2017年7月31日月曜日

人生に効く薬



 コディは2歳半をすぎ、体高がだいたい73センチくらい、体重は最近少ししぼって、55キロ位となりました。2年前と比べると随分と大きくなりましたが、ほかの兄弟は60キロオーバーの犬もいるみたいなので、たぶん同胎犬の中では小さい方なのかもしれません。挨拶の仕方や愛情表現はまだまだ子犬のそれで、所謂とっちゃんぼうやみたいな感じになっていますが、とてもかわいいので(親バカ)どこへ行っても撫で撫でしてもらえます。




 犬が2歳すぎたと同時に、「小さいにんげん」育ても、もうすぐ2年になります。この2年間は本当にいろいろなことがあった。子供の世話も、犬の世話も、仕事も、自分のやりたいことも、限られた時間に全て詰め込もうとして、いつも体力の限界を試されていました。子が生まれたら変わるだろうと思っていた「子供の相手が不得意」という性格は、結局なにも変わらず(笑)ただ漠然と「解放されたいなあ」と思う事も今でもよくあります。

 写真で見れば、「きっとあとで宝物になるだろう」と思える日々です。だけど自分は愚かな人間なので、今まさに起こっているであろう幸福を、今感じ取ること・享受する事が出来にくいようです。そういうタイプの人にとって、この世界の幸福とは、いつも振り返った過去の中に見えるものです。だから、撫でるだけ&じっと見つめるだけとか、ペロッと舐めてもらうだけでごく自然に、インスタントに幸福を感じさせてくれる犬の存在は、私にとって家にとって、無くてはならない大切な存在だと言えます。



2017年2月28日火曜日

コディ、2歳



 3月になりました。季節外れの吹雪が舞い、毎年楽しみにしている前庭のスター・マグノリア(シデコブシ)の開花したての花と蕾を軒並み枯らしてしまって、がっかりしている「わし」です。北バージニアは今冬は天候が読みにくくて、このコブシの木だけでなく、本来3月中のはずのアカガエルの繁殖行動が2月にあったり、桜の開花時期が安定しなかったり、スノウドロップ(マツユキソウ)もバラバラに咲いたりと、自然の生物達もだいぶ混乱しているように見受けられました。


2016年9月30日金曜日

夏が過ぎ~



 風あざみ~、と昭和人間のカラオケ意欲が刺激される時分となりました。暑かった季節が過ぎてようやっとブログに何かを書く気力が復活してきたわしです。例の「小さいにんげん」がハイハイを飛ばして突然歩き始めるというトリプルC技を見せてくれたため、ここ三か月ほどの間は毎日の子の監視(お世話ではなく見張るという雰囲気)、イヌの世話と家事・労働の反復横飛びでただただ過ぎ去っていく体となっていました。

 犬のコディはと言えば、あいかわらず朝は自由運動、夜は日がかげる頃にドッグランへ遊びに行く毎日を過ごし、飼い主とは反比例的に元気全開にしています。雑木林の傾斜で、体重10キロほどに成長した赤子をしょって汗だくの自分の前を颯爽と駆けていく後姿を見るたびに、ヒトよりずっと体力のある犬が赤ちゃんを背負うべきでは?と何度黙想したことでしょう。

 雑木林の中ではシカを追いかけるゲームが犬的にトレンディなようです。面白かったのが、自分がシカを見つけた時(大抵犬より先に見つける)、そちらの方向を向いて静かに突っ立っているようにしたところ、静止した飼い主の目線の方向→シカという図式を2回で完全に分かった様子だったことです。

 コディは新しいものを覚える時、題材にもよるけれど大抵平均5~8回ほど繰り返さないと理解しないので、2回というのは記録的に速く、「林のシカ」という題材がいかに強烈な刺激物か、彼の生活の中で重要視されているのかが分かったようで、面白かった出来事でした。




 ドッグランでも面白かった事がありました。先日遊んでいた時にたまたま地域の新聞取材が来ていて「にんげん♂」とコディが写真を撮ってもらったことです。短いインタビューも受けましたが、写真が使われるなんて考えもせずすっかり忘れていたところ、しばらくしてお隣さんから「あなた達、今週の新聞の表紙になってるわよ。」と言われ例の写真が1面にバーンと載っているのを見た時は本当にたまげました(インタビューされた内容もばっちし紙面を割いて載せてくれていました)。

