2015年11月29日日曜日

白いコディ君

ついに美白に成功したコディ君 「嘘はやめてください」

 そういえばこの間まで滞在していた日本の母がお土産にと、限定販売の「白いブラックサンダー」というのを持ってきてくれていました。ふだん黒かったり有色であるべきアイテムが白いというだけで特別感がいや増し、神々しくすら感じられるのは面白いですね。

 閑話休題。犬連れ散歩にバージニア州スコッツラン自然保護地区がなかなかいいよと勧めてくれたドッグランでの顔見知りに、遊歩道の終わりにあるという小さな滝を見なかった事を知られ、「チッチッチッ。やり直し!」と笑われた為、今月2度目のスコッツランです。生憎のお天気の中、今回はブログ兎に角みんなでアメリカ生活のちえぽん氏と、氏のご家族と愛犬・ホワイトスイスシェパードのわんた君が仲間に加わってくださりました。日本人がそう沢山住んでいるというわけでもないワシントンDCエリアで、犬を飼っていて、しかも大型犬シェパードの子犬でとなると非常に奇遇で、滝までの往復道中終始犬トークで盛り上がることが出来、なんと滝の写真を撮るのを忘れました。わんた君はご覧のとおりとてもきれいなパピーで終始ちえぽん氏のお子さん達を気にするようなそぶりを見せており、若いながらも立派にシェパードなのだなあと感心しきりだった。




 笑顔のわんた君とコディ。写真のコディがなんだかやけに汚いのは、辿り着いた滝つぼで泳いだうえ、わんた君と遊びたくて遊歩道の落ち葉の上で終始ウホウホしていた結果です。因みにコディの遊びへの誘いは全て華麗にスルーされていた。無情なり犬世界!しかし確かに自分だって、こんな何だか分からないムサイ大男がいきなり来て落ち葉のついた尻を弾ませながら遊ぼうぜ!と誘われても、あまり近寄りたくはないかもしれない。コディよ、また諦めずに頑張れ。

 この日はこうして子供さんやわんた君、他の大勢の行楽客やその犬が歩き回るなか、皆で散歩が出来た事はコディにとってもよい勉強の機会になりました。改めてちえぽん氏に感謝!楽しい時間をありがとうございました。


セネカ公園にて。普通の遊歩道をそれて、GPSを頼りに森の中を歩いていった

 因みに別件でセネカ広域公園へも再び足を伸ばしていました。今週はアメリカの感謝祭の週で全体的に人出・犬出が多く、リコールやリーシュウォークの点で多くの課題を発見したトレッキングになりました。これらは、小さな赤ん坊を連れながらだとなかなか練習する時間がとれない項目なので少々焦りを感じるけれど、なんとかタイミングを計りながらがんばりたい。




2015年11月24日火曜日

バージニア州 セネカ広域公園



 先日リトル・ディフィカルト・ランで犬かき(?)を練習したコディ。本格的に冬が来る前に、より水深と多少の流れのある場所で復習をさせようと、バージニア州セネカ広域公園にやってきました。ここは広々として人けが少なく、当地のイヌトモの間ではひそかにファンの多い公園です。自分は出産などいろいろあり8月に来て以来なので、改めて落葉の終わった明るい森と、澄んだ空気をとても楽しむことが出来た。


公園内の獣道で。ポトマック川めがけて大きな勾配の続く、この高低差も魅力のひとつ

水場に到着しました。コディの入水の儀 「匂いよし 味よし」
あまり川の水は飲んでほしくないけれど、仕方ない。

今日持ってきたオモチヤとオヤツです。ところどころ破けながらも生き残っているアンフィビアス・バンパーと、
近くの量販店でゲットしたノンブランドの予備の浮きです。
オヤツはセールの日に買って、ニンニク少々を加えて炒めて、冷凍しておいた牛肉のこま切れ。

GO! 今日も気合を入れて拾っているコディ君。

泳いでる、泳いでる!

