2026年2月16日月曜日

パラ活の現在


 例のおしりに出来た腫瘍の関係で、腫瘍専門のお医者さん・外科専門のお医者さんの立ち合いのもと、CTを使った腫瘍の具体的なイメージングと転移の有無を調べ、より詳細な現状の把握と、手術が可能かのアセスメントを行うことになった犬ですが、検査までの2週間弱の間だけでも、腫瘍をこれ以上大きくしないために何かできないかと考えました。ほんとに付け焼刃もいいとこなのですが、何かすることで自分の気がまぎれると思いました。それで、週に1回の「パラ活」を基本毎日にし、もともとのレシピ(パラダイム+タンパク質+オイルのみ)に沿ったやり方で与えることにしました。

 パラダイムってなにかな?という方は以前、私がパラダイムをあげはじめた時の記録を見て頂けるとわかりやすいかと思うのですが、簡単に言うとアメリカで売っているわんちゃん向けの低糖質グリーンフードミックスです。日本でも楽天などから手に入るようですが、コディが好きな「グリーンスーパーフード・プレミックス」は肉由来成分(いわゆる鶏ガラや牛骨からの抽出物)がネックになって、現在は国内では入手が困難なようです。←こう言われると再現レシピを研究してみたくなります。


 ベースのお肉類は経済的かつ、肝臓や腎臓にあまり負担をかけない・脂っこくないたんぱく源として「卵白」「鶏肉」などを中心にすることにしました。卵白はコストコなどでパックに入っているのをもともと自分の筋肉維持のために買っていましたが、非常に単価が安いです。あとは、お魚とかお肉とかその時々で入手できるものを適宜のせてやることにしました。

 2~3日に1回スロークッカーで丸鶏やら、ガラ+ももやなんかをゆでる生活が始まりましたが、これが慣れると意外と便利なのに気が付きました。一緒にスープもとれるし(シイタケ🍄も入ってるのでおいしい)、子供と喋りながら作った鶏のほぐし身で自分達の夕食もついでに作ったりして、なんで自分はトリをゆでる生活にもっと早くにコミットしなかったのかと思いました。丸鶏は経済ですし、プラスチックの汚染も比較的少ないでしょうし、利点が沢山あるなあと感じます。

 また、骨からとったくず肉と、一緒に煮出した後のシイタケ、煮汁の一部をフードプロセッサの「ピュレ」サイクル等でクリーム状になるまで攪拌して写真のような状態にし↑、冷蔵庫へ入れておくと、煮汁に含まれるゼラチンの力で勝手に固まってムースというか『犬缶の中身』みたいな存在が作れると分かりました。もしかしたらお料理が得意な方の間では周知のレシピなのかもしれないですが……「犬缶(みたいなもの)がウチで作れた」ということにちょっと有頂天になってしまいました。風味が良いので、薬やサプリメントを包んで餌の上にトッピングするのにちょうど良いです。

ごはん、く~ださいな! ずっと張り込んで待っている犬
ご想像の通り パラダイム100%になってからずっとバク食いです


 子供の日本語の家庭学習も5年生の準備に入りました。
 勉強は高学年になった去年の4月からいろいろやることが増えてしまったので、写真のようにガントチャート的な形式でまとめて各単元のだいたいの進行を網羅できるようにしてきました。作るのは面倒ですが、一度作れば年間を通して今週・来週でやる内容が一覧で目視できるのはよかった。今5年生バーションを作っています。5年生、6年生の学習は漢字も難しくなっているので「算・理は出来る範囲で先へ」「国・社は音読と書字をメインに定着まで繰り返す」の作戦でいこうと思っています。

 家での勉強なので、提出期限や発表の機会がなく、そういった練習を積めないのは良くないなあと思います。一方で、単元を急いで済ませて先へ進んだり、点を取るためにとにかく丸おぼえというプレッシャーがないのは、のんき者の我ら親子には合っていると思います。あと、これまでの家庭学習を通して自分の子供の各教科の成績も含め、ものの見方、理解の仕方、苦手なこと、間違うパターンなどほぼ全てを把握できたことは、自分の子供に対する人物理解を圧倒的に深めてくれました。多分今後の人間関係にも生かせるのではないかなと思います。


 雪の表面が固まって、その上でおもしろおかしいひとたちが遊んでる。
 ふたりともこの宇宙に二度と来ない一瞬を生きている。
 この一瞬をなるたけ楽しくしたい。わしゃ、頑張るよ。