 アメリカの新聞は、題材が人間の場合記事の書き出しが名前→その人の身分→人物の概要みたいな感じになるのが定型ですが、イヌの場合もそうなんだ(コディ→CGC→ドッグラン大好き)と分かり、へーっと思った出来事です。






 ここ三か月ほどの間はトレーニングクラスをとる元気が出なかったので、家で細々と今までの復習やトリック「ものを咥える練習」などを続けていました。(ユーチューブの黒枠右下にある5つのアイコンの左端「字幕」を押すとキャプションが出ます)

 ものを咥える練習はちょっとずつ進歩してきていて、サイクリストや他の犬も通る野外の空き地でダンベルを持ち歩いたり、咥えたまま立つ→すわる→ふせ→すわる→つけなど、少しずつ複雑な動きが出来るようになってきました。全体で見ると詰めが甘々ですが、なるべくやる気を維持する方向で、少しでも出来たらどんどん報酬をあげるようにしています。

 はじめは物を咥えるという行動そのものにすごく警戒していた事を考えるとだいぶ上達したように思うし、何かを咥えて適正な力かげんで保定するというのは犬にとっては結構神経を使うようで、頭も体も同時に鍛えられていいかんじだと、自画自賛しています。

 次のステップとしては、クリッカーを使って一つ一つの動きを正確にして(今まではアナログな教え方をしていた)、それが出来たらダンベルを咥えて障害物を飛んで戻ってこられるようにしてみたいです。あと、できれば報酬をタグトイに変えたい。けどこれは難しいかもしれないと半分諦めています。色々手を変え品を変え試してみましたが、コディは私とものを取り合いたいというモチベーションが殆どないので、難しいと感じました。

 モチベという点ではコディはトリックの練習などに関するモチベ―ションも全体的に低いです。先日しびれを切らして「おめさん、シェパードなのに何もしないなあ」と口走った所、口を開けてお饅頭の様な顔をして、ニヤニヤしていました(全てが許される犬のあの顔)。前にもうんちくを書いた通り、犬の作業欲求が低い事は家庭犬としてはぜんぜん悪い事じゃない(むしろ好ましい)と思いつつも、少し残念です。



道行く人に「クマちゃんみたい」と言われ、撫でられることが多い


 上はコディが家族に加わってから初めてバージニアに遊びに来てくれた義父母と一緒にグレートフォールズ公園へ歩きに行った時の写真。今回の彼らの滞在では、自分にとって、今まで犬に色々教えてきたことが実を結んだと感じた瞬間が結構あって嬉しかった。




2016年5月24日火曜日

最近の自主トレ

うちのキッチンが小さいのではなく、犬が大きい(いいわけ)


 地味に続けているコディの自主トレ記です。立ったまま物をホールド→ホールドしながら座る→待つ、と、少し難易度が上がりました。意外と口が敏感だと分かったコディのために、身近にあるものの中から何が咥え易いのだろうかと色々試した結果、今は牛のアキレス腱に落ち着きました。ホールドしながら体制を変えるのがかなり難しいらしく、まだまだスパッと出来るようになるには時間がかかりそうです。表情も硬いので、練習を重ねてもう少しリラックスしながら出来るようになるといいなあと思っています。

 おもしろかったのが、それまで牛アキレスと言えば大好きなおやつだったのに、ホールドの練習に使用するようになってからは、おやつ→→→何かが起こる魔法の棒へと、その存在が格上げになったらしいことです。留守番の時などに置いて行っても、食べずにとってあるのを見かけるようになりました。やはり食べ物を使う案は良くないのかも知れません。何か、他にいいものを見つけないと。


友達の愛犬(小型犬)にあげる分、お土産袋に異物混入したと思われないよう、リボンを結んでみた。


 食べ物ねたその2です。

 日本滞在中、実家の近所のペット量販店でみつけた「サメ軟骨」。サメの軟骨と言えば、一部ではガンを治す効能があると信じられていて、漢方として犬にあげる人もいるようですね。これらの効能に科学的な根拠はないそうですが、犬にとって健康的でおもろいおやつだという事には、間違いなさそうです。袋を開けた時、海産物の乾物のとてつもなくイイ香りが部屋中に広がって、普段からニボシ一匹貰っただけでも有頂天になるコディは、もう夢み心地だったようです。お気に入りのラグの上にサメ軟骨のかけらを置いて、それを舐めたり口に入れたり、出したり、一人シッポを振りながら食べていました。




