2019年4月15日月曜日

1月~4月のまとめ


 今年の1/4が過ぎ去っていきました。子供の世話と並行して、訪問活動や犬トレに行ったり、趣味のため夜のフィールドにお供してもらったり、自主練に行ったりと出入りの激しかったこの頃でしたが、コディは何かあると分かると夜中でも準備万端とばかり飛んでくるので、この犬は本当の熟睡ってするのかなと、素朴な疑問が芽生えています。

 自主トレは、頑固でなかなか新しいタスクが出来ないわりに全然諦めないので(笑)本犬は何らかの興味・面白さを感じてるように見えます。ダイエットもして「歯も体もパーフェクト」と獣医さんのお墨付きももらい、わりと絶好調な4歳の春です。とはいえ、よく見ると歯はすり減っているし、顔の毛もところどころ更に白っぽくなって模様の面積が増え、改めて眺めると犬の顔面にも「歳月」が刻まれていることに気付きます。これからはイケオジ目指して頑張って欲しい。

 1月から続けてきたモンディオリングの練習は、トレーナーの方の個人的な都合で、3月の終わりでレッスンが終了される運びになりました。モンディオリングはアメリカでは主に西海岸や中南部、ほかは東欧諸国や南米などで盛んに行われている競技で、東海岸の私達の住むエリアでは、他に教われるところがありません。そのためこの競技の練習自体、一旦おあずけという形になりました。

 コディも私も、トレーナーとの相性もとても良く楽しく通えており、またプロテクションスポーツに携わる人々やその犬と一緒に練習する事はとても良い刺激になっていたので、そのような場が失われる事はとても残念です。でも、これまで数カ月の間、犬へのアプローチや、モチベーションを引き出すという観点だけでも本当にいろいろな事を教わりました。面白いと思った単元の練習は、今後も自分で続けていこうと思います。

足に履いたカバーを噛むデモンストレーション。授業時間外のミーティングは寺子屋スタイルで
競技も進度もバラバラの犬が集まるので、横断的な知識を得ることが出来た

 また今回「リングスポーツ」と言われるものの端っこの、そのまた端っこを少し齧ってみて、シェパード・ピープルの輪の中にいると、やっぱり楽しいということが分かりました。ジャーマンシェパードやベルジアンシェパードは、犬の中でも親密に人と関わりあってきた独自の歴史あるカテゴリであるため、犬の性質に沿ったハンドリング方法が確立しているところが面白いです。これはコンパニオンドッグ、所謂家庭犬用に繁殖されているシャイロシェパードにとっても適用できる所があります。また、ジャーマンとベルジアンのハンドリング方法も実は異なるんだよという点など、知れば知るほど奥が深く、魅了されました。

 結果として遠回りする形になりましたが、改めて件の親切なおじさんのいる地域のクラブに、一度見学だけでも行ってみようと思います。クラブの雰囲気やメソッドが合わなかったりした時は、Fenzi Dog Sports Academyなどでオンラインのクラスを受けることなども視野に入れ、今後やりたいことについて再検討してみようと考えています。でも、理想はどこかに通って誰かと一緒に練習したいですね。やっぱり同じ犬好き同士情報交換したり、よくしつけられた他人の犬に感心しながらトレーニングするのが楽しいと思うし、そういう場所を通して友達が出来たらいいなと思っています。


 セラピーの訪問活動も継続中です。今までは単発で行く大学関係のファシリティが主でしたが、今春からはワシントンDCらしく、少しお固い訪問先のチームに加わり、定期的にどこかへ通う形になりそうです。訪問活動や、教育プログラムのデモンストレーション、トラッキングなど、愛犬が今後、例えば加齢や病気、ケガなどで状況が変わったとしても、最後までこなすことの出来そうな「役割」を模索しています。自分たちのコンビで、出来ることを通して、出来る範囲で、実社会に寄与できればうれしい。

 最後に例のボール運びごっこの写真をアップして……、、、この地味な遊びが意外に楽しく未だにブーム(笑)。毎日の短い方の散歩で、近所の空地で遊んだ後、帰り1キロ位の道をひっぱったりひっぱられたりしながら帰るのが面白いです。以前、どこかでコディはタグを殆どしない、と書いたけれど、最近これが本犬なりのタグだったことに気が付きました。たとえ短い距離をただ歩くだけの散歩だったとしても、こうして「ながら」散歩だと楽しいし、犬の満足度も多少上がるような気がしますね。歩きながら出来るミニゲームみたいのをもっと考案してみたいな。何か思いついたら、またここにメモります。




2019年4月1日月曜日

手に汗にぎった事


 バージニア州ハーンドンにある、フレッド・クラブツリー公園にて。地図だけでは見えにくいですが、いたるところに小川があり、一部泳げるような深さになっている場所もあります。公園内の遊歩道も結構高低があり、ハイキングや水泳が好きな犬ならばおすすめ。コディも今年最初の水遊びを楽しみました。こういう所に来ると、ラブとか水遊びが好きな犬を飼ってる犬ともがいたらいいのになと、妄想してしまいます。


 別件、3歳半の子供の認知能力を過信してはいけないなと知った出来事。

 うちは古くて狭いタウンハウス(メゾネット的な家)なので、コディのえさ皿と水入れは、スペースの制約上玄関のお客さん用のバスルームに置いてあります。昨日夕飯の準備をしながら、コディが水を飲みに行けるよう「『コディ君のドア』開けてあげて」と娘に言ったところ、ガチャガチャと扉を開ける音がしたので安心してまたレンジに向かっていました。ところがしばらくして、娘がモジモジしながら寄ってきて「ママやん、でも…わたしコディ君が車にひかれちゃうかも知れないと思う」と言ってきました。何か間違ったことをしたような気がしているらしく、目が泳いでいました。

 瞬間、異常事態が起きている事を知り、あわてて家の外に目を向けたところ、なんとコディがリードもつけない裸んぼの状態で共用駐車場の方をトコトコ歩いているではありませんか(!!!)。娘は、バスルームの戸と玄関の扉を勘違いして、がんばって重い鍵を開けコディを外に出してしまったようです。もう、なりふり構わず二重戸を開けて大声で「コディ君なにしてるの👹(日本語)」と言ったところ、ピュッと戻ってきて、胸をなでおろしました。コディも何かいつもと状況が違うと思っていたらしく、家に入ってからハアハア呼吸を整えていました。

 うちは女児なので、時々年齢以上に大人っぽいものの見方を示すことがあり、「これくらいなら分かるだろう・出来るだろう」と信用しすぎたことがまちがいでした。今回は、何もなかったからよかったものの、これで近所の外ネコが横切っていたらとか、知らない家の子を驚かせて転ばせちゃったら(それで顔や頭を打っちゃったら)とか、このアメリカの訴訟社会における「最悪の展開」の糸口というものは、常に日常生活の至る所に隠れているだけに、手に汗握ってしまった一件でした。



2019年3月10日日曜日

サーチのやる気度テスト


 シェルターからの犬なども使い、野生生物保全活動に携わる探知犬を育てる団体Rescue to the Rescueが公開している、 サーチへのやる気評価テストがありました。ノーズワークやセントワーク、トラッキングなどのセントスポーツ(鼻関連の競技)に愛犬が興味を持ちやすいかどうかを知る良い指標になるのではないかと思い、以下にやや意訳気味ですが和訳を載せておきます。もし、興味がある人は、自分のイヌと一緒にやってみて下さい。テストは可能であれば2人1組で行い、1人が犬を補綴する係、もう一人がオモチャを投げる係になります。また、スコアが常に0から1の項目があった場合は、そこでテスト終了になります。

①報酬への意欲(動いているおもちゃ)※5回繰りかえし、その都度加点する。

犬に手に持ったボールを見せ(弾ませても良い)、犬の興味を引く。ボールを犬とは別の方向へ、且つ犬にとってどこに落ちたかが分かる様に投げる。この実験では、犬はただちにボールを追いかけることが許されている。注意:決して、声を上げて犬にレトリーブを促さないこと。注意2:犬はボールが投げられるところを目視していなければならない。



②報酬への意欲(動いていないもちゃ)※5回繰り返し、その都度加点。


①のテストと同じ題材を行う。但し、今回は犬は補綴しておく。投げたボールが止まったと同時に犬を放す。このテストは全部で5回繰り返し、スコアが常に0から1の場合、ここで評価を終了してください。




③報酬への意欲(障害物あり) 

犬を補綴し、目の前でボールを障害物の中に投げる(犬に、どこに落ちたかが見えるように)。ボールが落ちてから30秒間犬を補綴し、放す。犬が放されてから10秒以内にボールを探し始めない場合、指差し・声掛けを行い犬に探すよう促して良い。



④サーチへの持久力(報酬の位置が不明)