 子供のおかげで犬のことだけで頭いっぱいにならないし、犬のおかげで子供のことだけで頭いっぱいになりません。ひとつの事をぐっと探求するのが好きな方ですが、この2匹のせいで、物理的にできません。たくさんの時間をムダにしてきたのかも知れません。でもそんな自分の過ごしてきた時間も結構、よかったんじゃないか?と思い始めました。生活の中にほかの生命体が存在することで、自分のことで頭いっぱいに一切ならない・なれなかったことは『良いことだった』という、何か本能的な手ごたえのようなものを感じています。

2026年2月13日金曜日

腫瘍専門医へ


 前回コディの肛門嚢線がん(Anal Sac Adenocarcinoma)が分かったことで、北バージニアで一番設備の整った腫瘍専門外来としてフェアファックス郡にあるVCA SouthPaws Veterinary Specialists & Emergency を紹介してもらい、全データを持って受診してきました。聞いてきた通りすごく大きな獣医科医院で、偶然にもコディが訪問のリクエストを受けたことのある(人間の)医療センターと同じ区画内にある病院でした。

 診察では、肛門嚢線癌はシニア犬ではそれほど珍しくなく、大体7~8割は悪性で何もしなければだいたい4カ月から半年程度で犬は亡くなるでしょう、と言われました。対処法としては、高齢ということを考慮して緩和ケアのみでいくか、治療する場合は可能ならば手術を、それと並行して必要に応じて化学療法、分子標的薬(パラディア)、化学療法+投薬を組み合わせたものと状況に応じて選べると詳しく説明を受けました。

 話を聞いて、まずは一旦「どのくらい悪くなっているのか」調べる必要があると分かりました。前回書いた通り、肛門嚢線がんでは腫瘍のサイズが比較的小さいうちからリンパ節や肺などへの転移を起こすため、例えば「手術しようと思ってお腹を切ったけど、既に色んな所にがんが散らばっていて、あまり出来る事がなかった」というような流れは避けたいと思いました。翌週に改めて検査の予約をとって腫瘍専門のお医者さん・外科専門のお医者さんの立ち合いのもと、CTを使った腫瘍の具体的なイメージングと転移の有無を調べ、より詳細な現状の把握と、手術が可能かのアセスメントを行ってもらうことにしました。

かえろー かえろー かえろー かえろー かえろー
私の帰り支度を見るや否や、急に目に光が戻りシャキシャキと出口に向かう犬。

 私達の課題は、採血が出来ない問題でふれた通り、七歳を過ぎた頃からコディが侵襲的な治療の一切を拒絶するようになったことです。そのため頻繁・定期的な検査や採血などごとに鎮静をかけることになります。今回の診察でも、先生が検査室から出てきて笑いながら「全身どこでも触れて良い子なんだけど、肛門の触診だけは頑として絶対にさせてくれなかった」と言われました。家でオシリに触ったり、手袋して指をちょっと入れる練習はしており、コディも大丈夫なはずなのに、病院ではこうです。おじじ、もうちょっと頑張ってくれ!と思います(病院では家と違って悪さしても叱られないから、わざとやっているのだと思います)。

おトイレにあったこのささやかな「ひっかけるところ」…これがありがたかった
子犬の時からずっと使っているこのヒモ、犬の大きさに対してあまりに不釣り合いだとこの写真を見て気付きました

 

 今回の受診の前にも「事前さんぽ」をしました。
 コディの病気が分かってからこちら、ずっと考えこむ時間が続いていたので自分にとってもよい気分転換になりました。事前さんぽはセラピードッグの訪問の際もいつも気を付けていたことで、目的地に最低でも15~30分前に到着し、建物の周囲や可能であればエントランス内などを好きなだけ点検させてやる時間です。これは毎回通っている、かかりつけの獣医さんの時も毎回欠かさず行ってきました。こうすることで犬も緊張がほぐれると感じます。かっこよく言うとストレスマネジメントというやつですね。

 初めてこんなに大きな病院に来たので、病院の前でコディとふたりで記念写真を撮ろうとしました。が、ふとみるとこんな真冬に、外にあるベンチで、顔を真っ赤にして泣き崩れているひとがいました。ここは自分の犬をなくすか、なくさないかの運命の瀬戸際の人が来るところだったと、いきなり現実を叩きつけられたように感じました。自分達のことしか考えていなかったと恥ずかしく思いました。同時に、自分達自身もその瀬戸際に立たされているんだという事を、痛い程実感しました。

