2015年4月24日金曜日

川辺の街へ




 犬を連れてウロウロ街歩きしようとすると、いつもだいたい似たような所へ行ってしまう事に気が付いた。ので、アマゾンで秘密兵器を注文してみた。届くのを楽しみにしつつ、またもや「ドッグフレンドリーな街」バージニア州アレクサンドリアへ行ってきた。キング・ストリートというメインの大通りを東へずらずら歩いていくと、有名なポトマック川に突き当たる。周辺には小さなレストランやハーバーがあり、管理人の好きな街、カナダのトロントを少しだけ彷彿とさせるような散歩道が続いている。ひっきりになしに人や鳩の行き交う路上の喧騒と歩調を合わせることなく、川では水上バスがプカプカ、日の光を沢山浴びながらのんびりと行ったり来たり。年に数回犬が乗れるフェリーツアーも行われているようなので、あまり暑くなる前に一度乗ってみたいと、期待を胸にしている。


ハーバーにて。コディも今日はおなか快腸快調で満面の笑顔
しかし耳は相変わらずバーコードおじさんみたいなままだった。



 今回ここへ来た一番の理由はこれ↑。義母の古希祝いに、普通のギフトのほかに何か形に残るものを送りたいと、アクセサリーを探していました。あまり高いものを送ると叱られるから、比較的高価なのでも500ドル以内で収まる、天然石ジュエリーを扱う店Silver Parrotにて、いろいろ物色した。写真のローマガラスのシリーズは、イスラエルで採掘されたローマ時代のガラスの破片を集めて固め、色んな形に細工したものだそうで、いいなと思ったもののひとつだった。

 因みにこのお店を選んだのは、犬入店OKだったから(笑)。好むと好まざるとにかかわらず、だんだんと、生活のすべてが犬基準になってゆく。この日は結構日差しが強く、くたびれたコディは、そんな自分の考えをよそにひんやりとしたレンガの床でひっくり返っていた。天下泰平なのだった。ふと、自分が幼かった日々、まだまだ若い盛りだった両親も、自分を見てこんな感覚を味わっていたのではないかと思った。




 「強い日差し」と言えば北バージニア、もうジワジワ気温が上がってきています。そうかと思えば急にどーんと寒くなったり。この近辺に住んで3年目になるけれど、ここには季節が夏と冬しかないのでは?と、最近疑いはじめた自分です。ホワホワのパピーコートで全身毛まみれのコディ君は、暑い日はものすごくハアハアしてて可哀想なんですが、いい夏毛に生え変わることを期待して、積極的に表へ連れ出して、頑張ってもらっている。

 トレーニングの方は、ここのところ急に「ツケ」の反応が悪くなった。犬、四か月目を目前にして、人間の方が「仔犬育て」にちょっと息切れしてきたのを如実に反映しているような気がする。反面、「マテ」にはすごく情熱を燃やして一生懸命やるので、遠くからスワレやフセをさせる事と組み合わせたり、待たせてる最中に怪しい火星人の様な動き(笑)を取り入れたりしながら、変化をつけて楽しくしている。悩みは、やはり癖になってしまったらしいジャンピングと、ときどき練習中に突然「フィーバータイム」に突入するようになったこと。フィーバーしはじめるとワンワンいいながらこちらに向かって飛びかかってくるわ、リードはモグモグするわ、制そうとする手はハグハグするわで、全くクレイジーになってしまうのである。これも前の犬では経験しなかったことで、一定時間(しかも結構長い時間)とりあえずフセさせて落ち着かせる以外どう対処していいか分からないので、次回のパピークラスでトレーナーにナゼこうなるのか聞いてみようと思っている。





2015年4月19日日曜日

犬が一日に必要なカロリーの出し方



 最近管理人一家の一員となった犬「コディ」は生後14週目になった。このくらいの週齢は、一般的に犬が仔犬らしい可愛らしさと、あるていどの分別も身に付けて、手元にある犬の本「The Art of Raising a Puppy」にも、あなたが飼う犬の一生を通じて最も尊い時期の一つと書かれている。そんな特別な時間を噛みしめたいところだったが、コディは少し体調を崩してしまった。

 ここ数日続いている主な症状は、鼻をフガフガさせていて普通より多い量の鼻水が出ることと、悪くなったり良くなったりする、大腸性と思しき軟便(たまに下痢)。既に3セットのワクチン接種とボルダテラ(Bordetella:アメリカでケンネルコフの予防に使われるワクチン)の吸入を済ませているので、鼻水が出るのはそれ以外の感染症が疑われたし、軟便・下痢に関しても、ちょうど今月のあたまに二回目の寄生虫チェックをクリアしているので、なにか他の要因があるらしかった。


大好きな動物病院でスマイル♪ このあとお尻に体温計を入れられ大泣きするのであった。

 早速病院にアポをとってチェックアップと、念のためもういちど便検査もしてもらったけれど何も出なかった。ますます不可思議である。鼻は、鼻気管炎という診断を受けた。獣医師の先生によると「スプリング・アレルギーズ」、いわゆる花粉症などの可能性もあると言われた。犬が花粉症?と思ったけれど、うちのまわりは緑が多く、特に今週に入ってからは外の車が黄色くなるほど花粉がふっているのでありえるかもしれない(もちろん人間達も苦しんでます)。下痢の治療と並行して消化のいいものを与えて、比較的安静にしていればそのうち自力で回復しますよ~、との事だった。おなかに関しては犬用プロバイオティックとメトロニダゾールの錠剤を処方された。体重は測ってみたら40パウンド(だいたい18キロ)をマークしていた。これが順調なのか、それとも上に書いたような症状によって遅れがあるのかは分からないけれど、とりあえず成長はしているようだ。余談だが昨日ご近所に住むコディの友達「デヴィ」の飼い主と話していたところ、寄寓にもデヴィもコディと同じ日にくしゃみ・鼻水の症状を呈し始めていたということが分かった。鼻に関しては自分達が共通して利用しているパピークラスで、何か拾ってきてしまった可能性も浮上した。




 主治医の先生には鼻や便の様子が落ち着いて暫くするまで、ドライフードは一旦中止して煮たコメ、マッシュドポテトなどに茹でた鶏肉などを加えたものを、少量ずつやってみてくださいと言われた。しかしいざやろうとすると、コディが一日にどのくらい食べればいいのか見当がつかない。とりあえず必要なカロリーに関してはPETMDのウェブページに、犬が一日に必要な摂取カロリー量(MER)を計算する式があったので、覚書きとして下に書いておきたい。

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手順

1.犬の体重がパウンド表記の場合、キログラムに変更する。
2.安静時の必要熱量(RER)を計算する。70 × 犬の体重(kg)の0.75乗
3.一日に必要な摂取カロリー量(MER)を計算する。適正な乗数 × RER