犬を補綴し、一人が手にボールを持っていることを犬に知らせる。もう一人が犬の目を塞いでいる間に、投げる係がボールを遠くに投げる(犬はボールが投げられる様子を見ることが出来ない)。ボールを見えない所に投げ、落ちたと同時に犬を放し、2分間探させる。声を掛けて犬にボールを探すよう励まして良いが励ました回数を記録すること。注1:犬が15分以内にボールを見つけられた場合は容易すぎるため、再テストを行う。注2:このテストは犬の捜索への意欲を推し量るもので、実際に対象物が見つけられたかは重要ではない。



⑤換算 
以上の4つのテストの結果出た得点を、下のスコア表に照らし合わせます。


 読んでいて面白かったのは、サーチワークという仕事を考える時、単に犬の報酬への情熱が高ければ高いほど良いということではなく、タイプの違うサーチワークへの適正や、ハンドラーの熟練度などとの塩梅もあるのだと知ったことです。たしかに、例えば山などの広いエリアをどんどん動いて探し回るのと、交通量の多い公園のトレイルを入念に調べたりするのとでは、要求される力が異なるのは納得できます。そういえば、コディを飼う前に訪問した西ドイツ系ジャーマンシェパードの繁殖家の方も、サーチ&レスキューの人達には、ミディアムからミディアムハイ・エナジーの犬を譲ると言っていたのを思い出しました。鼻を使っての慎重な作業の上で、極端なエネルギッシュさは必ずしもプラスではないのでしょう。

 シェパードの多くは30ポイント前後から上に落ち着くのではないかと思いますが、レトリーバーはもちろんのこと、テリアやスパニエル、ハウンド系、最近はピットブルなどもセントスポーツに参加しているのを見かけるので、知られざる匂いのプロというのは意外なところに隠れていそうに思います。



2019年3月7日木曜日

ドッグラン名人になる


 犬オタクの間ではわりと否定されがちなドッグランですが、「自分の犬が気軽にランに行けるタイプだ」ということは、特に都市型の生活をしているドッグオーナーにとっては大きな安心材料です。私も、最初の愛犬との東京生活を思い出すと、ちょっと家を出ても自然のトレイルなどはあるわけもなく、散歩もリードをくるくるまとめた状態で延々とコンクリートの歩道を歩くというスタイルになりがちでした。自転車での引き運動以外で走れる場所などもなかったので、そこそこ活発なドーベルマンの運動意欲を満たすためには、当時住んでいたマンションの屋上や夜更けの工事現場で遊ばせたりして(←良い子はマネしないでね)だましだましやっていました。

 そのような生活スタイルの中にあると特に、ドッグランは犬にとっては自由に走り回れる貴重な場と言えます。ほかにも例えば、長いドライブの道すがらランに寄って軽く体を動かさせて…、とか、空いてる時刻をねらって子犬の社会化に役立てたり…など、場面に応じて様々な使い方が出来ます。飼い主にとってもほかの飼い主と情報交換が出来たり、友達が出来たりと、地域の社交場としての機能もかなり高いですよね。ランは、その是非はともかく、愛犬家生活上のオプションとしてすごく便利だということは確かだと思います。

 私は現在の犬を迎えてからはじめの3年半、散歩の一環として雨の日も風の日も雪の日も毎日1~2回ランに通いました。また自分の犬が来る前も、ひとりでランに通って柵の外から犬の動きを見るという変態的な時期を過ごしていたこともあります。こうしてここ数年でこの「ドッグラン」という場所にまつわる悲喜こもごもをある程度知り尽くした気がするので、ここで改めて「どうやったら上手に楽しくドッグランとつきあっていけるのか」というところについて考えてみたいと思いました。


1-犬の遊びについて詳しくなっておくこと

 まず重要な前提として、犬の遊びをよくわかっておく必要があります。私個人の感想ですが、ランでのいざこざのほとんどが、飼い主が「犬の遊び」をよく理解していないことに端を発しています。これについては言葉で説明するよりも下の2本の動画を見るほうが分かりやすいかもしれません。この動画のポイントは、犬同士の「MARS」が確認できれば、たとえば激しく噛みあうマネ、戦うマネ、追いかけっこ、押さえつけ、マウンティング、唸ることや吠えることが介在したとしてもそれは良い遊びである、というところです。「MARS」の簡単な説明は動画の下に続けます。




 MARSとは、メタシグナルアクティビティ・シフトロール・リバーサルセルフハンディキャッピングの頭文字を合わせた標語です。メタシグナルとは犬が「これは遊びだよ」と相手に伝えるためのサインで、無駄にぴょんぴょんした動きや派手な表情、プレイバウなどがそれにあたります。アクティビティ・シフトは、遊びの途中でゲームが変わる事です。たとえば追いかけっこからレスリングにシフトしたり、ひとつの遊びに固定しないということですね。ロール・リバーサルはそのまま、役割の交代です。でも自分で見た限りではいつも同じ役回りをすることを好む犬も多いので、これは犬にもよる気がします。セルフハンディキャッピングは、強い方の犬がわざと力を出さないで、相手のレベルに合わせることです。次に、二本目の動画を見てみましょう。




 この動画では、犬同士の遊びが白熱してきてちゃんとうまく遊べているのか不安になってきた時に、一度犬を離し→再び同じ遊び相手の所に戻るか見る、という簡単なテストについて取り上げています。このあたりはみんな自然とやっていることなので、わざわざ教わる事でもないよと思われるかもしれないのですが、これが大型のオスの成犬同士でガンガン遊んでいる所などに出くわすと、たとえ知識があったとしても、本能的に不安を覚えるんですよね。うちの犬ものんびりした性格の割にかなり激しく唸り声をあげながら遊ぶので、あとでそれをFBに投稿した知り合いのところに「なぜ自分の犬がアタック(原文ママ)されているのに止めないのか?」「危険なシェパードをランから追い出せ」というメッセージが来たことがあります。

 「私の犬は怖がりで、まずこうやって遊ぶまでに至らないんだけど」という人もいるかと思います。子犬や若い犬でランへの心の準備が出来ていなかったり、生来繊細な性格の犬なのかもしれません。まずは自分の友達で、とても優しい犬を飼っている人に頼むなどし、落ち着いた小グループでの遊びを続けて自信をつけさせてあげることが大事かと思います。それから改めてランにチャレンジするか、もしくは「ランは荒っぽすぎてうちの犬には向かない」と、はっきり判断を下すことも大事なことだと思いました。


2-「飼い主の倫理観を尊重して愛犬の行動をシェイプする

 過度のマウンティング、トリーツを持っている人を付け回す、遊んでいるほかの犬の集まりについてまわり大きな声で吠え続ける、弱い犬のボールなどのおもちゃを奪う、嫌がる弱い犬を執拗に追いかけて地面に押さえつける、などの行動は犬の世界ではわりとふつうだと思うのですが、人間の目から見ると「いじめ」や、下品に見えたりと、倫理的に誤った行動ととられます(「犬の世界ではふつう」と言う理由は、これらの行動をしていて、その後ケンカになったというところを殆ど見たことがないためです)。

 また犬の世界には俗にいう「みそっかす」みたいのも存在している気がして、いじめられやすい犬はみんなに小突かれ続け、泣きながらキャンキャン逃げ回り、またそれを面白がった他の犬にタックルされて転ばされるというのも、わりとよくある光景です。でも、自分の犬がそういう目にあって平気でいられる飼い主はいないと思います。人間の倫理感が、瞬時に「弱いものいじめはだめ」と考えるからです。

 これらを踏まえて、上述したような行動、特にいじめっ子になりがちな犬の飼い主は、犬の自然な行動がどうのとか細かいことを言わずに、「社会生活を営む上でしてはだめな行動」と割り切ってトレーニングを行うことが大切だと思いました。もちろんこうして、犬の自然なふるまいを阻害してまで遊ばせる必要はないと思う人もいると思います。そう思った場合は、行かない選択をすればよいだけです。ドッグランとは、究極的には飼い主のための場所であり、そこに来る人間同士の関係を円満に保つことが大事だと言えます。そのためにはマナーが重要です。

 かくいう私の犬も、若犬の頃から時々この「弱い犬をダッシュで追いかけて地面に押さえつけたい」という強い欲求を見せる事があり、基本、ランでは絶対に目を離さないでいました。「追いかけたい」という意思が宿ると眼付きが変わるので、いつもそのアイデアが浮かぶ0.5秒前、というところで呼び戻すことで工夫していました。マウンティングについても、「やめなさい」と言えば、どんな遠くにいても即座に中止するように教えました。これはたまたまうちの犬がリコールや遠くからのコマンドでも反応する犬だったので出来たことですが、それでも潜在的に他の犬や飼い主の脅威になりえると思っていました。出来るだけそういう行動をしないようにトレーニングを頑張ること、もしそれでもだめだと判断したらいさぎいよくランから退く、ランじゃない別の遊びを開拓するというその見切りも、大変重要なポイントではないかと思います。


