2015年4月19日日曜日

犬が一日に必要なカロリーの出し方



 最近管理人一家の一員となった犬「コディ」は生後14週目になった。このくらいの週齢は、一般的に犬が仔犬らしい可愛らしさと、あるていどの分別も身に付けて、手元にある犬の本「The Art of Raising a Puppy」にも、あなたが飼う犬の一生を通じて最も尊い時期の一つと書かれている。そんな特別な時間を噛みしめたいところだったが、コディは少し体調を崩してしまった。

 ここ数日続いている主な症状は、鼻をフガフガさせていて普通より多い量の鼻水が出ることと、悪くなったり良くなったりする、大腸性と思しき軟便(たまに下痢)。既に3セットのワクチン接種とボルダテラ(Bordetella:アメリカでケンネルコフの予防に使われるワクチン)の吸入を済ませているので、鼻水が出るのはそれ以外の感染症が疑われたし、軟便・下痢に関しても、ちょうど今月のあたまに二回目の寄生虫チェックをクリアしているので、なにか他の要因があるらしかった。


大好きな動物病院でスマイル♪ このあとお尻に体温計を入れられ大泣きするのであった。

 早速病院にアポをとってチェックアップと、念のためもういちど便検査もしてもらったけれど何も出なかった。ますます不可思議である。鼻は、鼻気管炎という診断を受けた。獣医師の先生によると「スプリング・アレルギーズ」、いわゆる花粉症などの可能性もあると言われた。犬が花粉症?と思ったけれど、うちのまわりは緑が多く、特に今週に入ってからは外の車が黄色くなるほど花粉がふっているのでありえるかもしれない(もちろん人間達も苦しんでます)。下痢の治療と並行して消化のいいものを与えて、比較的安静にしていればそのうち自力で回復しますよ~、との事だった。おなかに関しては犬用プロバイオティックとメトロニダゾールの錠剤を処方された。体重は測ってみたら40パウンド(だいたい18キロ)をマークしていた。これが順調なのか、それとも上に書いたような症状によって遅れがあるのかは分からないけれど、とりあえず成長はしているようだ。余談だが昨日ご近所に住むコディの友達「デヴィ」の飼い主と話していたところ、寄寓にもデヴィもコディと同じ日にくしゃみ・鼻水の症状を呈し始めていたということが分かった。鼻に関しては自分達が共通して利用しているパピークラスで、何か拾ってきてしまった可能性も浮上した。




 主治医の先生には鼻や便の様子が落ち着いて暫くするまで、ドライフードは一旦中止して煮たコメ、マッシュドポテトなどに茹でた鶏肉などを加えたものを、少量ずつやってみてくださいと言われた。しかしいざやろうとすると、コディが一日にどのくらい食べればいいのか見当がつかない。とりあえず必要なカロリーに関してはPETMDのウェブページに、犬が一日に必要な摂取カロリー量(MER)を計算する式があったので、覚書きとして下に書いておきたい。

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手順

1.犬の体重がパウンド表記の場合、キログラムに変更する。
2.安静時の必要熱量(RER)を計算する。70 × 犬の体重(kg)の0.75乗
3.一日に必要な摂取カロリー量(MER)を計算する。適正な乗数 × RER

一般的に使われる乗数は以下になる。

去勢・避妊された犬 1.6
未去勢・未避妊の犬 1.8
肥満傾向の犬 1
やせ気味の犬 1.7
作業犬(軽度) 2
作業犬(中度) 2
作業犬(重度) 6
成長期の犬(生後四カ月未満) 3
成長期の犬(生後四か月以降) 2 

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 コディの体重は40 lb、=18.1437 Kgになる。この犬のRERは(70 x 18.1437)の0.75乗で、212.749193434キロカロリーになる(便宜的に213kcalとする)。MERを求めるには、ここに「成長期の犬(四カ月未満)の犬の乗数」である3をかけて、コディが一日におおよそ必要とするエネルギー量は639キロカロリーと分かる。因みに参考にしたウェブの注意書きによるとこの計算で出た数字は少ない方にも多い方にも、20%の誤差が出る可能性があるという(えっ!それじゃあ、最大で40%も違ってしまう)。しかし確かに経験上、同じ犬種でも妙に太りやすい犬がいたり、常にやせ気味の犬がいたり、また大型犬よりも小型犬の方が代謝も活発だと思うので、見た感じの体格も判断材料にしながら、数字にはそれほど厳密にならずおおまかな基準程度に留めておくのがいいのかもしれない。

 求めたカロリーの中からどんな食材をどのくらい与えられるのかは、食品のカロリー グラムの分かる写真館というわかりやすい日本語のウェブページがあったので、参考にした。上の写真はチキンの骨・皮付きモモ肉を水から茹でて、灰汁と油を適当に掬い、骨と皮を除き、そこに小さいイモ一個とコメ一合を合わせて柔らかくなるまで煮た状態。コディの体重と成長期なことを考慮して、これを6等分し(二日分)、別途茹でておいた胸肉ひとつかみ、ドライフードを少量、毎食ごとに足してやれば必要なカロリーはだいたい得られるという事になった。ドライフードは中止と言われたがどうしても細かいミネラル分やビタミン類の不足が気になって仕方なかったので、コディが今の所一番好きでよく食べるアカナのグラスランドを1カップだけ、チキンのゆで汁でふやかしたものを混ぜた。おやつはカッテージチーズやヨーグルトをやってカルシウムの足しにした。うちでは自前で餌を作るのはほんの一時的な事なのであまり気にしないけれど、犬、特に仔犬は人間と比べかなり多くのカルシウムなどのミネラル分を必要とするので、恒常的に手作り食を与えていく場合はカルシウム剤やサプリメントの添加はかならず必要になると思う。犬の必須栄養素についてもっと詳しく知りたい場合は米国飼料検査官協会(AAFCO)のAAFCO Pet Food Nutrient Profilesの3から5ページ目に、いろいろ詳しく載っている。


