2018年6月20日水曜日

もしかしたら、明日かも知れない



 ふた月ほど前の誕生日に、「1日娘なしデー」を自分で申請・自分で手配(笑)していました。子供が生まれてから3年近く、1人だけで朝から晩まで過ごせたことはなかったので、すごく楽しみにしていました。前から行きたかった、地域の生物関係の協会がまとめている両生類の生息状況を調べる会へと行くことができ、ドライブ往復5時間(車の中で大声でチャゲアスを歌いやばい解放感を味わう)、歩きまくり両生類や昆虫の写真を撮りまくり、沼地でジャブジャブして、とても楽しい日曜日を過ごすことができました。結果、気に入っていたボロ靴が、さらにボロく沼の匂いまでも発するようになってしまったので、腹をくくってスポーツ用品店に行きました。その時のことです。

 「練習中」のベストをつけたコディと一緒に靴のコーナーでうろうろしていたら一人のおばあさんがやってきました。犬を撫でてもいいか聞いてくれたので、どうぞどうぞと言ったところ、「大きな犬が大好きなの」と、かがんですごくうれしそうに撫でていかれました。小柄な方だったから、コディのくさい野性的なアロマ溢れる被毛に、顔をうずめんばかりです。普通、こういう所だと、1~2分くらい撫でるとみんな立ち去るものですが、10分以上撫でていて、本当に本当に犬が大好きなのだなあと思いました。

 家に帰ってから急に思ったのですが、あのおばあさん、もしかして何らかの事情で、家で犬を飼えない方だったのかもしれません。何も考えずに犬と暮らしている自分の環境を、考えさせられました。ひとはどんな時に犬を飼うのか……。日々の生活が、あるていど安定していて、今日と同じ一日が、おおむね明日も見込めて、自分と家族の面倒をみたうえで、「さらにだれかの世話をする」余剰分のエネルギーがあるから、はじめて踏み切れることですね。そうやって考えると、ヒトの短い一生の中で、自分の犬をもてるということは本当に得難い、恵まれた出来事です。

 自分だって、いつか犬が飼えなくなる日が来るはずです。もしかしたら、明日かも知れない。そうやって考えると、自分の犬と今、出来ることをすることは大事だと思わされました。ほんとに月並みな言い方なのですが、犬がいるこの一日、一日を大事にすること。もし明日自分になにかあって、コディが知らない誰かにもらわれていったとしても、迷惑をかけずに一生かわいがられて幸せに暮らせる犬にしておくこと。娘にも、犬への指示の出し方を教えていなかったですが、今日から始める事にしました。私の事をリーダーだと信じ、一生懸命ついてくる犬の「頼れるオヤブン」であり続けるためには、自分の健康にも気をつけなきゃなと思いました。

 犬の期待に応えようという、鉄より硬い責任感の芽生えです(遅い?)。そうやって考えると、私の犬は私をより強く人間らしくしているといえるかもしれません。犬がヒトを人間にするって、おかしな話です。そんなことを考えていた日でした。

2018年5月9日水曜日

セラピードッグのテスト




 ひとつ前の記事で書いた通り、アメリカで受けたセラピー犬のテストについて少しメモしておきたいと思います。まず、私と私の犬「コディ」が受けたテストはTherapy Dogs International (TDI)という非営利団体の行う試験です。アメリカには沢山の登録団体がありますが、大まかな印象で言うと、歴史が長く社会的信用度が高いのがTDI、比較的新しく動物介在活動・療法全般に特化したのがデルタソサエティのPet Pertners Program(PP)というイメージがあります。

 シェパード・ピープルは伝統的にTDIを受ける人が多いようですが、それは1976年にTDIが最初の動物介在訪問を始めたとき、オリジナルのメンバー全員がジャーマンシェパードを使っていたことと関係あるのかも知れません(協会のマークもGSDです)。TDIテストの観点(PDF)と、PPテストの観点(PDF/p59-p85)に、それぞれの細かいルールなどが載っているので、ご興味のある方は、読まれてみて下さい。私はPPのことはあまり詳しくないので、ここから先はTDIにのみ焦点を絞って書いていきます。


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 TDIのめんどくさい面白いところは、TDIに認定された評価員の所に自分から連絡を取り、出かけて行ってテストを受けねばならないところです。この評価員が近場に住んでいればよいのですが、車で往復四時間しないといけないような所だったり、それが天候不順で前日の夜にキャンセルされたり、テストの日程をたてるのが大変でした。自分達の場合は、メリーランド州シルバースプリングにあるCapital Dog Training Club of Washington, D.C.で行われるテストに、運よく滑り込むことが出来ました。試験の費用は25ドルで、人手がいるテストの割にとても安いと感じました。

 試験場はちょっと暗い感じの倉庫を改造したところにあり、東海岸ではよく見るドッグトレーニングクラブのセッティングです。見知らぬ薄暗い部屋で不安に感じて、クンクン始まる犬もいそうだと思いました。今回の試験に参加した犬は5頭で、コディの他にはマルチーズ系の小さなミックス犬、ランドシーア、すごく育ちがよさそうなゴールデンレトリバー、若いジャーマンシェパード、などがいました。

 テスト内容は基本、CGCAで出された課題に毛が生えたようなものですが、先ず気が付いたことは意外と基本のヒールウォークが出来てない犬が多いことでした。おそらく普通のナイロンリードを普通の首輪(か普通のハーネス)に留めたものでテストするルールで、犬の歩き方に補正が一切きかないせいじゃないかと思います。アメリカ人は楽天的な人も多いので、「できるかわからないけど、とりあえず受けてみよう」とテストを受けるケースもあるのではないかと思いました。

 また、テスト中はおやつなどのご褒美も一切禁止なため、食い物命タイプの犬も、苦戦していました。コディはといえばテスト本編とは関係ない、建物に入る前の「おしっこ」の指示を出したのになかなかトイレすることができず、ヤキモキさせられました。普段と勝手が違うと、こういう細かいことで躓く事もあるという、良い例でした。

 とても大変だなと思ったことは、テスト時間の長さです。全行程で1時間半くらいかかっていました。最初は犬達も元気よくがんばっていましたが、一時間過ぎる頃になると、みんな疲れてきます。そんな時に無慈悲に床の上に出される、油の光る大きなペパロニが何枚も乗ったお皿と、新鮮な水の入ったボウルです。「leave it」がどれくらい効くか調べる課題ですが、犬は腹ペコでハンドラーはグロッキーなので、多くのペアがペースを崩されまくっていました。

 あとで考えたのですが、これはマイルドな心理的負荷のかかった状態で、どのくらい犬がリラックス状態を保てるか、ハンドラーの要求に応えられるかを調べる格好のテストだったと思います。「live it」についてはまた、評価員の方が「病院やホスピスなどの環境下では、床に血痕や、薬品の類が落ちている可能性もあります。lieve it はあなたの犬の命と健康を守る最重要スキルのひとつです。」とコメントしていたのが印象に残りました。


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 疲れると素の性格が出てくるのは人も犬も同じなようで、テストを進めていくうち、犬達にもいろいろな事が起きていました。ジャーマンシェパードの子はすれ違う別の犬にワワワン!と吠えて、落とされてしまいました。ランドシーアの子は格好のセラピー犬候補と思われましたが、車いすの評価員が持っていたクラッカーを、見ていて爽快になるほどムシャムシャと食べてしまい、これも、「さらなる訓練の余地あり」として落とされていました。