 今回嬉しかったのは、コディの犬かき(?)が、ちゃんとした犬かきへと進歩しているのを見られたことだった。しかも、一回だけでなく何回も、バンパーを拾うために泳いで取りに行くことが出来たし、泳ぎながらクルッとターンしたり、本人も急にコツをつかんだようだった。この様子を見ていたら、水遊びしながらできるもっと面白いゲームをやらせてみたくなった。たとえば彼は陸上のトッテコイ遊びの場合、取ってくるオブジェクトが大きいほど燃えるので、何か大きいブイのようなものを使ったらどうなるのかとか、水に浮くフリスビーを使ったらまた違った感じで楽しめるのかもしれないとか、想像が膨らんだ。今、ぼちぼちとだけれど指定した物を持ってこさせる練習を始めているので、そのうち手の届かないような川岸に落ちているペットボトルごみなどを、指定して拾ってきたりできるようになったら、犬にとっても面白いかもしれないし、人間にとってもけっこう便利なのではと思う。

 一方残念だったことは、呼び戻しが少し悪くなっていることに気付いた事だった。遊んでいる時たまたま通りかかった人達がかわいいトイ・プードルを連れていて、コディは陸に戻ると同時にバンパーを地面に置いて、制止を聞かず、あいさつに行ってしまった。飼い主の号令や、楽しい遊びや美味しいおやつよりも他の犬に挨拶することを優先した事が意外だったので驚くと同時に、またドッグラン等々で練習しないとなあ、と若干憂鬱になった。自分は、犬がラン内でいつ・何をしている最中でも呼び戻しに反応するかどうかをひとつの目安にしているので、おもちゃやオヤツを持参して練習するのだけれど、なぜかそういう場所におもちゃやオヤツを持ってくると怒る人がいるので、ちょっと肩身が狭いのだ。個人的にはそれは、自分のだけでなく他の犬にとっても良い事だという信念に基づいてやっている事なのだけれど、これについてはまた別の機会に(たっぷりの弁解・自己弁護を交えて 笑)書きたい。


水泳後。ちょっと誇らしげ?
「やったぜ」

陽だまりと落ち葉の匂いと感触を確かめていた

ところでこの公園へ来る本来の目的は、小型の両生類の観察(管理人のメインのシュミ)なのに、
朽木や落ち葉をどかしていると犬が興味津々でやってくるので非常にジャマです。
「leave it」が完璧になるにはまだまだ長い時間がかかりそう。



 セネカ広域公園。毎回来るたびに新たな楽しみが見つかり、あまり飽きがこない公園です。

 余談だけれど今回、公園の駐車場から一番近い水辺へ行って遊び→また戻ってくるまでの時間を計った所、所要時間は約1時間20分だった。うちの犬の場合、水場でのトッテコイ遊び+水泳は時間当たりのエクササイズの効率が最も良かったように思う。仮にドッグランを使うと、彼の場合は朝夕2時間づつ、計4時間くらいは(途中ゴロゴロしたりしつつ)平気で遊んでいられるし、間に一回、午後の早い時間帯に軽い運動の要求もある。それに普段のトレイルの散歩やジョギングくらいでは、根本的に「疲労している」という状態にまでは至らない。反面、水泳は運動の種類も全身運動で、けっこう頭も使うようなので、帰宅後は夜まで穏やかにリラックスして、その後外へ行きたそうにすることもほとんどなかった。案外、忙しい時ほど時間を割いてやる価値のあるメニューかもしれない。




2015年11月19日木曜日

いろいろ再構築の時



    家の犬「コディ」は生後10ヶ月の半ばに入った。年齢的なものなのか、ここへ来て様々な変化が起きている。なかでも目立つのは、彼の心境面の変化だと思う。明らかに大人の犬へと過渡期を迎えている感がある。具体的には、周りにあるもの全てに対して懐疑的な目を向けるようになった。でも、今までのいわゆる「恐怖期」とは少し違うのかなあと思うのは、この懐疑の対象に見知らぬ人や物だけでなく、子犬の頃からずっと慣れ親しんできたものも含まれているところだ。なんというか、身の回りにある物事ひとつひとつについて、もういちど彼なりの再考察&意味づけを行っているように見える。

