2016年3月29日火曜日

ペットエキスポへ



 三月ももうおしまい、ここ北バージニアでも日差しがどんどんと春めいて、満開になった桜のすきまから、あっという間に若い葉っぱがのぞくようになりました。ここまでくるとあとは一気に暑くなっていきそうな予感。日照時間ものびて、最寄りのドッグパークではイブニング・タイムの人波が復活しました。人々も犬もみな暗い冬のあとの再会の喜びを分かち合っているようでした。

 家でも、アフターファイブに家の人が犬の散歩をやってくれる日が出てきました。ふだん一人で全ての犬の世話をしているし、散歩中のルールが変わるのがいやでなかなか散歩を人にかわってもらおうと思えない性分ですが、一日一回でも誰かが散歩を手伝ってくれるとこんなにも体が楽なのか!と目の覚める思いでした。やはり大型犬は家庭で分担して世話するものですね(あたりまえ?)。

2016年3月19日土曜日

エリマキドッグ


 思い立ったが吉日ということであのあと獣医さんで手はずを整えていただき、去勢手術が終わって、家に帰ってきました。すでに場所をだいぶとってるコディが大きなエリザベスカラーをつけてゴトゴト動き回るので、もともと小さい居間がさらに狭く感じられます。そして、手術のあとペっちゃんコになったイヌのたまたまを見るとかわいそうやら、気の毒やらで、本人が(犬)が何もわかっていないのがせめてもの救いです。

 コディはカラーをつけてから食欲がなくなってしまいました。餌にかんづめをちょっと入れてやったり、餌台の角度をかえたり鎮痛薬をあげてみたり、ちょいちょい様子を見ていますが元気がありません。病院へ行って先生や看護師さんに囲まれて楽しくはしゃいでいるうちに急に朦朧として、目が覚めたらエリマキトカゲならぬ、エリマキイヌとして生まれ変わっていたのから仕方ないですね。ハンスト二日目に試しにドライフードを手からやったらポリポリといかにもつまらなさそうに食べていました。

『ゆうつ』モードのコディ。


 去勢後5日間は激しい運動はダメと言われたので、その間はフレキシをつけて地域の遊歩道をゆっくり・しっかりめに歩くことにしました。ここ数日間はバギーを押しながらOR抱っこひもをつけて、朝夕で計10~15キロくらい歩きました。アメリカに越して以来こうしてコンスタントに長距離を歩くことが無かったので体がなまりまくっていた事を痛感。こんな体たらくでは日本へ帰ってももう山には登れないな(引っ越すまでは毎年富士山に登っていたのに)。

 反面歩き散歩の最中、遊歩道脇の雑木林で、朝もはよから頑張っている鳥類の姿を頻繁に見かけることが出来たのは得した点でした。ふだんこの時間帯は公園かドッグランにいるのでずっと知らずに過ごしていましたが、こんなに面白い鳥の世界があったんだと気付き、ちょっともったいなかったと思いました。

 とくに感動したのは4日目の朝にクロコンドル(American Black Vulture)三羽の食事風景に出くわした事です。これは、歩道から20メーター位奥まった場所だったので見つけられてラッキーでした。すごいと思ったのは、この鳥達のすごくおっとりした性質です。真っ黒で大きく「森の掃除屋」と言われるイメージとは違い、穏やかで静かな鳥達で、カメラをもちながらいつのまにか5、6メートルくらいの距離まで接近していました。野生の鳥なのに!この寛容さに感激して、すっかりファンになってしまいました。以下に写真をアップします(一部動物の死骸が写ってるので「つづき」に畳みます)。

2016年3月14日月曜日

ボール遊び


 もともとボールにそれほど執着のない子犬だったコディなので、トッテコイ遊びを少し工夫しています。途中でゲームの展開が読めるようになってくるとおもしろさが減少してしまうので、コディ的に価値の異なるボールを6こ用意して、場所や状況に応じて投げるボールの種類を変えながら遊んでいます。たまに逆戻りしたりもしますが、基本的にはとってこいをすればするほど次に飛んでくるボールのランクが上がっていくので、最後まであまりダレずに遊べるようになった気がします。ボールのランクは、マックスアウトする前、犬が「もう少し遊びたい」と思う所でやめにして、次回への期待感をのこします。最高ランクのボール(上の青いボール)は投げず、遊びの終わりに「コイ」でサッときてリーシュをつけさせた時点で、手渡してあげています。


