勝手にレビュー・カミカミグッズ編

「しゅべて 僕が けんさしました。 くたびれたなあ。」


 大型犬の若犬と人間の乳児の世話との同時並行と言うと、大道芸的な要領を問われるタスクが多いですが、基本、行動がゆっくりかつ、ザ・シングルタスク人間である自分にはとても難しい局面というのがここまで何度かありました。

 例えば赤ん坊がびーびー泣いているのを何とかしようとがんばっている所に、小包が届いて呼び鈴がピンポーンと鳴り、そこへまだ散歩へ行けてなくてウホウホモードの犬が爆音で吠える→子供さらに大泣き、そして「おーよしよし」とやっている間に準備していた粉ミルクのお湯が出来たタイマーが鳴り・・・止めようと駆け寄る途中で落ちてたコングを踏んでコケそうになる・・・、と、もうどうにも収集がつかないカオスな状況になるわけであります。

 なので、忍者のまきびしみたいな感じでぽいっと投げると、たちまちのうちに犬を大人しくさせる「カミカミグッズ」探求には、余念がありません。我が家にとってこれらは単なる犬の嗜好品というよりかは、生活をうまくまわすための必需品です。今日はここ2カ月あまりの間に利用したものを(独断と偏見に基づき)かってにレビューしたいと思います。尚、グッズ類は全て家の審査員によって一度試食されており、若干お見苦しい状態になっている点、ご了承ください。




 ① 鹿の角。これはちかごろアメリカの自然派ドッグオーナーの間でだんだん需要がのびているもので、最近は日本の「ペットのコジマ」に相当するような量販店ですら、手に入るようになった。犬によって夢中になるものとそうでないものがおり、どちらかと言うと若い犬の方が好きみたいですね。また一本一本形状も大きさも違うので、ある特定の角に異様に執心する犬と言うのもいるらしい。一説によると中の方に特有のフェロモンがあってそれが犬を惹きつけるそうです。家の犬は写真の骨に関しては、だいたい初日に3時間ぐらい集中して遊んで、それで「やりきった」らしくその後は一切遊ばなくなってしまいました。

 鹿の角は齧りかすや汚れが一切出ないのが非常にありがたい一方で、まれに犬の歯が欠けるという報告もあり、特に 4th premolar toothと呼ばれる、犬の口の中でも特に重要な小臼歯がダメになるという主張があるため、飼い主の監督下にある時以外は与えない方が無難かなという気がします。うちは犬が遊んでいる間あまり逐一見張っていられないので、お蔵入りになりそうです。100%オルガニックかつ伝統的なイヌのおもちゃで、コンセプト的にはいい感じだと思うんで、残念です。




 ② 鹿の角・ナイラボーン版。Dura Chewの確か、Antler Alternativeというやつだったと思う。12/23追記:これはナイラボーンではなく、ペットステージ社から出ている類似品の「ディアホーン(製品紹介ページ)」でした。確か角の成分が入ってるんだったか、ヴェ二ソン・フレーバーだったか(急いで買い物したので記憶にない)、とにかく「ナイロンにフレーバー?」「削りかすは飲み込んでも排泄される??」と、自称自然派の自分にとってはネガティブ反射をもよおさせる謳い文句が書かれていたんですが、使ってみたら案外悪くなかった。ナイラボーン自体はロングセラー製品なので、それに付随して安全性も高いはず(ナイロンに香りが付いているというアイデアだけはまだ受け入れにくいんですが)。もちろん、犬の大きさに合ったものを買ってくるのは大前提で、というのも自分の身の回りに限ると犬のオモチャ誤嚥で一番よく聞くのがこのナイラボーンの破片なので。

 使ってみて一番ありがたかったのは床が全く汚れない事。またときおりカスが散らばっても、無機物なので不衛生になりにくく、掃除機でささっと吸い取れること。犬の噛む力と歯の強度をよく考慮して作られているので、本物の鹿の角のように歯の問題のもととなる可能性が低い事。反対に微妙だったのは、やはり犬の方もこれが本当に動物由来の(食べられる)パーツではないことを薄々分かっているらしく、比較的飽きやすい傾向にあると思ったこと、それと噛み口がギザギザになるのでたまに歯茎から出血すること。