 食べ物ねたその3。

 管理人が愛読しているブログ、ドイツ釣りにんげんの筆者akaさんが紹介されているのを見て「いいなあ!」と思っていたドイツのトレーニングトリーツ「チュビドッグ」をゲットしました。レバーヴルスト味で、内臓スキーである自分にとっては、非常時はこれでビール飲めるんじゃ!と思うくらい、とてもおいしいそうな香りがしました。鈍りまくった人間の鼻でもそう思うくらいなので、イヌにとってはきっとたまらない香りがするのだと思います。

 因みにこのおやつは、友人の愛犬の似顔絵を描いたときに、その友人がお返しの一環にとドイツに帰省ついでに手持ちで持ち帰ってくれたものなのです。おお、心の友よ!感謝、感激でした。




 いいオヤツが色々揃った所で、外でのトレーニングも再開しています。赤ん坊を寝かしつけた後、街のお店が閉まるまでに1時間ほど猶予があるので、行って様々な場所をまわっています。ペット量販店やホームセンター、通路の広い大型のユテリティグッズ屋などが練習しやすいと感じます。写真はThe Container Store、直訳すると「入れ物や」ですね。文字通り収納ボックスや容器類に特化したお店ですが、このビジネスモデルを考え付いた人すごいなと、来るたびに感心します。ともあれ、最近急に湿気て暑くなってきたので、冷房の効いた店内での練習は犬にとっても嬉しいようです。


ショッピングカートをわざとガタガタ言わせたりして、不審な目で見られた。


 お店を入った所で、店内の端っことかジャマにならない場所に(こんな感じで↑)静かに伏せていられるようになれば、他の人の迷惑になったり、犬が割れ物を触ってしまうかもと言う心配もなくゆっくり買い物が出来るのではないかと思いました。いつかそんな日が来るだろうか。




 今日の最後は「ちいさいにんげん」の「あたま」です。
 日本でお宮参りへ行った次の日から、だんだん毛が生えてきました。
 なんか御利益があったんだろうか???


2016年5月19日木曜日

シャイロの運動量

不在の間に季節が変わっていた。 野生のバラのシーズンに間に合った!

 あっという間の日本滞在も終わり、北バージニアへと舞い戻りました。旅行後の後片付けをしながら、日常生活も再開です。ほぼ五年ぶりの日本でのおもしろかったエピソード(例に漏れず殆どは動物関係;)などを、撮りためた写真などとともに今後も時折紹介したいと思います。とりあえずこれから、64ギガのメモリーカード二枚分(!)の写真を整理します。

 三週間ぶりに帰宅した時、愛犬コディはクレートの中で、存在を感じられない位静かに息を潜めていました。薄暗いクレートの中からオレンジ色の小さな2つの目がじーっとこちらを見ていて、自分の帰宅をあまり喜んでいないのか?と思いつつ扉を開けると、途端に飛び出して小さいキッチンの中でヒーヒーと鳴きながら、ぐるぐると円を描いて走り回りました。心臓発作にでもなるんじゃないかと心配になるくらい興奮していたので、コディが年取ったら、家を長期で空けるのは難しいのかもしれないと、漠然とした不安を感じました。

 家人の話によれば、自分が発って一日目、二日目は(窓の外を見たり、不審そうにしながらも)まあまあ普通にしていたものの、三日目に家の中を探し回る素振りを見せたそうです。犬は、長期記憶はあまり良くないと聞いた事がありますが、コディの日々のルーティンの中で、私の存在に関する記憶をトリガーする状況が多々あったということなのでしょうか。不思議でした。

ビミョ~な表情のふたり

 帰宅翌日の朝散歩の様子。1歳4カ月になったコディは、日ごろの運動量がきちんと足りていれば、あさイチでドッグランへ行かなくてもこうしてバギーの横を落ち着いて歩いていけるようになりました。個人的に、下準備ナシでも町中で落ち着いていられるようになったのは、嬉しいステップアップと感じています。

