大統領選の開票日前夜の11月2日、コディと二人で夜更けのワシントンDC市街地を歩きました。ジョージタウンからダウンタウンまで運転する間も、かなり多くの建物にベニヤの板張りがされているのが見られ、また政府機関の建物前には大型トラックが乗りつけ、目の前で次々と鉄のバリケードやコンクリートの車両止めなどが設置されていきました。DC近郊民としてやや悲しい事ですが、この街のデモや暴徒の類はなれっことはいえ、この日のDCはどこかビリっとくるような「本気だな」と思わせる街の雰囲気がありました。明日の大統領選が歴史的な選挙になりえるものだと肌で感じました。
人通りがちらほら。コディが子犬の頃に散歩した街道にも板張りが。
中にはラクロスのスティック等で武装しているホームレスなどもおり、正直あまり雰囲気がよくない
フェンス前にはBLMの若者達が集まって音楽を流したり、ひとつひとつの張り紙に目を落としている
コディは道にいる報道のお兄さん達や、列をなして待機する警察官達、BLMのお姉さんなどに話しかけられたり、撫でてもらい、終始ごきげんでした。メディアと活動家、そして法執行機関と今日のアメリカで「三竦み」とも言える人々の心の垣根を犬は軽々と越えていった。みな明日、数日後、来週は、どこでどうなっているのかも知れず、人々はアメリカ史という巨大な流れの中にくるくると翻弄されつづける木の葉のようです。でも、この流れもよくよく目をこらすとまた何千、何億、何十億という夥しい人々の意思や思想、思念、思惑といったものでつきうごかされているのだと気付きます。この流れは一体どこへ向かうのか……、まずは明日の開票を楽しみに、帰路につきました。