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2021年11月19日金曜日

褒めることの有効性


 どの飼育書、しつけ本にも必ず書かれていることがあります。犬がいいことをしたら「犬を褒める」ということです。でも常々疑問に思っていることがあって、「褒める事はいつも必ずしも有効なのか」ということです。これはいままでいろいろな犬にふれあったり、また以前飼っていたドーベルマンや、今飼っているシェパードに毎日かかわる中で出てきた問いです。

 この世には「褒められる事が有効な犬」というのと、そうでない犬がいるように思います。私の思う「褒められることが有効な犬」というのは、①生まれつき褒められる事への感受性が豊かな犬、そして②後天的に褒められる事への感受性が豊かになっている犬の2種類です(厳密に言えば、同じ犬でも状況によって感受性が増減しますが、、、たとえば家のキッチンと公園とでは褒めへのリアクションが違ったり、、、今回は「本質的に褒められることが有効かどうか」について考えたいと思います)。


 ①は、遺伝的背景などによって、ほとんど生まれつき褒められることが大好きなように見える犬です。子犬なのに声掛けすると短いしっぽをピロピロ振って、いくらでも人間の活動に付き合おうとするような犬です。特別人に対して親和性を育みやすい性質などの副産物なのかもしれません。私からするとそんな犬と暮らす事が出来ている人は大変ラッキーだと思うのですが、世の中の多くの犬はむしろ、飼い主との沢山の良い思い出を通して「褒められること=いいこと」と、頭の中でしっかりとヒモ付けられて、はじめて褒められることの意味を真に理解できるようになっていくように思います。これは②のパターンです。

 ②の犬は、しかし、「自分が褒められてる」「褒められることはうれしいことだ」とピンとくるまでに、かなり時間がかかることもあります。飼い主の側がそう思える状況を十分に作れていないなど、理由は多々考えられますが、生まれ持った性質としか思えない事もあります。私が以前飼っていたドーベルマンもそうで、「この犬は自分が褒められて心の底からよろこんでいる」と私が確信するまでに、じつに7年位かかりました。しつけ本に出てくるみたいな「素直に喜んでくれる犬」「褒められようとがんばる犬」になるまでに、寿命の半分以上が経過してしまったのです。後から思えば、犬にとって私と言う存在がまだまだそこまで重要視されていなったからだと思います。ドーベルマンは強い犬なので、そんな人間にほめられようが怒られようがシッタコッチャネ~、だったというわけです。

 犬のしつけを考えるとき、トレーナーさんの言う通りにやっているけどなかなかうまくいかないな、というペアの中には、こうしてほめるとかしかるとかいう以前に、犬と人の関係がまだきちんと構築できていないケースもけっこうあるのではないかと思いました。そういう時「褒める事」は報酬として全く意味を成さなくなります。




 考えてみればあたりまえなのですが、実際のところ自分に対してどんな価値があるのかはっきり分からないひとが、自分がやったことに対して突然キャーキャー言って喜んだって、なんか嬉しそうだと気分が盛り上がることはあっても、それで天にも昇るような気分になったり、震えるほど感激するということはないわけです。周囲のドッグトレーニングの様子を見ていても、そんな状況になっている場面を時折見ます。飼い主はワオ!グッド!とすごく嬉しそうだけど犬自身は全く気にしてなかったり、むしろ気弱な犬とかだと、どうも自分が原因らしい飼い主の豹変(?)に挙動不審になっている場合すらあります。こうなると「褒め」は通過して、犬にとってはドッキリの域といえます。個体によって適切なレベルの褒め方があるとも考えられます。

 また超個人的な見たてになりますが、これは、叱る時も同じだと思います。もともと飼い主と強い絆で結ばれている犬は、少々叱られたり、小突かれたりした位では揺らぎませんが、仮にそれら抜きにいきなり叱ったりしたら、「頭ごなしな学校の先生」とか「暴力的なオヤジ」みたいな感じになってしまい、自らの飼い主としての魅力を著しく下げることになるでしょう。また犬は驚き、「こわいから言う事を聞く」ようになるかもしれません。これは良い人&犬の関係を築く上で、多くの人が目指したい所ではなさそうです。先進国社会では犬を叱ることについては非常に賛否両論ありますが、私は、自分の犬を厳しく叱ることがあります。ただし叱る時はふだんからその10倍、いや50倍は褒めるくらいの気構えでいるのと、叱る事も褒める事も犬にわかる・伝わる形で行う事を最優先に考えている、ということは明記します。


