2015年4月10日金曜日

生後13週目

バージニア州とワシントンD.C.の間に位置するクラレンドンというエリアで歩いた時の写真。
右のピンクの女の子が犬に「私と友達になって!」と言い、
自分も地面に犬のようにオスワリしていたのがとても可愛らしかった。


 新しく家族の一員になった犬「コディ」は生後13週目に入った。12週目までの一番重要とされる社会化期は終わったように見えるけれども、これからしばらくはまだまだ「やわらかアタマ期」が続くと考え、相変わらず一日最低2回か3回は外へ連れ出して、色んな人に触ったりしてもらっている。犬を飼うと決めた時点では無頓着だったけれど、今、貰ってきたのが春先で良かったな~と思っている。これが真夏や真冬だったらきっとかなり大変だったのではないかと思う。

 犬は、可愛い盛りだからか、街ではけっこうたくさんの人が声を掛けてくれる。犬種を聞かれると相変わらず「ロングヘアのジャーマンシェパード」と言っているのだけれど、すると皆口々に「僕はジャーマンシェパードと一緒に育ったよ」とか、「私のおじいちゃんが家で繁殖していたの」と、どんどん色々な話に発展する。道ですれ違いざまに「ダイソンアニマル(掃除機)がいいよ!」と声をかけながら走り去るジョガーにも遭遇した(笑)。アメリカへ来て、これほど沢山の人がジャーマンシェパードに関して個人的な思いを持っているんだという事が分かり、正直びっくりした。AKCの調べではこの犬種は頭数で全米第2位にランクインしている(2014年)。直接的・間接的なものも含めると、アメリカの犬好きのほとんど誰もがこの犬種に対してなにがしかの接点を持っていると言っても過言ではない勢いを感じる。日本で大型犬(ドーベルマン)を飼っていた時には経験しなかった事だ。

 そういえば以前凧揚げフェスティバルの時の日記に、触りたい人がやって来た場合まず「よければ犬に『スワレ』のコマンドを入れてください」と言うタイミングが難しいと書いたが、実はまだ克服できていない。自分のきき方が悪いのか、アメリカ人はあまり気にしない人が多いのか、Hiパピ~~~!とやって来た時点でもう犬に接触していることが大半で、そこから犬を改めて座らせたところで「正しいマナーを学ばせる」という意味では、効果は期待薄だと思っている。また仔犬を見てワ~っと盛り上がった状態で急にタッチしてくる人も多いので、犬の方もエキサイトした人の気配を汲み取るのか、ピョンとジャンプして迎えようとするようになってしまった。それだけが原因なのかはわからないけれど、ここの所ジャンプ癖がつきつつあるので頭を悩ませている。この大喜びで挨拶する様子が今は可愛くても、6ヶ月後にはきっと迷惑な行動になっているだろう。飼っている私の年齢的なものなのか、妊娠中だったり小さい子供のいる友達が多いこともあり、このままではダメだと思っている。早いうちに対策を練りたい。




 コディは犬同伴可のお店へ行くのも徐々に慣れてきたようだ。シェパードだからかこういう所だと練習に協力してくれる人が案外多く、嬉しい誤算だった。パピークラスの同級生の、フレンチブルの飼い主さんは、こういうおおやけの場で3ヶ月まだあどけなくヒョコヒョコしている仔犬にトレーニングをほどこしていると、それを見る(ちょっと「犬が哀れ~」的な)まわりの目が気になるとこぼしていた。犬は見た目によって世間での扱われ方が劇的に違うことは、犬の飼い主はよく覚えておくべき点だと思った。上の写真は数日前友人の犬「ショーン」と一緒にジムウェアのお店で、ベーシックなオスワリやマテなどの練習をしたところ。ジムウェアはヒラヒラとした素材が面白そうに見えるらしく、油断すると商品に触ろうとするので注意が必要だった。