 そういえば、シャイロシェパードの運動量に関しては、ときどきこの犬種に興味のある人との間で話題になるもののひとつで、色々な説があるようです。彼らが言うに、ネット上のサイトでは「アパートメントで飼えて、ローエナジーなので散歩は少しでOK」的な記述をしているサイトもあると聞きました。

 確かに運動量さえ足りていれば、セオリー上はシャイロシェパードを(というかどんな犬でも)アパートで飼うことは可能だと思います。また、同じシャイロでも、犬によってエナジーレベルの差があるので、特にのんびりした個体に関しては、本当に少しの散歩だけでもOKなのかも知れません。一方私個人の見解では、少なくとも犬が若いうちは毎日最低2~3時間くらいは、なんらかのアクティビティをさせてやることが、心身の健全な発達に必要な気がします。

 うちの犬を例にとると、土のあるところで、色んな匂いを楽しみながら、勾配の有る場所を延々と自由運動するとか、途中でちょっと泳ぐとか、トレッキングやハイキングに類する運動スタイルを特に好むみたいです。見た目はちょっとズングリしていますが、気候さえ良ければ歩いたり走ったりしながら6時間くらいならノンストップで外遊びをエンジョイできるタフさもあります。家にいる時も風通しの良いベランダやデッキの上など外に居る事を好むのを見ると、他のシェパード犬種達と同じく、本質的には半ソト犬なんだろうという感想を持ちます。

「質の良い運動場」の一例 (笑)

 この犬種に関しては、コンクリートの上で一気に走らせるような運動(長距離のジョギング、自転車での曳き運動など)は2歳くらいまでしない方が良いというのは、複数のブリーダーから聞いた事です。やはり体重があるので、質の良い運動場に日ごろからコンスタントにアクセスできるかがミソな気がします。

2016年4月30日土曜日

東京鳥聞録

「美魔女よ!」と申しております。


 日本に帰省しています。ふるさと東京に滞在するほか、家族の故郷山口県にも立ち寄ってきました。
 久しぶりの日本の田舎は、犬が減ったのにビックリ。
 かわりにちょっと未来のペットを思わせるおもしろい動物に出会いましたので、あとで書きたいと思います。
 写真は実家においてきた愛ハトです。4月24日にお誕生日を迎えました。
 15歳めざして元気で頑張れるよう、アメリカへ戻る前にひよこ電球をプレゼントしようと思います。


家の中を縦横無尽に飛び回るぽっぽさん

タンスの上を闊歩


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2016年4月19日火曜日

IPO競技会へ



  数日前から棒状の物を口に咥えさせる練習をはじめました。まだずっと咥え続けていることはできないですが、カメラのキャップを外して写真を撮るくらいの時間は待てるようになりました。咥える=座るという行動がリンクしないように次からはショートリーシュをつけて練習するのを覚えておかないと。

 コディは硬化プラスチックとか、金属のパイプとか、変な質感の物が歯に当たるのが大嫌いです。一方で、ちゃんと気を付けてホールドしてないと物を落っことしてしまうので、こういうのは集中力を鍛えるいい練習になりそう。最初は件のダンベルで練習を始めたのですがうまく行かなかったので、使い古したナイラボーンをホールドさせるところから始めました。写真ではミント味の骨がむを咥えています。木で出来たダンベルがあればもっとやりやすいかも。

2016年4月9日土曜日

新しい友達

ベランダでものおもいにふける?コディ


 四月となりました。気候はまだ暖かくなったり、寒くなったり雪がちらついたり(!)と不安定ですが、鳥や動植物の様子を見ると春はちゃんと訪れているようです。うちの犬「コディ」は生後14か月めに入り(おつむの方はともかく)体の方は体重が50キロを超え、毎日の赤ん坊連れ散歩のおともをりっぱに務めてくれるようになりました。

 今週で、コディを去勢してからだいたい1ヶ月が経ちました。ホルモンがだいぶ抜けたからなのか、どうなのかは分かりませんが、見慣れないものやほかの犬に対する反応がマイルドになった気がします。それから、散歩の途中でも撫でられると喜んで、耳ペタでヘラヘラするようになりました(以前は散歩中は常に真顔、シッポは先っちょを気持ち程度に振るだけだった)。去勢前と後とでオビディエンス的な意味合いでの行動は変わらないものの、以前はもっと衝動のおもむくままに探求したい欲求があったのを、我慢しながら散歩していたのかも知れません。今の方が全体的にリラックスしているように思います。