 「褒め」のもう一つの側面として、「犬をやたらと興奮させてしまう」という効果もあるように思います。これは逆に褒められることの意味をとてもよく分かっている犬に起こりやすいように思います。たとえば今飼っている犬のコディは、特定の状況で遊びをしている時に「グッドボーイ」と言うと、真顔になり、耳が直立し、身体がこわばり、私を凝視する瞳がギラギラしてくることがあります(以前通っていたドッグランに、この状態のコディがどうしても怖くて冷汗がでて体が硬直してしまうという人がいました)。犬自身は歓喜と期待で興奮状態です。こうなると、コディの場合はその後何かをさせても乱雑で適当な動きになってしまいます。「グッドボーイ」が刺激的すぎて、コディの心と体のコントロールを弱めてしまうのです(考えようによっては、犬が爆発的に力を出すようなタスクをやるには向いてるのかも知れません)。このことから、場所や状況によっても、適切なレベルの「褒め」があるのではないかと思いました。

 いつもの如く長くなってきたので振り返りますが、犬を褒めることも(叱る事も)、まずは関係ができてから、犬に「この人にほめられたい」と思う人になることが、多分先決だということ。そして、個体・場所・状況によっても適切な褒め方があるんではないか~?、、、というところまでまとめて、おわりにします。

 今日の写真は2ヶ月前に発根していたエケベリアです。ゆっくりですが窓際でも成長を見せてくれています。これらは皆同じ親株から出たクローン体のはずですが、成長速度や体色にけっこうばらつきがあるのがおもしろいです。来春頃には人にゆずれる位の大きさになってるかも知れません。



2015年7月30日木曜日

長すぎた3分間-CGC試験



 家の犬「コディ」の優良家庭犬(AKC/CGC)の試験が終わった。結果はなんと合格。前回のノートで話題にしていた「分離(セパレーション)」項目のテストは一番最後で、コディのリードを試験管に託し、会場のドアを閉めてからの3分間が異様に長く感じられて居てもたってもいられなくなり、となりにあったピザハットの配達員の人々としゃべって気を紛らわせた。CGCのテスト自体の難易度はそれほど高くはないものの、生後6か月半でパス出来た事、また初めて飼うシェパードで、街中や自宅の裏で、ツワリやヤブ蚊の群れと戦いながらちまちま練習をしていた自分にとっては、とてもうれしい結果となった。

 このことをランで知り合った介助犬トレーナーに報告すると彼女は「タイトルはなんであれ、犬は、テストに受かってからが本番よ!」と、含蓄のある言葉をくれた。たしかに生身の動物が相手だから「能力をみにつけさせる」のと同じくらい、「それを維持&向上させる」ことが大事なのだろう(それもあってかCGCのガイドライン等に目を通すと、合格時子犬だった犬は成犬になってからもう一度テストを受けなおすことが強く勧められている)。今ある服従訓練のレベルは今後も保っていけるよう、がんばりたいところだ。トレーニングが行われる(ある種、限定的な環境な)室内やテスト会場と違って、本当に様々な誘惑のある実社会では、いつも当然出来ているような事が全く出来なくなることもあるし、犬の注意力をこちらに引きつけておくのだけでも難しい事もある。コディが「真の優良家庭犬」となるためには、ヤブ蚊とのバトルも当分続行することになりそうだ。

 折しも、この日目を通していたタウン誌のペットコーナーに「CGC・トレーニングのススメ」のような記事がのっていた。それによるとこのタイトルは、北米ではアパートやコンドミニアムを借りる時に考慮されることがあるほか、飼い主の責任あるオーナーシップの証として法廷でも認知されるそうだ。


とれたて新鮮 バージニアのおいし~いミミズ

話題その2。CGC試験の翌日は、7月中旬の北バージニアにあるまじきカラリとして涼しく爽やかな夏日だったので、前庭の草木の剪定と、モルチ(地面をカバーするデコレーション用の木屑)をつぎ足しならしていたところ、それらの下がミミズの楽園になっている事を発見した。そういえば、コディはまだ生きた魚を見たことがなかったな、と思い出して、このミミズを餌にして近くの湖で魚を釣って見せてやろうと思いたった。イヌ餌の空き缶に拾い集めていたらものの10分で2、30匹もの若ミミズを手に入れることが出来た。


裏庭から続く獣道を20分ほど行くと湖です。




 ところがこうして天気が良いと皆考える事は同じだったようで、湖に着くと自分のお気に入りのスポットにはことごとく先客がおり、結局湖の端っこの橋の上しか空いていなかった。ここは小さな魚とナマズしかおらず、また春先にさかんに釣られてしまうので非常にスレてる用心深い魚ばかりなのだ。う~ん残念・・・。とりあず、さっき獲ったミミズをつけて糸を垂らしてみる。


ちゅれるかな?