 特に印象的だったのはマルチーズmixのペアでした。この犬はテストの中盤当たりから犬がストレスを感じているのが明らかで、ハンドラーの指示にあまり従わなくなっていったのですが、飼い主の人は「やりなさい」と、頻繁に犬を誘導していました。結果、最終テスト前に「あなたの犬は、このような作業をやりたいと思っていないようです」と、評価員にはっきりと指摘されていました。

「テストではこのような状況を『耐える』犬ではなく、このような状況下でもハンドラーの要求を聞く事を楽しみ、人と関わりあう事を享受できる犬をフィルターしています。『耐える』ことは必要ではありません、それはあなたの犬にとって体験する必要のないストレスです。彼らにはセラピーとは別の社会貢献への道があります。」という、非常に納得できる説明が審査員からあり、アメリカの人間の学校などでも感じるこの「がまん」してわざわざ得意じゃない事をする(そして能率をさげる)よりも、無理なくできること・得意なことを生かしてコミュニティを助けていきなさいという、極めてアメリカ的アプローチが、犬にも適用された瞬間だと思いました。

 しかし、私も受けるまでこんなに長く感じるとは思わなかったので、TDIのハンドブックに「テストを受けられる犬の年齢は、ミニマム1歳から」と書かれている理由が分かったような気がしました。犬のトラウマ回避策なのでしょう。実際にセラピーワークを模した題材の中でテストしていくと、普通の犬にとって予想以上にストレスフルなものがあるし、ハンドラーの方も、実地へいけば自分なんかじゃ想像もつかないようなタフな人生の問題と戦っている人々に接することもあるだろうから、犬人ともに心身のスタミナが必要なのだと思いました。とまれ、ここまで残った例のピカピカのゴールデンレトリーバーとコディは、本物の子供を交えて行う最終課題を終え、全ての課題をクリアすることが出来ました。晴れて、テストに通ることが出来たのです。


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 もちろんこのテストに通ったからと言って、明日から「うちの犬はセラピードッグよ!」と吹聴するのは、時期尚早と言えるでしょう。今日はただ、自分の犬にセラピーワークをしていく素地が十分にあるとわかっただけで、ここから本物のセラピードッグとなっていくには、今後も能動的に様々な活動の場を作って、人犬共に経験を積まねばなりません。現時点で、自分がどこまでそういった活動に参加できるのか分からないですが、まずは一回体験できるように、知り合い等にあたってみようと思いました。

 今回のテストを受けて嬉しかったのが、全ての評価が終わった後「今後の練習の参考にするので、不十分だった箇所を教えて欲しい。」と評価員の方に聞きに行ったところ、“you performed nearly perfect./あなた達はほぼ完璧に出来ていました。”と言われた事です。人間のカップルとかでもそうかもしれませんが、犬と飼い主も、普段から常に一緒に過ごしていると完璧とは程遠いところばかりに目がいってしまい、ついつい過小評価しがちです。でもこんな風に見ず知らずのドッグトレーナーの人にそう言ってもらえることで、コディも犬なりにがんばってるんだなと再認識し、感謝することができたので、他人の目は大事だなと思いました。

 それと余談ですが、ここでも訓練系のゴールデンレトリーバーのすばらしさに感銘を受けました。本当に素直で優しくて、トレーニングを愛し、ストレスを許し、人を許し、とにかく海とおひさまの様なハートを持った犬たちです。コディと共に最終試験に進んだ一頭もそんな感じの犬で、あとでオーナーの人に聞いたら、ゴールデンだらけのオビーディエンス・トライアル一家で4頭目のセラピー犬だそうです。レトリーバーを飼ったことがないから分からないですが、家に帰ったらあのやきたてパンみたいなニコニコ顔が4つ並んでるのでしょうか(シェパードは目からビーム出してガン見)。想像するだけで癒しだし、最高に楽しそうです。

 

2018年5月4日金曜日

犬も血で飛ぶ



 ジブリの映画「魔女の宅急便」の中でキキが絵描きのウルスラに、「魔女は血で飛ぶんだって」というシーンが出てきます。子供の頃は何の事を言っているのか、全く意味が分からなかったこの台詞ですが、「血筋」の中に受け継がれる特別な性質だとか、性格傾向というものが確かにあると分かるようになった今では、短いながら言い得て妙だなと思うフレーズのひとつです。


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 娘のための児童書を借りに、バージニア州アナンデールにあるジャパニーズアメリカン・ケアファンドの図書館にお邪魔していた折、たまたまこんな本が目についたので、手にとりました。「盲導犬になれなかったスキッパー」、著者の藤崎順子さんは地元DCの方のようで、本の中にこんな風にきれいな字でサインが入っていました。スキッパーは盲導犬候補の子犬の時にパピーウォーカーの藤崎さん宅に来ましたが、盲導犬の選別に落ちます。しかし、譲渡先の警察犬訓練施設でサーチワークの才を見出され、数奇な運命を経てイタリアの空港で爆発物探知犬として従事、引退後、また藤崎さんのもとへ戻ってくるという、ドラマティックな一生を送った犬でした。

 この本を読んでみて私がただただすごいなあと思ったのは、犬の「血の力」です。特別な目的があり、そのために選別・繁殖を重ねた犬というのは、均一で安定した素質をもっています。盲導犬の例でいえばスキッパーの様に、たとえ犬の事に全く経験のないパピーウォーカーに預けられたとしても、きちんとベーシックなケアとしつけさえ受けることが出来れば、1年後ちゃんと盲導犬の卵として選別テストの場に立つことが出来る。誰が育てても同じような成果物が得られると分かっているから、パピーウォーカーというシステムが成立するんですよね。これはとてもすごいことです。

 セラピードッグ・インターナショナル(TDI)のウェブを見ていても、似たような事でハッとすることが書かれていました。 “A Therapy Dog is born, not made ; セラピードッグは作られるのではない、そう生まれてくる”という一文です。犬のマナーやスキル面は、トレーニングで幾らでも補う事が出来るが、持って生まれた気質を曲げることは難しいし、そうすることは犬の為にも有意義とは言い難いでしょう。




 とまあ、そんなことをだべっているうち、コディのTDIテストの日がやってきてしまいました。話が長くなりそうなので、一旦ここで切ろうと思います。次は(果たして興味がある人がいるか分かりませんが)アメリカのセラピードッグのテストでやったことを、少し書いてみようと思います。コディの、テスト前最後の練習をしてもいいか問い合わせたら、快く迎え入れてくれたメリーランド州ウィートンのWestfield Wheatonモールのマネジメントの皆さん、喋って私のテンションを鎮めてくれた友人E氏、および写真を撮ってくださった兎に角みんなでアメリカ生活のちえぽん氏に、深く感謝いたします。


2018年4月30日月曜日

省エネ花見


 愛犬「コディ」3歳3ヶ月、娘「ちいさいにんげん」2歳6ヶ月の春です。いたずら盛りの人間の子供と脳みそパピーちゃん(体重59キロ)と共に花見をするのをおっくうがっているうちに、あっという間に桜は散り八重桜のシーズンになってしまいました。仕方ないから、また近所の植木屋Merryfield Garden Centerでお茶を濁してます。

 一度しかないコディの犬生を預かっているんだから、暑くなる前にもっと色々な経験をさせてやらねばと思うのですが、なかなかうまくはいきません。でも、ここでストレスを溜めてはダメなんだと、過去2年間のダブル育児を通して学びました。できないことがあって当たり前だと、出来てることにフォーカスすべきだと、「出来てない事は、できてない」と、そんな自分の姿をリアルに見つめてしまうところがある自分にとってはなかなか難しいですが、日々勉強です。
 

 植木屋さんでは、春の草花の入荷が最盛期になっています。猫の手ならぬ見知らぬ東洋人の手も借りたいぐらい忙しいのでしょうか。働かない?と声をかけられました。この植木屋さんといえば、先日話していたセラピードッグ・インターナショナル(TDI)のテストが、正式に来週末になることが決まりました。

鶏糞たべていい?

