2015年2月4日水曜日

おかめちゃん

 
 ロボロフスキーハムスターの「おかめちゃん」に一週間ぶりに出会った。
 この家の隠れ住人、3匹のロボハム達は基本夜しか活動しないうえ、季節の変化を肌で感じてか、トンネルの下の家に籠っている時間が非常に長くなって、ほとんどめったに見かけないのだ。いちおう毎日生きてるかだけは確認しようと、「おいしいもの」例えば4等分したブルーベリーとか、種子類や甘いラディッシュなどを一切れ置いておき、次の日なくなっているのを見て「よし生きてるな」という、ふつうの人から見たら「なにが良くて飼ってるの?」と言われそうな付き合いが続いているのだ。しかし普段野生動物に親しんでいる者からすると「気が向けば手に乗ってくれる」という事だけで、とても大きな感動があり、長生きしてほしい大切なペットなのだ。

 そんなロボロフスキーハムスターに関してだけれど、飼育法についてきちんとコンプリートされた日本語のテキストがネット上にあまりない事が気になっていて、以前自前でミニサイトを制作したことがあるのです。どのくらい需要があるかは分かりませんが、一応、リンクをつけておきます。

リンク:ロボロフスキーハムスターの育て方



2015年1月31日土曜日

犬のオーラルケアについて


 北アメリカに引っ越してみて最初に驚いたことのひとつに、この国では歯と口腔の健康が非常に重要視されているということがあった。多くのアメリカ人達がもつ、綺麗に整列した白い歯と健康な歯茎への意識は、アジアから来た者からするとちょっとびっくりするくらい高いのだ。管理人の場合、毎度歯科医院へ定期健診に行くたびに、そこで働く人々による「お口の健康教」の熱心な布教活動が行われた。結果、風呂も歯磨きも嫌いな野生児だった自分が、一日のうち何度も歯磨きや、フロスをするようになってしまっているのだ(それは、よかったと言える)。

 このように口腔ケアについて関心の高い本国だけれど、他にも高いものとして、それにまつわる医療費が挙げられる。そしてそれは、動物の場合も然りなのだ。ある民間保険会社によるとアメリカの獣医師による一回の犬の口腔ケア代は、平均200ドルだという(実際には、ここに診察料など諸々の雑費が加算される)。全身麻酔を伴う大がかりな歯石除去ともなれば、この価格は一回平均1500ドルまで上昇する。犬の一生を通して考えると塵も積もればで、バハマでバカンスできるくらいの費用を、犬の口を掃除することだけに費す計算になる。

 そこで家庭で出来る、日々の口腔ケアの重要性をひしひしと感じてくるわけなんだけれど、
 今までの一般常識を鑑みると、主に;

 ・ 犬にも一日一回、歯磨きを施すこと
 ・ ドライフードを与える事
 ・ デンタルトリーツを与える事

が、犬の歯と口腔の健康を保つために、よいとされてきた。ところが、丁度先日、グレインフリーのドッグフードについて調べていた最中に、個人的に信用のおけると思っているいくつかのウェブにおいて、気になる記述を見つけてしまったのである(ウェブその1その2その3)。それ曰く、犬のドライフードも、デンタルトリーツも、犬の口腔ケアに関して巷で言われているほどの効果は期待できないのだという。

 ドライフードは、歯垢を物理的にこそぎ落とすことは出来るけれど、まず覚えておかねばならない前提として犬はモノを噛むとき、歯をまんべんなく使わず、尖った先の方や、臼歯を重点的に使う。だから小臼歯のあたりだとか、歯周病菌の温床となる歯の根元付近を綺麗にする効果は、そこまで期待できないという。次の問題は、ドライフードを構成する成分だ。ドライフードは、プレミアムレベルでかなり品質の良いものであっても、つなぎとして必ず何らかの炭水化物が使われている。それはグレインフリーの餌であっても同様で、ポテトや、タピオカ粉などが入っている事が普通なのだ。炭水化物は哺乳類にとって手軽なエネルギー源なので、その存在自体は悪い事ではないけれど、問題は、歯周病菌も炭水化物が大好きだという点。犬の口内に残ったそういう微小な食べかすは、短時間で歯垢へと生まれ変わってしまう。