まだかな~まだかな~

 こうして1時間以上辛抱強く待っていたコディの忍耐も空しく、釣果はなんとゼロ。途中で何度かカメが引っ掛かりそうになっただけでした。な、情けない。とても小さい橋なので、至近距離で人々や自転車が間近に通っていくのを見る練習にはなっただろうから、ヨシとした(好意的解釈!)。




 待ちぼうけのままでは可愛そうだったので、帰りに森の中の「道場」と呼んでいる場所へ連れて行き、とってこい遊びをして遊んだ。森林や緑地を歩いていると時折こうして雨水に自然に削られた、スロープのように窪みこんだ場所に出くわすことがあるけれど、こうした坂路の底に向かって「とってこい」していると、傾斜の上り下りで短時間でもイヌを沢山運動させることが出来るので、とても便利だ。床も、落ち葉と腐葉土で程よくフカフカになっているので足を痛める心配も少ない。

 ところでコディの「とってこい」に関して、たとえオモチャ探している最中であっても、「オイデ」でそれを中断して、戻ってこれるようにできないかなあと考えている。コディはオモチャが見つかるまで一生懸命探し続け、なかなか諦めないので、たまたま変な所にオモチャが落ちてしまった時や、途中で野生のシカやハイカーが接近してきていることに気付いたとしても、手元に呼び戻す術がないのだ。どういう風に教えたらいいのか頭を悩ませている課題のひとつとなっている。







2015年7月19日日曜日

コディ、デイケアへ行く。ほか

道端のチコリーの花

 犬関係の備忘録・ノート代わりにはじめたこのブログですが、つけはじめて半年ちょっとが過ぎ、ノートの役割は今十果たしていないような気がしてきたのと、私生活が徐々に忙しく・・・というほどではないがなんとなくワサワサしてきたことで、今後は月3回くらいの更新を目途にのんびりやっていこうかなと思っています。そんな怠け者の「わし」でもよろしければ、またお付き合いください。






 「私生活がワサワサ」の主な原因ですが、実は自分の第一子の誕生が約2か月後に迫って来たというのがあります。今、30週目になりましたが、これまで殆ど目立たなかったお腹も急にドンと大きくなり、スーパーなどでようやく「荷物持ちましょうか?」と言ってくれる人が現れる、という段階に達してきました。なぜか知らねど事あるごとにコケそうになるし、いやあ、妊娠するって大変ですね。でもそんなことより現在進行形で一番厳しい思いをしているのは、最近、というかここ半年ほどずっと気分が抑うつ状態的な、塞いだ状態になってしまったことでした。仕事やバイトをしたり、メールやブログなどものを書く分にはほとんど影響はないですが、私生活ではすっかり消極的な人間になってしまい、どちらかというと社交的で出たがり・イベント好きな奴だと思っていた自分の地の性質を垣間見たような気がしています(ちょっと面白いのが、ずっと昔は神経質で自分の世界に閉じこもる、非社交的な子供だったのです。回帰?)。まあ、新たな人間を一人生産するというのは、自分もまた一回原始的な状態にもどって一からやりなおすってことなのかもな、と無理なこじつけをして納得しています。このような日々の中で無理やりにでも外出して太陽を浴び、人と喋る機会を作ってくれていた犬には感謝しています。

 そんなこんなだったんですが、ここの所さらなる事件が「わし家」を襲っていました。夫である人間(♂)が膝の半月板を損傷し、これから数か月かけて手術→フィジカルテラピーを行う事になったのです。この、ドンドン暑くなる季節に、ドンドンでかくなる腹とイヌの世話を一手にせざるを得なくなり、「わし」は一体、どうなってしまうのか!続きはまた来週!!(笑)といったところです。ガンバロウ。因みに上の写真は自宅の乳児用の部屋の壁(コンセントカバーをとったところ)。仕事部屋から改装したので、自分で壁とトリムの軽い修復~養生、ペイント、家具の選定・組み立てまでをやりました。これまでの半年間、なかなか気分が乗らず後回し・後回しにしていたものを、週末の2日間で一気にすませたので駆け足作業になりましたが、無事一通り終わらせてスッキリしました。ペイント中窓を開けていたので暑かったな~。