 ボールはフィールドで投げる瞬間までは「ボール入れ」にしまっていて他のどんな時も触る事が出来ないようになっています。また、ボール入れにはたまにフリスビーや枝が混ざっていることもあり、コディにとっては次どんなオブジェクトが飛んでくるのかわからない事があるので、ここでも多少ワクワク感が増すようです。


 投げるボールの種類をかえるほか、他のゲームと融合させたりしてもったいつけてから投げることも多いです。最近よくやっているのは「あれ拾って」ゲームです。

 以前、犬が落ちてるペットボトルを拾ってこれたら便利かもみたいなことを書いた事がありますが、そのアイデアを転用したゲームです。今日の収穫は1ガロンの水容器と、ミネラルウォーターのペットボトル。週末明けの公園にはこういうものがそこかしこに散らばっているので、いい練習場になっています。近く(2、3メートルくらい)まで歩み寄って「あれ拾って」と言えばだいたい拾って、私の手のところまで持って来られるようになったので、次はもっと離れたところにあるオブジェクトをターゲティングにするにはどうしたらいいか、犬にとって指示を明確にするのになにかいい方法はないか考えています。


 数日前の夕方のトッテコイのビデオです。前で赤ん坊をしょっているのであまり遠くへは飛ばせていませんが、こんな感じでちょっとづつ移動しながら、30分くらい遊びました。このあと遊歩道をまた小一時間ほど歩き(私は春先の両生類ウォッチが出来てウハウハ)、帰路につきました。

2016年3月9日水曜日

週末のログ



 週末いった所・やった事の記録。

 土曜日はバージニアとワシントンDCのちょうど間あたりに位置するおハイソな街、クラレンドンで「クラぶら」してきました。と言っても真にぶらぶらするほどの広さはなく、「小さな小奇麗なエリア」という感じの場所です。雰囲気は大変良いのに案外やることは少ないという点で、東京の白金に似ているような気もします。そんな場所で子・犬つきでぞろぞろしていると出来ることがさらにかなり限られ、この生活があと数年続くと思うと正直気が滅入りました。

 これまたおハイソなアウトドアブランドORVISのドアに「Dogs Welcom」の文字を見つけたので入ってみると、綺麗過ぎて、恐れ多く、とても使えないような釣り竿やルアーが所狭しと並べられていました。見るだけでもとても楽しかったです。フライの針に使う素材になるシカの尾やリスの尾もあり、これで友達の飼ってる柴犬用のルアー作ったらどうなるかなあ等と妄想しました。フィールド用の犬の首輪をプリントしてくれるブースや、犬雑貨もいろいろあり、楽しめました。コディもビスケットをもらえました。



ドイツから来たGシェパのフィギュリン発見!あんまり腰がおちてないような

 お次はまたぞろおハイソなベビー・子供グッズのKinder Haus Toysへ。ドイツ製のおもちゃ類を中心に、ヨーロッパの輸入子供雑貨が売られていました。私見ですがこの辺に住む若い親世代の間では、原色バリバリで目の中に星が飛び散っているアメリカ製のお人形よりも、より素朴でリアリスティックなディティールにこだわった(または美しくシンプリファイされた)西欧のおもちゃや洋服の方が人気があるようです。

 ところでワシントンD.C.は北米でも人種のダイバーシティが最も多様な街のひとつですが、ここでいろんな言語教育のためのつみきが売られているのを見つけました。もちろん日本語のも。このアメリカという地に生れ、アメリカ人として、そして日系ニ世、ロシア系ニ世として育っていく娘の人生がどんなものになるのか、思いを馳せました(そして自分の想像力では全く思いもつかないことにも気が付いた)。いつか遠い未来のある日、自分も、コディもいない世界を生きている彼女の事を考えるとちょっと不思議な気分になります。




 日曜日は自分・子・犬の三匹で、フライングパン牧場公園へ行きました。牧場の、特にウシのフンに含まれるバクテリアの死骸は赤ん坊の免疫機能を強化するそうなので、良い散歩場所だと思いました。ただ犬にとってはすごい刺激のある匂いでいっぱいなので、あっちゃこっちゃしてしまうコディをうまくハンドルするのが大変でした。