 デンタルトリーツも、上に同じく物理的に歯垢や出来たばかりの歯石を取り除く効果はあるかも知れないけれど、ドライフードと同様の落とし穴がある。デンタルトリーツの多くは、原材料に多くのスターチ(澱粉類)を含んでいる。スターチは、炭水化物である。よってこれまた上に同じく、歯をちょこっと綺麗にすると同時に、また新たな歯垢を作りだす材料を投下してしまうことになるのだ。これはちょっと悲しい。またスターチ類は高グラセミック・インデックス(イヌに対してどのくらい影響があるのかはわからないけれど)なことと、これらのトリーツには人口保存料や着色料が使われている事がふつうなのも、個人的に少し気になるところ。

 じゃあ一般家庭で出来る中では、どうするのが最善なのか?ということで、色々読んでみたものを総合した策を下に書き出してみた。;

 ・ 1日1回の歯磨き、歯茎のマッサージ。歯ブラシより、ガーゼ片などで行う方が良い
 ・ 生食餌か、ドライフード(グレインフリー・プレミアム)を与える。
 ・ できれば一週間に2回、生の肉のついた骨を食べさせる。
    骨の種類は、ニワトリ、ラム、ウサギ、ヤギが適している。

 上にリンクを貼った所の獣医師によれば生の骨の歯垢除去効果はかなり高いそうで、実際知人の1才になるティーカッププードルも、口臭が地獄の様にひどかったのが、餌を生食餌に換え、髄の入った生骨を定期的に与えるようにしたところ、ここしばらくでだいぶ軽減してきた。生骨についての注意点は、必ず犬の体格にあったものを与えるという事。ただ個人の経験上、ヒツジやヤギ以上の大きさの動物の骨は、飲み込むと体格に関係なく消化不良を起こす犬が出てくるので、それらの骨を与える場合は1、2時間飼い主の監督下で噛ませて、ころ合いをみて取り上げる。時に犬の歯よりも硬度のある場合がある、ウシ、ウマ、バッファロー、シカの大きな部位の骨は、まれに犬の歯が欠けることがあるので、気になる人は注意して使うこと。加熱調理済みの骨は、どんなものであっても絶対に与えないこと

 人間でもそうだけれど、歯の健康は一度損なうと治療に多くのコストやストレスを伴うので、そんな機会は少ないに越したことはないな~と思う。但し上に書いたような策を実践したうえでも、半年に1回は獣医師による定期健診を受け、口腔内のチェック・必要であればクリーニングをしてもらうことは必須だということも、念のため覚えておきたい。





2015年1月29日木曜日

仔犬がくる 2



 オモチャがどんどんふえている。

 餌や用品類、サービスの価格や種類を調べるのもかねて、近隣のペットサプライストアに寄るたびに何かしら購入しているのが原因だとは思うけど、自分自身も犬のオモチャが好きなので、もはや仔犬のためなのか、自分の娯楽のために買っているのか、よく分からなくなってきた。しかしそのかいあってか地元の殆どの店舗について詳しくなることが出来、気に入った所も数箇所、抜きだすことができた。おもちゃは、丈夫さ、衛生を保ちやすいかどうか、なるべく環境にやさしい素材で出来ているかどうかを基準に選んだ。 ※写真のオモチャ全てが条件をクリアしているわけではありません

 正直、道具や餌を買うだけなら、通販の方が便利だと思う。それでも地元のペット用品店に足を伸ばすのは、そこにある人間関係がきっと重要であると、信じているからなのだ。こういうお店にはお客さんだけでなく、ペットに関係のある仕事をする人も多く出入りしている。自分のアルバイト先である用品店を例にとると、たとえばトレーナー、グルーマー、ドッグウォーカーにデイケア、珍しい所では発明家(!)、アーティスト、ペット用マッサージセラピストや、レイキヒーラーという方にも出遭ったことがある。だから複数のお店で聴取すると、地域で愛される仕事をしている人を比較的楽にみつけることができる。今回も、オモチャを買うついでに聞いて回った結果、腕のいいトレーナーで、仔犬のクラスをもっている人の情報を得ることが出来た。