真剣な二匹・・・目線の先にはレバートリ―ツが。
レバートリーツが嫌いだった犬は今までに一匹しか会ったことがない

オニギリ君 春の湖畔にて

 苦手だったマテも少しづつ距離がのびている。今はなんとか記念撮影らしき事が出来るようになった。まだまだ10歩以上離れると不安になるのかフラフラとついてきてしまう事があるけれど、10センチですら待っていられなかった半月前と比べると進歩はしているようだ。反面、最近家のまわりの散歩道の様子もあらかた知り尽くし、顔見知りの犬も増えたことで世界が広がったのか?ちょっと自信がついてきたのか?こちらに向ける注意力が、少しづつ散漫になってきているように思う。これから6ヶ月、1歳、2歳とだんだん難しくなっていく時期(俗にいう「犬の反抗期」)なのも踏まえて、定期的に見知らぬ場所を散歩させてやったほうがいいのかもしれない。

 一方、パピークラスなどの室内環境だと与えられた課題は取りこぼしなく出来るようになった。私達を教えてくれているベテラントレーナーは、通常パピークラスが終わった後は初級オビディエンス→中級オビディエンス→CGC(カニン・グッドシティゼン)→もっと上級のコース(競技オビディエンスなどなど)と進むのが順当だけれど、もし興味があるならCGCのクラスに直接進ませてはどうかとアドバイスをくれた。理由についてはいつか後述したいと思っているけれど、管理人とコディがこんな風にマンツーマンで練習できる時間には限りがあるので、なるべく早くからいいマナーを身に付けさせてやれるチャンスがあるなら、活用して行きたいと思っている。今通っているクラブでは、CGCのクラスは皆平均2回受講するという。おそらく、沢山の反復練習を必要とする課題が多いのではないかと思う。まずはパピーのクラスで毎回出される宿題を毎日ちょっとづつ練習して、基礎をしっかりさせておきたい。




 早春のあたたかな光の中湖畔から少し離れた雑木林の道を歩いていると、野鳩が死んでいるのを見かけた。長く厳しかった冬を切り抜け、さあ今から花咲き乱れる春と繁殖の時を迎えようというところで力尽きてしまったんだろうか。今の季節は夥しい数の生命体が花開いたり生まれてくる一方で、こうして何が理由か分からないけれど死んでしまっているいきものというのもちらほら見かける。春、4月と言うのはそういう季節なのかもしれない。




2015年4月4日土曜日

DEVI




 北バージニアの当地では溜まった落ち葉の間から、葉っぱやら、お花やらが伸びてくる季節となった。うちの犬と仲良くしてくれている「デヴィ」ちゃん、今までプラクティカルだと思ったことのないオーストラリアンシェパードのチョコ・ダップル模様はじつは落ち葉の保護色だった!と見当違いな発見に小躍りしている管理人です(本当はきっとヒツジと見分けやすいからとか、多分そんな風な理由なんだと思いますが)。以前書いた時とくらべるとコディもデヴィも大きくなってきているけれども、デヴィがどんどんスピードやスタミナを身に付けているのに対し、コディはなんとなくヨタヨタした印象で、かわいい様な情けない様な、変な感覚を味わっている。今後もコディがデヴィのスピードに追い付く日はきっと来ないだろうと思うけれど、お互い気が合うらしいデヴィとはずっと友達でいてほしいので、力はなくても小回りが利いて疲れ知らずという、この犬の特徴はありがたい。普段からミニ・台風のような彼女に付き合っている人間(飼い主)の方はすごく大変そうですが。





 二匹が手と手をタッチしているこの写真、飼い主的には非常に可愛いと思っており家族にも送った所「デヴィの可愛さ・利発そさとくらべて、コディはちょっとウシみたい」というありがたい言葉をもらった。特に義母はデヴィの青い瞳にやられてしまったようで、こんなにきれいな犬なら運動が沢山必要でもがんばれるわ!と意欲を見せていた。しかし今までの経験上、彼らの「犬基準値」の平均は彼らが以前飼っていたトイ・プードルに調整されている筈なので、オーストラリアンシェパードのいう「運動が沢山必要」が具体的にどの位の運動量か知っているかどうかは、疑問が残る(笑)。





