ドライフード 勝手に五選



 この餌、自分のバイト先で扱っている中でも多分最もクオリティが高いドライフードの一つで、カナダ産の「オリジン」というもの。人間が消費するレベルの肉、フルーツ、ハーブ類を特殊な製法を使って作っている。写真のリージョナルレッドは野生イノシシ赤身肉ベースの13キロ入りで、値段は大体日本円にすると、送料抜きでだいたい11000円くらいになる。この値段を告げた時、人々はだいたい「高!」という顔をするけれど、そのうち5パーセントくらいの人はいったん家に帰って(多分コンピューターでリサーチしているのだろう)、次お店に戻って来た時は迷わずこの餌を買い、そしてその後も買い続ける。その人達が皆口を揃えて「イイ」と言うので、多分本当に良い餌なんだろう。ひとつ助かる点は、この餌は穀類不使用なので給餌は比較的少量ですむのと、全年齢対応なのでイヌの年齢に合わせてフォーミュラを選びなおしたりする必要がない所だ。

 犬にどんな餌をやるかというのは、悩ましいけれど考えると結構たのしい問題でもある。餌の品質の目安としてとても重宝しているドッグフードの評論サイトがあるのだけれど、そこで5つ星を取っている餌の中から、個人的に気に入っているものを5つ、勝手に選抜してみた(因みにオリジンも5つ星なので、実質6つ)。通信販売や、日本で手に入るものも多いと思うので、誰かの参考にもなるかもしれない。


・アカナ リージョナル グレイン・フリー

主原料は良質のラム肉やアヒル肉で、これにラム・ミール、ダック・ミール、ホワイトフィッシュ・ミールなどが加えられている。「なんとかミール」というと、やたらと加工されていてあまり質の良くない印象を受けることがあるが、実際には生の状態の肉の約3倍ものタンパク質を含む、重要な材料なのだ。ミール肉の特徴の一つは、安くあげようとすれば限りなく安くできる反面、高品質の肉からは(あたりまえだけど)高品質のミールが作られるというところ。だから、材料表にミール類を見つけた時は、どのような品質のミールなのか、出所を出来る限り調べるようにする。

  この餌にはほかにフィールドマメとアカレンズマメ、ポテトが加えられている。これらは良い炭水化物源であり、同時に植物性のタンパク質も含んでいる。



・アースボーン ホリスティックナチュラル プリミティブ グレイン・フリー

主原料は良品質のターキー・ミール、チキン・ミール。ミール肉の良い所は上にも書いたけれど、タンパク質がとても豊富な所だ。本餌の場合ほかに鶏脂、ホワイトフィッシュ・ミール、乾燥卵も含まれている。

 鶏脂というと聞きなれない材料だけれど、実はリノレイン酸やオメガ6脂肪酸という、哺乳類の体における必須脂肪酸の宝庫なのだ。一説によるとビーフやポークに比べると実に10~14倍もの、こうした脂肪酸が含まれるという。アメリカでは伝統的に、風邪をひいた人にはチキンヌードル・スープを食べさせるのだが、チキンの皮に含まれる栄養豊富な鶏脂を、効率よく摂る技でもあるのだ。



・GO!フィット&フリー グレイン・フリー


ブランドイメージはアクティブな犬用フード!というテーマで作られていると聞いた。主原料は高品質のチキン・ミール、ターキー・ミール、サーモン・ミール、チキン、シチメンチョウ、マスの肉が加えられている。いかにもプロテインが豊富そう。また、このサーモンにはエトキシキン(日本では認証されていないものの、海外では非常に広く使用されている抗酸化剤)が使われていない所も、とても高く評価されている。このフードはアニマル・バイプロダクト(畜産副産物)が一切使われていない。アメリカでは犬にバイプロダクトを与える事を忌避する風潮があって、個人的にかなり変なトレンドだと思っているのだけど(内臓肉は総じてタンパク質に富み、さまざまなビタミン類など栄養素の宝庫なため)、確かに「何が入っているか分からない」という、得体のしれない感があることは否めない。go!はそういうオーナーにとっては比較的安心な餌と言える。

 炭水化物は良質のひよこ豆、レンズマメ、ポテトやタピオカから補われている。個人的に鳥類と淡水魚の肉がたくさん入っているのが、自分の食の好みとも合っていて、なんとなく好感度が高い餌。


・パフォーマトリン ウルトラ グレイン・フリー


メインの材料は高品質のシチメンチョウと、ターキー・ミール。これに豆と、サーモン・ミール、ダック・ミール、ポテト、乾燥卵、鶏脂、ポテトプロテイン、ベジタブル・ポマース(いわゆる野菜くず)などが続く。この餌はランクインしている他の4種の餌よりも比較的安価なのだけれど、今こうして原材料を読んでいて、なんとなくその理由が分かった気がする。パフォーマトリンは比較的安価な食材で、けれど品質にこだわりながら工夫して作った餌と言う感じがするのだ。しかしそれでちゃんと5つ星を取れたのだから、立派である。なんといっても比較的価格が低く抑えられているので、人々の反応も上々だ。



・プライマル フリーズドライフォーミュラ グレイン・フリー ビーフ、ダック


プライマルは冷蔵・冷凍タイプの生エサでポピュラーな会社だが、フリーズドライの餌もある。普通のドライフードを想像しながらパックを開けると、全然違う形をしている(ナゲット状)なので驚く。これに水を足してやわらかくして、2時間以内に給餌するというもの。個別に分かれているのでオヤツとしても使える。ビーフ味とダック味のみ5つ星。

 ビーフ味の場合、主要成分は牛ハツ、牛レバーなどの内臓肉類、ケール、ヤムイモ、ニンジン少々、などの緑黄色野菜が凍結乾燥され、ぎゅうっと圧縮されているイメージ。go!の項目にも少し書いたけれど、内臓肉はあまりクオリティの高い材料とは思われにくい反面、超良質なたんぱく質源である。

 このフードの欠点は、大型犬に与えようとするとコストがかかりすぎる事。生体の必要量を100%このような餌だけでまかなえるのは、小型・中型犬の特権かも知れない。


 こうして並べてみると「グレイン・フリー」のオンパレードだ。ハイエンド・ドッグフードは大グレイン・フリー時代に入ったと言って差支えない。他にも、上のプライマルの項でも少し触れた「ロウ・ダイエット(生食餌)」も、非常にブーム化していると感じる。個人的に、生&ハイプロテインの餌にあまりにも傾倒しすぎる事にはそれなりに弊害もあるような気がしているけれど、その理由も後で考えがまとまった時に書き留めることにしたい。5つ星のドライフードは他にもあるので、選択に迷ったときはこのリンクを参考にしてみてほしい。