだったらしい。なんだか人間のようでその情景を想像したら笑ってしまったけど、よく考えたら、それは挑戦だ。その日から家人とコディのクレートトレーニングのやり直しを手伝った。まったく以前のようにスパッと号令に従うようになるまでには6日かかった。

    変わったことはほかにもある。今まで嬉々として通っていた犬のデイケアについても、「行きたくない」と決めてしまったらしい。これは徐々に忌避反応を示すようになったという感じで、今ではデイケアのエントランスに入る前に勝手にクルッとUターンして、自ら車に戻っていこうとする始末だ。子供が小さくて常に手が足りない我が家にとってはこれはけっこう真剣な問題で、目下、どうアプローチ&改善(?)するかを考えている所だ。

    とにかく何かにつけて「既に見知ったものとそうでないもの」「自分の家族とそれ以外」、「家族の中での自分の可能性」みたいなものにフォーカスしているのが垣間見える。おそらく犬にとっては難しいと同時に繊細な時期でもあると思うので、変に腫れ物のように扱ったり、逆に無意味なルールのゴリ押しをすることのないよう気をつけてハンドリングしていかないとなあ、と気持ちを新たにしている。




 今日の写真は車で五分ほどの市中心街の、オフィスビルに囲まれた駐車場の屋上。ついに日没が4時台になってしまったので、暗くなっても遊べる場所ということでここに行きついた。最近だいぶ知恵がついてきて、ボール投げやトッテコイ遊びも、同じ形式のセットが3回以上続くと飽きることが出てきた。

 コディは、名実ともにティーネイジャーになったのだ。自分がそこに突っ立っているだけで、彼にとっては最高のごほうびだった時期は終わったのだと、認めなければいけない。自分がティーンだったころを思い出したって、親とキャッチボールなんて、つまらんし、ダサいし、かったるくてやってられなかったと思う。そこに例えばお小遣いがからめば話は別だったわけで(笑)。なので、オヤツを日がわりにしたり、オモチャを複数用意したり、ベーシックなオビディエンスの動きと組み合わせたりして、一回一回変化をつけたり、リワード面を充実させたりして遊ぶようにしている。コンクリの上を活発に走り回るような運動はブリーダーの忠告に従って、だいたい15分以内に留めるようにしている。ここでの遊びが終わったら、オフィス街を軽くジョギングしてから帰宅する。自分にとっては、しばし赤ん坊と離れられる息抜きタイムだ。





2015年11月14日土曜日

1日「シェパード」体験へ



    このあいだ「シェパード」と辞書をひいたら、「可算名詞」と書いた横に「羊飼い 牧羊者」と書いてあった。世間一般では、「シェパード」という言葉がほとんど独り歩きして、ジャーマンシェパードを指している感があるけれども、シェパード犬とは羊飼いの犬、牧羊犬の事で、なにもジャーマンシェパードだけに限定するわけではなかったのだ。考えたらしごくあたりまえの事だけれど、もともと牧羊の文化を持たない日本人ならではの固定観念だったかも知れない。

    冴えないぼやきはさておき、今回、個人でヒツジを飼っている方の所で家の犬「コディ」とその親戚の子犬達を対象に、そんな牧羊犬としての能力が彼らにどのくらい残っているのかを審査してもらえることになった。週末、ぐんぐん短くなる日を追いかけるように、西へ向かって車をとばした。80キロほど走る間に灰色の住宅地の光景がだんだん緑になり、そしてのどかな田舎の風景に変わった。


見覚えのある顔、アローお姉ちゃん

メエエ メエエ



 牧羊犬の適正診断はまず、ヒツジのいる柵に犬を入れ、離れたところから犬がどのような行動を見せるか観察する。同時に羊飼いが杖で地面を叩き、犬に、杖へ敬意を払うよう促す。この時点で、ヒツジに対して攻撃的な行動を見せた犬は除外されるらしい。コディはヒツジに大注目&大興奮で、珍しくワンワンと吠え、瞳がらんらんとして今にもヒツジを丸飲みしそうに見えたので(笑)一同若干心配になったけれど、羊飼いと杖への注意力が高かったので、審査続行となった。また、ヒツジは意外とタフなんだそうだ。少々、犬にどつかれた位では、なんともならないそうだ、、、と言うのはオーナーの談。