コディとニック


 それからこれも去勢に関係した事かもしれないと思っているのですが、いつも行くドッグランでとても面白い事が起こりました。コディに大人のオス犬の親友が出来たのです。ドッグランによく来るボーダーコリーのニックは、飛行機と走っている車の車輪、浜辺のさざ波がちょっと強迫的なレベルで好きな(←ボーダーコリーあるある)かわいい犬ですが、このニックとコディとは、今までの1年間ほぼ毎日のように顔を合わせていながら、1度も一緒に遊んだことがありませんでした。

 この2匹は年齢も違うし(ニックは3歳半)、ニックの好きな遊びというのは走り回る他の犬を追いかけて鼻先でこづきながら自分の思ったほうへ走らせると言う、いわばハーディングごっこなので、どすこいぶつかり稽古派のコディとは接点がありませんでした。ところが数日前、ランに入って互いに軽く挨拶 を交わした所で、二匹の間で何か「パチッ」と化学反応が起きた瞬間を目撃しました。そして、彼らは猛然と遊び始めたのです。



2016年3月29日火曜日

ペットエキスポへ



 三月ももうおしまい、ここ北バージニアでも日差しがどんどんと春めいて、満開になった桜のすきまから、あっという間に若い葉っぱがのぞくようになりました。ここまでくるとあとは一気に暑くなっていきそうな予感。日照時間ものびて、最寄りのドッグパークではイブニング・タイムの人波が復活しました。人々も犬もみな暗い冬のあとの再会の喜びを分かち合っているようでした。

 家でも、アフターファイブに家の人が犬の散歩をやってくれる日が出てきました。ふだん一人で全ての犬の世話をしているし、散歩中のルールが変わるのがいやでなかなか散歩を人にかわってもらおうと思えない性分ですが、一日一回でも誰かが散歩を手伝ってくれるとこんなにも体が楽なのか!と目の覚める思いでした。やはり大型犬は家庭で分担して世話するものですね(あたりまえ?)。

2016年3月19日土曜日

エリマキドッグ


 思い立ったが吉日ということであのあと獣医さんで手はずを整えていただき、去勢手術が終わって、家に帰ってきました。すでに場所をだいぶとってるコディが大きなエリザベスカラーをつけてゴトゴト動き回るので、もともと小さい居間がさらに狭く感じられます。そして、手術のあとペっちゃんコになったイヌのたまたまを見るとかわいそうやら、気の毒やらで、本人が(犬)が何もわかっていないのがせめてもの救いです。

 コディはカラーをつけてから食欲がなくなってしまいました。餌にかんづめをちょっと入れてやったり、餌台の角度をかえたり鎮痛薬をあげてみたり、ちょいちょい様子を見ていますが元気がありません。病院へ行って先生や看護師さんに囲まれて楽しくはしゃいでいるうちに急に朦朧として、目が覚めたらエリマキトカゲならぬ、エリマキイヌとして生まれ変わっていたのから仕方ないですね。ハンスト二日目に試しにドライフードを手からやったらポリポリといかにもつまらなさそうに食べていました。

『ゆうつ』モードのコディ。


 去勢後5日間は激しい運動はダメと言われたので、その間はフレキシをつけて地域の遊歩道をゆっくり・しっかりめに歩くことにしました。ここ数日間はバギーを押しながらOR抱っこひもをつけて、朝夕で計10~15キロくらい歩きました。アメリカに越して以来こうしてコンスタントに長距離を歩くことが無かったので体がなまりまくっていた事を痛感。こんな体たらくでは日本へ帰ってももう山には登れないな(引っ越すまでは毎年富士山に登っていたのに)。

 反面歩き散歩の最中、遊歩道脇の雑木林で、朝もはよから頑張っている鳥類の姿を頻繁に見かけることが出来たのは得した点でした。ふだんこの時間帯は公園かドッグランにいるのでずっと知らずに過ごしていましたが、こんなに面白い鳥の世界があったんだと気付き、ちょっともったいなかったと思いました。