 この日はコディがデヴィの家の庭に置いてあるカヌーにボッチャンして、丘サーファーならぬ「丘スイマー」になった日。この犬はあまり水を怖がらない(※シャワー以外)ですが、繁殖したブリーダーによると彼のお母さんが水遊び狂いらしく、遺伝かもしれないとのこと。彼はこういう水たまりだけでなく流れや湖に対しても見つけるとよろこんで前足等を浸そうとするのだけれど、ハイキングやトレッキングをする時にはあまり望ましくない行動なので、どう直すかが課題になった。

 因みに、この写真を撮った時を境に、コディの両耳が立っている所を見ることが無くなってしまった。シェパードを飼うのは初めてなので、最終的に立ち耳になるまでは成長につれて耳が立ったり寝たりすると聞いて驚いたのだけれど、きちんと立ってくれるかすこし気になっている。こちらのシェパードのフォーラムを読むと、コディの様に耳を触ってみた時柔らかく、両耳が比較的同じ方向に流れていわゆるバーコードおじさんの様な髪型(Comb-over)になっている時はまず心配ないと書かれており、ちょっとだけ安心した。



デヴィちゃんと遊んだ次の日、エレベーターを克服したよ。エスカレーターにも(ちょっとだけど)乗りました。

  コディは早いもので今週生後13週目に入る。日々活動時間が長くなってイタズラも始まり、またこれから歯が抜け替わる時期に入るのも考えると、もっともっとやんちゃになっていくことが予想される。家具などもきっと齧られるだろうから、またオモチャ探しの旅に出なければならない。飼い主の自分達が時間の制約があるなか、どう効率よく遊ばせるか、学ばせるか、一日のスケジュールをきちんと確立しとかないといけない時期が来た気がする。

 これからの2週間ほどは、生活上のマナー(特に、喜んで人にジャンプしない事!イスやテーブルに手をかけない事!他の人や犬に挨拶するときは座る事)を特に気を付けて練習させたい。最近自我が出てきたらしく、要求がどこまで通るか私達を吠えて試すようになったので、それは一切通じないということも学習させたい。吠えに関しては、以前飼っていたドーベルマンは仔犬の頃からとても静かな犬だったのでシェパードの仔犬がこんなにお喋りだとは思わず、心配して他のGSDの飼い主さんや仔犬クラスのトレーナーに聞いて回ったが、皆一様に「シェパードの子はこんなもんよ」と言われた。多数の人が吠え自体を防止するという考え方よりも、ある程度吠えたところでやめさせる(自分で衝動をコントロールさせる)ことを学ばせる方が得策だというので、ある程度吠えたら「やめ」のコマンドをし、聞き入れない時は「タイムアウト」として一定時間クレートに入れる方法を試している。クレートに入ると心境的になにか変化があるらしく静かになることが多いので、今の所は効果が上がっているような気がしているけれど、今後も観察を続けたい。





2015年3月31日火曜日

コディ、牧場公園へ

ジャーン 


 ひとつ前のノートで「近所の牧場公園へ行った」と書いたその日の備忘録を。バージニア州、メトロエリア郊外にあるこの公園はフライングパン・ファームパーク(フライパン公園)といい、1920~50年代に活気のあった地元の小さな農場が、その役目を終えた後、みんなの公園として生まれ変わった場所である。小さいながらウシ、ウマ、ヒツジや家禽などのコーナーがあり、馬術競技広場や遊歩道、パーティ会場などが併設され、納屋には昔バージニアの特産であったリンゴからソーダを作っていた、古い機械類が展示されている。そんな地元の人の憩の場となっているこの公園では、誰でも飼われている動物のすぐ近くまで行って触れ合う事が出来るのも魅力のひとつとなっている。動物達は皆健康状態もよく、よく人に慣れている。この日は天気も良かったので、コディに動物達を見せてやる事を目的に訪れた。