 オモチャの話に戻すと、もうひとつおどろいたのは、日本でいう「ペットのこじま」に相当するような店で犬用の知育玩具(写真上、白い箱に入っているもの)が売られていた点。15年前、日本で仔犬を育てた時には、こんな商品は探しても見つからなかったように思う。犬のオモチャもどうやらどんどん進化している事が分かったし、それは買う人の意識が進化しているということでもあるので、とても興味深かった。動物の「QOL向上」とか「環境エンリッチメント」について、一般の関心が高まってきているのかもしれない。北アメリカには、テレビにいきもの・自然・科学専用チャンネルが複数あり、かの有名なシーザー・ミランの番組などをはじめ、自分の関心のある分野のプログラムが24時間かけながしで見られる環境であることも大きいのではないかと思う。こういう時に、大衆の教育という面においては、テレビは未だにとてつもなく大きなパワーを持っている媒体だと思わされる。日ごろスーパー日本びいきの管理人が、「日本がアメリカに圧倒的に負けている」と認めなければいけないもののひとつに、このテレビ産業がある。こちらのテレビに慣れ親しむと、日本のテレビにチャンネルが12個しかないのは社会主義的だと思えてくるし、どこの局を回してもだいたいバラエティか、それに類するような番組が放送されている印象もあり、ちょっと残念だなといつも思う。




2015年1月24日土曜日

CASH



 まだ夜も明けきらぬうち、ワシントンD.C.の中心街にほど近いボランティア先の最寄りの地下鉄の駅から出てみると、犬が張り切っていた。彼は地元警察の探知犬なのだ。この犬が何の探知をするのかは聞きそびれてしまったけど、おそらく麻薬類、ひょっとしたら爆弾かもしれない。こんなふつうの朝の街で爆弾探知?と思うけれど、テロリズムの危険と隣り合わせの街でもあるので、いても不思議はない様な気がする。公共の駅にあるゴミ箱は、爆弾やその他兵器のメジャーな隠し場所である。オジサンの出すヘイ、ツケ、スワレ、マテの号令4点セットに幸せ中枢を刺激された犬のシッポは全開だった。残像しか写らない。

 アメリカの都市部でここの所、警察官が自己防衛のために主に黒人の青少年をピストルで撃って死なせてしまう事例が続発していて、当地でも、それがもとで黒人の人々による大きなデモが起きた。理由はどんなものであれ、ピストルの弾は、撃ったらもとに戻らないし、それが警官の命であっても、容疑者の命であっても、失われた人命も、もとに戻すことは出来ない。

 そこで、警察官はもっと犬を使ったらどうか?というはなしに、世論はなっているらしい。これは最近ニュースを流し聞きにしていて耳にはさんだのがだ、確かに、犬なら号令一つで出動させることも、「やっぱ中止」することもできる。また、容疑者を実際に噛んで止める時も「めちゃくちゃ痛い思いをさせる」だけで、命までは奪わない。何よりも、犯罪抑止効果があるし、待機中は(写真のように)オフィサーと遊んだりして、精神的に厳しい仕事についている、警察官の心理面で良い効果が沢山ありそうな気がする。この街にも、元気とやる気に満ちたCASHみたいな犬達が、もっともっとたくさん見られるようになる日が来るのかもしれない。





2015年1月19日月曜日

きつね





アカギツネ(Vulpes vulpes)

 今の家に住んで2年目になるけれど、いつもすぐ傍に奴らがいることはうすうす分かっていた。それは、夜中に裏の雑木林から奇怪な叫び声が聞こえてきたりだとか、ウォーキング中、「ミニチュア犬フン」という形状の排泄物に出会ったりだとか、月曜の夕方、そとに出したゴミ袋に火曜日の朝小さな穴を見つけ、そこから古くなった野菜の切れ端が半分引き出されたまま、いかにもがっかりした風に置き去られていたりしたから。でも、今日、初めて朝の光の中で対面したその生物は、赤いふかふかのコートを着たほんとに素敵な生物だった。



