2015年6月30日火曜日

「フィックス」すべきか、せざるべきか、

アップルストアにて

 それが問題だ。なんて、えっもう?こないだまでパピーでひょっこひょっこしていたのに、もうそんな感じになっているのか、と、育ての親ながら犬の成長の早さにビックリしている。いや、実際にはまだ足取りもまだおぼつかない(頭脳に至っては完全にパピーのまま)のだけれど、家のイヌ「コディ」は今週に入ってしきりとシッポやオマタの辺を気にして舐めはじめ、ガビガビにしてしまうのを洗ってやっていた所、オシッコでもない、かと言って膿とかそういう感じでもない分泌液が滲んでいたので、そうか、もうそういう時期か、という認識に至ったのだった。いま、5ヶ月と3週目に入った所なので月齢的にも妥当かと思われる(一般的にオスは5ヶ月前後で第二次性徴期を迎えると言われている)。毎日のドッグランでもまだマーキングらしきマーキングはしないものの、オシッコは「なんとなく」複数回に分けてするようになってきたし、ランでも気に入った犬を見つけると積極的にマウンティングもするようになり、時には言っても言っても辞めない時が出てくるなど、行動も子犬時代とはだいぶ変わってきたと感じます。

 オス犬の去勢をする適正な時期に関しては、自分でも色々読んでみたところ専門家の間でも結構意見が分かれる傾向があって、他の若いシェパード犬オーナーと話す時もよく議論になる話題です。以下、色々聞いたり読んだ中で自分的にもある程度納得出来たメリット&デメリットを並べてみると(参考);



 去勢のメリット




 ・オス犬特有の「迷惑行動」-攻撃性、支配性、興奮、過度のマーキング等-を緩和させる

 ・前立腺と精巣関連の病気(特に精巣ガン)に罹患するリスクを下げる ※1

 ・肛門周囲膿瘍に罹患するリスクを下げる ※2

 ・望まれない仔犬の誕生を防ぐ




 ※1未去勢かつ五歳以降のオスのおよそ80%が前立腺肥大に罹患するとされていた。

 ※2肛門周囲膿瘍-肛門近辺に発生する難治性の潰瘍で、アイリッシュセッター、ジャーマンシェパード、

  レオンベルガーは特にかかり易いとされていた。




 去勢のデメリット




 ・肥満のリスクが大幅に上昇する。※1

 ・血管肉腫に罹患するリスクが上昇する ※1

 ・甲状腺機能低下症に罹患するリスクがおよそ3倍に上昇する

 ・認知症に罹患するリスクが上昇する ※2

 ・早すぎる時期に施術が行われると、股関節形成不全、前十字靭帯の断裂、骨肉腫に

罹患するリスクが上昇する ※1




 ※1リスク上昇率に関しては諸説分かれる。

 ※2性ホルモンが健全な脳機能の保持に貢献するという、近年の説による




などなどがあり、去勢するにしても未去勢のままにしても、どちらも一長一短だな、という印象だ。うちの場合でいえば、かかりつけの獣医さんは生後6ヶ月での去勢をすすめている一方、繁殖元のブリーダーからは生後1年まで待つように、と強く勧められているのが主な悩みどころだ。個人的に、犬が完全に成熟するまでは健全なホルモン分泌を抑制するようなことはしたくないけれど、いわゆる問題行動に悩まされるのはわずらわしい。かといって攻撃性、支配性については、去勢することによって「緩和」はするかもしれないけれど、いわゆる「改善」するかといえば答えはNOだと思うし、病気のリスクにしても、去勢云々よりもまず第一にその犬のもつ遺伝的形質に由来すると思っている。そんなわけで、とにかく結論が出しにくいトピックだと感じている。


先月のノーザンバージニア・マガジンで優良デイケアに選出されていたドッグトピア
扉の向こうでは、コディが適正テストを受けている。

 ただ、管理人の暮らすこのアメリカの都市部郊外という環境に限定すると、飼い犬を去勢しない事に看過できないデメリットがひとつだけあることを最近知った。それは未去勢のオスは平穏なソーシャルライフを楽しむことが大変になるという点だ。例えば子犬が未去勢のまま7か月を過ぎると、どこのデイケアやペットホテルでも預かってくれなくなる。だから、飼い主に急用が出来たり、雨の日が続いて犬が家でつまらなそうにしていても、息抜きに気軽にデイケアへ連れて行って他の犬と遊んでストレス発散、などという事は出来なくなる。それならばとプライベートのドッグシッターやドッグウォーカーを雇う場合でも、未去勢でしかも大型犬・超大型犬ともなると請け負ってくれる人を探すのも難しくなるし、価格もそれに合わせて高額になるので、足が遠のくかもしれない。