3-他の飼い主に寛容になる。積極的にコミュニケーションをとる。

 これはヒトの子育てをやってみてあらためて分かった点でもあるのですが、ヒトの育て方も、イヌの育て方も、100人いたら本当に100通りのやりかたがあります。中には、「貴殿のやり方だけはムシズが走って居ても立ってもいられぬ」と思うような飼い主に遭遇することもあるでしょう。私だって、ふだんはわりと温厚なほうですが、件のピットブルの飼い主に関してはいまだに根に持っているし。

 そういえばコディが若犬の頃、ベンチに座っているお姉さんの膝に泥のついた足を置いて伸び上がろうとして、その人の読んでた本で頭をバシッと叩かれたこともあります。このように、ランという場所は「しつけ」に関して自分とは違うメソッドを持った人、違うメソッドで育てられた犬と出会うことが日常茶飯事なので、そういうのも含めて「広義の社会化である」と容認できる人に適していると思います。ドッグトレーニングを真剣にやっている人がドッグランに否定的なのは、このような見ず知らずの犬や人からの影響が看過できないレベルというのも、大きいのではないかと思います。

 またここは私が多くの人と意見が違うと感じる点でもあるのですが、ランは公共の場所なので、トレーニングトリーツやオモチャを持ってくることも本来自由であるべきだと思います。よく「みんなで遊ぶ場所におやつを持ってくるなんて」とか、「オモチャはケンカのもと」と言って、上述したような物品を持ち込む人を敵視するドッグオーナーがいますが、まずは自分の犬に「おやつを持ってる人を付け回さない」「おもちゃをドロップ、leave itする」というマナーを徹底的に教えるべきところではないでしょうか。

 当然のことですが、そもそも持ってこないということが一番賢いに決まっています。しかし、そういうオーナーにはそれでも持ち込むための、なにか理由があるのだと思うし、公共の場なのだから、それは自由であるべきです。するとランにホカホカのマクドナルドを持ち込んだうえ、よってきた犬達に怒る人(信じがたいですが実際に遭遇した)なども登場するわけなのですが、こういった事を人のせいにして熱くなるか、冷静になって「愛犬のトレーニングのチャンスだ」と考えるかで、長い目で見ると成果が変わってきます。

 また変な飼い主を見つけたら、木の陰でヒソヒソしているだけではなく、出来る範囲で本人にうまく説明して分かってもらう努力をするのも大事だと思います。ランの環境がトータルで良くなることが、結局は自分の犬のためになるのです。私はまずその努力をしてみて、それでも改善しない場合は、たとえ友達がいても、まだ何もトラブルが起こっていなかったとしても、その日のランは終了、としていました。与えられた状況下でありえる危険の可能性についてすぐ察知出来て、回避策を打てる、というのは愛犬との暮らしの中でいつも最重要な「リーダースキル」といっても過言ではないと思います。




 ところで、幸運にもドッグラン漬けといっていい幼少期を過ごしたコディですが、3歳半を過ぎたころからランへ行っても殆どほかの犬と遊ばなくなりました。コディも人間なら30代、パーティーだ飲み会だと友達と騒ぐモードを卒業して、自分がほんとにしたいこと(=私と何らかの共同作業すること)にフォーカスする時期に入ったのかも知れません。面白いのが、この「犬と遊ばなくなった時期」と「外ですれ違う犬に警戒するようになった時期」が殆どシンクロしていたという点です。3歳半から4歳の間のどこかの時点で、コディは大人の犬になった、と解釈しました。

 ②の2段落目で書いたことも、自分たちがランへ行く機会を減らしてきた大きな理由のひとつです。記述の行動は実はシェパードという犬種の中ではけっこうよく見られるもので、狩猟本能から来る動きですが、他の犬や飼い主にとってはハッキリ言ってはなはだ迷惑でしょう。このあたりのバランスも考慮しながら、「自分の愛犬かわいさ」の世界から一歩踏み出し、「自分たちはランの秩序にとってマイナス因子になっていないか」という疑問をいつも持つことの重要性を、自分の犬からも教えてもらった気がします。



2019年3月1日金曜日

いいことにフォーカスする


 
 犬のフォーカスではなく、私(人間)の話です。

 ここのところ、やっぱり「今の自分が出来る『いいこと』にフォーカスする」という考えを強く意識しながら生活するのは大事だなと、再認識しています。不肖・私自身の場合「自分に出来るいいこと」というと、現時点では仕事や私生活で(自分の子供含む)次の世代をよく教育すること、自然観察のレポートを書いたり(☜実は私の趣味的ライフワーク的活動です。Caudataという日本の生物系専門誌に掲載して頂いてます。興味のある方は是非)、犬と一緒に訪問活動等、生活の余剰エネルギーを社会奉仕の形にして還元することがそれに当たるでしょうか。犬のことに関しては、気付いたことはなるべくこのブログに書きたいと思います。そうすれば、あとで誰かが見て、その方の知識の足しとか、反面教師にしてくれるかもしれません。

 こんな事を考えているのも、常日頃の「生活の中で気を取られそうになる事・特に『かわいそうなできごと』というのが存外多い」という現実をひしひしを感じているためです。たとえば最近だと、やれ子供の虐待だ、犬の虐待のニュースだと、気になって、自分でもなにか発言せねばならないような気になることがすごく多いです。でも、そういう時はこう考えます。「私はただ家で子供を育て犬を飼っているからというだけで彼らのこと何も知らないじゃないか」と。そんな私の発言は、周りの人にとっては価値が少ないはずです。そしてそのような時はむしろ原点にかえって、やっぱり「今の自分の立場『だから』できることはなにか」というところに集中するべき必要性を感じています。


2019年2月8日金曜日

ドライブとエナジー



 セラピーのリクエストが来ていました。行き先はホスピスでした。よく考えた上、今回は見送ることにしました。今のコディはエネルギーがありすぎるように思うので、訪問中いつ・なんどきでも200%信頼がおける、というレベルに犬が達するまで、終末医療関連の施設は訪問しないでしょう。患者さんたちが本当に貴重な時間を生きている場所です。どのような形であれ、犬がその時間の質を落とすような事は万にひとつ、いや億にひとつでもあってはいけないからです。

 ホスピスへ行くにあたって、犬たちはおよそ三週間にわたる追加トレーニングを受けます。このほかにも、目的に応じて訓練を受けねばならないシチュエーションはいくつかあります。機会は多くない(無いほうが良い)ですが、銃の乱射や自然災害の後に活動に行くユニットなども、ハンドラーの勉強と訓練ならびに、犬のストレス耐性の選考テストを更に受けます。以前ドッグランで出会った介助犬のハンドラーの方が言った、「犬は、テストに受かってからが本番よ。」という言葉を思い出します。ひとつの課題をクリアしても、またより複雑な課題が現れて、常に勉強が続きます。


 話は変わりますが、エネルギーと言えば、作業犬界隈の人々の書いているものを読むとしばしば「ドライブ」と「エナジー(エネルギー)」という単語が出てきます。「ドライブのある犬」とか「ハイエナジーな子犬」とかいう風に使われますが、人によってことばの遣い方が微妙に異なるような気がしていました。混同しがちなこの言葉について、自分なりにいろいろ見聞きした情報をもとに意訳してみると

 ①ドライブ=犬の本能に根差した動機 作業欲求につながる
 ②エナジー=犬の魂に根差した欲求 感情のパワー(動機を実行する力)

みたいなところでしょうか。こうしてみると良い作業犬というのは、ドライブとエナジーが高いレベルでバランス良く備わっていてることが大事だと分かります。ドライブには種類(フード・ドライブとか、レトリーブ・ドライブとか)があるとされますが、その中でも作業犬に必須なのはプレイ・ドライブ;狩猟への欲求だと言われています。簡単に言うと食べ物よりもおもちゃに執着するタイプの犬がこのカテゴリに含まれます。

 先祖代々作業目的で増やされてきた系統の犬というのは、このエナジーレベルとドライブの度合いに相関があって、程度の差はあれ、生まれてきた時点でこれらを併せ持っていることが多いですね。でも、ほかの系統の犬や、ミックス犬の場合でもハイエナジーかつハイドライブの犬は居ます。反面、こういう犬の中でエナジーレベルは高いのに、ドライブはそんなにない・なく見える、という犬も、わりとよく見かける気がします。


フレンチブルドッグによるIPO3の実演

 ポイントは、「エナジー」は生まれ持ったもので生涯変わることがないその犬の性質ですが、「ドライブ」に関しては、犬のもともと持つ興味の方向性に合わせて人がディレクションを与え、共同作業の経験を通して高めてあげることができるという点です。ドライブが高まると、「もっと作業をして、成功したい」というルーティーンが生まれ、ある作業を成功させるというその過程において、エナジーの捌け口も生まれます。レスキューやシェルターから犬が貰われてくるとき、しばしば「オビディエンスのクラスを受けてください」と言われるのは、こうして犬のドライブが高まっていく過程において、犬の中で飼い主自体に対する期待と執着(=ヒトから見た「絆」)が強まるからだと思います。