    ③    ヒマラヤンドッグチュウ。ヤクとウシのミルクの混合物で出来ているという、自然なおやつ。非常に硬く、〜70パウンドまで用のグレーのパックに入っているものを与えたが、一向に割れる気配もなかった(コディの体重は100パウンド以上)。このチュウの面白いところは、電子レンジで加熱するとパフ状になって二度美味しいのだそうだ。齧っているうちにどんどん小さくなって喉に詰まらせる危険が出てきたらチンしてやると良いと、お店の人に教わった。というかヤクミルクの固形物を電磁波で加熱してみようと思った人、その発想がすごいな。

    このおやつは犬が齧って唾液がつくと、乳製品特有のというか、ちょっと野生的な「いぶしたゴートミルク」みたいな匂いが発生する。それはとりわけ臭い!というほどでもないけれど、ミルク系の匂いが苦手な人(私です)にとっては少々気になった。また意外と細かい屑が散らばるので、特定の場所でおやつを食べるよう犬をしつけている人以外は、後で掃除をしなくてはならない。




    ④    ブリー・スティック。ロウハイドの、より良い代替品として近年ポピュラーになってきつつある棒状のかみかみ。ロウハイドと比べるとより自然な素材で出来ていて、消化もしやすいとされる。その「自然な素材」とは正確には「ブル・ピズル」で、バイト先で内容表示を見た移民系のおばちゃんなどが時々これ、何のこと?と聞いてくる。「雄牛のプライベート・ゾーンです。」と言うとちょっと照れてたりするので、ひとりウケている。

    今まで色々なメーカーの、大小様々なブリースティックを消費してきたけれど、プロセス方法によって品質にばらつきがあるように思う。見た目からは区別が付かないのだけれど、以前、インターネットなどで安価に売られているものを試したら、小さなスティックだったにも関わらずコディが下痢になってしまった。きちんたした会社のものを選んで買った方が良いと思う。ブリースティックはまた、犬が噛んでいるとヌルヌル・ベタベタしてきて特有の臭気が出るのもしばしば嫌がられるが、犬にとっては良い臭いなのだろう。おいしいらしく、うちの犬も一生懸命噛んでいる。もう一つの難点は、消えもの系のカミカミとしてはちょっと高価なこと。うちの犬の大きさに合ったものを買い与えようとすると非常に高く付くので、ちゃんとした製品を安価におろしてくれるメーカーをいつも探している。本来、捨てるはずの部位で作られているので、探せばそういう所はあるような気がする。




    ⑤    スモークされた豚の膝の骨。こちらのペット量販店で購入したもののひとつ。メーカーはデントレーだったと思う。香りもよく、脂っぽく、コディにとってはおいし&たのしかったようだが、細かいゴミが大量に散らばるのには閉口した。たぶん、犬のサイズに対しておやつのサイズが小さすぎたのだと思う。骨も加熱加工されて脆くなっているので、すぐにばりっと割ってしまい、長期的には歯を傷付けたり、間違って飲んでしまうこともありそうだと思った。しかしコディのサイズに合ったものを与えようとすると、脂ぎった牛の拳骨とかになるので、室内で気軽に使うという選択肢からは外した方が良さそうだ。





 長くなってまいりましたので、御口直しに砂漠の蜃気楼の画像でも。あっ、なにか見えるような気がします。よく見るとうちに一瞬存在したような、しなかったようなカミカミグッズの数々に見えなくもありません!どういうわけだか分からないけれど、犬にあげたらも数分~数秒で消え失せた者達です。結論:スターチ系のチュウは大きな犬には役に立たない。ところで、デンタル・チュウにカミカミ要素を期待するなよ、と思われたかもしれませんがオーラルケア的観点からもどれだけ効果があるのか怪しい、という考察も以前書きました。