2015年1月14日水曜日

仔犬がくる 1

 数か月間にわたって連絡を取り合っていたブリーダーから、仔犬が無事にうまれたという連絡が届いた。嬉しーい!と喜びのビッグウェーブが来るかと思いきや、案外そういったものはなく、むしろ「あーこれからだぞ」と、これから試合にでるスポーツ選手のような高揚したような、憂鬱なような、ヘンな気分となった。この仔犬は簡潔に言えば、ジャーマンシェパードのミックスになるけれど、最終的に先代のドーベルマンよりも大きくなるので、しつけに間違いは出来ないという事が大きいかもしれない。気質によっては全米セラピー犬協会(TDI)の認定をとることも考えているので、今まで自分がゴロゴロしたり、ダラダラしたり、外の小鳥をボーっと眺めてにやにやしていた幸せな時間の多くは、これからはそういうトレーニングに費やされることになるという予感があるのも大きい(それはそれで幸せな事ですが)。ともあれ、うちに仔犬が来るおおよその日にちが分かったので、そろそろ飼育用具を揃えないといけなくなった。手始めに車のハッチバック部をまるごと覆えるカバーをオーダーし、その他の備品を買いに出かけた。備品と言うか、自分自身が犬のおもちゃが好きなので、気付けばおもちゃばかりででしたが・・・、、、

 個人的な経験上、使役犬とか牧羊犬タイプの仔犬のチュー・トイを選ぶときは、素材や、硬さも硬化ゴムのものから柔らかくボヨンボヨンするようなものまで、いろいろな種類があると便利だ(家庭犬の場合)。早いうちから自分の犬の好みを明確に把握することがそのあとに続くトレーニングにとって重要な意味を持つ。こういう類の犬はまた、頭の回転が速く力もあり、基本的にヒトにフォーカスするようになっているので、「ただ噛めるだけ」とか「振り回せるだけ」のおもちゃではすぐ飽きる事にも気を付けたい。くいしんぼが多いからおやつがつめられるようなものはいいと思う。

 これを踏まえて、退屈凌ぎようのおもちゃにプラネット・ドッグ社の「スポーツ/アイスホッケーパック」と、バイオニック社の「スタッファー」も購入した。どちらも特殊なゴムで出来ていて水に浮き(何かを詰める場所がある)、食器洗浄機で洗え(だいじですね)、いらなくなったらリサイクルが可能となっている。バイオニックのおもちゃは個人的に特に好きなもので、このゴム素材が特殊で三次元的に入り組んだ構造のため、ものすごく丈夫な割に非常に柔軟で弾んだりする。形もよく考えられていて、たとえばこの「スタッファー」は餌の粒やオヤツがゆっくり出てくるような形と、二種類の大きさの穴を備えている…、……、、、とか、求められてもいないのに延々と犬のおもちゃの性能についてオタク特有の早口でうんちくを話す性質も、子犬が来たら忙しさで暫くは引っ込むかもしれません(笑)。周囲の人にとっては良い事と言えるでしょう。

2015年1月9日金曜日

PERO



 現在管理人の住む、ワシントンDC郊外、バージニア州北部のまちは、日本の仙台くらいの緯度にあり、今外は寒い最中だ。すると、日本の友人の管理するケンネルの敷地内の倉庫に、勝手に「巣」を作って、そこで寝泊まりしていた数年前の今頃をふっと思い出す。その犬舎には数種類の犬が飼われていたが、その中でも写真のマスチフ犬と、なぜが気が合ったようで、仲良くなることができた。

 この犬は、ローマ時代の戦闘犬を思わせるような、正真正銘の猛犬だ。体重は60キロをゆうに超えていて、手はコンビニのクリームパン位あり、そして敷地内に入ってくるもの・・・人でも、動物でも、トラックでも、に最初に猛然と喝を入れに行くのが彼の仕事だった。彼を見ていて正直、都市部や郊外の一般家庭でこの犬を飼うということは考えられなかった。これだけ防衛に対して熱意を燃やす犬を、そういう場所で飼う事にはリスクがありすぎるし、獣医や散歩に連れ出すだけでも大変な労働を要するというのは明らかだった。