 一般的に作業犬とされる品種じゃなくても、ハイエナジーな犬は、ドライブの方向性を見極め、能力を育ててあげることで本当に色んなことが出来るようになる可能性を秘めていると思います(上のビデオをご覧下さい)。ただ、これらのダイヤの原石達は日常生活のなかでは扱いにくい傾向にあると思うので、純正なコンパニオン・ドッグを目指したいという場合には、五段階評価で言えばドライブ3/エナジー2、みたいな犬が良いのではと思います。[note:]上のフレブルは体格やハンドラーの様子等を見るに、もともと優れた犬が優れた訓練技術のある人に育てられたものと推測します。やればどんなフレブルでも出来る!という意味ではありません。

 なんてなことを考えながら、日曜日の犬トレ通学していました。犬の「ドライブ」と車の「ドライブ」をかけたつもりだったんですが(え~)、、、行って帰って2時間以上、山を越えて美しいバージニアの田舎道を走るので、本当にさまざまなことを考える時間があります。子供漬けの1週間の貴重な癒しと言えます。




2019年2月5日火曜日

雪あそび



 冬の雑木林は綺麗です。コディはキツネやシカの痕跡を探して忙しくしています。こういう活動は、楽しいだけなのかと思いきや、けっこう緊張するようです。時たまブルブルブル!と大きく体を振るったりして、気を紛らわせているのを見かけます。別の日に見ていたトラッキングのビデオで、インストラクターが「匂いの追跡はストレスフル」と言っていたのを思い出し、そうなんだと思いました。

 興味本位で匂いを嗅いでいるのと違って、自律してある匂いに集中しそれに全神経を集中させた状態を持続することは、かなりの忍耐力を要するでしょう。でも、地面に鼻をつけてゆっくり慎重に動物の気配を追いかけている時の姿はなかなか様になっています。この慎重さ丁寧さを練習でも発揮してくれたらいいのにな~と思います。

 こういう時に不意打ちで「スワレ」の指示を出してみたりすると、一瞬、どんな報酬があるのか思い巡らせている目でこっちを見てからゆっくり実行します。犬の頭の中にちっこい天秤があって、いつも飼い主の乗ってる皿に(僅かでも)比重が置かれた状態にしておきたいです。うちの犬にとってキツネやシカの誘惑は手強く、まだまだ修業が必要でしょう。




 この日子供と雪遊びをしていて思ったのですが、1匹の犬にこうしていろいろ教えたりして育てる事は、雪だるまを作ったり、砂の城を建てたりすることと似ているなという事です。100パーセント完璧だ!と思えるものが出来上がることは、なかなかないし、一生懸命やってても、知らない誰かに踏み荒らされてしまったり、突然の波にさらわれることもあります。幸運にも最後まで制作を続けられたせっかくの「作品」も、いつかは自然に帰っていきます。

 雪や砂をむりに何かの型にあてはめようとするよりも、手元にあるこの雪の美しさ、浜辺の砂の暖かさをただ享受しながら生きるのがいい、そう思う人も沢山いると思います。そういう人にとっては、たとえば私が常に犬にあれをしろ、これをしろとやるのを見て「不毛だ、可愛そう」と思うかもしれません(実際、身近な人にそう言われたこともあります)。しかし、「この砂で城を建て、登って景色が見たい」と思うタイプもいます。だれかが作りかけで放棄した作品のひび割れを埋めながら、形良く仕上げることが好きな人もいます。すごく人ぞれぞれです。

 特になんのオチもない話なのですが、、、雪の雑木林を見ていると、自分の飼い犬との巡り合わせというのは、この無限にあるように見える雪の中からの、偶然のひとつかみと出会うのに等しい、稀な出来事なのだから、大切にしなければならないような気がします。

 上の写真は、夕方の散歩の様子です。ひもつきボールがしばらく届かなかったので、トレ散歩のご褒美はコングのボールに靴ひもを通したもので代用していました。積極的にひっぱりっこをする事はないですが、こうしてボールの部分に食いついたまま、引っ張ってもらって歩くのが好きなようです。碓氷峠を超えていくディーゼル機関車の気分でした。1キロくらい飽きもせずこのまま歩いていました。実に嬉しそうな顔をしています。


かわいいDella


 モンディオリングのクラスが続いています。2時間の授業の間、自分が直接コーチしてもらえるのは20分程度で、それ以外の時間は全て他の人の練習を見ることに費やされるのですが、これが意外と勉強になります。この競技はヒールは右側でも左側でもよかったり、所謂IPO等で見られるようなぴっちりと横に着くツケはしなくても良かったりとゆるい部分もある反面、声での指示と体を使った指示(手によるサインなど)を一緒に出してはいけない等、今までと少し違ったルールがあります。

 今まではごく自然に声と手の合図を同時に使って犬を動かしていたので、いざ声の合図だけにしてみたら、コディは実は「フセ」をちゃんと分かってなかった(!)ことが判明しました。それに、今までどんな時も楽勝でできていたセパレーション(ハンドラーと1分以上離別する。ハンドラーは見えないところに隠れる)で失敗したりと、「え~!」と思うような行動を連発するので、びっくりしました。最近ちゃんとしたトレーニングを全然受けてなかったことを思い出させられたし、改めて定期的にクラスとか、それに類する場へ行くことや、環境や題材を変えて、色々な状況をヒト・犬共に経験することの大切さを思い出しました。



 
 いちおダブル育児ブログなので(たまには)人間の方の子供のことも書きます。ワシントンDCで行われた、ワシントン日本商工会の新春祭りに初めて足を運びました。ワシントン日本商工会は、DC地区のビジネス・コミュニティー内のつながりを深めながらアメリカ社会における文化交流と理解の促進を目して設立された組合で、対外イベントの新春祭りが特に有名です。来場者も年々増えているそうです。前にボランティアで通っていた国立動物園のすぐ傍のマリオットホテルが会場でした。

 娘はここで初めて、自らの力でお賽銭をあげて、おみくじを引きました。結果は「小吉」。チビだから、小さい吉が大きさに釣り合っています。もちつきや、ししまいにパックンしてもらったり、和太鼓の演奏を見たりと(オニやかみなり様が大好きなのでとても喜んでいた)、貴重な体験を沢山することが出来た。大人の言う指示を聞いて、その通りに出来るようになってきているのがいいと思いました。犬トレで言うところのインパルスコントロールはまだ全然だめですが、いずれ出来るようになるでしょう。犬とか他の生き物に比べ、霊長類の桁違いの「脳力」を日々見せつけられます。




 仲良しのお友達とこっそりホテルの階段に登っておしゃべりとかしていました。耳をすますと「ねんど持ってる?」とか、「わたしは階段からジャンプしたことある」「おもちが大好き」とか聞こえてきて、3歳4か月でも、ちゃんと話題があることに驚いた。

 家の子供も含め、このくらいになると皆アメリカの保育園(プリスクール)に通っているので、まわりのお友達は、だんだんにメインの言語が英語に切り替わっていっています。娘も幼稚園(キンダーガーテン)に進むころには、英語脳になっていくのかな。そんな彼女ですが、コディにトンカツもぐら先生という独創的なあだ名をつけたり、蝙蝠の写真を見て「ねずみドラゴン」と言ったり(←これはなんかすごくわかる)、おもしろい日本語の感覚をもってるので、忘れちゃったらもったいないなと思っています。




2019年1月24日木曜日

新しい1年



 新しい一年が始まりました。コディは4歳です。気付けば去年と全く同じタイトルでブログを書いていることに、去る一年も平々凡々ながらほぼ何事もなく過ごせたことへの、「ありがたや」という気持ちがわいてきます。ちょっと気になって、その前の年の新年は何を書いてたかとみてみたら、2017年は3月まで記事がありませんでした。子供が一歳七か月で、イベントごとなど何もないのに、とにかく毎日が忙しかった頃です。2016年はコディが一歳になったと書いてますね。村いぬへの道は遠く険しく、その目標はまだまだ達成できてないな。その前の2015年は、愛犬は母犬のおなかの中だったと思えば、長いようで本当に短かかったこれまでの4年間です。

 上の写真は、自分の手から湯気が出ているところを写真に残したくて撮りました(ぜんぜん映ってないですね)。私は冷え性とは真逆の体質で、ドカ雪の日でも、犬と一緒に歩いているとだんだん体がすごく熱くなってきます。そのタイミングで「雪などを掴んで手から湯気を出す」という、我ながらじつに質素な娯楽に興じることがいつもなのですが、そんな頃には、雪の中でエンジンのかかってきた犬もモクモクと大量の白い息を吐いているので、顔を見合わせるとなんともオモロイような気分になってきます。私達が生きていることを実感する瞬間です。2019年、健康に気を付け(チビが生まれてからこっち、ときどき股関節が痛むことが出てきました)、元気に生きていきたいです。