しっぽをブンまわしながら羊の後を行くコディ。



 羊飼い役の人が、犬に適宜指示を出していく。と言ってもまだ何も知らない子犬なので、「そうそう」「優しく」「ダメダメ」など、主にヒツジに対する基本的なマナーを教えることがここでのメインだった。

    話を聞いていて面白いなあと思ったのは、ポインティングやレトリービングと同じく、ハーディング(ヒツジをまとめること)も強く本能に根ざしていて、犬一頭一頭のもともともつ資質が重要なんだそうだ。トレーニングをほどこして、後天的に教える事も出来るけれど、やはり生まれつき「動く生き物の集団をまとめたい」という、強いモチベーションを持っている犬がいて、本格的なハーディング競技や実務にはこういう犬達が使われるそうだ。


なんだかそれらしくなってきた?



 結論、コディの牧羊犬としての資質は???

 審査をしてくれた方によれば、ホビーレベルのハーディングなら十分通用するということだった。ヒツジへの興味、忍耐力、エキサイティングな状況下でも号令への注意力を失わなかった事、それと群れからポンと一匹飛び出したヒツジをさっと連れ戻す動きが出来た事が評価された。マイナス点は「遅さ」。コディはそもそも牧羊犬としてはオーバーサイズなのだ。これは自分で見ていても、確かにそう思った。しかし競技レベルはムリでも、いずれ庭の広い家に住む機会でもあれば、小さいアヒルかガチョウでも飼って、追わせてみるのも楽しいかもと、夢が広がった。

 余談だけれどイヌにとってヒツジ追いは随分ブレイン・エナジーを消耗するようだ。コディがヒツジの柵の中にいたのはものの20分たらずだったが、そのあと帰りの車の中でも、帰ったあとの家でも、グーグー熟睡していた。これを見ると以前ハーディング・コンペティションのチャンピオン戦で見たボーダーコリーなどプロの牧羊犬達は、とてつもないアイロン・ドッグ達だったのだと改めて思った。ワーキングラインに限って言えば、とてもじゃないけど一般家庭では飼えない代物だと思う。



2015年11月9日月曜日

バージニア州 リトル・ディフィカルト・ラン



 母が帰国する前、最後にとトレッキングしたバージニア州リトル・ディフィカルト・ランでの光景。ここは、コディがまだ小さかった頃に、コディの友達も連れて一度来ているので(→参照)地理的には馴染みがあるけれど、季節が違うのでまた新鮮な趣があった。こちらではほんの2週間ほどの間で、きれいだった広葉樹の葉がドカッと落ちて、林床まで日光が届くようなり、森全体が明るく見通しも良くなって、さらに地面を覆うシダや棘のある植物の多くが枯れた事で、かなり歩きやすくなりました。




 林道を楽しそうに歩くコディ。生後10ヶ月になり、体重も、最近忙しくて計っていないけれど50キロ近くになっているのではないだろうか。写真を見てふと、ずいぶん大きくなったなと思った。こう見えて本当は、家に入ってきたクモやバッタを倒すのが関の山と言うお人よしの犬だけれど、彼の事を知らない人がもしこういうところで急にこの犬と出くわしたら、ちょっと怖いのではないだろうか。

