2018年4月29日日曜日

犬種セレクター色々

狭い台所に犬、子供、玩具も人もぎゅう詰め。 箸?もちろんテーブルに直置きさ!!(爆)
広い庭付き一戸建てに住めたらなあ。しかしコディは常に人とくっついてられるので嬉しそう。


 「ちいさいニンゲン」がいたずらばかりしています。少しでも目を離すとぴゅーっと道に出たり池におちてオムツが池の水でタプタプになったりするので、ダッシュで追いかけます。ありとあらゆる事に世話が必要な割に、子本人は人の助けを借りないで自力で行う事に価値を見出していて日々凄い数のエラーを繰り返すので、一日が終わるころには(主に後始末などで)笑えるほどくたくたになっていることが多い。人類史のなかで過去数万年間、10代や20代の若者が集団で行ってきた「子を育てる」という作業を、30代も半ばの、群にも所属してない「中年ハグレ♀」が行おうとする事の意味を日々噛み締めています(苦い)。

 そんななので、子を寝かせた後、PC上で何も考えなくてもできるアクティビティが癒しになっています。いつもは、描画ソフトで絵を描いたりして遊ぶことがおおいですが、今日はそれをする元気もなく、死んだ魚の目をしながら犬種セレクターに条件を入れて、出てきた犬種をただただ眺めるという境地に到達していました。そんな折、犬種セレクターにもいろんな種類があることに気が付きました。感心したりえ~と思うような面白い結果もいろいろ出たので、やったものをメモしておきます。※「正確度」は個人の独断によりです。



犬情報サイト「犬と歩けば」あなたにピッタリな犬種は?

正確度★★★☆☆

ファンシーな情報サイトの一部についてるサービスなので、正確さはあまり期待してなかったけど、目安としてはけっこう参考になる結果がでた。答えに出てくる犬種自体はあまり多くない。幼児がいるという条件をいれると、グレート・ピレニーズやバーニーズ・マウンテン・ドッグ、レトリーバーしかチョイスになくなる。

アイリス あなたにぴったりの犬種は?

正確度★☆☆☆☆

設問が4つしかなかったので、正確度は低いですが、聞いてくる質問がおもしろかった。合ってる犬種に「朝髪型がキマるかどうか」も関わってくるらしい!「車好き」かどうかとか。結果、自分に合う犬種はミニピン一択だそうです(笑)ミニピンは可愛いと思います。

CAIRKweb あなたにピッタリの犬種をみつけよう

正確度★★★☆☆

設問の数は16とまずまずですが、犬の散歩時間の選択肢上限が「毎日1時間ていど」とあった。このセレクターに限らず、他のセレクターでも「散歩の上限が1時間」は散見されるけど、ちょっと少ないなあと思ってしまう。私はおそらく、「子供」が条件に入るためかワイマラナ―、フラットコーテッドレトリバー、ゴールデンレトリバーが出る結果が多かったですが、特にワイマラナ―は散歩1時間では無理なのでは。


④IAMS犬種セレクター・ツール 日本語版 英語版 

正確度★★★★☆

「結果」で選抜された犬種をチェックして、dog breed compare toolという機能で比べられるのは画期的だと思った。英語版は読まずに絵でポチポチ押していけるので、テストがさっさと気楽に受けられる。自分の場合、ハンガリアンクーヴァース、アナトリアンシェパードが入りました(クーヴァースがわりと訓練が入りやすい犬だとは知りませんでした)。また、これの英語版で初めてジャーマンシェパードがチョイスに入ってきましたが、日米における「ファミリードッグ」の概念の違いを感じたような気がして、おもしろかった。(2019/7/20追記):日本語版は久々にアクセスしたら閉鎖してしまったようです…残念。

PURINA Dog Breed Selector

正確度★★★★☆

すこしでも向いてるとおぼしき犬の犬種をこれでもかと沢山列挙してくれるので、アイデアが欲しいときには便利かもしれないです。あと、犬の外見とかでなく、運動量の質問が最初に来る所に好感がもてた。私は、ノルウェイジャンエルクハウンドが選択肢に入りました。そういえば、いつも行くドッグパークにエルクハウンドが数頭いて、最近少し人気が出ている印象があります。でもオーナーの人曰く、敷地内でよく吠えるのと、社会性が育ちにくい、訓練が入りにくいので、「ペット」という感じではないそうです。でも、シバやコリアンジンドーからの比較で言えば、スピッツ系の中ではマイルドで飼いやすい方だと思うのですが。

