2025年4月25日金曜日

ツツジの季節です。


 庭のツツジが咲いています。まだ8分咲きなのにおおいばりでブログにポストすることをお許しください。
 なにしろこのツツジにこんなに花をつけさせたのは久しぶりで嬉しいのです。
 
 去年一年、素人ながらいろいろ読んで調べ、「来年は花を咲かすぞ」と決めていた三種がレンギョウ、アセビとこのツツジでした。三種ともこの春は沢山花をつけてくれたので嬉しかったですが、特にツツジはおもったより蕾がたくさんついて、それがどんどこ咲いて大喜びしています。裏庭の誰も見ないようなところに咲いているのでせめて画面の前の貴方様に見て頂けましたら。




 本格的に暑くなる前に庭の隅のトラッシュ・パイル通称「ゆめの山」の征伐に乗り出しました。前の住人が家を建てた残りのタイルやレンガをなげたものを起源とするトラッシュパイルなので、20数年物のごみ山です。20年分の落葉や倒木、それらが堆肥化したものを足掛かりに、こちらでは外来種であるスイカズラが繁茂して周りの木を圧迫しています。昔ながらの日本式ののこぎりとナタで攻略していますが、そろそろ小型のチェーンソーやウィードワッカーが欲しくなってきました。ふたつとも使い方を誤ると結構危ないので二の足を踏んでいます…あと、小枝を燃やす場所も作りたいですね。いい斧も欲しいです。欲を言えばきりがありません。

 ここの角、虫さんやかたつむりが出るのと、掘って遊ぶのが楽しいのとで(「南北戦争時代のお宝があるかも」とのこと)子供が遊びたがるのですが、雑草を好きに生い茂らせておくと各種、ダニ類が大発生するのです。ライム病をはじめとするダニ媒介性感染症は北米だけで年間数十万人が感染するとされ、しかも抜本的な治療法が確立されていない、やっかいな風土病といっていいものです。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のカウンティごとのトラッキングパネルがあるので、見てみてください。バージニア州はライム病の好発地域なので、自然観察や野外活動をする際はよく気を付けられてください。




 作業中、コディはずっと私のことを見ています。

 コディをもらってくる前、シャイロ・シェパードのことを調べようと思って足を運んだドッグショーで始めて話したオーナーの方(なんと偶然にも日本の方だったのです)が、ショーが始まると机の下に隠れていたことを思い出しました。とにかく、飼い主の方をいつも見ているのでショーイングの最中はいつもこうして隠れてる、と仰っていました。飼い主への大集中はシェパードの類わりとみんなに見られるものだと思いますが、かなりかわいい特徴だと思っています。

 コディの生活も、大まかに分けると寝てるか、私を見てるか、私のたてる物音を聞いているか、家の見回りをしているかのどれかです。そんなにおもしろくもない私をそんなに眺めてどうするのかと思いますがぜんぜん飽きないようです。このブログでは繰り返し言及しているかもしれませんが、この犬達は飼い主の日常全てに介入することが好きなので、介入されることが平気な飼い主、介入させることが可能な飼育環境だと、犬はよりいっそう輝くと思います。




 これは「お隣さんのボクサーが窓からこっちを見ていた」と私にチクっている様子です。


 わたしたちの暮らしの様式全体が都市化し、仕事も複雑化し、余暇の娯楽も多様化した世の中に変わっていますから、大型犬特にシェパードみたいな、いつも話しかけたり遊んだり、繊細な気質について気にかけてやったり、飼育に一定の責任がともなったり、といった側面は、考えてみると手間がかかりすぎるのかもしれません。なによりも大型犬を飼う事のような「人手が必要な活動」全体が時と共にだんだん困難になっているようにも思えます。家族内であっても、各個人のスケジュールが複雑化していて、家族で予定をあわせて何かするとか、そういうことがだんだん難しくなっているように思います。

 「一個人で完結できる活動としての犬の飼育」を考えると、フレンチブルドッグなどのような「気楽でかわいいルームメイト」的側面を持ち、ローエナジー・比較的ローメンテナンスな犬種の興隆は、時代をよく反映しているなあと思います。犬種とはわたしたちの生活史、文化人類学そのものですね。


2025年4月22日火曜日

10歳の春



 ようやく暖かくなったと思ったら、もう一気に初夏の空気であります。そうかと思えばまた急にどどんと冷え込んだり。上の写真の日などは、4月初旬の朝でしたが雪がちらつきました。高緯度の白い陽光の中に横殴りにちぎれた雪が舞う様子はどこか神がかりを感じるお天気でした。

 我が家の犬君もついに10歳となりました。毛づやよし、足腰OK、頭脳明晰、快食快便、おおむね快調、うれしいです。しかしこのくらいの年になると、しばらくたよりがないと「死んじゃったかな?」という感じになると思うので、少しまめにアップデートを心がけたいと思います。このごろは庭作りやコディと遊ぶことにより多くの時間を費やしていること、あっという間に高学年になった子供の勉強(アメリカの公立校+家庭学習で日本の小学校の四教科を教えています)や身の回りの面倒、そしてなによりもデジタル・デトックスが進み過ぎたことで、なかなかPCに向かう時間が少なくなって来てしまいました。