 遠くから近付いてくるこの犬を見て腰を抜かし、転んで骨折してしまったおばあさんが居たとして、ここアメリカでは、裁判になればおそらくこちらが負けてしまう。日本と同様、オフリードでの犬の散歩にはリスクが伴う。野外でのびのび遊びたければ、場所と時間帯の吟味がとても大事だと思う。リコール(呼び戻し)を確かなものにしておくことも重要だ。それも、他の犬や見知らぬ人、物、大好きなにおいなどの誘惑に打ち勝って、必ず戻ってこなくてはいけない。うちの犬は今の所、リコールの反応はとても良い状態を保っているけれど、個人的に身の回りで訓練のよく入った犬達を見ていても、犬の行動に「200%絶対」はないと感じているので、鉄のリコールに到達するのは容易な事ではないと思う。




 ところでここへ犬を連れてきたのは、先日リバーベンドパークへ行ったおり、コディが(積極的にはいかないまでも)全く泳げないのも良くないと気付いたことがきっかけだった。その点ディフィカルト・ランは全域にわたって小川の水深が浅く、流れも遅く、また水質が比較的きれいなので、練習にはうってつけの場所だった。この日は、日本のウグイに似た川魚がちろちろ泳ぎ回る横で、コディの犬かき(?)を数回、見物することが出来ました。


犬かき(?)後、ほうほうのていで張り出した木の根につかまるコディ。

河原に上がって一息つく犬。



 水泳?といえばこのお方も初めて、「赤ちゃん用の風呂」というので沐浴をさせてもらったのでした。今まで自分がタライみたいなのに浮かべてぱちゃぱちゃ程度にやっていたのでは全然汚れがとれていなかったらしく、ばっちいベイビーになってしまっていたのです。写っているのは母の手です。この手で自分も含め、3人の兄弟は毎日沐浴させてもらっていたと思うと感慨深く、また時の流れを感じます。おお、母よ!(笑)。


沐浴後 爆睡するかーちゃ




2015年11月4日水曜日

バージニア州 リバーベンドパーク



 日本から来た母の滞在もあと少し。家族のヘルプがある状況を有意義に活用するため、引き続きひとり&一匹で、今まで足をはこんだ事のなかった公園を中心に探索しました。この日行ったのはバージニア州、ポトマック川の畔にあるリバーベンドパーク。結論から言えば、この公園に乳幼児と犬を同時に連れてくるのは難しそうだと感じたものの(意外と人通りが多いのと、犬の監督をきっちりしなくてはいけないので人間の子供の方に手が回らない)、秋晴れと暖かい日差しと、穏やかなポトマックの景色を楽しめ、いい気分転換になった。


コディはここでワンワンと吠えた。
吠え声が反響でやまびこのようになるので、不思議に思ったのかもしれない

投げやすく、拾いやすいアンフィビアス・バンパーがまた活躍した。

ずんぐりむっくりに見えて意外と動けるコディ



 これは通称「マンゴーボール」最後の姿。何ヶ月もの間、コディが大事にして飽きもせずに遊んでいたこのオレンジのボールは、案外速かった川の流れにさらわれて、一瞬で遠くへ行ってしまった。以前から一度投げられたものの捜索を中断して戻ってくるということがなかなか出来なかった彼も、点のように小さくなったボールに「leave it」と言ったところ納得したように手ぶらで帰ってきた。

 この一件でリマインドされた事は、海も川でも、湖でも、いわゆる遊泳区域の外で遊ぶときはかなり注意しないといけないなあ、という点。水流が予測不可能で、特に水面下ではどうなっているか分からないので、老犬や小型犬、コディのようにまだ泳ぎの上手くない子犬の場合は気を付けなければいけないと思う。水難事故の実例によれば、水深もすね(ひざ下)位までの深さがあれば成人男性が押し流されるのには十分なのだというから、犬の場合も、いかに水深が浅いからと言って、絶対に安心しきれる事はないのかもしれない。少なくとも用心するに越したことはないのではないだろうか。




 自然の中では「この位だいじょぶだろう」と思う所でケガをすることもあるし、用心しすぎでも、楽しく遊べなくなってしまう。同じ場所でも日によって状況が全く違う事もあるし、ちょうどいい塩梅を判断するのが難しいと感じる。