 とくに感動したのは4日目の朝にクロコンドル(American Black Vulture)三羽の食事風景に出くわした事です。これは、歩道から20メーター位奥まった場所だったので見つけられてラッキーでした。すごいと思ったのは、この鳥達のすごくおっとりした性質です。真っ黒で大きく「森の掃除屋」と言われるイメージとは違い、穏やかで静かな鳥達で、カメラをもちながらいつのまにか5、6メートルくらいの距離まで接近していました。野生の鳥なのに!この寛容さに感激して、すっかりファンになってしまいました。以下に写真をアップします(一部動物の死骸が写ってるので「つづき」に畳みます)。

2016年3月14日月曜日

ボール遊び


 もともとボールにそれほど執着のない子犬だったコディなので、トッテコイ遊びを少し工夫しています。途中でゲームの展開が読めるようになってくるとおもしろさが減少してしまうので、コディ的に価値の異なるボールを6こ用意して、場所や状況に応じて投げるボールの種類を変えながら遊んでいます。たまに逆戻りしたりもしますが、基本的にはとってこいをすればするほど次に飛んでくるボールのランクが上がっていくので、最後まであまりダレずに遊べるようになった気がします。ボールのランクは、マックスアウトする前、犬が「もう少し遊びたい」と思う所でやめにして、次回への期待感をのこします。最高ランクのボール(上の青いボール)は投げず、遊びの終わりに「コイ」でサッときてリーシュをつけさせた時点で、手渡してあげています。


 ボールはフィールドで投げる瞬間までは「ボール入れ」にしまっていて他のどんな時も触る事が出来ないようになっています。また、ボール入れにはたまにフリスビーや枝が混ざっていることもあり、コディにとっては次どんなオブジェクトが飛んでくるのかわからない事があるので、ここでも多少ワクワク感が増すようです。


 投げるボールの種類をかえるほか、他のゲームと融合させたりしてもったいつけてから投げることも多いです。最近よくやっているのは「あれ拾って」ゲームです。

 以前、犬が落ちてるペットボトルを拾ってこれたら便利かもみたいなことを書いた事がありますが、そのアイデアを転用したゲームです。今日の収穫は1ガロンの水容器と、ミネラルウォーターのペットボトル。週末明けの公園にはこういうものがそこかしこに散らばっているので、いい練習場になっています。近く(2、3メートルくらい)まで歩み寄って「あれ拾って」と言えばだいたい拾って、私の手のところまで持って来られるようになったので、次はもっと離れたところにあるオブジェクトをターゲティングにするにはどうしたらいいか、犬にとって指示を明確にするのになにかいい方法はないか考えています。


 数日前の夕方のトッテコイのビデオです。前で赤ん坊をしょっているのであまり遠くへは飛ばせていませんが、こんな感じでちょっとづつ移動しながら、30分くらい遊びました。このあと遊歩道をまた小一時間ほど歩き(私は春先の両生類ウォッチが出来てウハウハ)、帰路につきました。

2016年3月9日水曜日

週末のログ



 週末いった所・やった事の記録。

 土曜日はバージニアとワシントンDCのちょうど間あたりに位置するおハイソな街、クラレンドンで「クラぶら」してきました。と言っても真にぶらぶらするほどの広さはなく、「小さな小奇麗なエリア」という感じの場所です。雰囲気は大変良いのに案外やることは少ないという点で、東京の白金に似ているような気もします。そんな場所で子・犬つきでぞろぞろしていると出来ることがさらにかなり限られ、この生活があと数年続くと思うと正直気が滅入りました。

 これまたおハイソなアウトドアブランドORVISのドアに「Dogs Welcom」の文字を見つけたので入ってみると、綺麗過ぎて、恐れ多く、とても使えないような釣り竿やルアーが所狭しと並べられていました。見るだけでもとても楽しかったです。フライの針に使う素材になるシカの尾やリスの尾もあり、これで友達の飼ってる柴犬用のルアー作ったらどうなるかなあ等と妄想しました。フィールド用の犬の首輪をプリントしてくれるブースや、犬雑貨もいろいろあり、楽しめました。コディもビスケットをもらえました。



ドイツから来たGシェパのフィギュリン発見!あんまり腰がおちてないような

 お次はまたぞろおハイソなベビー・子供グッズのKinder Haus Toysへ。ドイツ製のおもちゃ類を中心に、ヨーロッパの輸入子供雑貨が売られていました。私見ですがこの辺に住む若い親世代の間では、原色バリバリで目の中に星が飛び散っているアメリカ製のお人形よりも、より素朴でリアリスティックなディティールにこだわった(または美しくシンプリファイされた)西欧のおもちゃや洋服の方が人気があるようです。