 はじめに気付いたのは、これら産業動物の匂いは、それを初めて嗅ぐ犬にとって「かなりすごい」らしいという事。コディは動物の柵に近づくだけで20分くらいかかっていた。その時間の大半は地面や空気の匂いを嗅ぐことに費やされていた(この時、あまりに息をスーハーさせていたので、鼻が少しカピカピになってしまった)。たしかに人間でも「ああ牧場の匂いだなア」と分かる程特徴的な匂い、犬にとっては強烈にエキゾチックな臭気なのかもしれない。

 次に、ブタが強いということに気が付いた。その場にいた仔牛、ウマ、ヒツジなどの間をじゅんぐりに歩いて回ったが、体は一番小さかったブタが意外にも一番気が強く、うちの犬の真正面に仁王立ちで、柵の間から鼻を突きだし、なんとなく挑戦的にしていた。




 ブタの気迫にやられたのか、コディは隣にいた仔牛にも消極的になってしまったようだった。上の写真の→の物体は、コディの鼻先の、そのまた影になる。それがカメラに映るかギリギリの所まで下がって眺めていた。コディはまだ、自分の母親より大きな生き物を見たことがなかったので、当然かも知れなかった。一方管理人はウシが好きで、以前のブログでその名も「ウシが好き」という無茶なエントリーをしたためたこともある程、ウシを見ると心がうきうきしてしまうのだが、その理由のひとつはウシの我慢強く、優しい性質にあると考えている。仔牛は、コディが怖がっているのを分かっているように、そっと近づいて鼻をクンクンさせていた。


 コディがくるのを柵の向こうでのんびり待っているウシちん

「こわくないんだよ 」

「あなたずいぶん小さなウシね」

 意を決して接近するイヌ。ウシの方も待ってました!とばかり、さりとて何をするわけでもなく(笑)互いに見つめ合っていた。コディは仔牛の間で有名になったらしく、いつの間にか柵の中に居た他の仔牛達も見物にあつまっていた。ずんぐりした所と毛の質感が似ているから仲間だと思ったのだろうか。この時ふと思い出したのだけれど、ウシはけっこう好奇心の強い動物なのだ。ずっと昔管理人が小学校に上がる前の事になるが、親戚の家の近くの牛小屋のそばで転んで泣いていた時、小屋の中の肉用の仔牛達がみんな集まってきてじっと自分を見ていた事が思い出された。




 納屋の中へ入った。保温されている一角があったので犬をベンチに乗せてやりのぞき込むと、大きなヒツジがにゅーっと立っていた。時々急に大きな声でメェー!というこの動物にまたも及び腰になるコディだったが、ヒツジの方も訳の分からない毛むくじゃらが急接近してきて警戒したのかもしれない。




 因みに彼女が警戒していたわけはこれ↑。足元に生まれてからまだ日も浅そうな双子の仔羊がいたのだった。まだヨロヨロしていて赤ちゃん臭く、可愛らしかった。彼らもいつの日にかお母さんのような、威厳あるヒツジに育つのだろうか。




 ニワトリ、アヒル、シチメンチョウやクジャクなどの家禽コーナーへと歩を進めた。鳥は小さいし匂いもマイルドなので怖くないと踏んだのだろうか、トコトコと接近していくコディのリードを慌てて戒めた。管理人が個人的に牛馬やヤギ・ヒツジなどよりも危ないと睨んでいるのがこの「ニワトリのオス」なのだ。この写真の真ん中に写っているやつなんか、クチバシの一突きでコディの鼻の穴を3個にするパワーを秘めているに違いないのである(偏見)。余談だが当地では感謝祭(Thanksgiving day)の日の朝、ホワイトハウスで大統領による2羽のシチメンチョウの「恩赦」が行われるイベント(turkey pardon)があり、「恩赦された」鳥達はしばしばこの農園で余生を過ごす事が知られている。だからもしここで白いシチメンチョウを見かけたなら、彼らはサンクスギビングデーの生き残りかも知れない。