 新年の話題その1です。去年の終わりに書いたトラッキングの練習をちびちびと続けています。最近「旗=何かが起こる魔法のアイテム」の式が出来上がったようで、見るとダッシュで駆け寄るようになった犬です↑。正確な距離は測っていませんが、私の足で90歩位の距離までならなんとか追えるようになってきました。でも、IPOで見るような、足跡ひとつひとつを確認していくようなあの勤勉な動きには全く程遠いですね。空気の匂いを嗅ぎながら、右へ左へせわしなくダッシュで目印を探ろうとて、すごくおおざっぱです。今の段階では、自分で先に進もうとするよりも、基礎レベルの練習をちみちみ続けていこうと考えています。無意識に距離をのばすことばかり考えてしまわないように、練習の距離も今後はもっと縮めようと思います。




 話題その2です。国際畜犬連盟(FCI)が主導しているプロテクションスポーツの一種に、「モンディオリング」というマイナーな競技があるのですが、その初級の、プロテクション以外(服従とジャンプ)のポーションをこの1月から教わりはじめました。この競技はどちらかというと西海岸のほうが盛んで、トレーニングをやってくれるインストラクターは、自分たちのエリアだと100キロ先の田舎町に一人しか居ません。休日、ちょっとした「1人+1匹旅」気分で通っています。

 未去勢・未避妊・ドッグリアクティブな犬などなんでもOKのクラスで、練習場所は他犬から見えないようシーツで覆われていたり、待っている間犬はクレートに入れられたりと、自分たちが今までやってきたトレーニングとはアプローチが異なるところが多く、とても興味深いです。コディにとっても、分離不安傾向の犬の鼻泣きや、シーツ越しに猛然と吠えるロットワイラーの声をBGMに練習したりと、新しい経験になったことでしょう。練習場では、「オイデ」はほぼ使わずに、犬が自主的にやってきて共同作業しようとするまで待ちます。遊びと練習を素早く交互に繰り返すことで犬の活性と能率を同時に高いレベルにもっていこうとする、テクニカルなトレーニングスタイルでしたが、ベースにある考え方は私がいつも空き地や原っぱでやっていることにとても近く、わかりやすかった。

 新たな発見としては、コディはバイトピローが好きなことが分かりました。タグもほとんどしないし、うちにあるバイトバーもほとんど噛まなかったので、ひっぱりっこ系のおもちゃはピンとこないのかと思っていましたが、教室にあった使い古されたヒモ付きのボールや壊れかけのピローを血相変えて噛みに行っていた。どうもこの壊れかけというのがポイントのような気もしますが、帰ってからさっそく安いピローと、ひもつきのボールをアマゾンでポッチしました。届くのが楽しみです。


変わらぬボロ家ぶりです

 
 三歳児がいたり、家のことや仕事のこともあったりで、毎日の練習に割ける時間があまりないので、私達の練習はトレ散歩と、それから夜に食器を洗いながらキッチンで練習するなど、基本はいつも「ながらトレ」です(写真は夜更けの台所の図)。トレーナーの先生によると、モンディオリングで求められる事は、" exercises would be very similar to the Open & Utility levels in AKC/UKC with a lot more "stuff" added"、、、AKCやUKCオビディエンスで言えばオープンやユーティリティレベルに類似するもの+アルファ、とのことなので、よく考えたらかなり難易度が高いところにいきなりポンと入ってしまった状況と言えて場違い感がすごいのですが、やれるところまでやってみよう。犬は果たしてどこまでついてきてくれるでしょうか。





2018年12月30日日曜日

トラッキングはじめの一歩


 ブログにはつけていませんでしたが、実はトラッキングに興味があって、半年くらい前から教本を注文したりとすこしずつ情報を仕入れていました。教本は、北米では最もスタンダードなAKCのルールに従ったものを主に集めましたが、読み進めていくうちに「自分一人で練習等をやっていくのはちょっと難しいかもなあ」と、壁につきあたっていました。

 また、かなり入念に探し回ったもののまわりにAKCスタイルのトラッキングを教えてくれるトレーナーがおらず、一番手近なクラブでも、車で片道2時間半の場所だったのも、向かい風でした。近年競技人口が大きく増えているノーズワークに比べてだいぶマイナーだということを再確認していたし、反面、それでも根強いファンがいるということは、独特の楽しみがあるスポーツなんだということも感じていました。

 そんなこんなで年の瀬も押し迫った29日のことです。時々散歩に行く近隣のファーム・パークの横をたまたま車で通りかかった時、遠くにポツンと点のように、若いシェパードと、汚れた長靴のおじさんが歩いているのが見えました。徐行しながら目をこらすと、丈のある生垣の隙間にちらりと見えた特徴的なハーネス・・・、トラッキングハーネスだと瞬時に理解し、急いで子供のアイパッドにビデオをつけ(たはは)車を飛び降りて様子を見に行きました。ビンゴ!!犬は匂いのトラックを追跡している最中でした。

 フタをあけてみると、ここから車で30分ほどの隣町で防衛競技(シュッツフント)をやっている方でした。とても親切な人で話し終わるとその場でビギナー用のトラックを敷いてくれ、ごく短いものですが初めてマジもんのトラッキングにチャレンジ出来てしまった(涙)。コディも生まれて初めてご褒美にホットドッグ用のソーセージをもらっちゃったりなんかして、目をギラギラ、グネグネした動きながらなんとかトラックを追えていました。こんなところでこんな風に知識のある人に遭遇できるとは、偶然とはいえとても幸運です。無駄遣いしたかもと少々悔やんでいたトラッキングの教本(中には、1冊50ドルくらいするのもあったので)も、読んでいたから分かった言葉、質問できたことなどもあって、やはり知識はどんなものでもムダじゃなかったと思えました。

 おじさんはトラックを探してがんばっているコディの様子を見て、教えればわりとすぐに習得できそうなタイプではないか、と言っていました(4歳という年齢でも始めるのにおそすぎる事はないと、励ましてくれた)。防衛は出来ないにしても、延々と技を磨いていくだけでも楽しいし、一度彼の所属するトレーニングのグループをのぞきにきてはと、連絡先を教えてくれました。また、シュッツフントのトラッキングは自分ひとりでも練習をさせることが出来、初歩の練習法と、鼻を鍛えるちょっとしたミニゲーム・テクみたいのも教えてもらえました。早速、自主練に取り入れてみようと思います。

 高いレベルで総合的なスポーツを競っているシュッツフントの人々と「ペットのシェパードで、トラッキングをやってみたい」という漠然とした考えだけがあり「どのように」「何を目指して」の部分がまだまだグニャグニャと固まっていない私のような者が一緒に練習をしていく図は、正直想像出来にくいですが、糸口は多いほうが助かります。コディは空気の匂いを嗅ぐ性格が面白く、そんなところも伸ばしてやりたいですが、シュッツフントのトラッキングは地面の匂いの嗅ぎ分けにフォーカスしていたりと、なかなかバランスの合ったスポーツやシチュエーションが思い浮かばないことなどは悩みどころです。もっと調べてみる必要がありそうです。

 セラピードッグの適正試験までは、どこかで「やればできるだろう」という手ごたえを感じながら駒を進めてきた感がありますが、ここから先の挑戦は、犬の力をうまく引き出せないと、達成しにくいものになって行くかも知れません。まずはちょっとずつ色々やらせてみて、犬が応えてくるかどうかを見たいと思います。私の方は、一番のネックとなりそうなのは時間の捻出(家族の協力を仰ぐこと)でしょう。自分の人生にとっても、コディの犬生にとっても、一度きりの2019年が始まります。悔いを残さないような一年にしたいと思います。


セラピーログ(2018/12)



 12月の初めに地域の大きな大学から要請があり、セラピードッグ協会のメンバー数名と一緒に派遣されました。学期末の集会で学生のストレスをやわらげ、他者とのコミュニケーションをとりやすい雰囲気をつくるという目標でした。こういう活動に参加してみるまで、セラピードッグの効用とは「犬がいる、かわいいね♪」と和むくらいのもの(?)だと、なんとなくどこかで過少評価していました。しかし、「そこに犬がいること」というだけでいとも簡単に人間の行動が変わる事、殆ど即座に人をリラックスさせることを目の当たりにし、その効果の度合いに驚きました。

 若くエネルギッシュでありながらも落ち着いた年代の大学生・大学院生相手の活動で、コディのようなビギナーには丁度いいと思って喜んでいましたが、ふたを開けてみるととにかく人が多くひしめきあっていて(一度、数えてみたら25人の生徒がコディを撫でていたり)、犬にしてみれば非現実的とも言える状況が起こっていました。そこらじゅうに落ちてるピザやポップコーンの誘惑もかなりのものがありました。そんな中、コディも2時間半の間よく指示に反応して頑張ってくれました。とても疲れたようで、帰りは車の中でガツガツ昼ご飯を食べ、帰宅してからは夜までぐっすり寝入っていました。