一般的に使われる乗数は以下になる。

去勢・避妊された犬 1.6
未去勢・未避妊の犬 1.8
肥満傾向の犬 1
やせ気味の犬 1.7
作業犬(軽度) 2
作業犬(中度) 2
作業犬(重度) 6
成長期の犬(生後四カ月未満) 3
成長期の犬(生後四か月以降) 2 

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 コディの体重は40 lb、=18.1437 Kgになる。この犬のRERは(70 x 18.1437)の0.75乗で、212.749193434キロカロリーになる(便宜的に213kcalとする)。MERを求めるには、ここに「成長期の犬(四カ月未満)の犬の乗数」である3をかけて、コディが一日におおよそ必要とするエネルギー量は639キロカロリーと分かる。因みに参考にしたウェブの注意書きによるとこの計算で出た数字は少ない方にも多い方にも、20%の誤差が出る可能性があるという(えっ!それじゃあ、最大で40%も違ってしまう)。しかし確かに経験上、同じ犬種でも妙に太りやすい犬がいたり、常にやせ気味の犬がいたり、また大型犬よりも小型犬の方が代謝も活発だと思うので、見た感じの体格も判断材料にしながら、数字にはそれほど厳密にならずおおまかな基準程度に留めておくのがいいのかもしれない。

 求めたカロリーの中からどんな食材をどのくらい与えられるのかは、食品のカロリー グラムの分かる写真館というわかりやすい日本語のウェブページがあったので、参考にした。上の写真はチキンの骨・皮付きモモ肉を水から茹でて、灰汁と油を適当に掬い、骨と皮を除き、そこに小さいイモ一個とコメ一合を合わせて柔らかくなるまで煮た状態。コディの体重と成長期なことを考慮して、これを6等分し(二日分)、別途茹でておいた胸肉ひとつかみ、ドライフードを少量、毎食ごとに足してやれば必要なカロリーはだいたい得られるという事になった。ドライフードは中止と言われたがどうしても細かいミネラル分やビタミン類の不足が気になって仕方なかったので、コディが今の所一番好きでよく食べるアカナのグラスランドを1カップだけ、チキンのゆで汁でふやかしたものを混ぜた。おやつはカッテージチーズやヨーグルトをやってカルシウムの足しにした。うちでは自前で餌を作るのはほんの一時的な事なのであまり気にしないけれど、犬、特に仔犬は人間と比べかなり多くのカルシウムなどのミネラル分を必要とするので、恒常的に手作り食を与えていく場合はカルシウム剤やサプリメントの添加はかならず必要になると思う。犬の必須栄養素についてもっと詳しく知りたい場合は米国飼料検査官協会(AAFCO)のAAFCO Pet Food Nutrient Profilesの3から5ページ目に、いろいろ詳しく載っている。


「まだご飯つぶあるよ!」 血眼になるコディ。

まだまだねばる 「ベロベロベロ」

ごはん もうない。。。

 コディは突然はじまったこの「何か美味しいもの」の山盛りに大興奮して、目の色を変えてべろべろしている。あとでちゃんとドライフードだけの食事にもどれるのか心配だ。しかしおなかの方は薬のおかげもあってかだいぶ良くなってきているので、今週いっぱいは家で作った餌でがんばってもらおうと思っている。引き続き動物病院でフォローアップの検診を受け、原因も調べて行きたい。





2015年4月14日火曜日

ワシントンDC桜まつり


「スクーター」という名前のチワワ。半身麻痺して捨てられていた犬だという。
特注の車イスにアメリカの旗を立てて、ナショナルモールを闊歩していた。 Go!Go!スクーター。

先週末の日曜日は、ワシントンD.C.中心部で行われた全米桜まつり(National Cherry Blossom Festival)の雰囲気の端っこだけでもかじろうと、犬を伴って出かけてきた。下は第二次世界大戦記念碑の広場からリンカーン・メモリアルを臨んだ所だけれど、今見返してもかなりの人出があったことが分かる。ここから日本の送った桜並木に囲まれたタイダルベイスンのあたりはさらに混んでいたので、全部回りきることは早々に諦め、もっぱら花霞を楽しむ花見となった。



タイダルベイスンの橋の上から。桜は今週末が最高潮だったと思う

 「アメリカの人は基本的に個人主義でパーソナル・スペースを大切にする」とは、2年前ESLのクラスでほぼ最初に教わったこの国の文化的特徴なわけだけれど、この日この橋の原宿・竹下通りばりのギュウ詰め加減を見ていると「本当かなあ」という気がした(観光で訪れている人も多いだろうから一概に言えないけれど)。管理人の故郷東京はよく人の過密さからくる特異な状況が取りざたされるけれど、ここD.C.だって通勤ラッシュ時にメトロにのれば、スーツを着たアメリカ人がすし詰めになるのを見ることが出来るし、ちゃんと(?)痴漢だって出るのだ。そうかと思えば、特にうまいとも思えないカップケーキ屋の前に皆して、嬉々として行列を作っていたりもする。人は思いのほか環境に依存した生き物であり、同じような環境下では、国や文化に関係なく同じような行動をとりがちになるという事らしい。この地に来て教わったことのひとつだ。



ブルガリア大使館の裏門の前で。
この写真を後から見て、彼の一生のうち一度くらいはヨーロッパにも連れて行ってやりたいと思った

 桜狂想曲からは早々と退散し普通に街歩きをすることにした。祭りに人を吸い取られたのかD.C.市内の他の場所は案外閑散としており、天候がよかったのもあってすいすい気持ちよく歩くことが出来た。

 市内でとても気に入っている散歩道のひとつに、ジョージタウン・ウィスコンシンアベニューからQストリートへ入り、デュポン・サークル及びコネチカットアベニュー方面へと抜ける道がある。ジョージタウン側は、古いけれどきれいに維持された邸宅の並ぶエリアで、アメリカではあまり見る事のないレンガで舗装された道が延々と続く。道なりに進んでいくと各国の大使館街に入る。東京の広尾や麻布などあの周辺の雰囲気を少し彷彿とさせる道だ。そういえば前一度昼休みどきに、南米系の大使館の裏門から、大型で背が高く痩せたジャーマンシェパードと、ぶっとい葉巻を咥えたオジサンがふらっと出てきたのを見たことがあった。建物の様子と言い、オジサンの服装といい、強烈な異国情緒を感じた一瞬だった。アメリカという異国で、さらに異国を味わうというちょっとお得な体験だった。