 相変わらず写真写りがパッとしないコディ君。TDIのテストがんばってくれよ。植木屋での自主練が功を奏すか?!どう考えても練習量が不足してるんで、当たるも八卦当たらぬも八卦みたいな気持ちですね(言葉の用法が違う)。

 テストに出るためにはシャンプーをしたり爪切りをして、きちんとして出かけないとなりません。一度洗うと完全に乾くまでとても時間がかかるので、先週末にシャンプーを済ませましたが、活発なので既にドロドロです。ショーに出したりするわけではないから、おまたの内側の毛はいつもカットしてしまうのですが、今回は胸が一番深く落ち込む部分から鼠径部にかけても、びみょう~に毛先をそろえてみました。飼い主の自己満で誰も気づかない微妙なことだと思いましたが、既に散歩道で二回ほどスタイルを褒めてもらえて、こんな毛先のちょっとした変化が意外と犬の全身の見た目に影響を及ぼすことに驚きました。


 今日のトリは、バージニア州グレート・フォールズの周辺を散策中に出会った、ブルガリアンシェパードです。私の散策するエリアはスラブ系、東欧系移民の二世が多いみたいで、自国から引っ越してきた彼らの親世代が、犬もついでに連れてくるようです。今までにも、ルーマニアンシェパードや、それから遠目にカルパチアンシェパードかなと思われる犬を見た事があります。比較的賑やかなアメリカの郊外の住環境だと飼いにくい犬種だと思われますが、体格が大きく堂々として、山や牧場で一緒に住んでいたらこんなに頼もしい仲間はいないと思わされます。写真の犬も、このあたりから先に進むと立ち上がって吠えるだろうと思われたので、オーナーの方の了承を得て、離れたところから写真を撮りました。

2018年4月29日日曜日

犬種セレクター色々

狭い台所に犬、子供、玩具も人もぎゅう詰め。 箸?もちろんテーブルに直置きさ!!(爆)
広い庭付き一戸建てに住めたらなあ。しかしコディは常に人とくっついてられるので嬉しそう。


 「ちいさいニンゲン」がいたずらばかりしています。少しでも目を離すとぴゅーっと道に出たり池におちてオムツが池の水でタプタプになったりするので、ダッシュで追いかけます。ありとあらゆる事に世話が必要な割に、子本人は人の助けを借りないで自力で行う事に価値を見出していて日々凄い数のエラーを繰り返すので、一日が終わるころには(主に後始末などで)笑えるほどくたくたになっていることが多い。人類史のなかで過去数万年間、10代や20代の若者が集団で行ってきた「子を育てる」という作業を、30代も半ばの、群にも所属してない「中年ハグレ♀」が行おうとする事の意味を日々噛み締めています(苦い)。

 そんななので、子を寝かせた後、PC上で何も考えなくてもできるアクティビティが癒しになっています。いつもは、描画ソフトで絵を描いたりして遊ぶことがおおいですが、今日はそれをする元気もなく、死んだ魚の目をしながら犬種セレクターに条件を入れて、出てきた犬種をただただ眺めるという境地に到達していました。そんな折、犬種セレクターにもいろんな種類があることに気が付きました。感心したりえ~と思うような面白い結果もいろいろ出たので、やったものをメモしておきます。※「正確度」は個人の独断によりです。



犬情報サイト「犬と歩けば」あなたにピッタリな犬種は?

正確度★★★☆☆

ファンシーな情報サイトの一部についてるサービスなので、正確さはあまり期待してなかったけど、目安としてはけっこう参考になる結果がでた。答えに出てくる犬種自体はあまり多くない。幼児がいるという条件をいれると、グレート・ピレニーズやバーニーズ・マウンテン・ドッグ、レトリーバーしかチョイスになくなる。

アイリス あなたにぴったりの犬種は?

正確度★☆☆☆☆

設問が4つしかなかったので、正確度は低いですが、聞いてくる質問がおもしろかった。合ってる犬種に「朝髪型がキマるかどうか」も関わってくるらしい!「車好き」かどうかとか。結果、自分に合う犬種はミニピン一択だそうです(笑)ミニピンは可愛いと思います。

CAIRKweb あなたにピッタリの犬種をみつけよう

正確度★★★☆☆

設問の数は16とまずまずですが、犬の散歩時間の選択肢上限が「毎日1時間ていど」とあった。このセレクターに限らず、他のセレクターでも「散歩の上限が1時間」は散見されるけど、ちょっと少ないなあと思ってしまう。私はおそらく、「子供」が条件に入るためかワイマラナ―、フラットコーテッドレトリバー、ゴールデンレトリバーが出る結果が多かったですが、特にワイマラナ―は散歩1時間では無理なのでは。


④IAMS犬種セレクター・ツール 日本語版 英語版 

正確度★★★★☆

「結果」で選抜された犬種をチェックして、dog breed compare toolという機能で比べられるのは画期的だと思った。英語版は読まずに絵でポチポチ押していけるので、テストがさっさと気楽に受けられる。自分の場合、ハンガリアンクーヴァース、アナトリアンシェパードが入りました(クーヴァースがわりと訓練が入りやすい犬だとは知りませんでした)。また、これの英語版で初めてジャーマンシェパードがチョイスに入ってきましたが、日米における「ファミリードッグ」の概念の違いを感じたような気がして、おもしろかった。(2019/7/20追記):日本語版は久々にアクセスしたら閉鎖してしまったようです…残念。

PURINA Dog Breed Selector

正確度★★★★☆

すこしでも向いてるとおぼしき犬の犬種をこれでもかと沢山列挙してくれるので、アイデアが欲しいときには便利かもしれないです。あと、犬の外見とかでなく、運動量の質問が最初に来る所に好感がもてた。私は、ノルウェイジャンエルクハウンドが選択肢に入りました。そういえば、いつも行くドッグパークにエルクハウンドが数頭いて、最近少し人気が出ている印象があります。でもオーナーの人曰く、敷地内でよく吠えるのと、社会性が育ちにくい、訓練が入りにくいので、「ペット」という感じではないそうです。でも、シバやコリアンジンドーからの比較で言えば、スピッツ系の中ではマイルドで飼いやすい方だと思うのですが。

AKC find a MATCH

正確度★★★☆☆

週にできるトレーニングの量で、最大値が10時間+になってました。一日約2時間くらいかな?楽勝楽勝!幼児がいなければ!!!(笑)でも、何回かやってみましたが、ベルジアンマリノワ、ノバスコシアダックトーリングレトリーバー、スウェディッシュバルフント、フィニッシュスピッツなど、アメリカではともかく、日本では入手しにくい犬ばかりが選択肢にあがりました。

ほかの犬種でも言える事ですが、理想を言えば、自分の家から車で行ける範囲に2、3件ブリーダーがあるような状態がいいと思います。コディの時に色々見て回ってても感じた事ですが、ケンネルが実際に会って話せる距離にあることは非常に助かるし、それに、同エリア内にブリーダーが複数あるほうが競争が生まれるので、犬の質が良くなると思う。一番リスクが高いのは、一度も訪ねることもせずに、遠くに一軒だけあるレア犬種のケンネルとかから犬を送ってもらおうとすることです。このあたりはもうどうしてもそうならざるを得ない理由もあると思いますが、やはりネックだと思うのは人間、実際に会ったこともない人に、生まれた胎の中から一番いい子犬を譲ることは絶対にありえないと思うので、理想を言えば、会って一緒に食事をするくらいのことは出来る距離が良いと思う。