「まだご飯つぶあるよ!」 血眼になるコディ。

まだまだねばる 「ベロベロベロ」

ごはん もうない。。。

 コディは突然はじまったこの「何か美味しいもの」の山盛りに大興奮して、目の色を変えてべろべろしている。あとでちゃんとドライフードだけの食事にもどれるのか心配だ。しかしおなかの方は薬のおかげもあってかだいぶ良くなってきているので、今週いっぱいは家で作った餌でがんばってもらおうと思っている。引き続き動物病院でフォローアップの検診を受け、原因も調べて行きたい。





2015年4月14日火曜日

ワシントンDC桜まつり


「スクーター」という名前のチワワ。半身麻痺して捨てられていた犬だという。
特注の車イスにアメリカの旗を立てて、ナショナルモールを闊歩していた。 Go!Go!スクーター。

先週末の日曜日は、ワシントンD.C.中心部で行われた全米桜まつり(National Cherry Blossom Festival)の雰囲気の端っこだけでもかじろうと、犬を伴って出かけてきた。下は第二次世界大戦記念碑の広場からリンカーン・メモリアルを臨んだ所だけれど、今見返してもかなりの人出があったことが分かる。ここから日本の送った桜並木に囲まれたタイダルベイスンのあたりはさらに混んでいたので、全部回りきることは早々に諦め、もっぱら花霞を楽しむ花見となった。



タイダルベイスンの橋の上から。桜は今週末が最高潮だったと思う

 「アメリカの人は基本的に個人主義でパーソナル・スペースを大切にする」とは、2年前ESLのクラスでほぼ最初に教わったこの国の文化的特徴なわけだけれど、この日この橋の原宿・竹下通りばりのギュウ詰め加減を見ていると「本当かなあ」という気がした(観光で訪れている人も多いだろうから一概に言えないけれど)。管理人の故郷東京はよく人の過密さからくる特異な状況が取りざたされるけれど、ここD.C.だって通勤ラッシュ時にメトロにのれば、スーツを着たアメリカ人がすし詰めになるのを見ることが出来るし、ちゃんと(?)痴漢だって出るのだ。そうかと思えば、特にうまいとも思えないカップケーキ屋の前に皆して、嬉々として行列を作っていたりもする。人は思いのほか環境に依存した生き物であり、同じような環境下では、国や文化に関係なく同じような行動をとりがちになるという事らしい。この地に来て教わったことのひとつだ。



ブルガリア大使館の裏門の前で。
この写真を後から見て、彼の一生のうち一度くらいはヨーロッパにも連れて行ってやりたいと思った

 桜狂想曲からは早々と退散し普通に街歩きをすることにした。祭りに人を吸い取られたのかD.C.市内の他の場所は案外閑散としており、天候がよかったのもあってすいすい気持ちよく歩くことが出来た。

 市内でとても気に入っている散歩道のひとつに、ジョージタウン・ウィスコンシンアベニューからQストリートへ入り、デュポン・サークル及びコネチカットアベニュー方面へと抜ける道がある。ジョージタウン側は、古いけれどきれいに維持された邸宅の並ぶエリアで、アメリカではあまり見る事のないレンガで舗装された道が延々と続く。道なりに進んでいくと各国の大使館街に入る。東京の広尾や麻布などあの周辺の雰囲気を少し彷彿とさせる道だ。そういえば前一度昼休みどきに、南米系の大使館の裏門から、大型で背が高く痩せたジャーマンシェパードと、ぶっとい葉巻を咥えたオジサンがふらっと出てきたのを見たことがあった。建物の様子と言い、オジサンの服装といい、強烈な異国情緒を感じた一瞬だった。アメリカという異国で、さらに異国を味わうというちょっとお得な体験だった。


久しぶりに飲んだチャイティー・ラテは1年前とくらべて激甘になっていた。

 コネチカットアベニューからフロリダアベニューに入り18thストリートとぶつかる所に、なぜか知らないが常にゲイピープルのたむろする軽食屋がある。自分がずっと「ピンク・エレファント・カフェ」だと思っていたこの店はL'Enfant Cafe Barといい(おしい!)、皆昼間からワインを飲んで、ちょっとフランスちっくな雰囲気が漂っている。パティオは犬連れもOK。




 人間たちが何か食べている間に昼寝する犬。写真を見ると分かるけれど、D.C.の床は結構色んなゴミや塵・ホコリが落ちているので、何か下に敷いてやるものを持ってくるのが賢明だと気付いた。実はコディはこのあとトラブルに見舞われ、彼の14週目は結構ラフなスタートを切ることになってしまったのだった。それについては次回触れたいと思う。