 最後に大学側のモデレーターと少し話したのですが、彼女によれば普段の集会では、その日集まった人数の5分の1以下程度の学生しか訪れないそうです。滞在時間も短く、犬が居ると居ないとでは「まったく別次元」と言えるほど、場の雰囲気が変わるそう。また、面白かった点は、生徒だけでなく教授達にも犬がとても人気だったことです。特に学期末に教師が晒される様々なプレッシャーについては私もある程度知見があるため、「学校にいる大人」という、「誰かをケアする誰か」を元気づけられたことには、ささやかながら意義を感じました。




 次回への課題は、ファシリティに入るまでのツケを上達させる事。これは、かなりガタガタだった。他の犬が結構リードをひきながら歩いており、そのバタバタした雰囲気につられてしまった所もあったかも知れないけれど、かなりきつめにハンドルしないときちんと歩けていなかった。コディは探査欲が強い方で、まわりの環境をまず自分で見て、ぴっちり匂いをかいで念入りにチェックしておきたいタイプなので、初めて来た場所ではソワソワしがちです。これはもう個体の性格なので良いとして、現地に早く着いて、建物の周辺だけでも好きなだけ点検させてやるなど工夫は必要だと思った。

 他のセラピー犬で一頭リキの入ったタイプがおり、始まる前の集合場所で出会いがしら、ググッとコディの方に顔を出して吠えたのに「売られた喧嘩は…」と吠え返しちゃったことも、その後のドタドタした流れを作ったと思う。もとをたどれば保育園のお見送りの後で、急いで支度と犬の散歩をし、道中思わぬ渋滞に巻き込まれて、かなり急いた雰囲気の中で到着してしまった点も悪かったと思います。セラピードッグは吠えることはタブーであり(上記のように他の犬に吠えられるなど)、どんなに理不尽な理由があったとしても、必ず刺激を無視するように事前に指示を出しておかなきゃダメだと思いました。こういうとこは、レトリバーとかと違ってオートでは出来ないので、いちいちマメに言い聞かせないといけない点です(レトの人がシェパを飼って「疲れる」と言う第一の理由 笑)。

 あと、地味に失敗したなと思ったのが、黒いパンツを履いていってしまったことです。ユニクロのオフィスカジュアルみたいなズボンで、(いつもと違って)多少きれいな恰好していこうと思って出したら、何の素材なのか分からないが見事に犬毛まみれになってしもうた。ただ念のため持って行ったコロコロは弱い犬アレルギーがあると言う生徒さん達にも使ってもらえ、なにげに笑いを誘ったりと、いい小道具にもなったので、良い点もあった。ブラシもとても役に立ちました。「動物の毛をとかしながら会話したい人」がこの世に一定数存在すると分かったことは発見でした。

 ハンドラーとしては、学生からも大人からも犬のしつけについて質問を受けることがやたらと多かったので、もう少し説明もうまくなっておかないとなあと感じました。これは、私の英語の問題ですね(汗)言語があまり得意ではないので一番てこずりそうなところですが…。



2018年11月29日木曜日

ボストンへ行ってきました。

おにぎり君とおしんこ君の再会

 北米の秋の休日、サンクス・ギビング(感謝祭)の週を、マサチューセッツ州ボストンの友人宅で過ごしてきました。トランク大小3つ、友達一家へのお土産の大きなダッフルバッグ、ストローラー、成人2名、3歳児1、犬1+犬のお皿やブラシなどなどを詰め込んだパンパンのマイカーに乗って、I-495 N、I-95 NからNJ Tpke、そしてI-95 Nに戻り…と、約10時間かけて北上しました。この道は東海岸北部の主要な都市をカバーするコースで交通量も多いですが、比例して見どころも多い高速です。なかなか有意義な旅路になりました。

 
コネチカット州を北上中 
まだ紅葉が少し残っていて、歴史のありそうな橋がたくさん架かっていてきれいなハイウェイが続く。

 ボストンの街を歩いて…、といっても下は5か月~上は3歳8か月までの子供が3人居たため、観光は家のまわりや車で行ける場所に限られましたが、感心したことは、人々がわりとみんな礼儀正しく親切なこと(そういえば、コディの友達・ニックのお母さんもこの街出身です)、とてもドッグフレンドリーで、そこらへんの規制がゆるいのかオフリードの犬が街の色んなところに居たことです。


ボストン! 都会と言っても、シカゴやNYと比べるとどことなくしっとりとした街

ボストンのボストンテリア!!!!! ←これが言いたかった
1870年前後にこの地で誕生した4頭の犬から始まった犬種。
小型犬の、ファッショナブルな服に身を包んでる率の高さにも気が付いた。

New Deal Fish Market.incにて。魚の鮮度もよかったし、店員さんがすごく親切だった。

 ダウンタウンの魚屋で海産物を買って友達の家で調理して食べました。ダンジネスクラブ2杯、キンメダイ的な魚、生のマグロの中落ち、久々に活きのいい海産物を食べられました。DCにもフィッシュマーケットがありますが、過去数回買ったカニはたまたまなのかどれもアンモニア臭がし、すっかり食指が動かなくなっていたので、これはちょっと感激した出来事だった。魚に限らず、全体的に食糧品の価格が安めなのも嬉しかった。


赤い服を着たシェパード系の犬がしゃかりきに走っていた(笑)

市街地の真ん中に位置するボストン・コモン公園は、1600年代初期に創られたアメリカ最古の都市公園だそう。犬のオフリードエリアもいくつかあり、24時間いつでもドッグラン状態。近くに「ここはいつでも犬を放してよい」と書かれた看板まである念押し具合で、これなら、人々と犬も安心して遊べるでしょう。DCだったらナショナルモール、NYで言ったらセントラルパークに相当するこの公園で、犬たちがこんなにものびのびと遊べる事にはおどろきました。なんか、フランスみたい。


晴れた日はボストン市街地のスカイラインが一望できるRobbins Farm Parkにて。
この銅像は、昔この辺一体の牧場主の一家の前に飾られていたもののレプリカだそうです。
携帯のバッテリーが寒さでやられてしまい、子連れだと一眼はきついので、全体的に写真の少ない旅になった。

また、普通の公園であっても「オフリーシュドッグアワー」と称して、時間帯ごとに犬が遊べるようになっているところもありました。時間帯や細かいルールはカウンティ単位で決まっているようですが、例えば自分達が滞在したアーリントン・カウンティでは、写真のRobbins Farm Parkもいれて11か所の公園がオフリードタイムを設けていました。これだけ選択肢があれば、日替わりで色んなところへ行けるし、バージニアでもぜひ取り入れてくれたらなあと思いました。コディは大きい(それにボールへの期待で目がギラギラしてたかも知れない)ためか地元民に警戒されてしまい、誰もいないところでボール投げしただけでしたが、それでも十分楽しかった。コディもバシバシボールを取り、マサチューセッツの雪をガンガン食べてじゃんじゃんオシッコに変え(笑)やっていることはいつもと同じながら、かなり充実した様子でした。


ジモティーおススメのお店 Tatte bakery & cafe
地域のファーマーズマーケットからはじまったというこ洒落たお店で。
バターピーカンクッキーがおいしかった。

 友人宅に宿泊して一日目の夜は娘がなかなかベッドへ行かず、いつもと違うことに気付いた犬がひっきりなしに窓の外を確認、一晩中ヒュンヒュンヒンヒン鳴いて、そうかと思えはまた娘が「しっし」と起きてきたりと合計で45分間しか眠れず、長時間運転してきた疲労も相まって激オコマックスハートになったりもしましたが、眠い目をこすりながら読んだジャーマンシェパードフォーラムにもちらほらそういう犬の話が載っていました。


おぬし…………(怒)

 先哲のアドバイスによれば、犬連れロードトリップでは①宿泊先にはなるべく午前中につくようにする(一日かけて馴染むことが出来る)②着いたらたっぷり運動させる(近所のにおいなどもよく嗅ぎまわらせると犬も安心する)③事前に夜泣きがひどいと分かってる犬の場合はあらかじめ手を打っておく(並行してべネドリル等をあげるなど)などなどの手法が載っており、シェパオーナーみんな結構苦労してるな、と思いました。今後のためにも覚えておかねば

 今回のボストン滞在は、年上のオス犬通称「おしんこ君」のオーナー一家にお世話になりました。おしんこ君とコディとは、彼が子犬の頃から知っている仲なのですが、こうして久しぶりに会ったところ2匹のパワーバランスが変化していたのは、面白かった点でした。「おしんこ君」は年齢を重ねたせいか、場所や、いろんなものの順番もコディに譲るようになり、かと言ってコディも相手にのさばるタイプではないので、互いに心地よいスペースはキープしつつ時々顔を突き合わせてはお互いの顔をペロペロしているのを見ると、子犬時代からの確かな縁を、犬同士もしっかり認識してるんだなあと感心しました。