北バージニアの、始まったばかりの春を満喫した(?)コディ。「一休み」



 帰宅後、犬はくたびれていたように見えたので、練習もかねてクレートの中へ入れた。今日は大体1時間静かにしていることが出来た。最近気付いた事なのだが、この犬はテレビに興味があるらしく、つけてやると大人しく見ている。はじめは犬だからやはりスポーツを?と思い、アイスホッケーの試合中継などを見せていたがいまいちノっていなかったので、色々チャンネルを変えてみたところ、家のリモデリングの番組(大改造!ビフォーアフターみたいなやつ)が一番反応が良かったので今日はそれをつけていた。この後そっと様子を伺いに行くと、テレビを横目に寝っ転がりながら水入れの水をぺろぺろ飲んでいたので衝撃を受けた。一体どこでこんな深夜帰宅後のサラリーマンのような行動を身に付けたのだろうか。





2015年3月29日日曜日

D.C. 凧揚げフェスティバル、ほか

朝10:00、お祭りが始まった直後


 コディの三ヶ月齢を目前にした最後の週末。これと同時に管理人の「犬・育休」も、いよいよ終わり間近となってしまった。そこで金、土、日と、社会化ラストスパートと称して、ワシントン・ダレス国際空港近くのコンベンションセンターで行われたスーパーペットエキスポ・2015、ワシントンDC中心街で行われたDC・凧上げフェスティバル、それから近所の農場公園などへと繰り出していた。

 スーパーペットエキスポは年に一度のペット関連の用具や餌の見本市で、それ以外にも作業犬のデモンストレーションがあったり、リードをつけた一般の犬も一緒に入場できる、なかなか楽しいイベントになっている。

 凧上げフェスティバルは、年々有名になっていく印象のある「DC桜まつり/National Cherry Blossom Festival」の一環として、毎年ナショナルモール周辺で行われる愛好家の集まり。みんなで凧揚げしているのは牧歌的印象だけれど、結構シリアスな競技などもあるらしく、このためにわざわざ遠くから参加する人々もいるそうだ(長くなったので農場公園については、別記にします)。


エキスポで出遭った素敵なプードル


 ペットエキスポでは、商品に触らないようにさせる「leave it」のコマンドの効きが不十分なことと、どんな犬とすれ違うか分からないという点が不安要素だったけれど、こういうセッティング下でシャイな犬、防衛的な犬、怒りっぽい犬など様々な成犬の態度に触れるのも多分いい勉強になるだろうと思い、極度に興奮している犬以外とは、挨拶してもいいかどうか聞いたうえで、できるだけ触れ合わせるようにした。まだ子熊のようで可愛く見えるコディは会場でも沢山の人に撫でてもらったり、オヤツを貰う事が出来たけれども、他の人に触ってもらう前に「スワレのコマンドを入れてください」と、いいタイミングで&かつポジティブな感じでリクエストするのが難しく、これは今後の課題になった。




 凧上げフェスティバルでは、上空にある大きくてバタバタと音を立てるもの(例・・・飛び立つ大きな水鳥、旗など)が苦手と既に分かっているコディにとっては少々ハードル高いかなと思ったけれど、DC各所に掲げられたアメリカ国旗や強風にうなりを上げる凧の群れ、祭りムードに盛り上がった人々と興奮した犬達の間でシャッフルされた結果、帰る頃には「がんばればなんとか共存できるかも?」という雰囲気にはなっていた。この日はあまりの寒さに人間(♂)の方が根を上げたため、ほんの一時間半ほどの滞在になってしまったけれど、なかなか有意義な経験になった気がする。

 多種多様なものが混在する都市の雑踏を歩くのは犬にとっていい刺激になるので、記憶が薄れない来週中に、またもどってきて復習することにした。上はこの時の管理人とコディ。遠近もあるけれど、コディが11週目にしては大きい仔犬だということが分かる写真。毛並みのせいか、毛色のせいか、シェパードの雑種とか、ロットワイラーの雑種、チャウチャウ犬ですか?と聞かれたことも複数回あった。もっとジェネラルな質問である「何犬ですか?」と聞かれる事が一番多いのだけど、詳しく説明しようとすると話が長くなりがちなので、時間が惜しい今は(自分でも感じワルイなあと思いつつ)「ロング・ヘアのジャーマンシェパードです」と答え、会話を短く切り上げている。そのうち、犬の周囲へのマナーや、拾い食いの危険性、リードの引き等を気にすることなくのんびり散歩を楽しみながら、道すがらの人々とのんびり犬トークを楽しめるようになりたいものだ。




