バージニアは日一日と暑くなってきます。田舎の四季は空の色と、畑の作物の草丈が教えてくれますが、中でもトウモロコシの成長の速さには驚きます。今年はこの一帯はみんなトウモロコシを作っているんです。いつも歩く道のこの、写真の場所に立つと、ちょっと劇場の中に居るような気分になります。両側に高く伸びた古い農道の木がソデで、台詞を忘れた役者がウロウロしているようですが(笑)、しかしこの背景はとてもいいなあといつも思います。日本の田んぼは、吹き渡る風が見える時が好きなのですが、アメリカのこの若いトウモロコシがみんな一篇に風になびく様子もそれに似てなかなか素敵です。
木曜日の夜、コディの下顎部のちょうど舌の筋肉の裏側から右側の顎にかけて小さな2センチ前後の塊状のなにかが、骨に密着するようにしてある事に気付きました。夜遅く病院へ行って先生の手があくまで1時間半待って診察を受けました。待ってる間はずっと立って待合室をうろうろしていたので結構くたびれました(笑)。コディは獣医さんに着くといつも病院の外から中までと、受付のスペース、お手洗い、物販スペースなどを全て確認したがります。他の患畜さんがいない場合は、気が済むまでチェックさせます。目に見えてストレスが緩和します。
9時半をまわった頃獣医さんが出てきたので状況を話し、一旦触診を受けました。早く検査をやった方がいい状況だというのは分かっていたのですが、翌朝の朝イチで来られれば口腔外科の先生の予約が取れることを確認し、すぐ家にとんぼ帰りしてコディにトラゾドンとギャバペンチンの投与を始めました。コディに水をやってちょっと寝てから、また早朝のアポのために薬でボワワンとしたコディを車に積み込んで出かけました。
麻酔を口腔外科の先生にレントゲンを撮ってもらった結果は「歯根膿瘍」でした。特に膿瘍が見られた歯はその場で同意書にサインしてすぐに手術してもらいました。年2回の健康診断で口腔内のチェックをして、綺麗だと言われてきたのでこの結果にはいささか驚きましたが、本当の状態は表からはの評価ではだめで、ちゃんと麻酔してレントゲンを撮らないといけないということですね。
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今回の件で口腔外科専門の獣医さんにいろいろ質問したのですが、結局、コディの膿瘍の直接的な原因になったものは「正直自分にもよく分からない」と言われました。犬用の小さいやわらかいブラシで、1日最低1回は歯磨きをし、ビルバックのデンタルトリーツをもらって、4年前のこの頃からスケーラーでの歯石とりも定期的にするようにして、「もしかしたらこのまま寿命までクリーニングなしでいけるかも」などと思っていましたが、甘かったようです。コディは大型犬ではあまり問題になりにくい前歯にも膿瘍があり、2本抜いたので、やっぱり歯肉が炎症を起こしやすい犬なのかもしれないと獣医さんも考えていました。今後さらに気を付ける必要があります。
下顎部のしこりは炎症にしては硬いと思ったので組織検査にも出してもらい、腫瘍をスクリーニングする為のブラッドパネルもやりましたが『ただの炎症』以上の結果が出ませんでした。膿瘍がもとで起こった炎症か、もしくは今丁度時期的に営巣し始めているハチに刺されたか、ではないかと言われました。(3週間後の追記:現在はしこりも、縫合の糸もほとんど解けてふだん通りの状態に戻っています)
コディの表情とか様子などがいつもと全然変わらないので、なかなか問題がある事を発見できませんでした。膿瘍は結構痛むということなのですが、、、検査と抜歯で約45万円かかったのも、心と予算の準備は出来ていましたが、「超大型犬の医療費パンチ、重いぞ」を実感しました。
でも、40年前だったらコディはこのまま痛い顎に苦しみながら生きてたんだと思うと病院があってお医者さんがいて、本当にありがたいことです。気を取り直して節約生活と、次なる医療費への備えに励みたいと思います。