 ところでワシントンD.C.は北米でも人種のダイバーシティが最も多様な街のひとつですが、ここでいろんな言語教育のためのつみきが売られているのを見つけました。もちろん日本語のも。このアメリカという地に生れ、アメリカ人として、そして日系ニ世、ロシア系ニ世として育っていく娘の人生がどんなものになるのか、思いを馳せました(そして自分の想像力では全く思いもつかないことにも気が付いた)。いつか遠い未来のある日、自分も、コディもいない世界を生きている彼女の事を考えるとちょっと不思議な気分になります。




 日曜日は自分・子・犬の三匹で、フライングパン牧場公園へ行きました。牧場の、特にウシのフンに含まれるバクテリアの死骸は赤ん坊の免疫機能を強化するそうなので、良い散歩場所だと思いました。ただ犬にとってはすごい刺激のある匂いでいっぱいなので、あっちゃこっちゃしてしまうコディをうまくハンドルするのが大変でした。

 ヒツジの柵まで行ってみるとオスの羊がこちらへ向かってやってきました。すごく大きい羊でしたがとても人懐っこく、犬にも全く物怖じせず、感心しました。




{{{ヒツジさん逃げて!!!}}}


そんな「獣っぽい系」のお肉の香りに目のないコディ。
この週末はふつうのご飯にテイスト・オブ・ワイルドのシカ味をトッピングしましたが、あまり反応していませんでした。
何がだめだったのだろうか。




2016年3月4日金曜日

ピットブルのこと


 新年早々ランで犬にはねられ華麗に宙を舞ったばかりの私でしたが…

 ドッグランでコディの事を気に入らなかったらしい、大型のオスのピットブルが、歯を剥き出しで突進してきました。コディはそれ以前にも地面にころがってお腹を出して、好きなだけオシリの匂いも嗅いでもらって、どこまでも低姿勢だったので、「大丈夫そう」と思った矢先でした。

 向かってきたきた犬とコディの間に入った時、スキー用のグローブをはめた手に衝撃を感じ、その時は相手の歯がちょっと当たった程度と思っていましたが、場が収まってからしばらくすると、左手が痺れてズキズキしていることに気付きました。手を出してみるとなんと!小さな穴が開いて、傷口の大きさのわりにびっくりするくらい血がたくさん出ていました。帰りに薬局でベタダイン(日本のイソジンみたいな薬)を購入し帰路につきました。

 奇しくもこの日は夕方からの獣医さんのアポイントメントで、コディの去勢手術の日程を決める事になっていました。不運だったとはいえ、ランでこのように成犬オスから厳しくマークされたのは初めてのことだったので、そろそろ潮時かも知れないと感じました。本当は月齢16カ月から24カ月の間でと考えていたところを、日程を早めて14カ月目(=今月)に行う事に決めました。※ここから先はピットブルに関して超ながながと自論・暴論?展開しているので、よかったらそれでもOKな方だけお読みになってください。


ランに嫌な思い出を残さないため、同じ場所に午後もう一度訪れた。
ほとんどハスキーちょっぴりウルフmixの女の子とは以前からの仲良し。


 それにしても、ピットブルほど「人を憎んで犬を憎まず」だと思う犬はいません。

 この現象、アメリカだけかもしれないけれど、カジュアルな感じでピットブルを飼う人が、とにかく多すぎるように思います。またこの犬種は基本的にラン向きではないと思いますが、(子犬・若犬のころなら楽しめる個体も多いですが)無理にランで遊ばせようとする人も目立ちます。

 犬の事について真面目に勉強していないオーナーがとても多いのも気になっています。今回の犬の飼い主さんも、自分の犬の様子は一応ちゃんと見ているものの、犬の出すサインをあまり理解しておらず、自分の犬が他の犬にものすごくマッチョにしているのが全く分かっていないようでした(それどころか「ジュノー、ナイスよ~」と褒めていた)。たまたまその場に居合わせた別の飼い主さん曰く、コディが来る前にも何度もほかの犬と小競り合いがあったそうなので、パックドライブの強い犬で、恫喝癖がついていたのだと思います。

