メモリアル・デーの前日、桟橋で潮風にゆらゆら揺れるアメリカ国旗と船。
アメリカの「メモリアル・デー」は戦没者を追悼する日であるほかに、その前後に三連休となるので、帰省したり小旅行を楽しむ人も多い休日です。メモリアルデー前日である日曜日はちょうど中日にあたり、ワシントンDC近郊は人が出払って道路なども空くので、日ごろ渋滞に悩まされる地元民にとってはちょっと遠くへ足を伸ばす格好のチャンスとなります。管理人らと犬の「コディ」も、メリーランド州の州都アナポリスへ行ってきました。
チェサピーク湾にかかるチェサピークベイブリッジを渡って、反対側にあるという犬連れOKなビーチを目指しました。午前中の比較的早い時間帯だったので、今まで体験した事がないほど快適なドライブでした(いつもこうだといいのになあ)。
着いたのはTerrapin Beach Park(テラピン・ビーチパーク)という海岸沿いに続くトレイルのある公園。同行の人間(♂)によると、このトレイルの向こうに小さなビーチがあり、犬達がオフリードにして遊べるという噂を聞いたのだとか。
日本のヨシのような植物に囲まれた園内の小さな池は、汽水が流れ込む影響で独特の生態系があると聞きました。水面に目をこらすと背中のグリーンがきれいな、グッピーみたいな魚が泳いでいるのが見えました。写真に撮ろうと粘りましたが、かなりすばしこく仲間同士で闘争しており、上手く写すことはできませんでした。
気温は約24℃。あまり暑くはない筈でしたが、日差しはかなり強く、コディはあまりやる気が出ないようでした。コディは、黒い毛に覆われているのでやはり暑さには弱く、ちょっとした日差しの元でもハアハアと息をしだしてすぐにくたびれてしまうので、気の毒になります。自分達の住んでいるバージニアの夏は結構暑いので今後元気にやっていけるか心配です。
ビーチに到着!大西洋の冷たい水が打ち寄せます。
犬をひもから外して、まだ誰もいないビーチを散策しました。
初めて見る海に興奮したのか突然マッハで走り出すコディ。暑い砂をものともせずダッシュを繰り返し、その後一瞬で燃え尽きヘロヘロになっていた。日ごろ大好きでせっせと拾っている「木の枝」がこんなにあたり一面に散らばっているのも嬉しかった様子。突然降ってわいたこの富をどうしていいかわからないような雰囲気で、1メートル進むごとに新しい枝を拾っては捨て、拾っては捨て、典型的な成金のような行動をとっていて笑えた。
ところでメリーランドといえばワタリガニの仲間「チェサピークブルークラブ」が特産品として有名ですが、ここのビーチで困ったのは、そこらじゅうに半分に割れたカニのなきがらが転がっている事でした。犬にとっては干物みたいで良い匂いがするのか、コディもたびたび拾い食いしようとして困りました。コディはとても食い意地がはっているので、食べ物に関して「Lieve It」のコマンドがききにくいです。人間(♂)によると、管理人が目を離したすきに砂まみれで正体のわからない「大人の靴下ほどの大きさのある」海産物の死骸を飲み込んでしまったとか(!)。また夜通しの下痢と夜泣きに悩まされるのだろうか。
節子 それ海坊主ちゃう 犬や
海面を割って現れたのはロットワイラーの女の子。
飼い主の投げる木の枝を泳いで取ってくるという、使命に燃えていた。
コディも、「かっこいいな~」と見とれていました。
遠くにさきほど渡ってきたチェサピークベイブリッジが見えます。
久しぶりの砂浜とあって、ここまでの道のりを延々三脚・カメラと共に移動していた管理人は早々にくたびれてしまい(体力の衰えを感じた)、ビーチは早めに切り上げてアナポリス市街地へ移動しました。1600年代末ごろ、バージニアから追い出されたピューリタンの入植地としてスタートしたアナポリスは、現代は歴史、海産物、ヨットや船、そして海軍士官学校(United States Naval Academy)のある地として今日まで栄えています。上の写真の左端にも純白の制服に身を包んだ、士官候補生の方が写っていますね。アメリカの軍人達にとってこの学校で学ぶことは、大変名誉ある事とされているそうです。
ダウンタウンのメイン・ストリート、その名もMain St.を反対側から見た眺め。遠くにスパ・クリークへと続くアリーナが見えています。この小さなアリーナは船から直にダウンタウンに降り立つことが出来たり、また水際に船でアプローチ出来るレストランなどがあることから、ボートやヨットの愛好家で常に賑わっています。
アリーナへ行ってみました。ヒトだけでなくカモも沢山いて賑やか。
こちらのエンジンはYAMAHAですね。日本の会社のエンジンは人気です。
後ろにちょこっと写っているボートは一隻5000万円近くするもの。
それを二隻とジェットスキー数台を繋げて、中学生くらいの女の子たちがパーティしていました。
その脇道ではホームレスが段ボールの切れ端を片手にうつむいていました。
アメリカの社会格差を強く感じる瞬間です。
アメリカの社会格差を強く感じる瞬間です。
見渡せば向こうにメリーランド州会議事堂。
1700年代末からずっと実用され続ける、アメリカ最古の立法機関だそうです
食事は、これまた犬を連れていてもOKなパティオ席のある料理屋で。アリーナを囲むレストランのひとつフェデラルハウスにお世話になりました。店内も綺麗にリモデルしてあり結構いい雰囲気でした。こういう古いレストランにしては珍しく、メニューにはグルテン・フリーの品目にマークがしてあり、小麦粉アレルギーの人間(♂)にとっても嬉しかったようです。
ウェルカムドッグ
アナポリスに来るといつも思うんですが、自分の住む北バージニアに比べて食費が安い気がします。今回、自分はクリーム・オブ・クラブというスープと、クラブケーキを食べましたが、これと同じくらいのものを北バージニアで食べたなら、20%くらい多く費用がかかる気がしました。これらの場所は車で1時間半くらいしか離れていないので、アナポリスが特別海が近いから・・・というわけでもなさそうだと感じます。
道端の古いレモネード屋と、日差しに輝くレモンの箱を見ると、もう夏ですね。アナポリスには他にも犬連れOKな公園やスパがあると聞いたので、それらのためにまた訪れるのを楽しみにしながら帰路につきました。