2018年10月15日月曜日

プールじまいの日



 9月上旬の某日のはなしです。近所のプールで「プールじまい」がありました。この日は雷雨警報が出ていて、小雨が降る中あやしい風と雲の動きを見ながら近隣の犬たちがプール遊びを楽しんでいました。衛生法の関係で人と犬が一緒に泳ぐことは出来ないそうですが、普段川でしか泳がせてやれないコディがこうしてプールで遊んでいるのを見て、「庭つきプールつきの家に住まわせてやりたいなあ」と心の底から思いました(笑)。コディが生きているうちになんとか実現したいけれど、このエリアでは難しいかも知れないな~。

 家族に子供が加わったことにより、この先住む家を選ぶ時は、学区を考慮に入れて慎重に選ばないといけなくなりました。北バージニアはかなり教育熱心な風土があり、北米の他の都市と同じくレベルの高い学校、特に高校があるエリアは、高級住宅地に囲まれていたり、韓国系やインド系など高学歴の移民が大勢いて比較的競争が激しい状態になっている傾向があります。自分たち親がどこに住むかで、子供の小学校生活がかわってくると思うと、責任重大なんですね。


だれか手伝ってくれるひとを探しているコディ↑

 娘には、将来すごい職業についてほしい!人の役にたつ立派な仕事をしてほしい!とか、そういう願望も展望も全くなく、重要視しているのは「いい友達に囲まれて、家族なかよく、そこそこ健康的な生活習慣があり、小さな幸せも感じ取れる感受性をそなえた人に育つ」ということだけなので(典型的なミレニアル世代の思考だな)、その前提ならば娘が将来つく仕事がお花屋さんでも、ケーキ屋さんでも、車のエンジニアや木こりでも、親としてはぜんぜん満足なのですが。あ、もしかしたら犬の訓練士になるかもしれないな。でも、娘はイヌよりネコがいいと明言してるからな…………いやいやキャット・ビヘイビアリストにならないとも限らない(本当にいろんな職業がある!笑)。ちなみに、今現在の本人が好きでよく気にしているのは森のきのこなので、今日は「きのこはかせ」という職業があるよと、教えたところです。






 この日はいつもの散歩中に向こうですれ違うだけの近所の犬とも間近に触れ合えました。上の写真の細い犬はとなりのクラスターに住んでる犬で、一度森の中で会ったことがあるんですが、フライボールの選手なんですよ。それ用にブリードされた犬で、ボーダーコリーとウィペットを使った血統だそうです。陸でも水中でもうなぎの様に素早かった。持来欲があって、疲れ知らずで、いろいろさせたら楽しそうだなあ思いました。すごく気の強い犬で、他の犬が少しでもダミーに興味を示すと、怖い顔でガウッ!とやって、牽制していました。




 コディもプカプカいいかんじの動きをみせてくれました。この犬の泳ぎはスピードはないですが、絶対沈まなそうな安定感がうりです。この日はじめて、コングのダミー(アマゾンのページ)をおろしましたが、よかったです。コディは水の上のアイテムを持ってきた後、陸場で何回か強くくわえなおす癖があり、その時に弱いダミーだとつぶれたりナイロンの表皮がとれてきたりしてしまうのですが、コングのダミーは余計な飾り等がなく、中も空洞がないようで、長持ちしそうに思えました。


クズリ顔の犬です

 そういえば小学生の頃は、「海底二万マイル」の船長のペットのアシカが可愛くて水の生き物に憧れ、自分もいつかアシカを飼いたいなあと夢を膨らましていたんですよね。思えば、先代のドーベルマンは見た目的にはかなりアシカに近い犬でした。ドーベルマンて、かわいい性格でベタベタと甘えてくる犬が多いので、飼い主と見つめあってる時はいつも耳が寝ていたりします。そうするともうほぼアシカ100%といっていい顔になるんですが、記憶の中の先代ドベも、いつも耳がなくなってつるっと滑らかな丸顔です。それと比較すると、コディは海感はそんなにないかな。写真を見てて、なんかクズリに似てるなあと思いました。まあいいや、クズリでも(笑)。



2018年9月19日水曜日

犬の医療費

病院では暴れん坊で大変だったので、写真はナシ。かわりに、「チョウが来る」と言われて植えたのに、3年間害虫などにやられっぱなしだったミルクウィード(トウワタ)についにやってきた、アサギマダラの記念写真をば


 コディの病院を変えました。今までは、GoogleとYelp両方でとても高い評価がついていたVienna Animal Hospitalに通っていましたが、「小さい人間」が保育園に通いはじめたことから、googleなどの評価は多少劣るが通学路の近くにあって立ち寄りやすい、近所の「R獣医科医院」に決めました。今後は定期メンテナンス的な健診・ワクチンや定期的に投与する薬はここでもらい、なにか応用的な出来事が起きた場合は慣れ親しんだ前の病院・前の先生の所へ戻る、という風にしていこうかなと考えています。

 病院を変えるにあたって、ダニ媒介性感染症のスクリーニングやフィラリアの血液検査等も念のため全て受けなおし&三年に一度のワクチン数種とボルダテラもやったので、注射だらけの初診となってしまい、コディは抵抗を試みていました。唸ったり怒ったりすることは一切ないですが、振りほどこうとする力がすごいので、私+男性のテクニシャンの方×2の、3人がかりで補ていしていましたが、結局耳の検査はできずじまいでした。もといた方の病院でも、「この犬は耳のチェックは鎮静剤をあげないと無理」と言われていたので、よっぽどいじられたくなのでしょう。

 前回のログにも書きましたが、成犬になって、「嫌なことは 嫌」と表明してくることが増えたように思います。耳のことは、家で私と1対1の時は中までのぞかせてくれますが、それも家族がまわりにいたりすこしでも物音や気になることがあるとダメです。耳に関しては今まで特に嫌な思い出があるとかでもなく、シェパらしいというかどこか根本的に他人を信用していないような感じです。将来この事がもとで病気のサインを見過ごしたりだとか、大きな事態に発展しないといいんですが。また、そういう事に気付けるように自分でも(基本の健康チェックなど)いろいろ覚えていこうと思いました。

 もうひとつ大きな変更点は、ノミ・ダニの予防薬を、塗布薬のフロントラインから飲むタイプのNEXGuradに変えたことです。子供が犬をなでたり、触れ合うことが増えてきたので、子供により安全なVrabectoかこのNEXGuardにしようと検討していましたが、前者が3か月に1回の投与なのに対し後者は月イチで、フィラリア駆虫薬と同じサイクルで与えられるのが忘れ防止になって、いい点だと感じます。まずは数か月テスト的につかってみようと思いました。またVrabectoはセオリー上は三か月に一度の投与でOKですが、数種あるダニ媒介性感染症のうち一部に対しては、二か月目で防止効果が薄れるという説を獣医関係の知人に聞き、非常にダニの多いエリアに住む犬としてはどうかな?と思ったのも、この考えを後押ししました。

 この日の会計は390ドルでした。前の医院と比べると、全体的に良心的な価格になっている印象を受けますが、この値段はそもそも北バージニアのスタンダードにくらべて高いのか?低いのか?よくわかりません。もっと調べてみる余地があると思いました。コンシューマー・レポートの記事を読んでいたところ、私たちが生活に必要なサービスや、人間の医院と同じように、獣医科医院についても「ドクター・ショッピング」することがおススメされていました。アメリカの獣医科医院では、さまざまな医療費のベースに診療費(physical-exam fee)を設定していることが多いので、家のまわりの数件の医院にまずこの診療費を聞いて回るだけでも、その地域内で比較して高いお医者さんと、そうでないお医者さんがわかるということでした。


 大事な家族の医療費をケチるなんて不届きな感じに聞こえるかもしれないですが、Bloombergによると1991年から2015年にかけて米国の飼い主たちが獣医代に使った費用の総額は、4.9ビリオンドル→35ビリオンドルと、インフレや失業率などを考慮してもかなり異常な伸び率になっているので、個人のレベルでは、ふだんの医療コストはなるべく抑える工夫をし、その分をもしもの時のためにためておくのが得策なのかなと改めて思いました。個人で出来るもうひとつの工夫にペット保険もありますが、これに関しては自分でいろいろ計算してみた所、金銭的なメリットは薄いように思う(というか、運がかかわる)とこれももう少し勉強が必要だなと感じました。アメリカのペット保険については興味がある話題なのでそのうち別記事にでもまとめられたらと思います。

 そういえば産後の一番身動きできない時期に「モバイル・ヴェット」と呼ばれる移動診療所(VIP Petcare)も利用したことがありました。今はもう必要がないのでアカウントなどもそのままになっていましたが、基本のワクチンや処方箋などを安価にとれるので、必要に応じて使っていくのも手だと思いました。廉価な治療という点では、全米各州に支院のあるVeterinary Centers of America(VCA)系列の医院も定評があり、たまたまかもですが私の地域のものはとても評判がいいので一考の価値がありそうです。また、ペッツマートなどの量販店に入っているような企業がチェーン展開している獣医さんであっても、担当してくれるお医者さんによってはとても良いケアが受けられると聞いたので、運と適切な機会があれば試してみたいと思いました。