2026年2月9日月曜日

グッドエンディングに向けて


 1月に話していた全身の健康診断を受けてきたうちの犬ですが、その結果、右の肛門腺に肛門嚢腺がん(Anal Sac Adenocarcinoma)がみつかりました。全体としては悪性度が高いものが8割くらいの、サイズに関わらず、リンパ節にすぐ転移したり浸潤を起こしやすい種類のがんだということでした。基本的に治る事はないそうです。かかりつけ医の勧めを受けて、いったん外科医の訪院がある二週間後に手術の予約を入れました。その間に腫瘍学専門の獣医科医院に予約をとり、ここから先の取り組みについて詳しく話を聞くことになりました。

 血液検査の結果は例の肝臓の数値以外はすべて正常でした。がんが住み着いているだけで、まだあまり体の機能を破壊していないということだと理解しました。今後の麻酔や投薬などがあってもがんばれそうです。しかし、7歳すぎから50項目以上に分かれた詳細なブラッドパネルをしてきましたが、よく考えてみたら血液検査だけでは犬の早期のがんは拾えないですね。なんで今までこのことに思い至らなかったのだろう。

 最善を期するなら、定期的なCTやソノグラフに投資するしかないんだな。それでも、年間行える回数には限度があるでしょうし、なんでも人より時計の進みが早い動物です。調べたところ、ごく初期のがんや、転移も「微小転移」の段階では、CTでも写らないと知りました(がんのタイプによっては大きくなる前に転移が始まることも知りました)。早期発見には運の要素が大きく関わるなと思いました。今までこういうことは全部お医者さんまかせであまり調べてきませんでしたが、また、「自分で調べて自分で対策」は基本だったな、と思い出させられました。それに、調べても実際やっただろうか。犬のがん難しいな。

おーーーい コディーーー

 コディ君お前さん、どうやら死ぬらしいぞ。
 前、話した20歳まで生きてみる計画、忘れちゃったの。

 でもまあ、心配しなくていいからね。生き物はみないずれは死ぬんだから。
 まだまだいいことはたくさんあるから、時間はあるんだからお楽しみにね。
 たまには我慢しないといけない事もあるだろうが、そういう時はがんばれ。

 診断をうけとった日の夜、改めてコディを呼び、大きなさんかく耳に向かって、その先の脳みそによく沁み込むようにこれらをよくよく、言って聞かせました。コディは真剣に話しかけてもらえて興奮し、私のズボンに石頭をこすりつけて喜んでいました。これから1000日先なのか、500日先なのか、300日なのか、もっともっとずっと短いのか分かりませんが、別れの時は確実に来るんだと思い知らされた私は、自分の寝床に行ってドアを閉め、布団をかぶって泣きました。心のどこかでコディは超・超・長生きして、いつまでも、いつまでも、一緒に遊んでいられるような気がしていたからです。

はーい! ぼくはここよー

 このあいだの雪には手こずっていましたが、まだまだ活発に駆け回るし日々のトレーニングにも反応よく、筋肉もちゃんとあるし「この大きさの犬の11歳としてはむしろ元気」とお医者さんにも言われた犬っち。

 犬を飼うことは、犬を学ぶこと、犬のいる人生から学び続けることだと思いますが、私の教科書は私の知らない間に、勝手に新しい章に突入していました。本当をいうともうこのあたりで読むのをやめたい気持ちもある。すばらしい犬の伝記だったと、楽しいことばかりの一生だったと、この最後の章は残して、本棚に戻せたらどれほどよかったかな。

 ここからは、考えをつくして、できるだけ楽しい旅路にしていくのが自分の役割なんだと思いました。たとえ暗闇へと向かう旅でも、コディが安心してついて来られるように、明るい背中の飼い主として行こう。少しの変化で慌てたりめそめそしたりせず、最後まで立派な飼い主をやるんだ、勤めを果たすんだと思いました。



2026年2月1日日曜日

0にする人

屋内だョ!全員開花(写真外にも大量にある)

 家計簿を確認していて大変なことに気が付きました。

 去年一年間、うちで育ててる観葉植物関連でのトータルの出費が0円になり、複利(※手持ちの草が生み出す子株)だけで楽しんでいる、趣味として『完全自走状態』を達成していたことに気付きました。ちかごろはやりのFIRE状態です!シュミだからHobby Independence, Retire Early、名付けてハイヤーかな。いえいえ、私はリタイアなしのただのハイで満足です。