    例えば、コディは最近クレートトレーニングをやり直した。コマンドでクレートに入り大人しくしていることは、しつけの中でもいわば「基本のキ」であり、彼も生後12週で「スワレ」の次に覚えた事だったのだけれど、それがどういうわけか出来なくなった。というか、やらなくなった。家人の言うところによるとある晩、何時ものように夜寝る前「クレート」とコマンドして、ナイトキャップ代わりのオヤツを手にクレートの扉を開けて待っていたが、いつまでたっても犬が来なかった。おかしいと思って見回したら、コディが家人をじっと凝視したまま、むこうの玄関の石のタイルの上に伏せていたという。まるで「今日から自分の寝場所はここにするよ。」と言っているようだったらしい。なんだか人間のようでその情景を想像したら笑ってしまったけど、よく考えたら、それは挑戦だ。その日から家人とコディのクレートトレーニングのやり直しを手伝った。まったく以前のようにスパッと号令に従うようになるまでには6日かかった。

    変わったことはほかにもある。今まで嬉々として通っていた犬のデイケアについても、「行きたくない」と決めてしまったらしい。これは徐々に忌避反応を示すようになったという感じで、今ではデイケアのエントランスに入る前に勝手にクルッとUターンして、自ら車に戻っていこうとする始末だ。子供が小さくて常に手が足りない我が家にとってはこれはけっこう真剣な問題で、目下、どうアプローチ&改善(?)するかを考えている所だ。

    とにかく何かにつけて「既に見知ったものとそうでないもの」「自分の家族とそれ以外」、「家族の中での自分の可能性」みたいなものにフォーカスしているのが垣間見える。おそらく犬にとっては難しいと同時に繊細な時期でもあると思うので、変に腫れ物のように扱ったり、逆に無意味なルールのゴリ押しをすることのないよう気をつけてハンドリングしていかないとなあ、と気持ちを新たにしている。




 今日の写真は車で五分ほどの市中心街の、オフィスビルに囲まれた駐車場の屋上。ついに日没が4時台になってしまったので、暗くなっても遊べる場所ということでここに行きついた。最近だいぶ知恵がついてきて、ボール投げやトッテコイ遊びも、同じ形式のセットが3回以上続くと飽きることが出てきた。

 コディは、名実ともにティーネイジャーになったのだ。自分がそこに突っ立っているだけで、彼にとっては最高のごほうびだった時期は終わったのだと、認めなければいけない。自分がティーンだったころを思い出したって、親とキャッチボールなんて、つまらんし、ダサいし、かったるくてやってられなかったと思う。そこに例えばお小遣いがからめば話は別だったわけで(笑)。なので、オヤツを日がわりにしたり、オモチャを複数用意したり、ベーシックなオビディエンスの動きと組み合わせたりして、一回一回変化をつけたり、リワード面を充実させたりして遊ぶようにしている。コンクリの上を活発に走り回るような運動はブリーダーの忠告に従って、だいたい15分以内に留めるようにしている。ここでの遊びが終わったら、オフィス街を軽くジョギングしてから帰宅する。自分にとっては、しばし赤ん坊と離れられる息抜きタイムだ。





2015年11月14日土曜日

1日「シェパード」体験へ



    このあいだ「シェパード」と辞書をひいたら、「可算名詞」と書いた横に「羊飼い 牧羊者」と書いてあった。世間一般では、「シェパード」という言葉がほとんど独り歩きして、ジャーマンシェパードを指している感があるけれども、シェパード犬とは羊飼いの犬、牧羊犬の事で、なにもジャーマンシェパードだけに限定するわけではなかったのだ。考えたらしごくあたりまえの事だけれど、もともと牧羊の文化を持たない日本人ならではの固定観念だったかも知れない。

    冴えないぼやきはさておき、今回、個人でヒツジを飼っている方の所で家の犬「コディ」とその親戚の子犬達を対象に、そんな牧羊犬としての能力が彼らにどのくらい残っているのかを審査してもらえることになった。週末、ぐんぐん短くなる日を追いかけるように、西へ向かって車をとばした。80キロほど走る間に灰色の住宅地の光景がだんだん緑になり、そしてのどかな田舎の風景に変わった。