 ヒツジの柵まで行ってみるとオスの羊がこちらへ向かってやってきました。すごく大きい羊でしたがとても人懐っこく、犬にも全く物怖じせず、感心しました。




{{{ヒツジさん逃げて!!!}}}


そんな「獣っぽい系」のお肉の香りに目のないコディ。
この週末はふつうのご飯にテイスト・オブ・ワイルドのシカ味をトッピングしましたが、あまり反応していませんでした。
何がだめだったのだろうか。




2016年3月4日金曜日

ピットブルのこと


 新年早々ランで犬にはねられ華麗に宙を舞ったばかりの私でしたが…

 ドッグランでコディの事を気に入らなかったらしい、大型のオスのピットブルが、歯を剥き出しで突進してきました。コディはそれ以前にも地面にころがってお腹を出して、好きなだけオシリの匂いも嗅いでもらって、どこまでも低姿勢だったので、「大丈夫そう」と思った矢先でした。

 向かってきたきた犬とコディの間に入った時、スキー用のグローブをはめた手に衝撃を感じ、その時は相手の歯がちょっと当たった程度と思っていましたが、場が収まってからしばらくすると、左手が痺れてズキズキしていることに気付きました。手を出してみるとなんと!小さな穴が開いて、傷口の大きさのわりにびっくりするくらい血がたくさん出ていました。帰りに薬局でベタダイン(日本のイソジンみたいな薬)を購入し帰路につきました。

 奇しくもこの日は夕方からの獣医さんのアポイントメントで、コディの去勢手術の日程を決める事になっていました。不運だったとはいえ、ランでこのように成犬オスから厳しくマークされたのは初めてのことだったので、そろそろ潮時かも知れないと感じました。本当は月齢16カ月から24カ月の間でと考えていたところを、日程を早めて14カ月目(=今月)に行う事に決めました。※ここから先はピットブルに関して超ながながと自論・暴論?展開しているので、よかったらそれでもOKな方だけお読みになってください。


ランに嫌な思い出を残さないため、同じ場所に午後もう一度訪れた。
ほとんどハスキーちょっぴりウルフmixの女の子とは以前からの仲良し。


 それにしても、ピットブルほど「人を憎んで犬を憎まず」だと思う犬はいません。

 この現象、アメリカだけかもしれないけれど、カジュアルな感じでピットブルを飼う人が、とにかく多すぎるように思います。またこの犬種は基本的にラン向きではないと思いますが、(子犬・若犬のころなら楽しめる個体も多いですが)無理にランで遊ばせようとする人も目立ちます。

 犬の事について真面目に勉強していないオーナーがとても多いのも気になっています。今回の犬の飼い主さんも、自分の犬の様子は一応ちゃんと見ているものの、犬の出すサインをあまり理解しておらず、自分の犬が他の犬にものすごくマッチョにしているのが全く分かっていないようでした(それどころか「ジュノー、ナイスよ~」と褒めていた)。たまたまその場に居合わせた別の飼い主さん曰く、コディが来る前にも何度もほかの犬と小競り合いがあったそうなので、パックドライブの強い犬で、恫喝癖がついていたのだと思います。

 私は以前、とてもお世話になった知人がこの犬を沢山飼っていて、生れたての子犬と触れ合ったり成犬ともよく一緒に遊んだ、ほんとうに楽しい思い出がたくさんあるので、ピットブルには特別な親しみを感じています。いろんな個体と触れ合って私が知った事は、ピットブルはとても性格が良く、楽天的で人間に対して非常に従順なので、教えてあげれば本当に様々な事が出来る犬達だということです。わざわざランへ連れてこなくても、トレーニングやアクティビティを通して十分幸せにしてあげることが可能です。

 またもう一つ気になっている事があります。最近、この界隈でピットブルにポジティブ・レインフォースメント(+R)のトレーニングのみで頑張ってる人もよく見かけます。このあたりは意見が分かれるところと思いますが、個人的には、ピットにはバランス型の訓練が適すると考えます。バランスというのは、良い事をした時はどんどんクッキーを貰えて褒められるけれど、望ましくない行いをした時は、その行為に帰結(コンシークエンス)があるのだと犬が分かっているべきだという事です。