 しかし一歩喧騒の都市部を離れ、人気のない畑と、北風だけが吹き抜ける湾に囲まれた丘に建つ犬舎で過ごしたその年の正月、犬達の世界ほど「適材適所」がクリティカルな意味をもつ所はないと気付かされたのだった。そこでは、そのマスチフ犬一頭のおかげで、敷地の平穏は完全に守られていた。風呂なし、ガスなし、電気ギリギリありというその場所で、毎夜まったくの夜闇に閉ざされた中で幾夜も、幾夜も安心して眠ることが出来たのは、自分の寝袋のすぐそばにこの犬の存在を感じていたからというのも大きかったと思う。そんな生活を暮らす時、彼ほど心強い味方はいなかった。きっと大昔のローマ人もそう思っていたに違いない。



2015年1月4日日曜日

奇跡の融合



 ハワイで念願のセミリタイヤ生活を手にした家族から、写真が送られてきた。常夏の楽園ハワイは、「2匹のポメラニアン」と「おじさん」という、一見座標の正反対の場所に位置するかのような生命体同士が、奇跡の融合を遂げる場所でもあるようだ。この、醸し出す空気感のこの完全なるハーモニー。ただ事ではない調和具合だ。




2014年12月31日水曜日

子犬の見る夢



 少し前にブリーダーさんから送られてきた写真。この宇宙みたいな場所にプカプカしている、ぼんやりとした膨らみのうち、どれかが家へやってきて、そのうちお手やオスワリを覚え、多分家具を齧り、ソファをやぶり、トイレットペーパーと新聞紙をびりびりにする事を思うと、なんか不思議である。彼らは今頃、いったいどんな夢を見ているのか。




2014年12月29日月曜日

おしり譚



 グレイハウンド達に出会った。2頭は約5歳、犬としてはまだまだ元気盛りだけれど、ドッグレースの選手としてはもう引退する年齢だ。彼らは優しいお母さんに引き取られて、真新しいサイトハウンド用のカラーと、寒い日にはコートを着せてもらってトコトコ歩いて散歩する。お尻に毛が無いのは、スタート地点のゲートの中で興奮して動きまわり沢山擦れたせいで、元レーサーの犬にはよくあることだそうだ。(2019/12追記)これまではこのように考えられていましたが、最新の調べによると遺伝的要因による毛根の変異でこのような脱毛が起こるそうです。

 ドッグレースの犬達は「スワレ」を教わらない。それは体が出来上がる頃から走る練習を重ねに重ねて出来た大腿部の筋肉が、座る格好をする時不都合なためだそうだ。レースを引退した今も、二頭は一切座ることなく、しかして日々を楽しく過ごしているようだ。では寝る時はどうするのか?オーナーによれば、大きなふかふかのドッグベッドの傍まで行って、すこしかがんでから、ぱったーんと身を投げ出す感じで横になるのだという。このオーナー愛犬を引き取る時に、便利な「スワレ」を教える事を検討したそうだけど、座らなくても犬の生活が意外と問題なくまわっていくことを発見して以来、無理に色々やらせなくても・・・そのままの自然体で、の~んびりたのしくやれればいっか!と考えたそうだ。

 二頭が働いていたアメリカはフロリダ州にある、米国でほぼ唯一今でも活気あるドッグレース場はもしかすると近いうちに閉鎖になるかもしれないそうだ。ドッグレースは非人道的に見えて今までにも動物愛護団体の非難の的だったけれど、先進諸国において、古代から続いた「狩猟の手伝い」という仕事をほぼ失ったグレイハウンドにとってのそれは、残された数少ない、実益を生み出す仕事の一つであったことは確かだと思う。この犬種の生み出された目的は「より早く走る事」であり、それに伴ったレース競技という基本的なタスクが無くなれば、この犬種にとってもっとも重要な、改良の方向性が失われはしないだろうか。それは巡り巡って、この犬種にとって本当にいい事なのだろうか。




2014年12月24日水曜日

Merry Christmas!