AKC find a MATCH

正確度★★★☆☆

週にできるトレーニングの量で、最大値が10時間+になってました。一日約2時間くらいかな?楽勝楽勝!幼児がいなければ!!!(笑)でも、何回かやってみましたが、ベルジアンマリノワ、ノバスコシアダックトーリングレトリーバー、スウェディッシュバルフント、フィニッシュスピッツなど、アメリカではともかく、日本では入手しにくい犬ばかりが選択肢にあがりました。

ほかの犬種でも言える事ですが、理想を言えば、自分の家から車で行ける範囲に2、3件ブリーダーがあるような状態がいいと思います。コディの時に色々見て回ってても感じた事ですが、ケンネルが実際に会って話せる距離にあることは非常に助かるし、それに、同エリア内にブリーダーが複数あるほうが競争が生まれるので、犬の質が良くなると思う。一番リスクが高いのは、一度も訪ねることもせずに、遠くに一軒だけあるレア犬種のケンネルとかから犬を送ってもらおうとすることです。このあたりはもうどうしてもそうならざるを得ない理由もあると思いますが、やはりネックだと思うのは人間、実際に会ったこともない人に、生まれた胎の中から一番いい子犬を譲ることは絶対にありえないと思うので、理想を言えば、会って一緒に食事をするくらいのことは出来る距離が良いと思う。

Dogtime.com Dog Breed Selector

正確度★★☆☆☆

犬種という意味ではこのセレクターが一番列挙してきました。ただ、挙げてきた犬の傾向がわりとバラバラで、頼りになるか?と言われたら微妙かな…、、、シュヌードルとかゴルダドールとか、正確には「犬種」ではない候補も入っていたので、とにかく自分の用意できる環境に少しでも掠りそうな犬をたくさんチェックしたい、という人向けでしょうか。というか、ここまでセレクターを沢山やってみて、それぞれが出してくる候補にかなり幅があることが分かりました。こういうのの中から繰り返し出てくる犬種というのが本当に合っている犬、という意味では色々試す事にも意味があると思いました。

Animal Planet Dog Beed Selector

正確度★★★★★!

このあたりで吹っ切れて「子供」を考慮しない解答をしました。ベルジアングローネンダール(99%)、ベルジアンマリノワ、ジャイアントシュナウザー、ベルジアンタービュレンと、私の趣味がこれ以上ない程丸出しの結果に(一点だけ、私はジャイアントシュナウザーよりブラックロシアンテリア派です)。趣味と自分に合った犬種が合致するのはとても幸せな事ですが、それが現実、実現不可能と分かった時の悲しみも半端ではないので悲喜こもごもですね。


 では現実逃避はこのへんにして、就寝しようと思います(死んだ魚の目)。これから犬を飼おうと考える、どなたかの参考になれば幸いです。


2018年4月24日火曜日

犬の友情

友達犬同士の挨拶。手早くスムーズかつリズミカルな犬グルーヴ


 東京でドーベルマンを飼っていた頃は、学生だったのもあり、犬と外出するといえば深夜と早朝のランニングやサイクリングが主なもので、他の犬や飼い主と交流することは殆どありませんでした。それが3年前に今の犬が家族に加わってからというもの、ドッグランに頻繁に通うようになり、「犬にも友情がある」という自分史上、世紀の大発見がありました。

 多頭飼いや、もともと社交的でイヌとどんどん出かけていた人からしたら「なんだ、今さら」というような事かもしれません。でも、子犬の時から自分の犬の目を通して、その犬と犬がどうやって出会い、どうして仲良くなったか。それからどんな事があったのか、その全てのストーリーを網羅する立場になってみたら、個体と個体の間に確かに存在する絆と、原始的な友愛の姿に感動しました。