久しぶりに飲んだチャイティー・ラテは1年前とくらべて激甘になっていた。

 コネチカットアベニューからフロリダアベニューに入り18thストリートとぶつかる所に、なぜか知らないが常にゲイピープルのたむろする軽食屋がある。自分がずっと「ピンク・エレファント・カフェ」だと思っていたこの店はL'Enfant Cafe Barといい(おしい!)、皆昼間からワインを飲んで、ちょっとフランスちっくな雰囲気が漂っている。パティオは犬連れもOK。




 人間たちが何か食べている間に昼寝する犬。写真を見ると分かるけれど、D.C.の床は結構色んなゴミや塵・ホコリが落ちているので、何か下に敷いてやるものを持ってくるのが賢明だと気付いた。実はコディはこのあとトラブルに見舞われ、彼の14週目は結構ラフなスタートを切ることになってしまったのだった。それについては次回触れたいと思う。





2015年4月10日金曜日

生後13週目

バージニア州とワシントンD.C.の間に位置するクラレンドンというエリアで歩いた時の写真。
右のピンクの女の子が犬に「私と友達になって!」と言い、
自分も地面に犬のようにオスワリしていたのがとても可愛らしかった。


 新しく家族の一員になった犬「コディ」は生後13週目に入った。12週目までの一番重要とされる社会化期は終わったように見えるけれども、これからしばらくはまだまだ「やわらかアタマ期」が続くと考え、相変わらず一日最低2回か3回は外へ連れ出して、色んな人に触ったりしてもらっている。犬を飼うと決めた時点では無頓着だったけれど、今、貰ってきたのが春先で良かったな~と思っている。これが真夏や真冬だったらきっとかなり大変だったのではないかと思う。

 犬は、可愛い盛りだからか、街ではけっこうたくさんの人が声を掛けてくれる。犬種を聞かれると相変わらず「ロングヘアのジャーマンシェパード」と言っているのだけれど、すると皆口々に「僕はジャーマンシェパードと一緒に育ったよ」とか、「私のおじいちゃんが家で繁殖していたの」と、どんどん色々な話に発展する。道ですれ違いざまに「ダイソンアニマル(掃除機)がいいよ!」と声をかけながら走り去るジョガーにも遭遇した(笑)。アメリカへ来て、これほど沢山の人がジャーマンシェパードに関して個人的な思いを持っているんだという事が分かり、正直びっくりした。AKCの調べではこの犬種は頭数で全米第2位にランクインしている(2014年)。直接的・間接的なものも含めると、アメリカの犬好きのほとんど誰もがこの犬種に対してなにがしかの接点を持っていると言っても過言ではない勢いを感じる。日本で大型犬(ドーベルマン)を飼っていた時には経験しなかった事だ。

 そういえば以前凧揚げフェスティバルの時の日記に、触りたい人がやって来た場合まず「よければ犬に『スワレ』のコマンドを入れてください」と言うタイミングが難しいと書いたが、実はまだ克服できていない。自分のきき方が悪いのか、アメリカ人はあまり気にしない人が多いのか、Hiパピ~~~!とやって来た時点でもう犬に接触していることが大半で、そこから犬を改めて座らせたところで「正しいマナーを学ばせる」という意味では、効果は期待薄だと思っている。また仔犬を見てワ~っと盛り上がった状態で急にタッチしてくる人も多いので、犬の方もエキサイトした人の気配を汲み取るのか、ピョンとジャンプして迎えようとするようになってしまった。それだけが原因なのかはわからないけれど、ここの所ジャンプ癖がつきつつあるので頭を悩ませている。この大喜びで挨拶する様子が今は可愛くても、6ヶ月後にはきっと迷惑な行動になっているだろう。飼っている私の年齢的なものなのか、妊娠中だったり小さい子供のいる友達が多いこともあり、このままではダメだと思っている。早いうちに対策を練りたい。




 コディは犬同伴可のお店へ行くのも徐々に慣れてきたようだ。シェパードだからかこういう所だと練習に協力してくれる人が案外多く、嬉しい誤算だった。パピークラスの同級生の、フレンチブルの飼い主さんは、こういうおおやけの場で3ヶ月まだあどけなくヒョコヒョコしている仔犬にトレーニングをほどこしていると、それを見る(ちょっと「犬が哀れ~」的な)まわりの目が気になるとこぼしていた。犬は見た目によって世間での扱われ方が劇的に違うことは、犬の飼い主はよく覚えておくべき点だと思った。上の写真は数日前友人の犬「ショーン」と一緒にジムウェアのお店で、ベーシックなオスワリやマテなどの練習をしたところ。ジムウェアはヒラヒラとした素材が面白そうに見えるらしく、油断すると商品に触ろうとするので注意が必要だった。


真剣な二匹・・・目線の先にはレバートリ―ツが。
レバートリーツが嫌いだった犬は今までに一匹しか会ったことがない

オニギリ君 春の湖畔にて

 苦手だったマテも少しづつ距離がのびている。今はなんとか記念撮影らしき事が出来るようになった。まだまだ10歩以上離れると不安になるのかフラフラとついてきてしまう事があるけれど、10センチですら待っていられなかった半月前と比べると進歩はしているようだ。反面、最近家のまわりの散歩道の様子もあらかた知り尽くし、顔見知りの犬も増えたことで世界が広がったのか?ちょっと自信がついてきたのか?こちらに向ける注意力が、少しづつ散漫になってきているように思う。これから6ヶ月、1歳、2歳とだんだん難しくなっていく時期(俗にいう「犬の反抗期」)なのも踏まえて、定期的に見知らぬ場所を散歩させてやったほうがいいのかもしれない。

 一方、パピークラスなどの室内環境だと与えられた課題は取りこぼしなく出来るようになった。私達を教えてくれているベテラントレーナーは、通常パピークラスが終わった後は初級オビディエンス→中級オビディエンス→CGC(カニン・グッドシティゼン)→もっと上級のコース(競技オビディエンスなどなど)と進むのが順当だけれど、もし興味があるならCGCのクラスに直接進ませてはどうかとアドバイスをくれた。理由についてはいつか後述したいと思っているけれど、管理人とコディがこんな風にマンツーマンで練習できる時間には限りがあるので、なるべく早くからいいマナーを身に付けさせてやれるチャンスがあるなら、活用して行きたいと思っている。今通っているクラブでは、CGCのクラスは皆平均2回受講するという。おそらく、沢山の反復練習を必要とする課題が多いのではないかと思う。まずはパピーのクラスで毎回出される宿題を毎日ちょっとづつ練習して、基礎をしっかりさせておきたい。