 メリークリスマス!日本は今日がそうですが、こちらは只今24日「イブ」であります。

 今年は子犬探しの件で知り合った人が多かったので、彼らの愛犬達へオモチャ類や、ちょっといいオヤツなどを包んでギフトにした。人間同士だとどことなく気恥ずかしい(少なくとも自分にとっては)贈り物を送る習慣も、「犬のため」と言った瞬間グンと気楽になるので、これは結構優れた言い訳かもしれない事に気付いた。写真は小さいシカ君。←トナカイかも・・・




2014年12月14日日曜日

UMA



 またまた用もないのに、近所のドッグランへ来ている。ベンチに座ってアイパッドで調べものをしていたら、なんだか分からない生物が愛想を振りまきにきた。鼻が濡れている所と、ベロがぴらぴらしている所を見ると、もしかしたら犬なのかと思うけれど、二足歩行しているし、耳も見当たらないのでやっぱり何か、宇宙的新生物の可能性が高い。




2014年12月9日火曜日

ジェントルリーダー



 バイト先の飼料店に子犬が遊びに来た。何にでも興味を示すラブラドール・レトリーバー、まだ3ヶ月ちょっと。この子犬は、いくつか写真を撮らせてもらったけれど、殆どひとつもピントが合わなかった。写真が撮れないという事は、その子がいきいき動き回って世界を楽しんでいるということだから、いい事なのかもしれない。

 ラブラドール・レトリーバーという犬種がすごいなーといつも思うのは、頭の良し悪し云々という話の前に、「人間に褒められる事」が本当に大好きな犬が、すごく多いところだ。例えばこの子犬も、こんなに小さいのに、出された号令に従ってたったひとつ習得している「スワレ」を大喜びでやっていた(写真上)。子犬のわりにすごくシリアスな目をしている所を見ると、この犬も、「コマンド→実行→褒められる」ことを、なにかとても重要なこととして捉えているのが伝わってくる。




 この犬の飼い主は獣医師で、ジェントルリーダー(写真に写っている、ブルーのヘッドカラー)をしょっちゅうおススメしてくる。自分のまわりに限っていえば、この道具の良し悪しについては非常に意見が分かれている。否定的な人からよく聞く意見は、かわいそうだし、ジェントルリーダーをマズル(危険な犬に付ける口輪)と勘違いする人が未だに一定数存在するため、使用する犬の社会化に支障をきたすという考え。ジェントルリーダー=マズル=危険な犬と勘違いしている人は、それを着用している犬とすれ違う時ほとんど無意識のうちにさっと避けたり、犬がいる場合はリードを戒め、自分の犬を手前に引き寄せようとする。引き寄せられた側の犬は、リードがピンと張った状態から緊張状態に陥ったりして、いつもと違った心理状態になる。結果、リラックスした学習のチャンスが損なわれるという。なんとなく一理ある気がするけれど、ジェントルリーダーをマズルと勘違いする人なんて、今時いるのかな?と思うこともある。

 個人的には、きちんと使い方を心得ているオーナーが散歩に際して既に間違った行動様式を身に付けている犬をこまめに矯正しながら歩く時には、非常に有用な道具になり得ると思う。リードやハーネス、カラー類への考え方やセオリーは十人十色なので、いつもすごく興味深い。




2014年12月4日木曜日

生食餌の注意点



 犬に与える生食餌が大ブームになっている。アルバイト先の飼料店はもとより、最近はどこのペットグッズショップでも、こちらのふつうの量販店(セイユーや、ダイエーみたいな)ですら、冷凍庫や冷蔵庫を備え、肉と野菜・果物のミンチを大きなソーセージ様のチューブに詰められた生食餌が積み上げられているという状態だ。バイト中聞く顧客の声や、インターネットを見てみれば、どこもかしこも生食餌礼賛の声で溢れている。

