ようやく暖かくなったと思ったら、もう一気に初夏の空気であります。そうかと思えばまた急にどどんと冷え込んだり。上の写真の日などは、4月初旬の朝でしたが雪がちらつきました。高緯度の白い陽光の中に横殴りにちぎれた雪が舞う様子はどこか神がかりを感じるお天気でした。
我が家の犬君もついに10歳となりました。毛づやよし、足腰OK、頭脳明晰、快食快便、おおむね快調、うれしいです。しかしこのくらいの年になると、しばらくたよりがないと「死んじゃったかな?」という感じになると思うので、少しまめにアップデートを心がけたいと思います。このごろは庭作りやコディと遊ぶことにより多くの時間を費やしていること、あっという間に高学年になった子供の勉強(アメリカの公立校+家庭学習で日本の小学校の四教科を教えています)や身の回りの面倒、そしてなによりもデジタル・デトックスが進み過ぎたことで、なかなかPCに向かう時間が少なくなって来てしまいました。
ということで短く近況をまとめます。
お隣のトウモロコシ畑は売り払われ、建売のおうちに変わりました。
飼い主は残念ですが犬は見るものが増えて忙しそうです
体調はおおむね快調、とはいったものの『満点ハナマル』ではないのがやや残念な老犬ライフです。2月の血液検査で肝臓のALT(SGPT)の値が196となり、高いことを指摘されました。じつは去年も同じ内容でちょっとひっかかってその後のパネルで異常なしとなった経緯があります。数値としては前回よりも高いので、要観察、8月に再検査を行う予定です。
ALTは、アラニンアミノトランスフェラーゼという酵素で、肝臓に何らかの異常があると血中に漏出して数値が上がるということのようです。自分でもいろいろ調べてみましたが、老犬の場合ALT値の上昇は単に肝疾患以外にも膵炎、クッシング病、心臓回りの不調、それから激しい運動や甲状腺機能障害(犬ではまれ)などなど、肝臓からはなれたところに原因があることもあるそうです。まあ一大要因として加齢があることは間違いがないと思います。相変わらずトレーニングで一日に一回は猛ダッシュしているのですがやめさせた方がいいのかな。
肝臓に関係があるか分からないのですが、コディは放っておくとほとんど水を口にしない、昔のヨーロッパ人みたいな奴です。なんとなくこれも良くないような気がしています。それで最近、フードにぬるま湯を混ぜて、ふやかしてあげています。こうすると香りが立っておいしくなるみたいなので一石二鳥です。「1日1回はコディになにかおいしいものを食べさせる」取り組みも続けてしばらくになりましたが、特にタンパク質や脂質を摂る事ことの内臓への影響に不明な点が出てきた今、いったん中止して、「基礎の食餌(ドッグフード)を工夫してたのしく食べる」ということに切り替えています。
でも、水けの多い餌だと歯が汚れるので歯肉や口周りの皮膚が弱いコディにとってはまた別の問題が生じるわけであります。こうしてどこかを立てれば別のどこかが立たず、という感じになってきたのがいかにも老齢期の健康という感じで、なるほどねと思っています。わたしだって今はピチピチの中年ですが、明日は我が身だと思っています。
寒く気候の安定していた冬は終わり、春雷の季節に至りました。コディは相変わらずちょっとの音で慌てまくっております。ピーピーヒャラヒャラどすどすと、暴れコディの笛太鼓といったかんじで大騒ぎです。そういう時、コディの顔を見ると「👁👁命の危険!!!」という感じの目をしているので可哀想なんですけど、何かちょっとかわいいなと思っています。
ただ最近は騒ぎ方に変化が出てきました。ゴロ……と来たら落ち着いた声で「クレート入んなさい」と声をかけてやると、がむしゃらに2階に駆け上がったり走り回ったりせず、ガタガタ震えながらも確固とした足取りでクレートに入り、奥の壁ぞいに座ってがんばるようすを見せるようになったことです。初めてはっきりと落雷を怖がる様子を見せてから約4年。クレートに入ってゴロゴロをやり過ごす経験が蓄積した結果、「ここに入れば命だけは助かる」という信頼がクレートに対して芽生えたように思います。
クレートを快適にして長時間入っている時のストレスを軽減したことにも少し効果があったかなと思っています。特にクレート内の風通しを良くし、足元を涼しくする素材のマットに換えて、壁に水入れをかけられるようにしてやってから目に見えてクレートに入るスムースさが向上しました。コディは雷の音だけでなく急な光の明滅(稲光を思わせる)にもかなり反応するのですが、クレートに居る間は周囲の電気を点けてやるようにしたのもよかったのかも。ちょっとでもアヤシイと思うとすぐクレートに出入りするようになりました。
重要なアップデートはこのくらいでしょうか……。そういえば最近、知り合いがゴールデンレトリバーの子犬を飼ったので遊ばせてもらったんですよ。金色の、命そのものみたいなふわふわのつむじ風でした。誰もかれもを笑顔にする魔法をかけられて生まれてきたような・・・ひとしきり子犬との時間を堪能して、それで、うちに帰ってからこちらの相棒の顔をまじまじと見ていて気付いたことがあります。
コディの方がずいぶん、かわいいのです。
ゴールデンレトリバーの赤ちゃんより10歳で白髪だらけで鼻の色素が退色していて、歯も抜いちゃったし、瞳も少し濁ってきているおじじの方が愛らしいなどということはどう考えてもあり得ないと思うのですが。何度目を擦って見てもコディの方が可愛いです。もっと言えばコディだってまだ子犬なのです(いよいよ正気があやしい物言いになって来ました)。正確には、コディは見た目が古くなっただけで、中身はあの雪の日にもらってきた子犬の時から何も変わっていない存在だということで、どうして、と聞かれても「ただ分かるから」としか言えない飼い主です。
人間だって、『三つ子の魂百まで』です。最近、自分自身やまわりの人を見ていても、これをよくよく意識することが増えました。だから犬だって『三カ月の魂十まで』としたって、きっとおかしくないと思います。目くばせの仕方、注意されてバツの悪い顔をしている時、寝相ひとつとっても、子犬の日となにも変わったところがありません。魂って、時間の影響を受けていない!古くならないんだ!(物理法則的にそんなのあり得るのかな?!)と、コディの事を見ていて、すごいことに気付かされています。