Dogtime.com Dog Breed Selector

正確度★★☆☆☆

犬種という意味ではこのセレクターが一番列挙してきました。ただ、挙げてきた犬の傾向がわりとバラバラで、頼りになるか?と言われたら微妙かな…、、、シュヌードルとかゴルダドールとか、正確には「犬種」ではない候補も入っていたので、とにかく自分の用意できる環境に少しでも掠りそうな犬をたくさんチェックしたい、という人向けでしょうか。というか、ここまでセレクターを沢山やってみて、それぞれが出してくる候補にかなり幅があることが分かりました。こういうのの中から繰り返し出てくる犬種というのが本当に合っている犬、という意味では色々試す事にも意味があると思いました。

Animal Planet Dog Beed Selector

正確度★★★★★!

このあたりで吹っ切れて「子供」を考慮しない解答をしました。ベルジアングローネンダール(99%)、ベルジアンマリノワ、ジャイアントシュナウザー、ベルジアンタービュレンと、私の趣味がこれ以上ない程丸出しの結果に(一点だけ、私はジャイアントシュナウザーよりブラックロシアンテリア派です)。趣味と自分に合った犬種が合致するのはとても幸せな事ですが、それが現実、実現不可能と分かった時の悲しみも半端ではないので悲喜こもごもですね。


 では現実逃避はこのへんにして、就寝しようと思います(死んだ魚の目)。これから犬を飼おうと考える、どなたかの参考になれば幸いです。


2018年4月24日火曜日

犬の友情

友達犬同士の挨拶。手早くスムーズかつリズミカルな犬グルーヴ


 東京でドーベルマンを飼っていた頃は、学生だったのもあり、犬と外出するといえば深夜と早朝のランニングやサイクリングが主なもので、他の犬や飼い主と交流することは殆どありませんでした。それが3年前に今の犬が家族に加わってからというもの、ドッグランに頻繁に通うようになり、「犬にも友情がある」という自分史上、世紀の大発見がありました。

 多頭飼いや、もともと社交的でイヌとどんどん出かけていた人からしたら「なんだ、今さら」というような事かもしれません。でも、子犬の時から自分の犬の目を通して、その犬と犬がどうやって出会い、どうして仲良くなったか。それからどんな事があったのか、その全てのストーリーを網羅する立場になってみたら、個体と個体の間に確かに存在する絆と、原始的な友愛の姿に感動しました。


牧羊犬大行列 コーギーオーナーの女性のコーディネート(フレキシ二丁ぶらさげ)にも見惚れる。



 今日は、一年前に自分達の住むエリアから引っ越してしまった、ボーダーコリーのニックと、コディが再会した日でした。ニックのお母さんが、ずっと車を飛ばして会いに来てくれたのです。コディもニックもそれはそれは喜び、これみよがしに相手の首筋にアゴをのせたり、相手の上に乗っかったり、ドヤ顔で肩に手をかけたり、若いオス同士特有のわざと「ウザい」事を連発して、遊びを始めようとあの手この手でがんばっていました。


ずっと離れていても、ニックの頭蓋骨の味わいは変わらないようです。歯ざわりがいいのか?
ニックのお母さんは、コディの口の中に自分の愛犬の頭がスッポリ入ってる状態が好きで、黄色い声援を飛ばしていた。


飛行機と、走っている車の車輪と、浜辺のさざ波が大好きなニック。
放っておくと足が擦り切れるまで追うので、「さざ波追いかけ用」のクツを持っている。

ニックのお母さんと。
犬は、自分の仲のいい犬の飼い主とも仲良くなる傾向があるように思う

耳どこいった

 楽しい再会はあっという間に過ぎ、すぐまた分かれ分かれになる時が来てしまいました。別れを惜しみながら帰る準備をしていた時、ニックがコディの方に近づいてクンクンクンとにおいをかいだかと思うと、カジュアルな感じにヒョイッと足をあげて、おしっこをかけました。

 過去三年間ほぼ1日1回はドッグパークをひやかしている自分ですが、こんな風に犬が犬にマーキングするのを目の当たりにしたことはなく、とてもびっくりしました。なぜかコディにおしっこをひっかける事を思いついたニックがいじらしく、飼い主どうしまた絶対2匹を遊ばせてやろうねと約束を交わし、パークを後にしました。
 


2018年3月31日土曜日

一歩進んで 一歩下がる




 前回の記事に書いたセラピードッグ(TDI)の試験ですが、当日突然の悪天候により中止となってしまいました。運よく受けられるテストが見つかって喜んだのもつかの間、また新たな試験の機会を窺うことになりました。

 上の写真は、テストにむけてここしばらく自主練していたお店での1枚。この場所はMerrifield Garden Centerと言い、北バージニアエリアに数店舗を構える居心地のいい植木屋さんです。店員さんも優しく、無料で大人にはコーヒー、子供にはポップコーン、犬には水がもらえます。チビは2歳6カ月。いろいろ難しい時期ですが、『ぽここん』がもらえるよと言うと喜んでついてきたので、連れ出しやすかった。一瞬目を離したすきに商品の花をつんでしまったりする子供に注意を傾けながら犬に指示を飛ばすのは非常に難しかったですが、なにもしないよりはきっとマシと考え、習慣的に通いました。


2018年3月14日水曜日

ペットシッター探し




 仕事が短い休みに入ったので、TDI(Therapy Dogs International)のテストをコディともに受けることにしました。最近は時間の都合でクラスにも通えず、自主練ばかりだったので、通るかどうかは分からないですが、いい機会だと思ってチャレンジしてみようと思います。

 私は週末は仕事で終日出てしまうので、団体のウェブページを確認していて丁度休みの土曜日にテストが入っているのを見つけた時は嬉しかったです。しかし、車で往復4時間の場所で、子供を連れての行きかえり、それにテスト中は子の監督ができないことから、ベビーシッターの人に来てもらうことにしました。シッターは、探す段階に加え、実際にシッターをはじめてもらう前にも、人柄や子供との相性を確認するために面会をセットしたりと色々なプロセスがあり、結構大変だなあと思いました。バタバタした中ふと、「そういえば最近、コディのシッター探しもやったな」と既視感を覚えました。2017年の末、仲の良かった義母が突然癌で余命宣告をされ、そしてすぐに亡くなった時に、急きょ一週間ほど犬を預けなければならなくなった時です。

  コディくらいの大きさの犬の預け先選びは大変です。アメリカではこのような時、多くの人が「デイケア」と呼ばれるペットケアサービスの、お泊り(ボーディング)のプランを使います。ほかには、ボーディングケンネルといって、田舎の方で広い敷地に犬舎を建て、中期~長期の預かりサービスを利用する人もいます。我が家の場合、いつも個人で契約していたシッターさんに見てもらっていました。しかしこの時は、今までのシッターさんが丁度国外へ旅行されていて、急遽、新しいシッターを探さなくてはなりませんでした。