 早春のあたたかな光の中湖畔から少し離れた雑木林の道を歩いていると、野鳩が死んでいるのを見かけた。長く厳しかった冬を切り抜け、さあ今から花咲き乱れる春と繁殖の時を迎えようというところで力尽きてしまったんだろうか。今の季節は夥しい数の生命体が花開いたり生まれてくる一方で、こうして何が理由か分からないけれど死んでしまっているいきものというのもちらほら見かける。春、4月と言うのはそういう季節なのかもしれない。




2015年4月4日土曜日

DEVI




 北バージニアの当地では溜まった落ち葉の間から、葉っぱやら、お花やらが伸びてくる季節となった。うちの犬と仲良くしてくれている「デヴィ」ちゃん、今までプラクティカルだと思ったことのないオーストラリアンシェパードのチョコ・ダップル模様はじつは落ち葉の保護色だった!と見当違いな発見に小躍りしている管理人です(本当はきっとヒツジと見分けやすいからとか、多分そんな風な理由なんだと思いますが)。以前書いた時とくらべるとコディもデヴィも大きくなってきているけれども、デヴィがどんどんスピードやスタミナを身に付けているのに対し、コディはなんとなくヨタヨタした印象で、かわいい様な情けない様な、変な感覚を味わっている。今後もコディがデヴィのスピードに追い付く日はきっと来ないだろうと思うけれど、お互い気が合うらしいデヴィとはずっと友達でいてほしいので、力はなくても小回りが利いて疲れ知らずという、この犬の特徴はありがたい。普段からミニ・台風のような彼女に付き合っている人間(飼い主)の方はすごく大変そうですが。





 二匹が手と手をタッチしているこの写真、飼い主的には非常に可愛いと思っており家族にも送った所「デヴィの可愛さ・利発そさとくらべて、コディはちょっとウシみたい」というありがたい言葉をもらった。特に義母はデヴィの青い瞳にやられてしまったようで、こんなにきれいな犬なら運動が沢山必要でもがんばれるわ!と意欲を見せていた。しかし今までの経験上、彼らの「犬基準値」の平均は彼らが以前飼っていたトイ・プードルに調整されている筈なので、オーストラリアンシェパードのいう「運動が沢山必要」が具体的にどの位の運動量か知っているかどうかは、疑問が残る(笑)。





 この日はコディがデヴィの家の庭に置いてあるカヌーにボッチャンして、丘サーファーならぬ「丘スイマー」になった日。この犬はあまり水を怖がらない(※シャワー以外)ですが、繁殖したブリーダーによると彼のお母さんが水遊び狂いらしく、遺伝かもしれないとのこと。彼はこういう水たまりだけでなく流れや湖に対しても見つけるとよろこんで前足等を浸そうとするのだけれど、ハイキングやトレッキングをする時にはあまり望ましくない行動なので、どう直すかが課題になった。

 因みに、この写真を撮った時を境に、コディの両耳が立っている所を見ることが無くなってしまった。シェパードを飼うのは初めてなので、最終的に立ち耳になるまでは成長につれて耳が立ったり寝たりすると聞いて驚いたのだけれど、きちんと立ってくれるかすこし気になっている。こちらのシェパードのフォーラムを読むと、コディの様に耳を触ってみた時柔らかく、両耳が比較的同じ方向に流れていわゆるバーコードおじさんの様な髪型(Comb-over)になっている時はまず心配ないと書かれており、ちょっとだけ安心した。



デヴィちゃんと遊んだ次の日、エレベーターを克服したよ。エスカレーターにも(ちょっとだけど)乗りました。

  コディは早いもので今週生後13週目に入る。日々活動時間が長くなってイタズラも始まり、またこれから歯が抜け替わる時期に入るのも考えると、もっともっとやんちゃになっていくことが予想される。家具などもきっと齧られるだろうから、またオモチャ探しの旅に出なければならない。飼い主の自分達が時間の制約があるなか、どう効率よく遊ばせるか、学ばせるか、一日のスケジュールをきちんと確立しとかないといけない時期が来た気がする。

 これからの2週間ほどは、生活上のマナー(特に、喜んで人にジャンプしない事!イスやテーブルに手をかけない事!他の人や犬に挨拶するときは座る事)を特に気を付けて練習させたい。最近自我が出てきたらしく、要求がどこまで通るか私達を吠えて試すようになったので、それは一切通じないということも学習させたい。吠えに関しては、以前飼っていたドーベルマンは仔犬の頃からとても静かな犬だったのでシェパードの仔犬がこんなにお喋りだとは思わず、心配して他のGSDの飼い主さんや仔犬クラスのトレーナーに聞いて回ったが、皆一様に「シェパードの子はこんなもんよ」と言われた。多数の人が吠え自体を防止するという考え方よりも、ある程度吠えたところでやめさせる(自分で衝動をコントロールさせる)ことを学ばせる方が得策だというので、ある程度吠えたら「やめ」のコマンドをし、聞き入れない時は「タイムアウト」として一定時間クレートに入れる方法を試している。クレートに入ると心境的になにか変化があるらしく静かになることが多いので、今の所は効果が上がっているような気がしているけれど、今後も観察を続けたい。





2015年3月31日火曜日

コディ、牧場公園へ

ジャーン 


 ひとつ前のノートで「近所の牧場公園へ行った」と書いたその日の備忘録を。バージニア州、メトロエリア郊外にあるこの公園はフライングパン・ファームパーク(フライパン公園)といい、1920~50年代に活気のあった地元の小さな農場が、その役目を終えた後、みんなの公園として生まれ変わった場所である。小さいながらウシ、ウマ、ヒツジや家禽などのコーナーがあり、馬術競技広場や遊歩道、パーティ会場などが併設され、納屋には昔バージニアの特産であったリンゴからソーダを作っていた、古い機械類が展示されている。そんな地元の人の憩の場となっているこの公園では、誰でも飼われている動物のすぐ近くまで行って触れ合う事が出来るのも魅力のひとつとなっている。動物達は皆健康状態もよく、よく人に慣れている。この日は天気も良かったので、コディに動物達を見せてやる事を目的に訪れた。




 はじめに気付いたのは、これら産業動物の匂いは、それを初めて嗅ぐ犬にとって「かなりすごい」らしいという事。コディは動物の柵に近づくだけで20分くらいかかっていた。その時間の大半は地面や空気の匂いを嗅ぐことに費やされていた(この時、あまりに息をスーハーさせていたので、鼻が少しカピカピになってしまった)。たしかに人間でも「ああ牧場の匂いだなア」と分かる程特徴的な匂い、犬にとっては強烈にエキゾチックな臭気なのかもしれない。

 次に、ブタが強いということに気が付いた。その場にいた仔牛、ウマ、ヒツジなどの間をじゅんぐりに歩いて回ったが、体は一番小さかったブタが意外にも一番気が強く、うちの犬の真正面に仁王立ちで、柵の間から鼻を突きだし、なんとなく挑戦的にしていた。