 植物に関しては人並みに欲求もあり、「あの品種ほしいな」「こんな鉢ほしいな」「こんな植え方はどうだろうか」「そのためにあんな石コロが欲しい」などと妄想すること多々です。が、手持ちの草がどんどん増えている状況なので、今はこれらの管理だけで十分です。おそらく今年中に今の自分が管理できる限界点に到達するでしょう。無限に沸いてくる子株はそろそろちぎって捨てるフェイズに入っているのかもしれないですが、なかなか捨てることができません。私の弱点です。


 もうひとつ0円になったのが「スナネズミのおやつ代」です(虫が苦手な方、すみません)。近年の物価高のあおりを受けてか、ミルワームもすきなだけ買おうとすると結構高いなあと思うようになっていました。それで、家で野菜くずなんかを利用して繁殖させることにしました。例の雑草ゾーンで草の種とったり、食べられる雑草をむしったりしてせっせと与え、今二世代目がもうすぐサナギになるところまで進んで、幼虫がわきわきしてきて賑やかです。ワーム・インデペンデンス(ワイヤー)になる日が近づいています。

 餌になる生き物としては、最近子供に「スズメガの幼虫も買ってくれ」とせがまれています(スズメガの幼虫も、「ホーンワーム」といってアメリカでは餌用生物のひとつです)。9ヶ月先の11歳の誕生日プレゼントにイモムシを予約する我が子。心配です。今年はアメリカの小学校の最高学年、日本で言えば5年生になる年です。特に女子は急に大人びて性格や趣味に応じてグループができ、メイクアップセットのことや芸能人、Kpop Demon Hunterの話やなんかで盛り上がっているころです。そんな中でカメムシだ、イモムシだ、インコだスナネズミだとしている我が子供。(かといって理科や算数がとりわけできるわけではないのです!)


 子供の教育費用も0円です。

 以前、海外で『日本人』を育てるというブログに書いた通り、わがやは運動の習い事が非常に忙しく、またなにもない日の夜も子供は本でも読んでとっとと早寝しなさい!というお家なので、日本語のオンラインスクールや補習校に子供を行かせることができていません。それで、小さいうちは家で教えられるものは家でやろうという試みを続けて約5年目になりました。

 家の子供は日本の学校ではこの春5年生になる年ですが、国際結婚家庭の子としては少し変わっていて高学年になっても未だに日本語の方が少し上手なようです。正確には、日常会話は英語の方が流暢で、日本語は言葉選びや言い回しで迷うことがある一方、日本語の方が難しい語彙が分かり(『特殊詐欺』とか『水道管の凍結・破断』とか)読む本も日本語の方が難しいものを読んでいる、という状態です。今後中学校にかけて英語のボキャブラリーなどが貧困になるのではないか?と心配しています。今は現地校の英語の成績が悪くないのでそのままにしていますが、学年が上がったら英語の先生を頼んだりした方がいいのかも知れないです。

 しかしこうやってうちで日本語でものを教える試みも、いったいいつまで続けられるのかなぁと最近は思い始めました。私自身が教えやすい言語が日本語であるという都合や、有事の際に日本に移住しても速やかに馴染んでやっていけるようにと(旧共産圏出身の家族の方針です)子供には日本語で勉強させていますが、英語とはほんとにかすりもしない程かけ離れた言語で、2つのことばの間で無理させているなあといつも思います。それに、子供ももっと大きくなれば、「親とお勉強」なんてだるいなと思う時もくるはずです。

 バイリンガルの人間を育てることって、実際にやってみると、家族じゃなければできない程かなりの労力がともないますし、「グローバル人材」とか「国際交流」とかキラキラした文脈で語られ過ぎてるような気がしています。それ以外に道がなくてやっている者からすれば「家庭の事情で仕方なく目指すもの」という位置づけです。


雪がきれいに積もりました 自宅警備員も出動。

 こうやって考えてみると、私は外に出かけていってお金をとってくるような、いわゆる「0を1にする」ような仕事は今はあまりしていませんし、今後またフルタイムで就労したとしても、子供や家のことを抱えながらビシバシやっていく能力も時間的余裕も不足しているのかも知れません(もともと仕事はかなり好きな方でしたが今は子供や家のことをちゃんとやることが自分の最重要課題であるとはっきり感じています)。でも、後方支援で生活の基礎をかためる作業、いわゆる「コストを0にする」労働や「0を0のままにしておく」観察力にかけてはけっこうちゃんとやれちょる、私は結構イケちょるのではないか、と思い始めました。

 0にしておく重要性……未来に起こるわるいことを未然に防ぐ努力……
 これがまた数字に出ないからなかなか重要性に気付かれることがありません。
 交遊関係や職場などでそういう人を見つけたら大切にしようと思いました。