⑥ Etta Says!というシリーズの、メガ・チュウ、エルク味。パルプ状になった干し肉とロウハイドの混合物を30センチほどのスティック状にのしてあるもの。強度は頑張ればベキッと二等分に出来るくらいなので人間的には硬く感じるが、犬が噛むとこれも一瞬でなくなる儚きおやつ。ヴェニソン系の味が大好きなコディだが反応はイマイチだったので、もしかしたらあまりおいしくないのかも知れない。重複するけれどロウハイドの欠片が入っているので、繊細な犬は注意したほうがよさそう。




 ⑦ スモークされた?ブタのみみ。アメリカ人の言うところの「yackey things」のひとつ。ほかにも牛・豚の足や豚の鼻など、基本的にパーツそのものの形が残っているものがダメという人はとても多い。余談だけれど自分の大好きなしらすやちりめんじゃこも、さるアメリカ人に言わせると「無数の眼が一斉にこちらを見ている気がして」無理なんだそうだ。中国人街で台に並べられたアヒルもキモいそうだ。以前行ったパリのマルシェではお肉屋に豚の頭部がまるまる吊り下げられていたけれど、ああいうのもきっと駄目なのだろう。自分が平素どんなものを食して血肉を得ているかを直視出来ない・したくないという心理は、乖離的であまり良くないな~と思う。

  この豚の耳は、コディ的には「まじゅい」らしく(結局それか!笑)、与えてもずっと床の上に置かれていたりするため使用頻度も減ってきた。また、一度食べ始めるとパリパリと一瞬でなくなってしまうし、ポテチのかすみたいなものが床に散らばる。我が家の場合はあまり役に立っているとは言い難いので、残念だ。これと似たようなのでポーキー・ウエファー(アマゾンのページ)と言う、要はブタの鼻も試したけれど、これもほぼ同じ理由で駄目であった。






⑧ マローボーン。犬用の製品が複数の会社から出されているし、スーパーの冷凍肉コーナーへ行くと「シチューボーン」とか言って、人間用のが二束三文で売られていることもある。上のはプライマルので、生の牛骨を加圧処理してあるので雑菌の心配がない。犬によって食べる所要時間は異なり、うちの犬はこれひとつにつきだいたい15~30分くらいごそごそやっている。知り合いのティーカッププードルは2~3時間かけるそうだ。マロ―ボーンは単なる輪切りされた冷凍生骨なので匂いも殆どなく、床もあまり汚れず、犬にとっても健康的でおいし&楽しいカミカミグッズといえる。

 難点は、大型犬だとすぐ食べ終わる、もしくは中の方まで食べられないで終わること。ほかのおもちゃやおやつと併用する手もあるが、なにしろ他のカミカミに比べて圧倒的に犬の興味をひくので、人間の思惑通り順繰りに遊んでくれる犬は少ないと思う。また、ボーンマロー(骨髄)は脂質なので、お腹の弱い犬や、食べ過ぎた場合は下痢になることがある。

 それから、マローを食べ終わったあとの空っぽの骨で遊ぶのが大好きな犬がいる。咥えて走り回りながら思い切り落として床が傷ついたり、騒音でせっかく昼寝していた赤ん坊が起きたり(怒)するので、気になる人は頃合いを見て取り上げたほうが良いと思う。と、ここまで書いてきたけれども、マローボーンに限らずこのような冷凍系のおやつは、つまるところ大きな庭がある人が、遠くに向かってブン投げておくのに適していると思う。そうすれば掃除は必要ないし、犬はどこかで気ままに楽しんでくれる。