 では、ニンゲンの話が長くなりすぎましたので、イヌの話題に移ります。


image source: National Geographic  (Link)  Photograph by Adam Ferguson


 独立記念日は過ぎてしまいましたが、今年も軍用犬のアソシエーション - The U.S. War Dog Association, Inc.に寄付しました。集められた募金は主に退役した軍用犬達の輸送費用や、医療費、再訓練費など、厳しい訓練やオペレーションに耐えたあと、穏やかな余生を共にしてくれる家族の元へ引っ越すために費やされるようです。犬用のオモチャやベスト、ゴムボール等、物品などもほとんど常に不足しているそうなので、これらのアイテムで新品かつ使っていないものが複数余っていたりする場合、寄付するのもいいかも知れません。



募金のお礼に?バンダナをもらいました。




 イヌの話題その2です。家の犬「コディ」は6ヶ月を過ぎ、CGC(優良家庭犬、ケーナイン・グッドシティゼン-有志の方がまとめてくださった概要)のクラスも最終回を迎え、いよいよ来週はテストというところまでやってきました。今まで時間をみつけてちょくちょく練習していたものの、まだまだ練習時間的に不十分感があるのと、上手なリーシュウォークとセパレーション(イヌのリードを一定時間見知らぬ人に託す)の克服が大きな課題になっています。シェパード系の犬は飼い主への執着が非常に強い個体が多く、セパレーションの項目が上手くできずに落とされる犬が結構いるそうです。コディも例にもれず、自分が立ち去ると分かった瞬間追いかけようと必死になり、戻ってくると(クォ~ンと変な声を出しながら)ジャンプしてしがみつこうとするので、本当に少しづつ時間をかけて飼い主は一定時間見えなくなっても、必ずまた帰ってくるという概念を教えてやらねばなりませんでした。また、離れる前に「ちょっと待っててね」と声を掛け、立ち去るようにすると、ノーリアクションで立ち去るのと比べ心の準備が出来るのか、比較的うまく待っていられるのが分かってきたのもめっけものでした。犬のトレーニングと一口にいえど、みんなそれぞれ癖も違えば、問題も多種多彩、それについての克服法も本当に一匹一匹少しづつ異なるので、面白いですね。こちらでは、特にオビディエンスやアジリティは4~50代の女性の趣味、という印象があるんですが、こうして自分も齧ってみると結構楽しいし、ソーシャルな趣味なので、ハマる人の気持ちが分かったような気がします。






 話題その3。ニンゲンの乳児の部屋のセットアップをするにあたり、まとまった買い物をする時間が必要になりました。そこで初めて「イヌのデイケア」を利用してみたのですが、これがなかなか良かったです。いつも、犬を置いての外出時はコディがクレートの中で寂しくて泣いてるんじゃないか、退屈してベッドを破壊してるんじゃないかと(実際はほとんどの場合爆睡している)、妄想がモリモリと湧いてきてしまうたちなんですが、デイケアなら他の人の目がある分、多少安心感がありました。今回利用したDogtopiaというデイケアでは、携帯にインストールしたアプリからデイケアのウェブカメラにアクセスして、自分の犬が何をしているか確認できるのも助かりました。アプリを見るのにはまってしまってなかなか自分の買い物がはかどらなかったのは誤算でしたが。



最後にこんなカードをもらいました。

どうやら楽しかったようです。




 おまけ。冒頭にも写真がありますが、ドッグランの柵の外側の雑草が、こんなかわいい花をつけていましたよ。以前、カナダをロードトリップした際に道路脇によく咲いていたので「カナダの雑草」と呼んでいたこの花、正体は中央アジア原産のハーブ「チコリー」でした。ウィキを読んだらどうやら北米に移入・定着しているようですね。もっと大きく茎を広げ沢山の花をつけた綺麗な株も見かけるのですが、それらはいつも「中央分離帯の左折レーンの脇」とか、絶妙に停まりにくい場所に生えているので、なかなか写真が撮りづらい植物でもあります。この涼しげな淡藤色が、じっとり暑いバージニアの暑気を払ってくれるような気がします。