 コディは、デイケアや全く知らない人の家に預けられる事が苦手で、そうなると隙あらば外に飛び出そうとするので、もともとの顔見知りや、仲良く遊んでくれる友達犬のいる家庭で預かってもらう事がベストです。私達は、結局、アメリカでRover.comと呼ばれるサービスの提供するオンラインウェブを利用しました。これは、ビッグデータを使って飼い主とシッター(ドッグウォーカー・お泊り)をマッチングする比較的新しいサービスです。ほかにもWAG!というのも最近頭角を表してきてるみたいですね。探してみたら東京にもありました→Pawshake。こういうサービスがもっと盛んになれば、例えば都心のDINX家庭等でも大型犬が飼いやすくなったりするのでしょうか。

 話をRoverにもどします。個人宅でドッグシッターをしている、レビューが良く優しそうな人を数名リストアップしたら、次に実際の家まで面会に行きました。個人契約の面倒な点はここです。例えば自分達の場合、訪問してみたらものすごく家が汚かったり(家が度を越して汚くペットだらけの人は管理能力に問題があるような気がしてNG)、大型犬の欄にマルがついていたのに、実際会ったら「あなたの犬は大きすぎる。家族が怖がっている」と言われて、時間を割いて行ってきた今までの会話や調整してきたことがすべておじゃんになったりと、急いでいる時は正直公共のペットサービスを使う方が便利だな、とも思いました。

 ただ、その甲斐もあって最終的にとてもいいシッターさんにめぐり合うことが出来ました。Iさんはジャーマンシェパードレスキューで長年フォスターをされている人で、シェパードの扱いに慣れており、面会に行ったシッターさんの中で、唯一、コディを上手にハンドリング出来ていたことが決め手となりました。嬉しい事に、Iさんが飼っているメスのジャーマンシェパードとコディの相性もこちらが驚く位良好で、合った瞬間から姉弟のように仲良しになれたのも良かった。あとでわかったのですが、以前書いたウィリーの飼い主さんとこのEさんが旧知の仲だそうで、たまたま二人がシャイロシェパードの話をしている時、「シャイロと言えば近所にすごくおりこうな犬がいてさ。コディアックっていうんだけど」と同時に切り出して、この事が判明したとか(笑)。

 とにもかくにも、こうして犬を預けてみたら、朝から夜まで自分の体力というか、元気が持続するのにビックリしました。考えてみたら、一日2回の散歩(子供おんぶ・ドッグパーク)なし。一日2回の掃除機掛けなし。犬のエサ準備、水替えの手間なし。家も一度掃除すると2、3日は綺麗なまま、毛が舞うストレスもなし。それ以外の時も、隙あらばなにしてんの~とあの怪鳥みたいな目で凝視されるプレッシャー(?)もなしと、ないない尽くしで、犬がいない生活ってこうだったっけと、目からうろこがおちました。コディは手のかからない犬だけれど、それでも犬にまつわる労働がかなりあったことが、改めて分かりました。

 話が脱線してしまいました。TDIテストですが、先にも書きましたが、全くどうなるか不明です。シッター探しの苦労、シッター代、検定料、往復四時間のガス代が無駄にならないよう、精一杯頑張って来たいと思います。

2018年1月30日火曜日

ぼうし事件/体罰訓練

新しい車に自力で乗れない弱虫だと分かり、特訓中


 今朝、強風のドッグランで遊ばせていたところ(寒かった!)、かなり強い突風が来て、かぶっていた薄手の野球帽が、あっという間に20メートルほど向こうへ行ってしまいました。「あッ!」と声を出したところ、コディが駆け寄ってきたので、思わず「コディ君帽子取って!」と言った所、ぴゃ~っと走って行って拾い、私の手の上に持ってきて置いてくれるという出来事がありました。今まで、こんな口語口調でなにかさせようとしたこともなければ、帽子を「トッテコイ」させたことなどもなかったので、単語単語でというよりは全体の雰囲気で内容を把握したのでしょうが、一度で言われた事がすぐ分かった事にとても感心しました。本当に、あまりにもタイミング良く現れて助けてくれたので、まわりのドッグオーナー一同から拍手が起こっていた(笑)。


 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組で「ワンチャンスペシャル」が組まれていたので視聴しました。ふわふわした可愛いネーミングに反して内容が濃くて見応えがあった。フォーカスされていたのは著名なトリマーの方、悪性腫瘍専門の獣医さん、噛む犬の訓練士さん。訓練士は、北栃木愛犬警察犬訓練所の中村さんという方が取材されていました。所謂体罰込みの独特の訓練スタイルをされてるみたいで、かなり賛否両論ありそうですが、本当に心血を注いで頑張っているんだということは「犬の遊びタイム」でファインダー越しに和犬がゴロゴロ出てくるのを見て感じました。どれも普通に考えたら殺処分になってるような犬ばかりだと思いました。

 私もかつて、日本で知人のケンネルに居候していた時文字通り手の付けようがない、行きつく所まで犬格が荒廃した柴犬の身の回りの世話を手伝ったことがあるので、一般的に言われているドッグトレーニングの方法論がおよそ意味をなさない犬、特に洋犬を「ふつうに」飼い育て「ふつうに」躾けて問題なく暮らしていけてる殆どの愛犬家にとって、想像も出来ない事が和犬で起こりえると学びました。かわいい仔犬を育てていたのに、いつの間にか半野生の猛獣になってしまう感じで(近付くと雄たけびを上げはじめ、飼い主であっても体の毛一本でも触ろうものなら本気で噛みに来ます)、かなりの根気とテクニックを費やさないと直らない犬、というか普通の人は直せないので殺処分されてしまうのですが、そういう犬がときおり出てきます。フィジカルにビシビシやる訓練法に否定的な人は多いと思いますが、一度でもそういう犬を経験すると、正直なところ一定の理解が出来てしまいます。

 自分自身のことを振り返ってみても、私は今は比較的おりこうといえる「コディ」という犬に恵まれていますが、今の犬とほぼ同じやりかたで躾けた先代のドーベルマンはおりこうと言うには程遠い状態でした。ですから、飼い主が用意できる環境はもちろん遺伝や犬との相性、犬に副次的な情報を与える存在(例えば同居の家族。とりわけ子供やお年寄り)によって、訓練環境が劇的に変化してしまうことや、飼い主一人が頑張っていても、犬がおかしくなっていく状況も現実として起こりえるという事は実際に経験しています。テレビに出ていた噛み犬の飼い主さん達も皆頑張ったけどダメで、疲れてしまい、それでも我が子を愛している様子が伝わってきて、たいへん心が痛みました。

 ドッグトレーニングの方法論は星の数ほどありますが、犬が人間社会の生活にきちっと適合出来、正しく人とコミュニケーションがとれ、飼い主さんも納得できて、精神的にも安心させてあげられるのが「良い訓練」の条件ではないかなぁ、と思っています。この3つのバランスのどれかが欠けると、コマは回らないイメージです。だから犬が人間の世界でどうしてもどうしてもうまくいかない場合、物理的な力の行使を辞さないという心構えは理解できます。

 私が、大きな犬の飼い主だからかもしれません。「イヌ本来の性質やQOLはどうなる、ヒトの都合の押し付け、傲慢」と言われれば、そうなのですが、私にとってはそんなことよりも自分の犬が自分や家族や、だれかの生活を危険にさらさない、いつなんどきでも社会秩序を乱さない、そういったことの方がまず重要です。「そうできるよう努力している」とか、言い訳はダメなのです。世の中の人は結果しか見てくれません。この約束をやぶれば愛犬の命はなくなります。凶暴そうな大型犬の愛犬に向けられる社会の目を一度でも経験した事のある者なら分かります。だから、愛犬との全ての楽しみは、上記のような「社会の一員としての義務を果たした」その後にあります。

