2015年2月14日土曜日

WEEK 4+



 せっせとメールを送り合っているブリーダーからのメール。1月に生れた生き物が、ネズミ期を脱して徐々にイヌらしい形態に移行してきているという。そこで、隣の隣の州の山奥まで往復9時間かけて、覗きに行ってきた。見てなるほど!確かに、先週までの様子とは大分違って、あのテカテカ生物がいつの間にか自覚を持ってモゾモゾ歩き回り、小さなブリースティックをカジカジしたりするようになっていた。「犬」まではまだあと一歩だけれど、「これは、つきのわグマの赤ちゃんです」と言われたら、頷けるようなところまでは来ていた。

 今回、どの仔犬を迎えるかの決定プロセスは全てブリーダーに任せようと思っているので、自分は仔犬の頭をなでてやること以外、ほとんどすることがない。そうしようと思った理由は、特定の仔犬に感情的に入れ込んでしまい、それで欠点が見えなくなる事を避けたかったのと、また、自分ではどんなに犬に詳しいつもりでいても、長年その犬種を繁殖しているブリーダーのほうが仔犬のポテンシャルや適正について、ずっと優れた観察眼を持っているはずだと考えたからなのだ。この仔犬達は月末にベースの性格を診断するテストにかけられ、その後晴れてどの仔犬がどの家に行くかが決定される。うちはつい最近、犬を迎えるのに際してとても重要な「家庭の事情」がもう1つ増えたので(そのことについては、いずれ別記したいと思います)それについてもしっかり話し合いをし、また2週間後に来ると約束して、ブリーダー宅を後にした。

 写真は仔犬の足。ずっとモゾモゾ、モゾモゾしていて写真はみんなピンボケになった。まだ一度も外の世界に行ったことのない彼らの肉球は、まさに「穢れを知らない」といったかんじで、ちょっと感動するくらいぷにょぷにょと柔らかかった。連続9時間の運転は辛いと思ったので、仕方なく近くにあったカジノに隣接するホテルをとったら、その横にとてもおいしいヨーロピアンスタイルのチョコレートを売る店を発見した。アメリカの田舎とは基本、非常に退屈な場所だと思うけれど、よく見るとこうして「きらりと光るもの」が隠されていることがある。たまにはそんな宝探しもいいのかもしれない。





2015年2月9日月曜日

LAYLA



 近所を散歩中すごい美人に遭遇したので、お願いして写真を撮らせてもらった。見てわかる可愛さもだけれど、この犬の場合性格も花マルで、可憐そのもので、「レイラみたいな犬を持てて本当によかったね。」と、飼い主のオジサンに自然と賞賛の言葉を口にしていた。「彼女は可愛いだけでなく、何でも分かるし、何でも出来るんだ。」と、犬を褒められた嬉しさで顔のほころびが止まらない、レイラのオジサンだった。

 レイラがオジサンの家に引き取られてくる時、この犬はパピヨンか、パピヨンの雑種であると説明を受けたそうだ。「しかしパピヨンのアイコンであるあの耳がないので、あまりそういう風には見られないね」とも言っていた。そこで、パピヨンは12、3世紀くらいまでさかのぼればもとは垂れ耳の犬種で、現在の立ち耳は歴史的には比較的「モダン」であり、レイラのような耳は、パピヨン(風の犬)としては古典的で自分はかっこいいと思うと、昔どこかで読んだ雑学と共に話した。レイラの耳について「かっこいい」という感想を聞いたのは初めてだというオジサンは、ふんふんと結構真剣に聞いてくれた。ふだんの生活において全く意味をなさないこういうムダ情報だけれど、その真偽はさておき、レイラは今日から「かわいくて、なんでも分かり、なんでも出来て」しかも「古典的パピヨン風の犬」として、より一層オジサンに可愛がられていくのかもしれない。