 私は以前、とてもお世話になった知人がこの犬を沢山飼っていて、生れたての子犬と触れ合ったり成犬ともよく一緒に遊んだ、ほんとうに楽しい思い出がたくさんあるので、ピットブルには特別な親しみを感じています。いろんな個体と触れ合って私が知った事は、ピットブルはとても性格が良く、楽天的で人間に対して非常に従順なので、教えてあげれば本当に様々な事が出来る犬達だということです。わざわざランへ連れてこなくても、トレーニングやアクティビティを通して十分幸せにしてあげることが可能です。

 またもう一つ気になっている事があります。最近、この界隈でピットブルにポジティブ・レインフォースメント(+R)のトレーニングのみで頑張ってる人もよく見かけます。このあたりは意見が分かれるところと思いますが、個人的には、ピットにはバランス型の訓練が適すると考えます。バランスというのは、良い事をした時はどんどんクッキーを貰えて褒められるけれど、望ましくない行いをした時は、その行為に帰結(コンシークエンス)があるのだと犬が分かっているべきだという事です。

 このあたりは個体の差が激しい部分になりますが、非常に強い闘争心を持つように改良された過去のある一部のピットブルのドライブは、普通の飼い主には理解できない・普段のその犬の姿からは想像もつかないくらい激しい事があり、その分強いブレーキが必要だと思うからです。闘犬の本能とは、おなかに穴が開いたり、究極的には命を失うまで闘争を続ける可能性があるということであり、激烈な欲求です。クッキーや褒めでリダイレクトできる類のものではありません(繰り返しますが『一部のピットブル』についての話で、一般的には、蚊も殺さない優しい犬が大半ということは、強調しておきます)。

 気を付けねばいけないのは、自分の犬が一生のうち一度でもそういう、強烈な闘争本能に火がつく境地に陥ったとして、たとえその1回だけであったとしても、他者やほかの犬に致命的な危害を加えるのには十分なのだということを、飼い主がしっかり認識していなくてはいけないという点です。それを踏まえたうえで、ピットと暮らすのに最もたいせつなことは、飼養管理(マネンジメント)をきっちりとやることにつきます。周囲の人や動物も、犬自身も、安心して暮らしていけるライフスタイルを維持するためには、無用な興奮や争いの可能性のある場所を避け、観察と勉強を重ねながら、落ち着いた環境下で丁寧に犬を飼うことが不可欠です。


私がよく遊んでいたピットブル。ツギハギだらけの顔を擦り付けてくるかわいい奴だった。
元闘犬で、負けたのでポイっとボロ雑巾のように捨てられたのを、貰われてきた犬。
人間が大大大好きで、とても良いコンパニオン・ドッグの素質があった。

 いわゆる「強い犬」、ピットもそうだし、ロットワイラーやドゴ、マスチフ、アキタ、闘犬、護畜犬、etc.を飼ってる人は、「自分の犬との暮らしを楽しみたい」という欲求を満たす前に、まずは社会生活上の責任を果たすべきです。責任とは、犬を100%いつ・何時でも自分のコントロール下に置くことでありまた、このコントロールを得るために手段を選ばないという覚悟です。これは、オビディエンスどころか基本的なしつけにも手こずった先代のドーベルマンが教えてくれた事でもあります。書くとかんたんそうだけれど、犬の一生を通してやりきることはお金も、時間も、精神力も膨大に消費するので、「誰にでもできる」とは到底言い難いことです。

 今日はとりわけ長くごちゃごちゃとウンチクを書いてしまいましたが、とにかく日ごろ街や公共の場でピットがのけ者扱いになっているのが悲しいと思っていたので、考えていたことを書き連ねてしまいました。現状を見てると、自分なんか極端なのでシェルターでピット(含ピットミックス)のアダプトを禁止しろと思う事もあります。非常に残酷に聞こえますがこの犬種に関しては、シェルターが機能すればするほど、レスキューの人達が頑張れば頑張るほど、無責任な飼い主達の間で「飼えなくなったらシェルターに連れてけばいいいや(だれかがなんとかしてくれる)」という考えが蔓延するし、里子にもらったらもらったで、「うちのピットはシェルターから来たから」と、問題行動を正当化する魔法の言い訳を飼い主達に与えてしまいます。これは、問題の核心の一つだと思います。