 NHKのこの放送後一部の愛犬家やトレーナー界隈が騒然としていると知りました。シーザーミランにしても、中村訓練士にしても、武闘派のトレーニングはよく批判され、実際自分だったらやりはしないだろうと思う訓練方法も多いです。しかしプロの訓練士さんが誰かにお金をもらって、飼い主の人生と飼い犬の生命がかかっているプレッシャーの中、何十年も人生の時間と労力を投資して編み出してきた方法論について、一定の敬意を払いながら議論する必要性を感じます。


2017年12月31日日曜日

新しい一年



 新しい一年が始まりました。今、北バージニアでは日中でも気温がゼロ度を割っていて、ー7℃から夜はー20℃くらいまで下がる日もありますが、コディはこの気候が好きなようで、隙あらば外に出てベランダに寝っ転がったり、散策して森の生物の匂いを探したりして過ごしています。この犬は本来は半ソトイヌなのだなあと思う瞬間です。今年もよろしくお願いします。


クラスメイトのみんなと

 去年の末頃にがんばっていた優良家庭犬のトレーニングは、もともと受けていた中級(CGCA)のほか、トレーナーの厚意で上級(CGCU)のテストも受けさせてもらえ、よい結果を残す事が出来ました。コディは生後六か月の時に一度CGCの検定を通っているので、セラピーワークの基礎としては本来はここまで練習を続ける必要はなかったですが、こうして一度覚えたことの復習をしたり、さらに刺激の多い場所で応用的な題材を練習していくのは、犬のメンタル面にいい刺激があると思いました(飼い主の方も夜な夜な家を抜け出す口実が出来てよかった)。


モールで、初めてメリーゴーランドを見た

 メンタルと言えば、今回のトレーニングを通して、犬も心理的に大人になっているんだなぁ、というのを強く感じました。コディは表面的にはソフトで穏やかですが、根は自立していて結構頑固なところもあり、言われたことを自分で再考するので、意外なところで思いもよらない反応を示したり、特殊な状況下ではキューを無視する傾向があります。また、基本的には私の号令がないとエンジンがかからないようです。犬本人の社会生活を安全かつラクにするために「いつでも、誰の言う事でも聞ける犬にする」ということを念頭に練習してきましたが、難しいのかな、と思い始めました。

 トレーナーの人にもらったコメントも、「ソリッド、bombproof、知的、多分どこに出しても大丈夫」と言ってもらえた反面、「この犬は従順で穏やかだというフリをしている」と言われ、やっぱり透けて見えているのかなあと思いました。今回一緒に練習してきた菩薩の様に穏やかで、天使のように優しいセラピー犬候補のクラスメイトの面々と比べると、コディは何だかそういうタイプではないように見え、本当にそういう方面の作業に向いているのかどうか、よく分からなくなってしまいました。

 とりあえず当面は引き続きセラピーの練習を続けながら(年齢が上がるにつれてもっと穏やかになっていくだろうし)、今年からは出来そうなら他のドッグスポーツにもトライしてみようかなあ、そのためには何とかして時間を捻出していかんとダメだなあ、などとつらつら考えた、新しい年の始まりとなりました。


2017年10月31日火曜日

犬トレ記ー2017/11(CGCA)



 犬トレ記(今日は街中)。

 ツケ歩きをしながら、変な床(つるつるの床や地下鉄の通風孔みたいな所)、変な音(大型バイク、雄叫びを上げる若者の群れ)、変な状況(高速エレベーター、全員ツケで密接しながらパック一団になって移動するetc)など、ベースは今までにやってきたこと+刺激のレベルを上げていく、という事をやっていました。なんかこれ最終的にワシントンDC市街でテストとかすることになりそうな気がする。


 
 上の写真は回転扉に犬を通している所です。がんばってるのはサービスドッグ(介助犬)候補生のサムです。インストラクターによると、介助犬やセラピー犬と一緒に回転扉を通るとか、エスカレーターに乗るとかと言った状況は現在では非常に稀で、こういう練習は一見無意味なように見えますが、犬に、特殊な状況下をハンドラーと一緒にクリアできたという自信と、日常世界にあるストレスに対応していける精神力を、練習によって身に付けさせていくこと自体がとてもだいじだということでした。コディと、ハンガリアン・クーヴァースのザックは残念ながら体が大きすぎて回転扉に入れなかったのでこの練習はスキップ(「ビッグボーイズはしなくて良い」とまとめられていた)。

 今日面白いと思った事は、犬が何かいいことをした時に出す合図が皆それぞれ違うんだな、という点です。短く高い声で「YES」とか「GOOD」だけという人もいれば、「Good Boy」と、撫でたりおやつをあげるところまでがセットになっている人もいるし、このクラスのインストラクターが今自分でトレーニングしている犬には、無言で素早く頷く事が、成功の合図だそうです。この犬は聴覚過敏のある自閉症児の介助犬になると聞いて「なるほど~~~」と思いました。ニーズにあわせて、犬のスキルもさまざまなんだなと分かりました。




帰り道。「もっとなんかやろうよ~~」という雰囲気


 ツケ歩き(ヒール・ウォーク)の最中は、他の犬や人に挨拶したり、電柱の匂いを嗅いだり、一切しないきまりです。まさに言うはやすし・行うはきよし。犬は匂いを嗅ぐのが仕事、匂いを嗅ぐことまでやめさせて非道い、と思う人もいるかも知れませんが、犬にとっての「ヒール」は作業で、ON・OFFのスイッチがあります。コディも「OFF」で思う存分匂いを嗅ぐ事が出来る時間もとってるので、バランスが取れているかな。

 しかしながら、犬が「匂いを嗅ぐことを意識的にやめる」という事が可能になると、街中を歩くことがおもしろいくらい楽になることを発見しました。いわゆる散歩の大変さのひとつは、犬自身が「匂いを嗅ぎたい」という衝動をコントロールするのが非常に難しい、という所に端を発してる事も多いんだと、改めて分かりました。コディはこの特定の場所では上手にツケが出来ますが、また新しい場所に行ったら、ツケはガタガタになるでしょう。儚い存在です。

 ツケはまた、うちの犬の場合、年齢とともに少しずつうまくなってきているように思います。コディは(あたりまえですが)電柱の匂いなどが大好きで、ヒール中も一瞬魅かれるのですが、気が逸れ始めた時点でタイミングよく「ヒール」と言い直すと、自分でがんばって鼻先を私の方へ持って来ることが増えてきました(感動)。シェパ―ドはこういう時、比較的ポーカーフェイスなので分かりにくいけど、最近ヒールが出来て褒めるとしっぽを振るようになったので、イヌの方も「難しいこと」が出来るようになってどうも喜んでいるらしい、ということは確かです。



2017年10月19日木曜日

シェパードをアダプトすること


 散歩中、犬好きの人とすれ違って話しかけられ、その人が以前ボランティアをしていたというミネソタのレスキューグループの話になりました。会話の中でその人は、「私は『純血犬のブリーダー』という職業、趣味をサポートしない!不用品として捨てられる犬がこんなにも多くいるのに。」と話していたので、ブリーダーの所から来た犬を飼っている私は若干居心地の悪い思いをしたのですが、実はこういった経験は、今までにも何回かあります。

 アメリカでは「犬をシェルターからもらう」という事がかなり社会に浸透してきていて、本当に様々な取り組みがされています。私がよく読んでいる犬のウェブマガジンでも、こんなふうに「Second Chance Movement」等と銘打って、たとえばこのプロジェクトのページをスクロールしていくと、下の方には愛犬がシェルターから来たことを表明する様々なグッズが販売されていて、売上が保護団体等に寄付されるという仕組みになってたりします。