 ということで短く近況をまとめます。


お隣のトウモロコシ畑は売り払われ、建売のおうちに変わりました。
飼い主は残念ですが犬は見るものが増えて忙しそうです

 体調はおおむね快調、とはいったものの『満点ハナマル』ではないのがやや残念な老犬ライフです。2月の血液検査で肝臓のALT(SGPT)の値が196となり、高いことを指摘されました。じつは去年も同じ内容でちょっとひっかかってその後のパネルで異常なしとなった経緯があります。数値としては前回よりも高いので、要観察、8月に再検査を行う予定です。

 ALTは、アラニンアミノトランスフェラーゼという酵素で、肝臓に何らかの異常があると血中に漏出して数値が上がるということのようです。自分でもいろいろ調べてみましたが、老犬の場合ALT値の上昇は単に肝疾患以外にも膵炎、クッシング病、心臓回りの不調、それから激しい運動や甲状腺機能障害(犬ではまれ)などなど、肝臓からはなれたところに原因があることもあるそうです。まあ一大要因として加齢があることは間違いがないと思います。相変わらずトレーニングで一日に一回は猛ダッシュしているのですがやめさせた方がいいのかな。

 肝臓に関係があるか分からないのですが、コディは放っておくとほとんど水を口にしない、昔のヨーロッパ人みたいな奴です。なんとなくこれも良くないような気がしています。それで最近、フードにぬるま湯を混ぜて、ふやかしてあげています。こうすると香りが立っておいしくなるみたいなので一石二鳥です。「1日1回はコディになにかおいしいものを食べさせる」取り組みも続けてしばらくになりましたが、特にタンパク質や脂質を摂る事ことの内臓への影響に不明な点が出てきた今、いったん中止して、「基礎の食餌(ドッグフード)を工夫してたのしく食べる」ということに切り替えています。

 でも、水けの多い餌だと歯が汚れるので歯肉や口周りの皮膚が弱いコディにとってはまた別の問題が生じるわけであります。こうしてどこかを立てれば別のどこかが立たず、という感じになってきたのがいかにも老齢期の健康という感じで、なるほどねと思っています。わたしだって今はピチピチの中年ですが、明日は我が身だと思っています。




 聴覚過敏の現在です。(犬の聴覚過敏と付き合う①犬の聴覚過敏と付き合う➁

 寒く気候の安定していた冬は終わり、春雷の季節に至りました。コディは相変わらずちょっとの音で慌てまくっております。ピーピーヒャラヒャラどすどすと、暴れコディの笛太鼓といったかんじで大騒ぎです。そういう時、コディの顔を見ると「👁👁命の危険!!!」という感じの目をしているので可哀想なんですけど、何かちょっとかわいいなと思っています。

 ただ最近は騒ぎ方に変化が出てきました。ゴロ……と来たら落ち着いた声で「クレート入んなさい」と声をかけてやると、がむしゃらに2階に駆け上がったり走り回ったりせず、ガタガタ震えながらも確固とした足取りでクレートに入り、奥の壁ぞいに座ってがんばるようすを見せるようになったことです。初めてはっきりと落雷を怖がる様子を見せてから約4年。クレートに入ってゴロゴロをやり過ごす経験が蓄積した結果、「ここに入れば命だけは助かる」という信頼がクレートに対して芽生えたように思います。

 クレートを快適にして長時間入っている時のストレスを軽減したことにも少し効果があったかなと思っています。特に足元を涼しくする素材のマットに換えて、壁に水入れをかけられるようにしてやってから、目に見えてクレートに入るスムースさが向上しました。コディは雷の音だけでなく稲光にも反応するのですが、ちょっとでもアヤシイと思うとすぐクレートに出入りするようになりました。


ドッグフードへの感謝を伝えるために、食後に寄って来るコディ
最近、このタイミングで口を拭いてやることにしました

 重要なアップデートはこのくらいでしょうか……。そういえば最近、知り合いがゴールデンレトリバーの子犬を飼ったので遊ばせてもらったんですよ。金色の、命そのものみたいなふわふわのつむじ風でした。誰もかれもを笑顔にする魔法をかけられて生まれてきていました。ひとしきり子犬との時間を堪能して、それで、うちに帰ってからこちらの老けた相棒の顔をまじまじと見ていて気付いたことがあります。

 コディの方が随分、かわいいのです。

 ゴールデンレトリバーの赤子より、10歳で白髪だらけで鼻の色素が退色していて、歯も抜いちゃったし、瞳も少し濁ってきているおじじ犬の方が愛らしいなどという現象、どう考えてもあり得ないと思うのですが、何度目を擦って見てもコディの方が可愛いのです。もっと言えばコディだってまだ子犬なのです。いよいよ正気があやしい物言いになってしまった……。正確には、コディは見た目が古くなっただけで、中身はあの雪の日にもらってきた子犬の時から何も変わっていない存在だということで、どうして、と聞かれても「ただ分かるから」としか言えない飼い主です。

 人間だって、『三つ子の魂百まで』です。最近、自分自身やまわりの人を見ていても、これをよくよく意識することが増えました。だから犬だって『三カ月の魂十まで』としたって、きっとおかしくないと思います。目くばせの仕方、注意されてバツの悪い顔をしている時、寝相ひとつとっても、子犬の日となにも変わったところがありません。魂って、時間の影響を受けていない!古くならないんだ!(物理法則的にそんなのあり得るのかな?!)と、コディの事を見ていて、素敵なことに気付かされています。