 ブタの気迫にやられたのか、コディは隣にいた仔牛にも消極的になってしまったようだった。上の写真の→の物体は、コディの鼻先の、そのまた影になる。それがカメラに映るかギリギリの所まで下がって眺めていた。コディはまだ、自分の母親より大きな生き物を見たことがなかったので、当然かも知れなかった。一方管理人はウシが好きで、以前のブログでその名も「ウシが好き」という無茶なエントリーをしたためたこともある程、ウシを見ると心がうきうきしてしまうのだが、その理由のひとつはウシの我慢強く、優しい性質にあると考えている。仔牛は、コディが怖がっているのを分かっているように、そっと近づいて鼻をクンクンさせていた。


 コディがくるのを柵の向こうでのんびり待っているウシちん

「こわくないんだよ 」

「あなたずいぶん小さなウシね」

 意を決して接近するイヌ。ウシの方も待ってました!とばかり、さりとて何をするわけでもなく(笑)互いに見つめ合っていた。コディは仔牛の間で有名になったらしく、いつの間にか柵の中に居た他の仔牛達も見物にあつまっていた。ずんぐりした所と毛の質感が似ているから仲間だと思ったのだろうか。この時ふと思い出したのだけれど、ウシはけっこう好奇心の強い動物なのだ。ずっと昔管理人が小学校に上がる前の事になるが、親戚の家の近くの牛小屋のそばで転んで泣いていた時、小屋の中の肉用の仔牛達がみんな集まってきてじっと自分を見ていた事が思い出された。




 納屋の中へ入った。保温されている一角があったので犬をベンチに乗せてやりのぞき込むと、大きなヒツジがにゅーっと立っていた。時々急に大きな声でメェー!というこの動物にまたも及び腰になるコディだったが、ヒツジの方も訳の分からない毛むくじゃらが急接近してきて警戒したのかもしれない。




 因みに彼女が警戒していたわけはこれ↑。足元に生まれてからまだ日も浅そうな双子の仔羊がいたのだった。まだヨロヨロしていて赤ちゃん臭く、可愛らしかった。彼らもいつの日にかお母さんのような、威厳あるヒツジに育つのだろうか。




 ニワトリ、アヒル、シチメンチョウやクジャクなどの家禽コーナーへと歩を進めた。鳥は小さいし匂いもマイルドなので怖くないと踏んだのだろうか、トコトコと接近していくコディのリードを慌てて戒めた。管理人が個人的に牛馬やヤギ・ヒツジなどよりも危ないと睨んでいるのがこの「ニワトリのオス」なのだ。この写真の真ん中に写っているやつなんか、クチバシの一突きでコディの鼻の穴を3個にするパワーを秘めているに違いないのである(偏見)。余談だが当地では感謝祭(Thanksgiving day)の日の朝、ホワイトハウスで大統領による2羽のシチメンチョウの「恩赦」が行われるイベント(turkey pardon)があり、「恩赦された」鳥達はしばしばこの農園で余生を過ごす事が知られている。だからもしここで白いシチメンチョウを見かけたなら、彼らはサンクスギビングデーの生き残りかも知れない。


北バージニアの、始まったばかりの春を満喫した(?)コディ。「一休み」



 帰宅後、犬はくたびれていたように見えたので、練習もかねてクレートの中へ入れた。今日は大体1時間静かにしていることが出来た。最近気付いた事なのだが、この犬はテレビに興味があるらしく、つけてやると大人しく見ている。はじめは犬だからやはりスポーツを?と思い、アイスホッケーの試合中継などを見せていたがいまいちノっていなかったので、色々チャンネルを変えてみたところ、家のリモデリングの番組(大改造!ビフォーアフターみたいなやつ)が一番反応が良かったので今日はそれをつけていた。この後そっと様子を伺いに行くと、テレビを横目に寝っ転がりながら水入れの水をぺろぺろ飲んでいたので衝撃を受けた。一体どこでこんな深夜帰宅後のサラリーマンのような行動を身に付けたのだろうか。





2015年3月29日日曜日

D.C. 凧揚げフェスティバル、ほか

朝10:00、お祭りが始まった直後


 コディの三ヶ月齢を目前にした最後の週末。これと同時に管理人の「犬・育休」も、いよいよ終わり間近となってしまった。そこで金、土、日と、社会化ラストスパートと称して、ワシントン・ダレス国際空港近くのコンベンションセンターで行われたスーパーペットエキスポ・2015、ワシントンDC中心街で行われたDC・凧上げフェスティバル、それから近所の農場公園などへと繰り出していた。

 スーパーペットエキスポは年に一度のペット関連の用具や餌の見本市で、それ以外にも作業犬のデモンストレーションがあったり、リードをつけた一般の犬も一緒に入場できる、なかなか楽しいイベントになっている。

 凧上げフェスティバルは、年々有名になっていく印象のある「DC桜まつり/National Cherry Blossom Festival」の一環として、毎年ナショナルモール周辺で行われる愛好家の集まり。みんなで凧揚げしているのは牧歌的印象だけれど、結構シリアスな競技などもあるらしく、このためにわざわざ遠くから参加する人々もいるそうだ(長くなったので農場公園については、別記にします)。


エキスポで出遭った素敵なプードル


 ペットエキスポでは、商品に触らないようにさせる「leave it」のコマンドの効きが不十分なことと、どんな犬とすれ違うか分からないという点が不安要素だったけれど、こういうセッティング下でシャイな犬、防衛的な犬、怒りっぽい犬など様々な成犬の態度に触れるのも多分いい勉強になるだろうと思い、極度に興奮している犬以外とは、挨拶してもいいかどうか聞いたうえで、できるだけ触れ合わせるようにした。まだ子熊のようで可愛く見えるコディは会場でも沢山の人に撫でてもらったり、オヤツを貰う事が出来たけれども、他の人に触ってもらう前に「スワレのコマンドを入れてください」と、いいタイミングで&かつポジティブな感じでリクエストするのが難しく、これは今後の課題になった。




 凧上げフェスティバルでは、上空にある大きくてバタバタと音を立てるもの(例・・・飛び立つ大きな水鳥、旗など)が苦手と既に分かっているコディにとっては少々ハードル高いかなと思ったけれど、DC各所に掲げられたアメリカ国旗や強風にうなりを上げる凧の群れ、祭りムードに盛り上がった人々と興奮した犬達の間でシャッフルされた結果、帰る頃には「がんばればなんとか共存できるかも?」という雰囲気にはなっていた。この日はあまりの寒さに人間(♂)の方が根を上げたため、ほんの一時間半ほどの滞在になってしまったけれど、なかなか有意義な経験になった気がする。