 なかなかファッショナブルだし、メッセージも、犬好きだったら、思わず「いいな!」となりそうな感じ(自分だったら、グレーのシャツに翼の生えたロゴのやつがいいですね)。けれどもこれは、愛犬をシェルターやレスキューから迎えた人、慈善活動に寄与した人だけが着られる言わば「選ばれた者の服」であり、身寄りのない犬を助けるという行為のブランディングが、非常に上手に出来ていると思います。


 私が犬を飼う時「シェルターから迎える」という選択肢がなかったのは、長い長い(ほとんど2年に及ぶ)選考の結果、自分の用意できる環境に合ったシェパードを飼おうと考えていた私にとって、また、これから乳幼児が家族に加わるという状況を踏まえて、「シェルターはシェパード(系の犬)をもらってくる場所として最適ではない」と、熟考に熟考を重ね、判断したためです。


たまたま通りかかった、地域の里親会にて。
写真のこの方はとても上手に子犬をハンドリングしていた。


 まず、牧羊犬系の犬全般に言えることですが、彼らは記憶力にとても優れ、作業欲求が強いという点が挙げられます。これは犬種の美点ですが、こういうタイプの犬が見知らぬ一般家庭→シェルター→レスキューを経てくると考えると、この美点が裏目に出る可能性があります。

 不幸にして飼っているシェパードを手放さねばならなくなった家庭で、それまでどんな風に犬が飼われていたかが謎なのは、貰い手にとっては大きく不利な点です。もちろん大多数の犬は、必要最低限のケアはしてもらえていると思うけれども、たとえば基本的なしつけが分からないとか、他の人や犬と遊ぶ時の手加減がわからない、トリミングを全く受け付けない、などは保護された犬の間で比較的よく見るパターンです。ネグレクトや、日常的に叩かれたり蹴られたりのしつけ等、虐待を受けている可能性もあります。

 また一般の人からすると盲点なのですが、レスキュー等の保護団体に引き出された後も、犬達がきちんとした扱いを受けられているとは限らないです。自分のバイト先(メインにハイエンド犬用品と冷凍餌・プレミアムフードを扱っている)でも、レスキューグループと協力して里親会などを行っていると、「レスキューグループの人も本当にさまざまである」という感想を持ちます。

 人格的に素晴らしい人もたくさんいますが、一方で感情的な目でしか犬を見られない人、人対人のコミュニケーションが下手な人がいます。どう見ても経験が浅い人、トレーニングへの意識が低い人、古いトレーニング法に固執している人も、結構多く見かけます。いつも金銭的にギリギリになっているグループもあります。そういうところは犬が過密になっていたりして、世話が行き届かず、人手も足りず、汚れた子犬を店で洗ってあげたこともあります。里親イベント等の日になると、ごった返した人々の中でもみくちゃになり、吠え続ける子犬を手荒に扱うボランティアを見かけたこともあります。これなどは、あるべき姿とはかけ離れた環境だと思いました。

 シェパードは特に学習能力が高いので、しつけにすぐに反応するかわりに、悪い癖を身に付けるのも早いものです。飼い主に対する高い忠誠心もアダとなり、新しいオーナーを心から信じてついていくまでに長い時間を要する個体もいます。どのような出自か分からない彼らが、どういう人の手を介してくるのか(=どういう学習をしてくるのか)不明、選べないという事は、非常に大きなリスクと言えます。


クレートの中で、おりこうにしている兄弟犬。コリーのミックスかな。
とてもかわいい。

 そして、健康の問題があります。

 現代のジャーマンシェパードのジーンプールには、諸説あるけれどおよそ150の遺伝性疾患を引き起こす問題遺伝子があるとされ、計画的な繁殖と、生まれた子犬の健康状態の経年推移を観察する事が、近年特に重要視されています。

 ジャーマンシェパードはアメリカでは非常にポピュラーな犬種で(Rレトリーバーについで全米第二位。AKC-2017)、毎年沢山の子犬が産まれています。ということはそれに比例して、いわゆる「バックヤード・ブリーディング」の率も高いと、容易に想像することができます。Gシェパのバックヤード・ブリーディングは、シェパファンの間ではすごく賛否両論のある話題で、ひとつの大きな理由が、この生まれてくる子犬の健康への大きな不安、犬質のばらつきにあると言えます。

 コディのシェパピ仲間にも、バックヤード出身の子が何頭かいましたが、気質的にも健康的にも全く問題なく育っていく犬もいました(※)。一方、若くして神経系の病気を発症し、それがもとで階段から落ちたり脱臼を繰り返す個体、ある日歩き方がおかしいと診察に行ったら、若いのに股関節形成不全と診断がおりてしまったりとか、日常生活に支障をきたすレベルのシャイさであるとか、また体は健康そのものだけれど、成犬のオスなのに20キロいかない犬になったとか、そういった出来事が実際に身近なケースとしてありました。(※…厳密には、その犬の一生を通した健康状態を見なければいけないわけですから、最初の数年間だけを見て「この犬は健康だ」という事も、ムリがあるわけですが。)

 犬の世界は広大なので、犬種スタンダードを重視しなくとも、目的を持ってクオリティの高い犬を生み出している個人繁殖家も存在します。しかしそのような人々は、バックヤードブリーダーの総数と照らし合わせれば極めて少数であり、総合的に見れば、犬と飼い主の人生に苦痛と深刻な影響を及ぼすかもしれないバックヤード・ブリーディングと、そこから来る犬には非常に高い潜在的リスクがあると言えます。


 だからと言って、ブリーダーを十把一からげにいけないものとするのも、誤っていると感じます。ブリーダーの正しい像とは、「犬種をよりよくしたい」「責任感ある人々に、犬種と言うアートをつないでいきたい」と、日々時間とお金を惜しみなく注ぎ、勉強やスポーツ、ショーイングに取り組む姿勢を持った人々で、そんな彼らは積極的に支持されていくべきだと感じます。私が思うに、犬のレゾンデートルとは「作業能力」であり、作業能力の追及の結果生まれる「犬種」とは、犬と人との文化史のなかで重要な概念であり続ける、と考えるためです。だから、一概に「ブリーダーだからといって、サポートしない」という、冒頭の人の様な立ち位置もまた、マクロな視点では犬の世界のためにならないのではないかと、私は思います。

 「犬の作業」とは、なにも警察犬や麻薬探知犬みたいな、高度なものばかりとは限りません。「よき家庭のコンパニオンである」という事も、立派な技能であり、そうであることは犬にとっての「作業」になり得ます。

 自分の犬がものを壊したり、他の犬に吠えたりする心配なく、安心してどこへでも連れて行くことが出来るか。リードを引っ張らず、楽しく散歩をさせてくれるか。子供やお年寄りと適切に関わるか。何らかの理由でリードが切れたり、手から離れても、呼べば必ず戻って来るか。知らない犬や人にも、落ち着いて挨拶できるか。道に落ちているベーコンを「leave it」出来るか。細かい、なんてことないことのように聞こえるかもしれないけれど、「一緒に暮らしやすい犬」「よき家庭犬」が極めねばならない事ばかりです。優れた家庭犬に求められる技能とは、犬の本能とは逆行するタスクも多く、本能を駆使して行う作業よりもある意味困難なものも多いです。これらをどんな状況下でも安定して出来る「優良家庭犬」とは、良い素質を持った犬が、絶え間なく練習を繰り返した結果、至るところと言えます。