 このあたりは個体の差が激しい部分になりますが、非常に強い闘争心を持つように改良された過去のある一部のピットブルのドライブは、普通の飼い主には理解できない・普段のその犬の姿からは想像もつかないくらい激しい事があり、その分強いブレーキが必要だと思うからです。闘犬の本能とは、おなかに穴が開いたり、究極的には命を失うまで闘争を続ける可能性があるということであり、激烈な欲求です。クッキーや褒めでリダイレクトできる類のものではありません(繰り返しますが『一部のピットブル』についての話で、一般的には、蚊も殺さない優しい犬が大半ということは、強調しておきます)。

 気を付けねばいけないのは、自分の犬が一生のうち一度でもそういう、強烈な闘争本能に火がつく境地に陥ったとして、たとえその1回だけであったとしても、他者やほかの犬に致命的な危害を加えるのには十分なのだということを、飼い主がしっかり認識していなくてはいけないという点です。それを踏まえたうえで、ピットと暮らすのに最もたいせつなことは、飼養管理(マネンジメント)をきっちりとやることにつきます。周囲の人や動物も、犬自身も、安心して暮らしていけるライフスタイルを維持するためには、無用な興奮や争いの可能性のある場所を避け、観察と勉強を重ねながら、落ち着いた環境下で丁寧に犬を飼うことが不可欠です。


私がよく遊んでいたピットブル。ツギハギだらけの顔を擦り付けてくるかわいい奴だった。
元闘犬で、負けたのでポイっとボロ雑巾のように捨てられたのを、貰われてきた犬。
人間が大大大好きで、とても良いコンパニオン・ドッグの素質があった。

 いわゆる「強い犬」、ピットもそうだし、ロットワイラーやドゴ、マスチフ、アキタ、闘犬、護畜犬、etc.を飼ってる人は、「自分の犬との暮らしを楽しみたい」という欲求を満たす前に、まずは社会生活上の責任を果たすべきです。責任とは、犬を100%いつ・何時でも自分のコントロール下に置くことでありまた、このコントロールを得るために手段を選ばないという覚悟です。これは、オビディエンスどころか基本的なしつけにも手こずった先代のドーベルマンが教えてくれた事でもあります。書くとかんたんそうだけれど、犬の一生を通してやりきることはお金も、時間も、精神力も膨大に消費するので、「誰にでもできる」とは到底言い難いことです。

 今日はとりわけ長くごちゃごちゃとウンチクを書いてしまいましたが、とにかく日ごろ街や公共の場でピットがのけ者扱いになっているのが悲しいと思っていたので、考えていたことを書き連ねてしまいました。現状を見てると、自分なんか極端なのでシェルターでピット(含ピットミックス)のアダプトを禁止しろと思う事もあります。非常に残酷に聞こえますがこの犬種に関しては、シェルターが機能すればするほど、レスキューの人達が頑張れば頑張るほど、無責任な飼い主達の間で「飼えなくなったらシェルターに連れてけばいいいや(だれかがなんとかしてくれる)」という考えが蔓延するし、里子にもらったらもらったで、「うちのピットはシェルターから来たから」と、問題行動を正当化する魔法の言い訳を飼い主達に与えてしまいます。これは、問題の核心の一つだと思います。


2016年3月1日火曜日

園芸店へキャラバン




 記念写真ぽい場面で必ず目を閉じるコディ。

 先日思春期に散歩ルートのルーティン化は良くないと偉そうに書いたくせに、よく考えれば自分だって毎朝ドッグランへ行くことで「スケジュールのルーティン化」が起こっていたと反省しました。最近は犬の方も興奮して定時にクンクン鳴くようになってしまっていたし。

 そういうわけでこの日はランへは行かず別の公園でトッテコイをし、ベビー付きで小一時間ほど歩き、その後例の園芸店へ寄って自分・子・犬の三匹で、またぞろ歩きました。自分だけでこのふたりを世話するのはちょっと大変でしたが、冬の間空っぽだった花や樹木のコーナーに苗や蕾のついた若木の数々が、おっちゃん達の動かすフォークリフトで次々と運び込まれる様子を見ていると、何とも言えない春の予感がひしひしと感じられ、行ってよかったと思いました。