 多種多様なものが混在する都市の雑踏を歩くのは犬にとっていい刺激になるので、記憶が薄れない来週中に、またもどってきて復習することにした。上はこの時の管理人とコディ。遠近もあるけれど、コディが11週目にしては大きい仔犬だということが分かる写真。毛並みのせいか、毛色のせいか、シェパードの雑種とか、ロットワイラーの雑種、チャウチャウ犬ですか?と聞かれたことも複数回あった。もっとジェネラルな質問である「何犬ですか?」と聞かれる事が一番多いのだけど、詳しく説明しようとすると話が長くなりがちなので、時間が惜しい今は(自分でも感じワルイなあと思いつつ)「ロング・ヘアのジャーマンシェパードです」と答え、会話を短く切り上げている。そのうち、犬の周囲へのマナーや、拾い食いの危険性、リードの引き等を気にすることなくのんびり散歩を楽しみながら、道すがらの人々とのんびり犬トークを楽しめるようになりたいものだ。




 凧揚げフェスティバルの日は帰宅してから、たっぷり昼寝タイムをはさんで、それから近所の量販店で行われているパピー・クラスに参加した。コディは、先生の話半分で、目の前にいた可愛いイングリッシュ・ラブラドールレトリーバーのピカルディちゃんと目が合うのを、辛抱強く待っていた(笑)。クラスの間中おりこうだったピカルディちゃんはコディの事を「毛深いヤボな男」と思ったようだが、飼い主のカップルはコディの事をいたく気に入り、ピカルディをお嫁にあげてもいいわ!と、さっそく彼女の将来を勝手にアレンジしていた。

 もう、すっかり親の心境なのだ。管理人が初めての犬を飼った時は中学生だったから、まわりの大人達が犬を飼うと皆急に自らを「○○(犬の名前)のママ・パパ」と言い出す気持ちが分からなかったが、30を過ぎた今、徐々にその心境が分かる様になりつつある気がしている。仔犬と向き合う事によって、こんな風に時の流れ(と自分が年をとっていること)に向き合う瞬間も出てきたりするので、悲喜こもごもである。


2015年3月24日火曜日

友達ができた

お尻を並べて水たまりの水をのぞき込むコディとデヴィ。

 先日、コディと共に近所のスターバックスの脇に座ってコーヒーを飲みながら、そこを通りかかるランダムな人や犬と触れ合わせるということを行っていた最中、うちの犬と同じくらいの年齢に見える、とてもかわいい仔犬に出会った。この犬の名前は「デヴィ」といい、聞いてみるとコディよりも3週間年上のメスのオーストラリアンシェパードだった。薄い青色でちょっとクレイジーな感じの目と、シッポのないおしりをクネクネと振りながら飛びついてくる様子がとても愛らしい反面、かなりバイタリティがあり活発で永遠に走り回っていられるうえ、遊び方自体もけっこうハードなので、飼い主のお兄さんはデヴィの遊び相手を探すのに苦労しているとのことだった。



遊びの合間のプチ勉強タイム。やはり3週間の差は大きかった。

 そこで2匹を遊ばせてみると、やはり牧羊犬同士だからかすんなり気が合ったようで、すぐに仲良くガルガルと遊び始めた。といってもあちらの方が年上だし身軽なので、うちの犬はすぐひっくり返されたり、耳やほっぺたを引っ張られたりしていた。しかしそのうちデヴィが攻撃からパッと走って逃げてもまたすぐ円を描きながら戻ってくると学習したらしく、落ち葉の上にじっと低く身を伏せて興味を誘い、彼女がやってきたところを狙い撃ちにするなど、彼なりに頭を使って攻防しているのが分かって面白かった。

 実はコディもこれまでに「パピープレイデート」等、仔犬同士のお遊びグループの様なものにも幾度か参加していたのだけれど、なかなかうまくいっていなかったのだ。というのも同年代の他の仔犬とくらべて体格が大きいため、特にここ最近はいじめっ子の様なプレイスタイルばかりを繰り返すようになってしまっており、少し気になっていた。だから、デヴィのように小柄でも高い身体能力とバイタリティのある犬によく遊んでもらうことで、上になったり、下になったり、力のさじかげんを学べることはとても意味があるように思えた。



この水飲めるのよー!と、泥水をすすめるデヴィ。
マネして飲んでいたコディ、あとでお腹をこわしてしまった(T_T)


デヴィとキキ

 夢中で遊ぶ犬の様子に気を取られていたら、あたりはあっという間に真っ暗闇になっていた。デヴィの飼い主キキがたき火を炊いてくれたので、三月の夜風に漂う冬の残り香を嗅ぎつつ(火で炙るソーセージを持ってこなかったことをかなり残念に思いつつ)、楽しい時間が過ぎていった。





2015年3月20日金曜日

生後10週目



 家から出てすぐのあまり人通りのない脇道に、ひと株だけスノウ・ドロップ(マツユキソウ)が生えている。 今までもなごり雪のまばらなこの時期になると、その隙間からひっそりと1・2輪だけ綺麗な花を咲かせていたので、風が吹くと小さなベルのように揺れるかわいらしい佇まいが、冬を乗り切った証の様な気がして、毎年楽しみにしていた。そしたら今年は雪が多かったせいか、奮起して?5つも花を咲かせていた。これは過去3年間で最多の開花数だ。そんな今日は米国ではFirst Day of Spring、春分にあたる日なのだ。外はダメ押しのように雪がちらついている。




 コディは生後10週目に入り、体重は12キロ弱になった。大きいようだけれど、他の兄弟と比べると小さく、目測1週間分ほど成長が遅れているのでちょっと心配している。道で出会ったジャーマンシェパードを連れたお姉さんが、おやつにカッテージチーズを食べさせると良いよ、耳も早く立つよ。と教えてくれたのだが、コディはお腹があまり丈夫じゃないので、食の冒険はまだあまり出来ないのが残念である。

 雪のちらつく今日の様な日は表を歩き回っての散歩は難しいので、街へ行って犬入店OKな本屋、服屋、雑貨屋等を主に巡ることになる(写真はAntholopologyという服屋で)。コディはまだオヤツやハンドサインのガイドが要るけれど、日常生活に最低必要と思われる、12のコマンドがだいたい出来るようになってきた。今週末から来週にかけては、何故か苦手でなかなか上手にできない「マテ」と、「スワレ」・「フセ」・「タテ」の区別をはっきりさせること、またトリミングに慣れる練習(特に爪切りとシャワー!)を主にやっていきたいと思う。手への甘噛み癖、オヤツを貰う時歯を使いがちな事、不可思議なものや、フラストレーションを感じた対象物(特に他の犬)に対して吠えてなんとかしようとする事は、シェパードの仔犬の間では比較的よく見られる傾向だという。だからといって放置していいとはあまり思えないので、今後もトレーナーの人にいろいろ話を聞きながら、改善していけるようにがんばりたい。