牧羊犬大行列 コーギーオーナーの女性のコーディネート(フレキシ二丁ぶらさげ)にも見惚れる。



 今日は、一年前に自分達の住むエリアから引っ越してしまった、ボーダーコリーのニックと、コディが再会した日でした。ニックのお母さんが、ずっと車を飛ばして会いに来てくれたのです。コディもニックもそれはそれは喜び、これみよがしに相手の首筋にアゴをのせたり、相手の上に乗っかったり、ドヤ顔で肩に手をかけたり、若いオス同士特有のわざと「ウザい」事を連発して、遊びを始めようとあの手この手でがんばっていました。


ずっと離れていても、ニックの頭蓋骨の味わいは変わらないようです。歯ざわりがいいのか?
ニックのお母さんは、コディの口の中に自分の愛犬の頭がスッポリ入ってる状態が好きで、黄色い声援を飛ばしていた。


飛行機と、走っている車の車輪と、浜辺のさざ波が大好きなニック。
放っておくと足が擦り切れるまで追うので、「さざ波追いかけ用」のクツを持っている。

ニックのお母さんと。
犬は、自分の仲のいい犬の飼い主とも仲良くなる傾向があるように思う

耳どこいった

 楽しい再会はあっという間に過ぎ、すぐまた分かれ分かれになる時が来てしまいました。別れを惜しみながら帰る準備をしていた時、ニックがコディの方に近づいてクンクンクンとにおいをかいだかと思うと、カジュアルな感じにヒョイッと足をあげて、おしっこをかけました。

 過去三年間ほぼ1日1回はドッグパークをひやかしている自分ですが、こんな風に犬が犬にマーキングするのを目の当たりにしたことはなく、とてもびっくりしました。なぜかコディにおしっこをひっかける事を思いついたニックがいじらしく、飼い主どうしまた絶対2匹を遊ばせてやろうねと約束を交わし、パークを後にしました。
 


2018年3月31日土曜日

一歩進んで 一歩下がる




 前回の記事に書いたセラピードッグ(TDI)の試験ですが、当日突然の悪天候により中止となってしまいました。運よく受けられるテストが見つかって喜んだのもつかの間、また新たな試験の機会を窺うことになりました。

 上の写真は、テストにむけてここしばらく自主練していたお店での1枚。この場所はMerrifield Garden Centerと言い、北バージニアエリアに数店舗を構える居心地のいい植木屋さんです。店員さんも優しく、無料で大人にはコーヒー、子供にはポップコーン、犬には水がもらえます。チビは2歳6カ月。いろいろ難しい時期ですが、『ぽここん』がもらえるよと言うと喜んでついてきたので、連れ出しやすかった。一瞬目を離したすきに商品の花をつんでしまったりする子供に注意を傾けながら犬に指示を飛ばすのは非常に難しかったですが、なにもしないよりはきっとマシと考え、習慣的に通いました。


2018年3月14日水曜日

ペットシッター探し




 仕事が短い休みに入ったので、TDI(Therapy Dogs International)のテストをコディともに受けることにしました。最近は時間の都合でクラスにも通えず、自主練ばかりだったので、通るかどうかは分からないですが、いい機会だと思ってチャレンジしてみようと思います。

 私は週末は仕事で終日出てしまうので、団体のウェブページを確認していて丁度休みの土曜日にテストが入っているのを見つけた時は嬉しかったです。しかし、車で往復4時間の場所で、子供を連れての行きかえり、それにテスト中は子の監督ができないことから、ベビーシッターの人に来てもらうことにしました。シッターは、探す段階に加え、実際にシッターをはじめてもらう前にも、人柄や子供との相性を確認するために面会をセットしたりと色々なプロセスがあり、結構大変だなあと思いました。バタバタした中ふと、「そういえば最近、コディのシッター探しもやったな」と既視感を覚えました。2017年の末、仲の良かった義母が突然癌で余命宣告をされ、そしてすぐに亡くなった時に、急きょ一週間ほど犬を預けなければならなくなった時です。

  コディくらいの大きさの犬の預け先選びは大変です。アメリカではこのような時、多くの人が「デイケア」と呼ばれるペットケアサービスの、お泊り(ボーディング)のプランを使います。ほかには、ボーディングケンネルといって、田舎の方で広い敷地に犬舎を建て、中期~長期の預かりサービスを利用する人もいます。我が家の場合、いつも個人で契約していたシッターさんに見てもらっていました。しかしこの時は、今までのシッターさんが丁度国外へ旅行されていて、急遽、新しいシッターを探さなくてはなりませんでした。