⑨ 最終兵器、ラムのすね。スーパーや肉屋などで、新鮮な子羊の骨付きシャンク肉を買っておく。時間をみつけて水洗いし余分な脂をナイフでトリムし、一本ずつワックスペーパーなどでくるみジップロックバッグに入れて凍らせておく。シャンク部はお肉も結構ついているので、うちの犬の場合これ一本につき1時間~位時間をつぶしてくれる。すね肉の中を一本通っている骨の一端に関節がついているものは、噛んでいるうちに犬が飲み込むことがあるので、頃合いを見て取り上げる(そのためにも自分の犬がこれ1本食べるのにどのくらいかかるのか時間を計っておくと、あとで便利)。難点と言うか、屋内で犬の好きなように食べさせているとおうちがナショナルジオグラフィックのような光景になりかねないので、特定の場所で食べるようにしつけておくべきだと思う。うちでは天気のいい日は前庭か、リビングの特定のマットの上で食べるように教えている。しつけがめんどうな場合はクレートにいらない古布などを厚めに敷いて、その中でやると良いと思う。

 色々書いたけれど、結局のところはこれもマローボーンと同じく、野外でやった方がいろいろと楽だと思われる。最近しばしば思うのは、犬と言うのは、というか大型犬と言うのは、そもそもある程度敷地のある家で飼うのが適している。具体的には3、4エーカー、最低でも2エーカーは欲しい。そうすれば彼らを世話する上での労働の多くは、おのずと解消されるし、それだけスペースがあれば、犬の好きなものをいろいろ設置できる。コディの場合だったら例えば、ヒツジやニワトリのペンや、ふかふかの草が生えたフィールド、きれいな水の湧く池、倒木を組んでアスレチックを作ってやったりしたら、すごく喜ぶかもしれない。嗚呼、我が家にもおおきな庭があったならば。と人生の深い悩みと憂鬱にとらわれたところで、今日のレビューを終わります。




2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    うちは食いつきが良く、”臭わない”というお墨付きで、勧めてもらった「牛の皮」「仔牛のひづめ」の乾燥したものを与えています。前者は確かに臭わないですが、後者は、、、でも、ものすごく長持ちします^^

    理想を追い求めると、確かに今の環境に不満が募りますよね。
    アカ(猟犬)の住んでいるところは、代々そこに住んでいる人ばかりの小さな集落で、ご近所さんの了解のもと、ほぼ放し飼いです。私達と行く散歩以外にも、決まったコースを自分の好きな時にふらっと出かけます。こっそり観察していると、なんとものんびりゆったりと歩いています。1kmほど離れた近所のニューファンドランドもよく遊びに来てましたし。。
    今思えば、環境に適合する一番のトレーニングだったかなぁと。でもまぁ、こんな環境は稀なので、我慢して暮らしている犬達に、迷惑をかけない暮らしをしていきたいものです(^^;)。

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    1. >akaさん、こんにちは。先日のクリスマスツリーの記事、かなり笑ってしまいました^^

      仔牛のひづめですか!!それは何となくおいしそうですね。「長持ち」の誘惑・・・!
      用品店へ行くと蹄類や、野生のラムの角というのもあるんですが、すっかり存在を忘れてました。また使ってみようかな。
      ウシの皮は見たことないですが、それは犬は絶対好きそうですね。こちらではあまり見かけないですが、探してみます。牛皮といえば家は応接間にラグのかわりに敷いているのが一枚あるんですが、コディはそれに恋しちゃってます。スリスリしたりオシッコぴろっと引っ掛けようとするんで、立ち入り禁止になりました(笑)

      >アカ(猟犬)の住んでいるところは(・・・)ほぼ放し飼いです。

      まさに昔の犬の飼い方がそのまま残っている感じでしょうか、すごいですね。日本も私達の祖父母くらいの世代まで地方はそんな感じでしたね。祖父の飼ってたボクサー犬がまさに犬のアカさんみたいな感じでした、なつかしいなあ。
      そうなるともう、半分「地域の犬」になるので社会性と言う面では、現代っこの犬達とは比べものにならないですね。
      アメリカも、日本もそうですが、犬も人間の子供も最近の暮らしは窮屈そうで悩ましいところですよね。

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