2015年3月15日日曜日

BONNIE



 犬を迎えるためにと前々から準備して今月いっぱいとっていた休みも、気が付くと半分が過ぎてしまっていた。最初の頃は「一ヶ月も赤ん坊犬につきっきりでいたらノイローゼになるかも」と懸念していたけれど、ここへきてもうあと二週間しかないぞ!と慌てるとともに若干寂しい気分を味わっているのは、仔犬の成長の速さを目の当たりにしたせいかも知れない。コディは耳をすますと、めきめきと音が聞こえてきそうなぐらいのスピードで大きくなってきている。仕事や用事で家を留守にするようになれば、成長期の一瞬で現れては過ぎ去っていく変化を見逃してしまうことになるのが惜しいと思うようになった。

 反面、今月に入ってから犬の飼育用品一式にゲートにクレートに、ブリーダー宅への何往復分ものガス代やホテルの宿泊費、トレーニングクラスの月謝に医療費、子犬用の健康保険プランに・・・・・・と、あらゆる箇所で散財してしまったので早々と仕事やバイトに明け暮れたい気持ちもヤマヤマなのだ。。そこで、クレートトレーニングを急いでやる必要が出てきた。基本クレートなど入りたくない子犬に、静かにクレートに入っていてもらうには?トレーニングやオヤツも有効だけど、やはりまずは犬自身をクタクタに疲れさせておくことがいいと思う。

 写真のかわいい若犬「ボニー」に出会えたのは、上のようなわけで、コディと共にバージニア州アレクサンドリアという古い波止場町を歩いていた時だ。通りを行く姿に何か特別なものを感じたので、歩み寄って「この犬は何という種類ですか?」と聞いたら飼い主のオジサンとその彼女が大変嬉しそうに(本当にめちゃくちゃ嬉しそうにしていた)、「パタデールテリア」という犬だと教えてくれた。

 一見テリア系の雑種と思われることが多いというこの小さな犬は、ネズミとり専門の作業犬として、非常に古くからイギリスで使われてきたという。作業能力の追求のために良い犬の血を取り入れるので犬種というより「タイプ」に近いようだ。ボニーの飼い主のオジサンは、イギリスで素晴らしい成績をもつ犬を個人輸入してここ米国で繁殖しているのだという。オジサンはさらにこの犬の特技を生かして、ワシントンDCエリアのオフィスや建物で害獣駆除を行う会社まで設てたのだという。現在10数頭が実際に働いていて、ボニーも含む数頭の若犬たちが未来のマスター・ネズミ捕りとなるべく訓練を受けているという。ほかにネズミの通り道の探知、南京虫(ベッドバグ)の探知も行うという。とても面白いアプローチだと思う。


出かけるまえ、おべべを着たコディ。残念ながら記念撮影のみとなった。
本人はすこぶる毛深いため寒さは平気。


 写真には残していないがもうひとつ印象深かったのは、犬種の説明をしながらオジサンがボニーのシッポを掴んで、ヒョイと地面から持ち上げた事だ。今まで見た事のない犬の持ち運び方(?)だった。知らない人が見たら虐待と思えるような持ち方だが、作業中、穴や狭い隙間に潜り込む犬を効率よく引き上げる、パタデールテリアの間では普通に行われているハンドリング法なのだという。犬の方も勝手を分かっていて、持ち上げられた瞬間手足を縮めて顎を引き、すっかりコンパクトになってぶら下げられていたので感心した。これはそもそも犬が軽くて小柄な事、また仔犬の頃から練習を繰り返すうち尾の付け根の軟骨が丈夫になっていくことで可能になるそうである。

 オジサンによると、パターデールテリアはコディ(シャイロ・シェパード)と同じく、AKCに公認された犬種ではないのだという。オジサンはまた、作業性能が最大にして唯一重要なこのテリアにとってAKCに認められ、コンポジショニング(ショーイング)の選択肢が出来る事は犬種にとってはマイナスであるという。そういえばコディを迎えるまでに話した複数のシャイロ・シェパードのブリーダー達も、ほぼ誰一人として「AKC公認」をゴールにしている人は居なかった。公認犬種になると同時に玉石混合のファンとブリーダー層が現れて、犬種自体の品質に格差が生まれていくことは、犬の歴史上何度も繰り返されたことである。

 一生展覧会のスポットライトに当たることのないボニーだけれど、道を行く犬達の中でもひときわ輝いていたように思う。永遠に止まらないシッポと、『自分が生まれてきたわけを知っている』とでも言うような、あのいきいきとした瞳がそう思わせたのかもしれなかった。



2015年3月9日月曜日

仔犬がきた



 雪深いペンシルバニアの山奥から南へ数時間、車の荷台でコトコト揺られて家に来ました。大きさのせいか、顔のせいか、あまり「犬の赤ちゃん」というかんじがしないんですが、シャイロ・シェパードのオスで生後約9週、名前はKodiak(コディ)としました。性格は優しい犬ですが、突然大胆な独立心を見せることもあるので、コントラストが面白いと思いながら観察しています。

 冬生まれらしく雪が大好きで、自宅の裏庭の雪を嬉しそうにシャクシャク、ちょっとづつ食べていたんですが、ここ数日ぐっと春らしくなったことで雪が溶けてしまいました。どうするかなと見ていたら、今度は雪の下から出てきた「コケ」は食べられるかどうか、果敢にチャレンジしているようです。裏庭ではボールやタオルなど、たまにですが何かを持ってきてくれます。今日はコケを食べた後、3センチくらいの小石を拾って届けてくれました。朝と夕とでは大きさが違うと感じるくらい、めきめきと猛烈なスピードで成長しています。

 はたして15年ぶりの仔犬育て、うまくできるだろうか。まずは自分にとっても、この犬にとっても、家庭にとってもひとつの転換点となるだろう、半年後の9月末を笑って迎えられるように頑張りたいと、気合を新たにしました。





2015年3月4日水曜日

KUSHAKUSHAKUN




 心のなかで「クシャクシャ君」と呼んでいる犬が来た。クシャクシャ君は見てわかる通り、生まれついてのくしゃくしゃシルキーヘアが、常に3倍速で活動しているおかげで加速度的にさらにくしゃくしゃしていくという、なんとなく宇宙の定理を想像させる犬だ。この犬はとても小さく、ラットテリアと、チャイニーズクレステッドドッグと、あと何かのミックスだという(飼い主は「サモエドも入っている」と主張しているが自分は「たぶんそれはない」と思っている)。

