2018年12月30日日曜日

セラピーログ(2018/12)



 12月の初めに地域の大きな大学から要請があり、セラピードッグ協会のメンバー数名と一緒に派遣されました。学期末の集会で学生のストレスをやわらげ、他者とのコミュニケーションをとりやすい雰囲気をつくるという目標でした。こういう活動に参加してみるまで、セラピードッグの効用とは「犬がいる、かわいいね♪」と和むくらいのもの(?)だと、なんとなくどこかで過少評価していました。しかし、「そこに犬がいること」というだけでいとも簡単に人間の行動が変わる事、殆ど即座に人をリラックスさせることを目の当たりにし、その効果の度合いに驚きました。

 若くエネルギッシュでありながらも落ち着いた年代の大学生・大学院生相手の活動で、コディのようなビギナーには丁度いいと思って喜んでいましたが、ふたを開けてみるととにかく人が多くひしめきあっていて(一度、数えてみたら25人の生徒がコディを撫でていたり)、犬にしてみれば非現実的とも言える状況が起こっていました。そこらじゅうに落ちてるピザやポップコーンの誘惑もかなりのものがありました。そんな中、コディも2時間半の間よく指示に反応して頑張ってくれました。とても疲れたようで、帰りは車の中でガツガツ昼ご飯を食べ、帰宅してからは夜までぐっすり寝入っていました。

 最後に大学側のモデレーターと少し話したのですが、彼女によれば普段の集会では、その日集まった人数の5分の1以下程度の学生しか訪れないそうです。滞在時間も短く、犬が居ると居ないとでは「まったく別次元」と言えるほど、場の雰囲気が変わるそう。また、面白かった点は、生徒だけでなく教授達にも犬がとても人気だったことです。特に学期末に教師が晒される様々なプレッシャーについては私もある程度知見があるため、「学校にいる大人」という、「誰かをケアする誰か」を元気づけられたことには、ささやかながら意義を感じました。




 次回への課題は、ファシリティに入るまでのツケを上達させる事。これは、かなりガタガタだった。他の犬が結構リードをひきながら歩いており、そのバタバタした雰囲気につられてしまった所もあったかも知れないけれど、かなりきつめにハンドルしないときちんと歩けていなかった。コディは探査欲が強い方で、まわりの環境をまず自分で見て、ぴっちり匂いをかいで念入りにチェックしておきたいタイプなので、初めて来た場所ではソワソワしがちです。これはもう個体の性格なので良いとして、現地に早く着いて、建物の周辺だけでも好きなだけ点検させてやるなど工夫は必要だと思った。

 他のセラピー犬で一頭リキの入ったタイプがおり、始まる前の集合場所で出会いがしら、ググッとコディの方に顔を出して吠えたのに「売られた喧嘩は…」と吠え返しちゃったことも、その後のドタドタした流れを作ったと思う。もとをたどれば保育園のお見送りの後で、急いで支度と犬の散歩をし、道中思わぬ渋滞に巻き込まれて、かなり急いた雰囲気の中で到着してしまった点も悪かったと思います。セラピードッグは吠えることはタブーであり(上記のように他の犬に吠えられるなど)、どんなに理不尽な理由があったとしても、必ず刺激を無視するように事前に指示を出しておかなきゃダメだと思いました。こういうとこは、レトリバーとかと違ってオートでは出来ないので、いちいちマメに言い聞かせないといけない点です(レトの人がシェパを飼って「疲れる」と言う第一の理由 笑)。

 あと、地味に失敗したなと思ったのが、黒いパンツを履いていってしまったことです。ユニクロのオフィスカジュアルみたいなズボンで、(いつもと違って)多少きれいな恰好していこうと思って出したら、何の素材なのか分からないが見事に犬毛まみれになってしもうた。ただ念のため持って行ったコロコロは弱い犬アレルギーがあると言う生徒さん達にも使ってもらえ、なにげに笑いを誘ったりと、いい小道具にもなったので、良い点もあった。ブラシもとても役に立ちました。「動物の毛をとかしながら会話したい人」がこの世に一定数存在すると分かったことは発見でした。

 ハンドラーとしては、学生からも大人からも犬のしつけについて質問を受けることがやたらと多かったので、もう少し説明もうまくなっておかないとなあと感じました。これは、私の英語の問題ですね(汗)言語があまり得意ではないので一番てこずりそうなところですが…。



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