2015年6月9日火曜日

CGCのクラス、他



 北バージニアは連日最高気温が30℃前後、時には35℃近くまで上がり、かなり暑くなってきました。しかもこんな時に限ってエアコンのキャパセター(コンデンサ)が壊れてしまったんですよ。交換費用として300ドルが一瞬で飛んで行きました。近々、犬連れでロードトリップへ行きたいなと思い少しづつやっていた倹約計画も、こうして一瞬で振り出しに戻ったわけであります。

 家の犬「コディ」の5ヶ月目はそこそこ順調に過ぎて行っています。今週から最寄りの犬の学校でCGC(ケーナイン・グッドシティゼン)のクラスへ行き始めたほか、別の学校で中級オビディエンスのクラスも、試しにとってみました。CGCはアメリカの畜犬団体AKCが定めた、家庭とコミュニティの中で暮らすうえで良いマナーを身に付けている犬を評価するプログラムで、合格するには10項目のテストをパスする必要があります(10項目については、日本の個人の方のウェブページで、とてもよくまとまっているものがありました。こちら)。このテスト、要求されている各項目は比較的シンプルなんですが、衝動の抑制(インパルス・コントロール)を必要とするものが多く、コディのような子犬や若犬にとってはけっこうハードルが高いと感じています。例えばクラスのはじめにインストラクターがサラッと「皆さん、これから7週間の間、あなたの犬がリードを付けているときは片時もヒールのポジションから離れないようにしてください」と指示を出したのですが、それって言うはやすし、行うはきよし難しだよな~!と、一緒にクラスをとっているコディの親友、デヴィちゃんの飼い主と顔を見合わせました。次のクラスまでの一週間はリーシュウォーク強化週間として、おやつを片手にがんばろうと思います。




 リーシュウォークの練習は実践あるのみ、ということで夕暮れのワシントンDCはアダムスモルガン地区へ。デュポンサークルの噴水のまわりに大勢の人が集まって、ほぼ無言でワサワサと体を揺らしあっています(ときどきキャーという歓声も聞こえる)。何をしている所だと思いますか?

 これはサイレント・ディスコという最近流行り始めたアクティビティで、皆で一か所に集まり共通のアプリや専用のポッドキャストにつないで皆でグルーヴを楽しむ、というものです。個々人のイヤフォン意外には何の音響機材もないので騒音もほとんどないし、路上飲酒禁止のDCなのでアルコール・フリーで、なかなかクリーンなイベントだと思います。室内でもないから踊り放題、汗かき放題。


コディ君も(座ってみてるだけだけど)参加しました。
コディは、なぜか知らないけどゲイのお兄さん達に人気なのです。



 話題その2。週末は銃火器の展示即売会を見に行きました。あまり知られていませんが、こういうショーやエキスポは犬連れOKのものが案外多いです(念のため、事前に電話で確認を)。この日は管理人が探していた目当ての品も見つからず、日曜日の遅い時間で程よく人のはけた会場をのんびり回ることができました。


退役軍人のオジサンに愛嬌を振りまくコディ。
この方は軍用犬の世話もしていたそうで、色々面白い経験談も聞かせてくれた



 話題その3、昨日のコディ。71パウンド(約32キロ)になりました。朝ドッグランで彼の口をのぞき込んだ人が「あらまあ!この子大きいのに、まだ子犬の歯してるわよ!!」とびっくりしていましたが、そうなんです。歯の生え変わりが遅いので、ちょっと心配していました。でも、その直後に異変が起こったんですよ。


下から新しい歯がどんどんせり上がってきてますね。

 遊んでいる間に下の犬歯が両方とも抜け落ちました。今日も今日とて、デヴィちゃんと取っ組み合いをしている最中グラグラになっているのを見つけたので、そっと引っ張ってみたのですが、下の方で繋がっているようだったのでそのままにしていました。こんなにすぐ抜け落ちるもんなんですね。


歯が抜けて、えらい、えらい。
コディ「デへへへ」

 歯の他にも、ランで他の犬のマーキングあとを嗅いで、その上に自分のオシッコをひっかける、という行動もこの日から始まりました。他の犬に対してマウンティングするのもこの一週間でけっこう頻繁に見かけるようになりました(これはトラブルの元になることが多いので見つけたらやめさせています)。家では自分のシッポを追いかけてクルクル回っていたり、タオルにくるまって寝ている所などはまだまだ赤ちゃんのようですが、確実に成長してきているようです。