 クシャクシャ君はなぜこんなにもくしゃくしゃになってしまうのか?という問いは、なぜ彼は常に走り回らねばならないのか?という問いと、連結している。その理由は、クシャクシャ君が勝手に決めた彼の職業による。貰われてきたその日から、クシャクシャ君は「人間のお母さんをまもる」という事に、その小さな胸いっぱいのパッションがバーニングなのだ。クシャクシャ小宇宙の真ん中にぽっかりと浮かぶ「人間のお母さん」の衛星である彼は、いつも彼女の周りをくるくる周回している。誰かが不用意にお母さんに近づきすぎれば、口を小さなo(オー)の形にして、空に向かってキャオーン、キャオーン、と警報する。なりふりなんか文字通り 'out of universe'でかまってなどいられないのだ。

 そんな、他人にとっては若干迷惑なクシャクシャ君だが、「人間のお母さん」に鼻からしっぽの先まで溺愛されて、とても幸せな毎日を送っているようだ。二人だけのユニバースが、いつまでも平和で満たされている事を願っている。





2015年2月28日土曜日

仔犬の社会化と気付いた事




 あっという間に3月になりました。件の仔犬達はもう8週目に入る所だそうで、ここのところあらためてベッドの脇に積んであった「仔そだて本」数冊をひっぱりだして夜な夜な、近所の定食屋さんに入り浸り、読んでいた。そこで、ホラーな事実に気付いてしまったので、今日は、その事について書こうと思います。

 気付いた事と言うのは、イヌの一生にとって一番感受性の豊かな時期(=最も効果的に社会化できる時期)は、飼い主が子犬を家に連れてきてからひと月ほどで終わってしまうという事実。それは、複数のジャーマンシェパードのブリーダーや飼い主達に勧められたThe Art of Raising a Puppy(写真の本)を読んでいた時、その成長段階ごとの説明を見ていわゆる「真の社会化期」って、意外と短いなと思ったのが発端だった。そこで一般に言う「社会化の臨界期」の厳密な時期についてがぜん気になりだし、調べたところ、Dog Actuallyというブログマガジンの史嶋桂さんの書かれたコラムにこの頃の発達についてわかりやすくまとめてあったのを見つけることができた(灰字部にリンクしました。これから仔犬を飼おうと思っている方におススメの記事です)。以下は読書の覚書もかねて、「生後0日から4か月めまでの間に子犬の脳裏で何が起きているか」について、手持ちの本やウェブサイトで読んだことを自分なりにまとめたものになる。

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 生後0~13日目まで

 仔犬は嗅覚、触覚にまつわる単純な記憶以外を学習する能力はなく、日常の90%の時間を寝て過ごしている(起きていても寝ていても脳波に変化がない)。しかしこの時期の終わりごろから徐々に個体差らしきものが出てくる。この時期人間のハンドリングによって日々仔犬が「適正なストレス」にさらされることが、諸説あるがその後の社会化に一定の効果を生み出すと考えられている。

 生後13~20日まで

 12日から15日目までに子犬の目が開き、仔犬の感覚が急速に成長する時期に入ったことを知らせてくれる。感覚器の発達と共に、仔犬達は自分の今居る環境や、外界からの刺激に対してずっと繊細になる。仔犬は自力で棲みかの中で「冒険」を始めるので、様々なオモチャ等に触れる機会を与えられるようにする(このあたりが社会化期のぼんやりとしたはじまり、と言う気がする)。

 ここでも子犬に「適正なストレス」を与えることが重要視される。例えば足先をつまんだり、体重計の冷たいプラスチックの表面に乗せたり、仰向けにひっくり返すなど。これらのプロセスを行った後は、仔犬をやさしくゆっくり撫でて落ち着かせ、ストレスとなでられる経験をセットで印象付けるようにする。ここで、人の介入や触られることによく慣らしておくことが、後でイヌの体のケアや獣医師の検診をずっとラクにする。

 生後3週間~12週間(三か月齢のおわり)まで

 真の社会化期の到来。その犬が一生を通して受け入れるべき物事は、全てこの時期に親しまされておく必要がある。この時期の社会化は主に2つの段階に分けられる。

フェーズ①:犬同士の社会化期

 生後4~6週間の間に訪れると考えられている、母犬や兄弟との重要な交流の時期。仔犬たちはこの時期、与えられた棲みかから出て他の兄弟たちと遊ぶようになる。ここで様々な重要な事・・・個体同士のコミュニケーションの仕方や、他者に対する力加減を学ぶ。5週目の半ばころ、子犬はそれまでの母犬だけにフォーカスした生活から徐々に「それ以外の世界」へと興味を移行していく。

 犬同士の社会化と並行して、仔犬たちは自分の「においのポスト」を設定し始める。これはトイレの場所を自分で決め、自発的に巣を離れて排泄し、寝床を綺麗に保とうとする本能的行為である。だからこの時期に不衛生なケンネル等で生活しなければならなかった子犬は、あとで排泄の問題を抱えることが多い。

フェーズ②:人との社会化期

 生後5~12週間の間に訪れると考えられている。一般的に社会化の臨界期と言われている。仔犬達にとってニンゲンとは、母や兄弟との新睦を十分深めたあとに、慣れ親しんだ棲み家の果てで出会い、さらにそこから外の世界へと導いてくれる存在になる。仔犬はここで「人間社会のものごと」、たとえば変わった場所や犬以外の生物、聞いたことのない音や触れた事のない物に対して十分親和性を深めていく必要がある。特に5週から7週目までの間は意識的に毎日違う人々を家に招き、仔犬と遊んでもらう必要がある。毎週グルーミングセッションを設け、子犬が体のどこを触られてもへいちゃらなようにする。また、人との社会化期とはいえ、この間も仲間の犬達とたくさん遊ぶことは、その犬の一生涯を通して大事な意義をもつ。この時期の後、仔犬は外界のものに対して懐疑的な態度で挑む(一般的に「恐怖期」とよばれる)時期に入る。

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  ここまでの内容を見てみると、自分が仔犬の最初の一月用に「社会化手順表」みたいなのを作成していて、気にしすぎかな・・・・・・と思っていたのが、あながち悪いアプローチでもない気がしてきた。特に、防衛本能に優れた護衛犬種やシェパード系統の犬は、社会化期の終わりが他犬種と比べてはっきりしているという話を色々なところで耳にするので、がんばりどころだ。うちの犬は諸事情により9週目近くなってから家に来ることになったので、最も効果的に社会化出来る期間は実質、3週間と限られている。時間をなるべく有効活用するために、計画的にがんばりたい。