 コディは、デイケアや全く知らない人の家に預けられる事が苦手で、そうなると隙あらば外に飛び出そうとするので、もともとの顔見知りや、仲良く遊んでくれる友達犬のいる家庭で預かってもらう事がベストです。私達は、結局、アメリカでRover.comと呼ばれるサービスの提供するオンラインウェブを利用しました。これは、ビッグデータを使って飼い主とシッター(ドッグウォーカー・お泊り)をマッチングする比較的新しいサービスです。ほかにもWAG!というのも最近頭角を表してきてるみたいですね。探してみたら東京にもありました→Pawshake。こういうサービスがもっと盛んになれば、例えば都心のDINX家庭等でも大型犬が飼いやすくなったりするのでしょうか。

 話をRoverにもどします。個人宅でドッグシッターをしている、レビューが良く優しそうな人を数名リストアップしたら、次に実際の家まで面会に行きました。個人契約の面倒な点はここです。例えば自分達の場合、訪問してみたらものすごく家が汚かったり(家が度を越して汚くペットだらけの人は管理能力に問題があるような気がしてNG)、大型犬の欄にマルがついていたのに、実際会ったら「あなたの犬は大きすぎる。家族が怖がっている」と言われて、時間を割いて行ってきた今までの会話や調整してきたことがすべておじゃんになったりと、急いでいる時は正直公共のペットサービスを使う方が便利だな、とも思いました。

 ただ、その甲斐もあって最終的にとてもいいシッターさんにめぐり合うことが出来ました。Iさんはジャーマンシェパードレスキューで長年フォスターをされている人で、シェパードの扱いに慣れており、面会に行ったシッターさんの中で、唯一、コディを上手にハンドリング出来ていたことが決め手となりました。嬉しい事に、Iさんが飼っているメスのジャーマンシェパードとコディの相性もこちらが驚く位良好で、合った瞬間から姉弟のように仲良しになれたのも良かった。あとでわかったのですが、以前書いたウィリーの飼い主さんとこのEさんが旧知の仲だそうで、たまたま二人がシャイロシェパードの話をしている時、「シャイロと言えば近所にすごくおりこうな犬がいてさ。コディアックっていうんだけど」と同時に切り出して、この事が判明したとか(笑)。

 とにもかくにも、こうして犬を預けてみたら、朝から夜まで自分の体力というか、元気が持続するのにビックリしました。考えてみたら、一日2回の散歩(子供おんぶ・ドッグパーク)なし。一日2回の掃除機掛けなし。犬のエサ準備、水替えの手間なし。家も一度掃除すると2、3日は綺麗なまま、毛が舞うストレスもなし。それ以外の時も、隙あらばなにしてんの~とあの怪鳥みたいな目で凝視されるプレッシャー(?)もなしと、ないない尽くしで、犬がいない生活ってこうだったっけと、目からうろこがおちました。コディは手のかからない犬だけれど、それでも犬にまつわる労働がかなりあったことが、改めて分かりました。

 話が脱線してしまいました。TDIテストですが、先にも書きましたが、全くどうなるか不明です。シッター探しの苦労、シッター代、検定料、往復四時間のガス代が無駄にならないよう、精一杯頑張って来たいと思います。

2018年1月30日火曜日

ぼうし事件/体罰訓練

新しい車に自力で乗れない弱虫だと分かり、特訓中


 今朝、強風のドッグランで遊ばせていたところ(寒かった!)、かなり強い突風が来て、かぶっていた薄手の野球帽が、あっという間に20メートルほど向こうへ行ってしまいました。「あッ!」と声を出したところ、コディが駆け寄ってきたので、思わず「コディ君帽子取って!」と言った所、ぴゃ~っと走って行って拾い、私の手の上に持ってきて置いてくれるという出来事がありました。今まで、こんな口語口調でなにかさせようとしたこともなければ、帽子を「トッテコイ」させたことなどもなかったので、単語単語でというよりは全体の雰囲気で内容を把握したのでしょうが、一度で言われた事がすぐ分かった事にとても感心しました。本当に、あまりにもタイミング良く現れて助けてくれたので、まわりのドッグオーナー一同から拍手が起こっていた(笑)。