2014年11月14日金曜日

子犬の時間割り


 約15年ぶりに子犬を迎えることになったので、復習もかねて今、いろいろ読んで頭をリフレッシュしている。10年ひと昔とはよく言ったもので、自分の中の犬についてのいろいろな知識や認識が古いものになっていたことに気が付く。かといって、ものごとは新しいから必ず正しいというわけでもないと思うので、沢山知識を入れたうえで、経験と照らし合わせてよく吟味する時間が必要だとも思う。今日は生後4ヶ月までの子犬の1日のスケジュールに注目して、たぶん最も平均的で、子犬にとっても自然と思われる時間わりのめやすを作った。経験者の皆さん、「もっとこうしたほうが良くなる」等、もし、アドバイスがありましたらぜひお願いします↓。




 世の中なにごとも時間わり通りに行くことの方が珍しいので、実際に子犬が来るとなったら人間側の都合とあわせて多分色々変えていかないといけないと思う。ただ、だいたい生まれてから半年くらいまでは、子犬に人間社会のマナーを教え、ソーシャライズすること(『社会化』)がとにかく重要視されているので、自分の事は多少、あとまわしになっても、積極的に連れ出してやる事が大切である。

 またトイレの回数が非常に多いが、トイレトレーニングはそもそも失敗する余地がないことが、結局は楽に教える道だと思うので、頻繁に連れ出すようにすることがミソだと感じる。室内で出来るようにしておくことはいずれ老犬になった時の便利さもあるが、犬の本来の性質には逆行していると感じるため、寒いがまめに外でさせる事にした。

 通して見ると分かるけれども、フルタイムでのお世話が必要になる。けれど、その犬の一生にわたって影響のある時期だけに、最初にまとまった時間を投資して、きっちり環境を整えることが大事だと思う。仕事の片手間などではとても出来ないので、我が家の場合、主に世話をしていく人(私)が事前に休みを取って準備をした。

 話を社会化に戻すけれど、この時期を逃さず正しいトレーニングをするために、生後2か月半までに最低1セットのワクチン接種を済ませておく。接種後一週間は、子犬を抱いて外を歩き回るだけでも社会化効果が期待できる。外に頻繁に出るのが楽だという意味で、春先や秋口などの出歩きやすい季節に子犬をもらってくるのも、あんがい大事かもしれないなあと思っていたけど、ドッグトレーナーの同僚に聞いたら「全然問題ないし、屋内でやれることもたくさんあるから大丈夫」だという。

 4か月までのトレーニングの要点は、その同僚をはじめ色々な人にとにかく社会化、社会化、社会化と叩き込まれた。社会化は、トイレ・トレーニング、クレート・トレーニング、リコール(「コイ」)トレーニングと共に子犬の必須4項目と言える。次に、基本のコマンド・・・スワレ、フセ、タテ、マテ※、ツケ、ドロップ※、サガセ、サガレなども、ゲーム感覚にしてこのあたりからなんとな~く教え始めると良いと思う。子犬は、管理人の趣味の問題で、将来様々な環境下でのウォーキングや山でのトレッキングやハイキングをかなりすることになる。ので、上の米印(※)のついたコマンドは特に大切である。これらのアクティビティに付き物な、車内で静かにしている事、長時間クレートに入ること、風呂や湖など色々な温度の水に入る事、色々な表面(ツルツルした所、鉄のメッシュの上(←苦手な犬が多い)、障害物の多い林床、エレベーターに乗る等)に慣れる必要もあるため、早い段階で練習をはじめる。

 余談だが最近シュッツフント(防衛競技)に造詣の深い元警察官の知り合いから聞いた話によると、いかにポジティブな条件付けと共に行うトレーニングであっても、あまり初めからメソジカルにやりすぎると犬でも自分で探求したり、楽しんで考える力が育たなくなるという。これは何の根拠もない個人の感想に過ぎないけれど、プロテクションスポーツというテクニカルな科目を長年教えている人の談なので、一考すべきポイントだと思った。

 自分自身、周りにいた犬や飼ったことあるのもワーキンググループの犬ばかりなので、近年主流の「正の強化(positive reinforcement)」をもととしたしつけやトレーニングが、こういう系統の犬に対してどんなように作用するのか、まだ感覚としてよく分かっていないことも懸案事項です。これも、本をたくさん読んで、トレーニングクラスなどのトレーナーの話をよく聞いて、仔犬に教えると同時に、自分でもコツをつかんでいかなければいけないと思います。