 少し脱線してしまいましたが、ここまで読み返してみて、もしそれでもシェルターからシェパード(系の犬)のアダプトをするとなったら、自分ならば ①自分の求めるラインの犬を増やしているブリーダーに里子にもらえる犬がいないか聞いてみる → ②シェパード専門のレスキューに問い合わせ、できれば若い犬を探す、のがいいんじゃないかなと考えました。犬種専門のレスキューは、犬がちゃんと扱ってもらえている可能性が高いし、知識が豊富な先輩とつながりが出来て、知恵を授けてもらえる可能性が高い事が最大のメリットです。

 とりとめもなくいろいろ書いてきましたが、将来的に娘がある程度大きくなったら、ファンドレイズの手伝い等の形で、レスキューのシェパードと何らかの形で関われたらなあ、という気持ちもあります。とにかく犬って本当にいい生き物だなあ、と思う事が年々増えてきたから、その犬をとりまく私達人間のほうが頑固になったり、排他的になるのではなく、協力してより良いヒトーイヌ間の共存法を目指していけたらいい、と思います。



2017年9月30日土曜日

秋の気配

バージニア州 ミドルバーグ

 そこここに小さい秋の気配が漂う季節となりました。今月からコディは隣町にある、セラピー犬・介助犬を専門にトレーニングしている学校に行っています。例の如く子供の寝かしつけだけ相方に頼んで、暗い高速をさらに郊外の方へ飛ばして行くので、ちょっとしたアドベンチャー感があり良い息抜きになっています。少しブランクがあるから、手始めにコミュニティー・ケーナインのクラスから(AKC-Community Canines - CGCA Web)。

 このクラスは内容的にはCGCのもうひとつ上のレベルという扱いなようで、最後のテストに通れればタイトルももらるようです(AKCのビジネスの上手さ)。レクチャーは屋外で、毎回ロケーションを変えながら行われます。コディはCGCをとってから2年以上が経過しているので、以前と比較して良くなった部分・知らず知らずのうちについた悪い癖などが浮き彫りになっていて、いろいろ勉強になってます。

 クラスメイトに、巨大なオスのハンガリアン・クーヴァースがいるんですよ。今まで見たクーヴァースの中で一番きちんとしつけが入っていて、いいブリーディング、飼い主の正しいハンドリング(訓練+社会化いっぱい)で、コワモテの護羊犬種でもこんなにマナー良く愛される犬になるんだと、非常に感銘を受けました。


☝ついったーに上げた写真☝


 「ちいさいにんげん」と犬の共存関係もめでたく2年目を迎えました。

 しかしここへ来てついに、犬と子供の面倒を同時に見ていく事に限界が訪れたように思います。娘が赤子として「母親と犬」のチームにくっついていた時期が終わり、自我の芽生えつつあるヒトの子供として、ヒト同士の世界を探検していくことの方により興味を示してきたからです。これ自体はとてもいい傾向なので、色々な経験が出来る様頑張っていますが、問題は言語やソーシャルスキルなど、子供にとって大事な事を学べるような場所には、犬は連れて行けない事が殆どだということです。子供のケアに集中するため、犬を家に置いていくことも少しずつ増えてきました。

 また人間の子供と犬とでは、身体能力や、興味をもつ運動の傾向もぜんぜん違います。今までは子をベビーカーに座らせ、ちょっとおとなしくしてもらっている間に犬にとってこいをさせたり、子を背中にしょって雑木林へ連れて行ったりすることで、なんとか両者共に運動(的な)アクティビティが出来ていました。けれど今は子も「自分で歩きたい」「ボール投げしたい」と言うし、それをさせてあげると今度は犬をヒモでつながなくてはいけなくなったりと、両者を同時に満足させてあげることが徐々に難しくなりました。

 ここからの1年は、朝から晩まで子と共に居られる最後の1年間になるので、自分や犬の生活の質をなるべく落とさずに「子供の社会化」も頑張れるよう、全力を出していこうと気持ちを新たにしました。


3月から少しずつ仕事的なことも再開してます。
そこからの眺めと、座る位置近衛門(オモチャ持参)

2017年8月31日木曜日

オナモミ犬



 今日の写真は、すこし前に義父母がバージニアに遊びに来てくれた時のものです。コディはゴールキーパー役が得意で、本物の人間のキーパーみたいな動きをするので、サッカー好きの義父は大喜びでした。

 写っているオレンジのボールはキャッチボールグッズで有名なChuckit!という会社の「キックフェッチボール」で、今、コディの中ですごくブームになっているおもちゃです。人間のサッカーボールと同じ大きさで蹴りやすくて、軽量でよく弾むので、犬も人も一緒に遊べます。咥え易い形に加工してあるので犬に優しい反面、破壊されやすいのが難点ですが、遊ぶときだけ出してやることになるためよけいプレミアがついて、夢中になってしまうようです。とってこいが好きな犬と、球技が好きなドッグオーナーにはお勧めです。


オナモミ犬


 コディは相変わらずオナモミのようにひっつき虫で、必死な目でどこでもついて回ります。まわりの人に「この犬はお母さんの事しか考えてないね~。」とよく笑われるのでたまに少し恥ずかしいですが、この心理的近さのおかげで、おそらく彼にとってはた迷惑だろうトリック(持来とか)の練習にも根気よく付き合ってくれてるのではないかと思います。

 反面、いつの間にか「にんげん♂」の言う事は全く聞かなくなっていたことが発覚しました。「にんげん♂」とコディの付き合い方を観察していたら、基本的に犬に報酬をあまりやらないため、イヌの心をつかめてないのが原因のようです。わけは何であれ、犬が家庭の特定の家族の言う事しか聞かないのでは良き家庭犬と言う事は出来ないので、こまめに時間をみつけて練習してもらい、信頼関係を再構築してもらいたいと思います。


私とコディに共通する事……安定感のあるどっしりした姿(笑)


2017年7月31日月曜日

人生に効く薬



 コディは2歳半をすぎ、体高がだいたい73センチくらい、体重は最近少ししぼって、55キロ位となりました。2年前と比べると随分と大きくなりましたが、ほかの兄弟は60キロオーバーの犬もいるみたいなので、たぶん同胎犬の中では小さい方なのかもしれません。挨拶の仕方や愛情表現はまだまだ子犬のそれで、所謂とっちゃんぼうやみたいな感じになっていますが、とてもかわいいので(親バカ)どこへ行っても撫で撫でしてもらえます。




 犬が2歳すぎたと同時に、「小さいにんげん」育ても、もうすぐ2年になります。この2年間は本当にいろいろなことがあった。子供の世話も、犬の世話も、仕事も、自分のやりたいことも、限られた時間に全て詰め込もうとして、いつも体力の限界を試されていました。子が生まれたら変わるだろうと思っていた「子供の相手が不得意」という性格は、結局なにも変わらず(笑)ただ漠然と「解放されたいなあ」と思う事も今でもよくあります。

 写真で見れば、「きっとあとで宝物になるだろう」と思える日々です。だけど自分は愚かな人間なので、今まさに起こっているであろう幸福を、今感じ取ること・享受する事が出来にくいようです。そういうタイプの人にとって、この世界の幸福とは、いつも振り返った過去の中に見えるものです。だから、撫でるだけ&じっと見つめるだけとか、ペロッと舐めてもらうだけでごく自然に、インスタントに幸福を感じさせてくれる犬の存在は、私にとって家にとって、無くてはならない大切な存在だと言えます。