見覚えのある顔、アローお姉ちゃん

メエエ メエエ



 牧羊犬の適正診断はまず、ヒツジのいる柵に犬を入れ、離れたところから犬がどのような行動を見せるか観察する。同時に羊飼いが杖で地面を叩き、犬に、杖へ敬意を払うよう促す。この時点で、ヒツジに対して攻撃的な行動を見せた犬は除外されるらしい。コディはヒツジに大注目&大興奮で、珍しくワンワンと吠え、瞳がらんらんとして今にもヒツジを丸飲みしそうに見えたので(笑)一同若干心配になったけれど、羊飼いと杖への注意力が高かったので、審査続行となった。また、ヒツジは意外とタフなんだそうだ。少々、犬にどつかれた位では、なんともならないそうだ、、、と言うのはオーナーの談。


しっぽをブンまわしながら羊の後を行くコディ。



 羊飼い役の人が、犬に適宜指示を出していく。と言ってもまだ何も知らない子犬なので、「そうそう」「優しく」「ダメダメ」など、主にヒツジに対する基本的なマナーを教えることがここでのメインだった。

    話を聞いていて面白いなあと思ったのは、ポインティングやレトリービングと同じく、ハーディング(ヒツジをまとめること)も強く本能に根ざしていて、犬一頭一頭のもともともつ資質が重要なんだそうだ。トレーニングをほどこして、後天的に教える事も出来るけれど、やはり生まれつき「動く生き物の集団をまとめたい」という、強いモチベーションを持っている犬がいて、本格的なハーディング競技や実務にはこういう犬達が使われるそうだ。


なんだかそれらしくなってきた?



 結論、コディの牧羊犬としての資質は???

 審査をしてくれた方によれば、ホビーレベルのハーディングなら十分通用するということだった。ヒツジへの興味、忍耐力、エキサイティングな状況下でも号令への注意力を失わなかった事、それと群れからポンと一匹飛び出したヒツジをさっと連れ戻す動きが出来た事が評価された。マイナス点は「遅さ」。コディはそもそも牧羊犬としてはオーバーサイズなのだ。これは自分で見ていても、確かにそう思った。しかし競技レベルはムリでも、いずれ庭の広い家に住む機会でもあれば、小さいアヒルかガチョウでも飼って、追わせてみるのも楽しいかもと、夢が広がった。

 余談だけれどイヌにとってヒツジ追いは随分ブレイン・エナジーを消耗するようだ。コディがヒツジの柵の中にいたのはものの20分たらずだったが、そのあと帰りの車の中でも、帰ったあとの家でも、グーグー熟睡していた。これを見ると以前ハーディング・コンペティションのチャンピオン戦で見たボーダーコリーなどプロの牧羊犬達は、とてつもないアイロン・ドッグ達だったのだと改めて思った。ワーキングラインに限って言えば、とてもじゃないけど一般家庭では飼えない代物だと思う。



2015年11月9日月曜日

バージニア州 リトル・ディフィカルト・ラン



 母が帰国する前、最後にとトレッキングしたバージニア州リトル・ディフィカルト・ランでの光景。ここは、コディがまだ小さかった頃に、コディの友達も連れて一度来ているので(→参照)地理的には馴染みがあるけれど、季節が違うのでまた新鮮な趣があった。こちらではほんの2週間ほどの間で、きれいだった広葉樹の葉がドカッと落ちて、林床まで日光が届くようなり、森全体が明るく見通しも良くなって、さらに地面を覆うシダや棘のある植物の多くが枯れた事で、かなり歩きやすくなりました。




 林道を楽しそうに歩くコディ。生後10ヶ月になり、体重も、最近忙しくて計っていないけれど50キロ近くになっているのではないだろうか。写真を見てふと、ずいぶん大きくなったなと思った。こう見えて本当は、家に入ってきたクモやバッタを倒すのが関の山と言うお人よしの犬だけれど、彼の事を知らない人がもしこういうところで急にこの犬と出くわしたら、ちょっと怖いのではないだろうか。