 管理人は、日本に居た頃から、知り合いの猟師さんが手に入ったシカやイノシシの肉を骨ごと飼い犬(主に猟犬達)に与えるのを見ていたので、このような給餌スタイルに対してとりたてて真新しさは感じない。けれどいざそれを自分の犬にやってみようとすると、生食餌をやることに漠然と良い印象を抱く以外に、具体的にどのようなことに注意するべきなのかを、今まであまり考えることなく来てしまったと感じる。今日はこれらの餌に関してアメリカの獣医師の出しているコメントを調べ、それをもとにして気を付けるべき点数項目をまとめた。


 生食餌をやる場合、考えられる注意点


・ 栄養バランスを完全にすることが難しい。自家製生食餌の場合に特に不足がちとされるのはカルシウムと、それに対して正しい割合のリン。また市販の餌でも、銘柄によってはビタミンA過剰摂取の危険があるものがあるという。というのも、生食餌の重要な原料として内臓肉が挙げられるが、中でも特に大きな比率を占める肝臓は、ビタミンAを多く含んでいるため。

・ かなり高額になりうる。アメリカの場合、約15キロの犬に対して市販の最高品質のドライフードを与えると、一日あたりの食費がおよそ100円ほどになるが、同等分を生食餌に置換すると、チキンベースで250円、他の肉ベースならば500円近くまで上昇する。「愛犬のゴハンに、お金を惜しむなんて!!!」と考える人ももちろんたくさんいると思うけれど、将来的に50キロ、もしかすると60キロ代になるかもしれない大型犬の飼い主からすると、「犬の食費をいかに常識的な域におさめるか」というのは、重要な課題なのだ(きっと大型犬オーナーの方は頷いてくれると思う)。例えば我が家の場合、予定している子犬のブリーダーに伺ったところによると、子犬のオス親は体重約55キログラムで、現在生食餌を一日にだいたい1.4キロ消費するという。これは、比較的安価な生食餌だけを使用したとしても、一生涯分の犬の食餌費用で愛車(ボルボ)をツルピカ新品でもう一台買える計算になる。また安価な生食餌を与えるということは、=比較的高価なボア(野猪)、ヴェ二ソン(鹿)などの良質な赤身肉は材料リストから外れ、ほとんどチキン一択のような状態になるということでもある。大型犬の飼い主が生食餌を与える事を本気で検討するならば、地元の猟友会と個人契約するくらいの意気込みでなければ大変だろう(それも彼らの人件費を考慮すると必ずしも割安になるとは限らない)。犬の生涯を通して飼い主の経済状況に思わぬ変化がある事もあるかもしれないし、犬の健康上の理由などから、途中で生食餌から缶やドライフードに移行しなくてはいけなくなった時に犬がストレスを感じる可能性が考えられる事も注意点だと思う。

・ 感染症の危険。2004年のFDA(アメリカ食品医薬品局)の報告では、一般的に売られている生食餌のおよそ7.1%からサルモネラ菌の一種が、また使用される生肉の59.6%から大腸菌の一種が検出されたとしている。これらは犬に対して害がある可能性だけでなく、それらを準備する側の飼い主のリスクにもつながる。サルモネラは比較的ありふれた菌だけれど、パピーやシニア犬、また人間の幼児や高齢者の間でも重症化することがあり、毎年死者も出ている。このようなメンバーが居る家庭では注意が必要だ。(因みに大腸菌は低品質の缶フードからもしばしば検出される)。またレアなケースとして、日本では報告されていないけれども、Neorickettsia helminthoecaという病原体をもったリケッチアの一種に感染したサケ科の魚を犬が生食することで「サケ中毒」と呼ばれる状態に陥り、適切な治療を行わなければ死に至ることが知られている。生食餌をふだん売っている側からすれば、非常に厳しい滅菌プロトコルを実行している会社もあることは分かっているので、そういう所を積極的に利用したい。