 一方、生まれて初めてパン生地を触り、感動しているちび。焼く前のパンだから「パンの赤ちゃんだよ」と言うと、「かわいい~」とか言って喜んでいました。かわいいの意味を本当に分かってるのかはよく分かりませんが、小さいものや、やわらかいものには条件反射的に「かわいい~」と言ってきます。「赤ちゃん」という単語も好きなようです。保育園では、とても女の子っぽい性格の子と、先生に言われました。なんとなく同年代の子供と比べて言語・精神面の発達が遅い印象があるので、まわりのペースにつられてあまりきびしくあれをしろ、これをしろとか言わないように気を付けないと。でも、「望みすぎないこと」の大切さは、今まで育てた二頭の犬、実家のドーベルマンとコディにしっかりと教えてもらっているので、安心ですね(笑)。この後は、オーブンの中でパンが膨らむ様子に釘付けになっていました。


2018年8月22日水曜日

最近の「レツゴー三匹」



 日本は大変に暑い夏となっているようですが、ここ北バージニアは今シーズン異常に雨が多くて、7月にはDCのローカスニュース等が、観測史上4番目の降雨量を記録したとを伝えていました。私達、母・子・犬の「バージニアのレツゴー三匹」は元気にやっています。とはいえ、コディは日中の行事などには暑くて参加出来ないので、少し遠出した先などでは来ている犬を撫でるなどして「犬分」を補っていました。

 写真は、バージニア州マナッサスのお寺「えこうじ」の、盆踊り大会で出会ったシバ。さすが日本犬、暑そうだったけどへばらずに動いていました。この祭りは、想像してたのと違って生粋の日本人の姿はあまり見えず、ハワイ系や地域の日系2世・3世おおぼしき人、白人仏教徒が多いような印象を受けました。かと思えば、見た目は完全に「一般アメリカ人」の黒人のお姉さんや、白人のオジサンなどが、急にすごく流暢な日本語で屋台の売り子さんと会話をしていたりと、単なる文化交流みたいなカジュアルで表層的なレベルだけではない、ディープな文化的シンクレティズムの現場を目にしました。


「帽子が落ちないように」と言ったら、律義に帽子をおさえながら遊んでいた。 ちょっと前だったら、すぐ忘れて池に落としていたと思う。
ラウドンカウンティ、Banshee Reeks Nature Preserveにて。ここは、リードにつないだ犬はOK。馬と自転車はNG。


 「ちいさいにんげん」は2歳11か月です。もうすぐ3歳とは信じられませんが、まわりの友達が言うように「乳幼児の世話は、時間が飛ぶようにすぎるから。」というのは、自分の場合はあまり当てはまらなかった気がしました。私は、話が通じない人と一日中過ごす事は、とても大変で一日がとても長く感じました。日常のこまかいことに、「こうしたい」というやり方があり、あまり融通がきかない方なので、ストレスを感じていたのでしょう。自分の世界に閉じこもりがちになる3年間でした。そんな時、嫌でも外に出て体をうごかし、計画をたててセラピーワークのためのドッグトレーニングをすること自体がセラピーというか、心のマッサージになっていたように思います。犬ってすばらしー!

 そんなこんなで育ってきたチビですが今月の頭頃に、急に階段をひとつポンと上がるように「成長した」と感じられる日がありました。おえかきで人間の顔らしきものを描くようになったり、出来事の因果関係を結び付けて考えられるようになったり、それと同時に突然オムツもとれて、軽作業の負担が軽くなりました。

 そう、わが子は一日に5回くらい💩が出る子で(草食動物みたい小出しにしてくる)しかも私はいちいち薄ーい石鹸水とシャワーで洗ってあげていたので、オムツかえだけでもすごく負担だったのですが、これにより突然心に余裕ができました。おまるもすっ飛ばして、トイレに抱っこしてのせて欲しいと言います。同時に羞恥心も芽生えたのか、💩の時は「目をつむってアッチの方をむいてて欲しい」とリクエストしてくるようになった(笑)。人間とは親がなにも教えなくても、「はずかしい」という気持ちを勝手にどこかから学ぶんだ!!と驚きました。幼児の世話とは、このように苦行9割、鮮烈な発見1割みたいな感じでやってくるから、皆続けられるのかなあと思いました。




 娘に対して「成長したな」と思う一方、「年をとったな」とふと思った瞬間があったのが犬です。3歳7か月、一般的に言えば、若さの盛りかと思いますが、なんていうのか、命の時計がカチッとひと針「老化・死」の方へ向かって傾いた感じがしました。ときどき何となくそういうのがわかる時がありますよね。娘も犬も同じ年に生まれたのに、人間と比較するとなんとあっという間に死を迎える生き物なのかと思うと、つらいです。日々、いかにおりこうかを話してきかせ、褒めちぎり、撫でさすっています。長く元気でいてほしいです。

 でも、単なる「長生き」だったら、望んでいません。もしいつかコディが不治の病になってしまって、楽しい日常生活に支障を来たすようになれば、迷わずに安楽死の道を選ぶでしょう。犬に苦しい思いは一切させたくないという強い意思があり、人類に飼われる動物だということの最大の利点のひとつである、「病や死の苦痛を感じずに済む」ということを、十分に享受してほしいと考えます。それに家族みんなの中で、リラックスして安心した気持ちで旅立ってほしい。

 デイケアは入り口でUターンし、どこへでも一生懸命付いて来ようとがんばる犬です。病院のケンネルの中で孤独に病気と闘うことが、この犬にとって良いことだとは思えません。「極端だけど理にかなっている」と思うのは、ボール投げしてる最中とか、「カム」と言ってこっちに向かっている最中、コディが一番楽しそうにしている時に死ねるように出来たらいいですが、そうすることは私にとっては難しすぎる事なので、もっと考える時間が必要でしょう。一つ言えるのは、人の場合も、犬の場合も「終活」に答えはないが、時々こうして考えること自体には意味があるように思うということです。

 話が脱線してしまった。そうそう、最近の犬は行動面でも変化があって、遅ればせながらテリトリー意識?が芽生えたようです。コディは散歩の初めに一回、中盤に一回、足も上げずにまとめてジャーとおしっこをする犬で、マーキングらしい事は殆どしないのですが、この「家から出て最初のおしっこをする地点までの区画」が彼の中で「見張らなければいけない場所」に決まったようです。このエリア内で近所の犬とすれ違う時にウーッと唸るようになりました。また、この区画外でも、遠くで知らない犬が睨んでいたり、吠えていたりすると尻尾を持ち上げて襟首の毛を立て、大きいアピールをするようになりました。吠えることもあります。吠えは、今のところは「やめい」と言うとやめますが、吠えだすと夢中になることもあると思うので、対策を練っています。


2018年7月16日月曜日

「イージー」



 週に何回か、短い時間ですがシッターの方をお願いすることにしました。夕方のまだ明るい時間帯に、犬と一緒に外へ行くことができるようになった。といっても7月のバージニアは暑く、かなり湿度もあるので、行先は屋内です。今週は地域の家電量販店「BEST BUY」と、ホームセンター「HOME DEPOT」「LOWE'S」に行きました。ホームデポとロウズに犬を連れて入れる事は、セラピーのクラスで使ったので知っていましたが、ベストバイに入れる事は知らなかったので、発見でした。涼しくて清潔であまり混みあってもおらず快適でした。

 ホームセンターに行くと、コディは人気者です。どうも、トラックに乗ってこういう所に来てるようなタイプのおじさんにモテる方らしい。今日は、殆ど英語が喋れないメキシコ人のおじさんが話しかけてくれました。身振り手振りと片言で、メキシコの実家でジャーマンシェパード2匹飼ってる!ホントにかしこいしよく見るとすごくかわいい!!と話てくれ、シェパードいいよね!!!とキャアキャアと(野太い声で)意気投合しました。


ヒタチのキャンペーンボーイかな? かわいいです(親ばか)

 ペンキのコーナーにいたアメリカ人のおじさんは、長年ロットワイラーを飼っている人だそうで、トレーニングの話になりました。何かの拍子に「うちの犬は色々するのが好きな方で、私はラッキーです。」と言ったところ、「いや、本当にラッキーなのはこの犬だよ。」と言われ、これまでいつも『こんな犬がいてあなたはラッキーね。』と言われる一方だった私は、不意に自分の今までの努力だとか、犬に対する態度みたいなものを認められ、褒められたような気になり、すごくすごく嬉しくなってしまいました(犬飼いはほかの犬飼いを称賛するのがうまい)。

 犬と一緒に外にいると、「犬を連れている」というたったそれだけのことで、他者と関わることがこんなにも「イージー」になることに毎度驚嘆します。しかも、犬を介して犬好きの人々と話していていつも思うのが、それぞれの人々が、皆それぞれのやりかたで犬に詳しい。こういう事は他の生き物には見られないことで、人間にとって犬と言うのは、こんなにも興味と知的好奇心を引き出す存在なのかと毎回、新鮮な驚きがあります。