 遠くから近付いてくるこの犬を見て腰を抜かし、転んで骨折してしまったおばあさんが居たとして、ここアメリカでは、裁判になればおそらくこちらが負けてしまう。日本と同様、オフリードでの犬の散歩にはリスクが伴う。野外でのびのび遊びたければ、場所と時間帯の吟味がとても大事だと思う。リコール(呼び戻し)を確かなものにしておくことも重要だ。それも、他の犬や見知らぬ人、物、大好きなにおいなどの誘惑に打ち勝って、必ず戻ってこなくてはいけない。うちの犬は今の所、リコールの反応はとても良い状態を保っているけれど、個人的に身の回りで訓練のよく入った犬達を見ていても、犬の行動に「200%絶対」はないと感じているので、鉄のリコールに到達するのは容易な事ではないと思う。




 ところでここへ犬を連れてきたのは、先日リバーベンドパークへ行ったおり、コディが(積極的にはいかないまでも)全く泳げないのも良くないと気付いたことがきっかけだった。その点ディフィカルト・ランは全域にわたって小川の水深が浅く、流れも遅く、また水質が比較的きれいなので、練習にはうってつけの場所だった。この日は、日本のウグイに似た川魚がちろちろ泳ぎ回る横で、コディの犬かき(?)を数回、見物することが出来ました。


犬かき(?)後、ほうほうのていで張り出した木の根につかまるコディ。

河原に上がって一息つく犬。



 水泳?といえばこのお方も初めて、「赤ちゃん用の風呂」というので沐浴をさせてもらったのでした。今まで自分がタライみたいなのに浮かべてぱちゃぱちゃ程度にやっていたのでは全然汚れがとれていなかったらしく、ばっちいベイビーになってしまっていたのです。写っているのは母の手です。この手で自分も含め、3人の兄弟は毎日沐浴させてもらっていたと思うと感慨深く、また時の流れを感じます。おお、母よ!(笑)。


沐浴後 爆睡するかーちゃ




2015年11月4日水曜日

バージニア州 リバーベンドパーク



 日本から来た母の滞在もあと少し。家族のヘルプがある状況を有意義に活用するため、引き続きひとり&一匹で、今まで足をはこんだ事のなかった公園を中心に探索しました。この日行ったのはバージニア州、ポトマック川の畔にあるリバーベンドパーク。結論から言えば、この公園に乳幼児と犬を同時に連れてくるのは難しそうだと感じたものの(意外と人通りが多いのと、犬の監督をきっちりしなくてはいけないので人間の子供の方に手が回らない)、秋晴れと暖かい日差しと、穏やかなポトマックの景色を楽しめ、いい気分転換になった。


コディはここでワンワンと吠えた。
吠え声が反響でやまびこのようになるので、不思議に思ったのかもしれない

投げやすく、拾いやすいアンフィビアス・バンパーがまた活躍した。

ずんぐりむっくりに見えて意外と動けるコディ



 これは通称「マンゴーボール」最後の姿。何ヶ月もの間、コディが大事にして飽きもせずに遊んでいたこのオレンジのボールは、案外速かった川の流れにさらわれて、一瞬で遠くへ行ってしまった。以前から一度投げられたものの捜索を中断して戻ってくるということがなかなか出来なかった彼も、点のように小さくなったボールに「leave it」と言ったところ納得したように手ぶらで帰ってきた。

 この一件でリマインドされた事は、海も川でも、湖でも、いわゆる遊泳区域の外で遊ぶときはかなり注意しないといけないなあ、という点。水流が予測不可能で、特に水面下ではどうなっているか分からないので、老犬や小型犬、コディのようにまだ泳ぎの上手くない子犬の場合は気を付けなければいけないと思う。水難事故の実例によれば、水深もすね(ひざ下)位までの深さがあれば成人男性が押し流されるのには十分なのだというから、犬の場合も、いかに水深が浅いからと言って、絶対に安心しきれる事はないのかもしれない。少なくとも用心するに越したことはないのではないだろうか。




 自然の中では「この位だいじょぶだろう」と思う所でケガをすることもあるし、用心しすぎでも、楽しく遊べなくなってしまう。同じ場所でも日によって状況が全く違う事もあるし、ちょうどいい塩梅を判断するのが難しいと感じる。