・ 全ての犬に対して優良な餌ではない。生食餌だけでなく、「高タンパク」を謳うほかの餌にも共通する問題として、これらの餌は肝疾患、腎疾患を患っている犬にとっては消化の負担が大きい餌だということが挙げられる。獣医師によると、膵臓疾患や癌の治療中の犬にも与えるべきではないとの事。既述のバクテリア感染症の問題で、免疫系が完全ではない子犬や老犬も避けた方が無難である。また子犬の場合特に、日々の餌から正しい分量のミネラル分を摂取できるかどうかはクリティカルな問題なので、最初に上げたようにカルシウムが不足する可能性のある生食餌の使用は注意を要する。


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 これらを知ったうえで、犬のオーナーが心がけられる事を考えてみた。;

①生食餌と同時にドライフード、缶フードなども食生活に取り入れるか、うまいぐあいにミックスして、併用する。ふだんから、犬の体質に合った中で出来る限り様々な形態や味の餌を与え、犬が食餌のバラエティに順応できるようにしておく。

②リストに載っている餌の源料、製法を調べる。もし分からないことがあった場合、製品のウェブページをよく読み、それでも分からないことがあれば、会社に直接問い合わせる。きちんとした回答が得られない会社は除外する。

③生のままの肉や骨や魚が手には行った時は、そのままやらず、いったん凍らせてから解凍して与える。(ただし、サルモネラ菌は駆逐できない事があるので注意する。因みに魚は鋭利なパーツがあるものも多いので下処理は念入りにする)。

④定期的に獣医師の検診へ行き、健康面に問題はないか、不足している栄養素がないかアドバイスを受ける。

だと思う。生食餌はまだまだ黎明期にあり、メリット面においても、デメリット面においても、これから色々分かってくる可能性がある。管理人の場合は愛犬家である前に、自然愛好家でもあるので、「犬のQOL向上のため」と称して、製造、輸送、陳列のどのステージにおいても過剰にコストのかかる生食餌を与えることは、エコロジカルだとは言いがたい面があるような気もしている。

 今日の扉写真は犬とは関係ないけれど、自宅で飼っているロボロフスキー・ハムスター用に用意している餌。自然下での食生活を考慮しながら市販のハムスター用ペレット等は一切やらずに飼っているんですが(ハムスターにとってははた迷惑)、1年目を過ぎ、体重、毛艶、健康状態、活性、どれもすこぶる良好。犬にとってはほとんど必要のない穀類も、ハムスターの世界ではなくてはならない重要な食べ物になる。犬やハムスターにかぎらず、その動物が、自然界でそもそもどういうものを食べ、どんな暮らしをしていたのか?と考えることは、生食餌をやるか、やらないかとかという事とは別に、考えると楽しい話題だと思う。




2014年11月30日日曜日

群像



 ちょっと時間があったのでコーヒーをいれて魔法瓶に詰め、近所のドッグパーク(ドッグラン)へ。これはその公園の柵の外側に配置されたベンチのひとつ(「観客席」と呼んでいる)からの眺め。ここに座って子犬のトレーニングの本等読みながら犬達と人々の喧騒を聞き、たまに挨拶にくる犬の相手をしていると、30分くらいならあっという間に過ぎてしまう。

 ここでの自分は、他者から見たら実にあやしい人間だと思う。ここに足を伸ばしだしたのは「また犬を飼おうかな」とぼんやり思い始めた頃だから、もう二年ちかくも「手ぶらでときどきランに現れては、他人の犬をじろじろ見て、にやにやするだけのあやしいアジア人」として生きてきたことになる。中には「もう欲しい犬はみつかったかい」と声をかけてくれる人もいたりして、既に顔見知りになっている人もいるけれど、基本的にはここにいる犬とも、人とも、一期一会の関係だ。「社会」という巨大な群れに属するニンゲンの一個体としては、こうした一期一会は重要な社会化のチャンスで、とても好ましいものだけど、「家族」という厳格な小グループを基礎にして生活しているらしきイヌという動物にとっての、こういう場所での一期一会とは、一体どのような意味合いをもつんだろう。

 とか、いろいろインスピレーションをくれる、この場所を結構気に入っている。