 凧揚げフェスティバルの日は帰宅してから、たっぷり昼寝タイムをはさんで、それから近所の量販店で行われているパピー・クラスに参加した。コディは、先生の話半分で、目の前にいた可愛いイングリッシュ・ラブラドールレトリーバーのピカルディちゃんと目が合うのを、辛抱強く待っていた(笑)。クラスの間中おりこうだったピカルディちゃんはコディの事を「毛深いヤボな男」と思ったようだが、飼い主のカップルはコディの事をいたく気に入り、ピカルディをお嫁にあげてもいいわ!と、さっそく彼女の将来を勝手にアレンジしていた。

 もう、すっかり親の心境なのだ。管理人が初めての犬を飼った時は中学生だったから、まわりの大人達が犬を飼うと皆急に自らを「○○(犬の名前)のママ・パパ」と言い出す気持ちが分からなかったが、30を過ぎた今、徐々にその心境が分かる様になりつつある気がしている。仔犬と向き合う事によって、こんな風に時の流れ(と自分が年をとっていること)に向き合う瞬間も出てきたりするので、悲喜こもごもである。


2015年3月24日火曜日

友達ができた

お尻を並べて水たまりの水をのぞき込むコディとデヴィ。

 先日、コディと共に近所のスターバックスの脇に座ってコーヒーを飲みながら、そこを通りかかるランダムな人や犬と触れ合わせるということを行っていた最中、うちの犬と同じくらいの年齢に見える、とてもかわいい仔犬に出会った。この犬の名前は「デヴィ」といい、聞いてみるとコディよりも3週間年上のメスのオーストラリアンシェパードだった。薄い青色でちょっとクレイジーな感じの目と、シッポのないおしりをクネクネと振りながら飛びついてくる様子がとても愛らしい反面、かなりバイタリティがあり活発で永遠に走り回っていられるうえ、遊び方自体もけっこうハードなので、飼い主のお兄さんはデヴィの遊び相手を探すのに苦労しているとのことだった。



遊びの合間のプチ勉強タイム。やはり3週間の差は大きかった。

 そこで2匹を遊ばせてみると、やはり牧羊犬同士だからかすんなり気が合ったようで、すぐに仲良くガルガルと遊び始めた。といってもあちらの方が年上だし身軽なので、うちの犬はすぐひっくり返されたり、耳やほっぺたを引っ張られたりしていた。しかしそのうちデヴィが攻撃からパッと走って逃げてもまたすぐ円を描きながら戻ってくると学習したらしく、落ち葉の上にじっと低く身を伏せて興味を誘い、彼女がやってきたところを狙い撃ちにするなど、彼なりに頭を使って攻防しているのが分かって面白かった。

 実はコディもこれまでに「パピープレイデート」等、仔犬同士のお遊びグループの様なものにも幾度か参加していたのだけれど、なかなかうまくいっていなかったのだ。というのも同年代の他の仔犬とくらべて体格が大きいため、特にここ最近はいじめっ子の様なプレイスタイルばかりを繰り返すようになってしまっており、少し気になっていた。だから、デヴィのように小柄でも高い身体能力とバイタリティのある犬によく遊んでもらうことで、上になったり、下になったり、力のさじかげんを学べることはとても意味があるように思えた。



この水飲めるのよー!と、泥水をすすめるデヴィ。
マネして飲んでいたコディ、あとでお腹をこわしてしまった(T_T)


デヴィとキキ

 夢中で遊ぶ犬の様子に気を取られていたら、あたりはあっという間に真っ暗闇になっていた。デヴィの飼い主キキがたき火を炊いてくれたので、三月の夜風に漂う冬の残り香を嗅ぎつつ(火で炙るソーセージを持ってこなかったことをかなり残念に思いつつ)、楽しい時間が過ぎていった。