 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組で「ワンチャンスペシャル」が組まれていたので視聴しました。ふわふわした可愛いネーミングに反して内容が濃くて見応えがあった。フォーカスされていたのは著名なトリマーの方、悪性腫瘍専門の獣医さん、噛む犬の訓練士さん。訓練士は、北栃木愛犬警察犬訓練所の中村さんという方が取材されていました。所謂体罰込みの独特の訓練スタイルをされてるみたいで、かなり賛否両論ありそうですが、本当に心血を注いで頑張っているんだということは「犬の遊びタイム」でファインダー越しに和犬がゴロゴロ出てくるのを見て感じました。どれも普通に考えたら殺処分になってるような犬ばかりだと思いました。

 私もかつて、日本で知人のケンネルに居候していた時文字通り手の付けようがない、行きつく所まで犬格が荒廃した柴犬の身の回りの世話を手伝ったことがあるので、一般的に言われているドッグトレーニングの方法論がおよそ意味をなさない犬、特に洋犬を「ふつうに」飼い育て「ふつうに」躾けて問題なく暮らしていけてる殆どの愛犬家にとって、想像も出来ない事が和犬で起こりえると学びました。かわいい仔犬を育てていたのに、いつの間にか半野生の猛獣になってしまう感じで(近付くと雄たけびを上げはじめ、飼い主であっても体の毛一本でも触ろうものなら本気で噛みに来ます)、かなりの根気とテクニックを費やさないと直らない犬、というか普通の人は直せないので殺処分されてしまうのですが、そういう犬がときおり出てきます。フィジカルにビシビシやる訓練法に否定的な人は多いと思いますが、一度でもそういう犬を経験すると、正直なところ一定の理解が出来てしまいます。

 自分自身のことを振り返ってみても、私は今は比較的おりこうといえる「コディ」という犬に恵まれていますが、今の犬とほぼ同じやりかたで躾けた先代のドーベルマンはおりこうと言うには程遠い状態でした。ですから、飼い主が用意できる環境はもちろん遺伝や犬との相性、犬に副次的な情報を与える存在(例えば同居の家族。とりわけ子供やお年寄り)によって、訓練環境が劇的に変化してしまうことや、飼い主一人が頑張っていても、犬がおかしくなっていく状況も現実として起こりえるという事は実際に経験しています。テレビに出ていた噛み犬の飼い主さん達も皆頑張ったけどダメで、疲れてしまい、それでも我が子を愛している様子が伝わってきて、たいへん心が痛みました。

 ドッグトレーニングの方法論は星の数ほどありますが、犬が人間社会の生活にきちっと適合出来、正しく人とコミュニケーションがとれ、飼い主さんも納得できて、精神的にも安心させてあげられるのが「良い訓練」の条件ではないかなぁ、と思っています。この3つのバランスのどれかが欠けると、コマは回らないイメージです。だから犬が人間の世界でどうしてもどうしてもうまくいかない場合、物理的な力の行使を辞さないという心構えは理解できます。

 私が、大きな犬の飼い主だからかもしれません。「イヌ本来の性質やQOLはどうなる、ヒトの都合の押し付け、傲慢」と言われれば、そうなのですが、私にとってはそんなことよりも自分の犬が自分や家族や、だれかの生活を危険にさらさない、いつなんどきでも社会秩序を乱さない、そういったことの方がまず重要です。「そうできるよう努力している」とか、言い訳はダメなのです。世の中の人は結果しか見てくれません。この約束をやぶれば愛犬の命はなくなります。凶暴そうな大型犬の愛犬に向けられる社会の目を一度でも経験した事のある者なら分かります。だから、愛犬との全ての楽しみは、上記のような「社会の一員としての義務を果たした」その後にあります。

 NHKのこの放送後一部の愛犬家やトレーナー界隈が騒然としていると知りました。シーザーミランにしても、中村訓練士にしても、武闘派のトレーニングはよく批判され、実際自分だったらやりはしないだろうと思う訓練方法も多いです。しかしプロの訓練士さんが誰かにお金をもらって、飼い主の人生と飼い犬の生命がかかっているプレッシャーの中、何十年も人生の時間と労力を投資して編み出してきた方法論について、一定の敬意を払いながら議論する必要性を感じます。