現在自分では犬を飼っていないくせに、コーヒー片手に時々近所のドッグランのベンチに座っては、もみくちゃで遊んでいる犬達や彼らの社会を垣間見るのが好きな私です。怪しいですね。
その犬「トーパス」に初めて出会ったのも、そうして柵の外から犬達を眺めていたある日のことでした。子犬の頃、火をつけられて、走っている乗り物から道路に投げ捨てられて、何日も生死の境を彷徨った犬だそうです。自力では抵抗したり逃げ出したり出来ない、素直で、無垢な子犬を痛めつける人が世の中にはいます。きっと彼ら自身も昔無力だった頃に、同様に痛めつけられたことがあるのでしょう。憎悪は社会の中で伝染病のように伝播していきますが、ものを言わない動物達はしばしばその連鎖の終着駅となる。過去は気にせずに今を明るく生きてる姿に、心打たれました。