 さらに、未去勢のオス犬は、街中やドッグランなどでトラブルに巻き込まれるチャンスがかなり上がる。これは全く個人的な経験によるものだけれど、地元のドッグランでもタマタマつきの犬が喧嘩や小競り合いのもとになる場面を幾度となく見かけた。皮肉だったのは、こういう場面で喧嘩をふっかけていくのは去勢済みだが、ドミナントで素行の悪いオス犬の場合が多く、それまで平和に楽しく遊んでいた未去勢オスにとってはとばっちりなケースをよく見た事だ。けれど、ヨーロッパなどと違い一般家庭の犬は去勢・避妊をすることがあたりまえで、「フィックス」された犬達がマジョリティ層を占めるアメリカの環境下では、人々の間では犬のケンカ=未去勢のオスが悪いという安直な図式が成立してしまう傾向にあるように見える。その結果、未去勢オスとその飼い主は(仮に彼らに非はなかったとしても)ランを去らなくてはならなくなることが多い。そんなとき遊び足りなそうに後ろを振り返りながらトボトボ帰っていく犬はすごく可哀想なのだ。こういう出来事が続けば犬にも悪い影響がありそうだし、飼い主の方も、そういう些細なトラブルの積み重ねで、自分の犬を公共の場に連れて行くのがおっくうになってくるようでは良くないと思う。

 ということでうちの犬に関しては、今後は去勢を行う事を前提に「いつが適正な時期か」について、かかりつけの獣医さんや繁殖元のブリーダー、他のベテランシェパードオーナーの人々にもよく話を聞きながら、最善と思える結論を出せるようにしたいと思っている。





2015年6月19日金曜日

園芸店へ




 熱波と共に湿度も70%、時に80%を超え、常にムシムシ・むんむんした日々が続く北バージニア方面、こうも気候がアレだとなかなか日中、外へ出て行こうという気が起こらなくなります。ということで今日はメリーフィールド・ガーデンセンターという園芸店へ、愛犬「コディ」の散歩とトレーニングも兼ねてうろうろし、お茶を濁してきた。




 因みに行く途中の車内でのコディの様子。この犬は周りの車やドライバーを観察するのが好きなんだけれど、最近背が伸びてきていてハッチバック部の天井に頭がつかえるようになってしまった。そんな時よく見ると、天井につけている頭がまっ平なのが分かります。頭頂の毛がフワフワしているので普段はあまり気にならなかったけど、こういうのは「絶壁頭」の一種としてカウントしてもいいんだろうか。因みに自分も後頭部で卓球が出来そうなくらいの絶壁頭なので、勝手に親近感を覚えた。




 日本で食用にされる「ウルイ」の育った姿である「ギボウシ」、アメリカではHostaと言われこの辺りでは人気の園芸草のひとつとなっている。丈夫で日陰でも育つうえ品種もいろいろあるので(地味だけれど花まで咲く)、園芸店には上の写真のようにギボウシコーナーが設けられ、写っているのの3倍くらいの数のバリエーションが展開していた。そういえばうちも去年幾つか買って前庭に植えといたんですが、初年度は野生のシカに根こそぎ食べられてしまい、あっという間に無残な姿となってしまいました。反面今年はまだ食害に会っていないので、犬の尿の匂いが強力なシカよけになるというのは本当なのかもしれない。近隣の皆様、シカにお悩みでしたら、よかったらうちへおいで下さい。優秀なオシッコ製造機(型は写真参照)お貸しします。





    こういうのってなんていうんでしょう。様々な小さな植物を、これまた小さなプランターやガラス瓶に寄せ植えにするものです。日本の盆栽鉢も使えるようで、色々取り揃えてあったけれど、やはり本場のものと比べるとどれも皆すこし高価だなあと思った。


ハオルチアも居ましたよ。これは結構大きい奴。多肉は今回は購入しませんでした。

これは小さいやつ。この園芸店では、これ以外の品種は殆ど見かけないのが残念な所。



 今回とりわけありがたかったのがこちら、サボテン御一行様のテーブルだった。「leave it」のコマンドがこんなに説得力を帯びていた状況は、今までになかったように思う(笑)。最初のコマンドでまともに取り合わなかったコディは鼻の穴にサボテンの針が入ったらしく騒いでいた。いい勉強になったのではないだろうか。





 こんなに瑞々しく柔らかな植物が、荒野で生き残るためにはこんなにトゲだらけにならねばならなかった進化の過程を思うと、感慨深いものがある。日常生活でも、やけにツンツンしている人に出会ったら「サボテンのような人」と思って、彼らのこれまでのハード・ライフに思いを馳せれば、苛立ちも収まる様な気がする(かも)。


エア・プランツもありました。小さいものは特に可愛らしいので、
見るたび家にあるのに足したい気分になるけれどガマン、ガマン。



 温室内は屋内とはいえかなり暖かだったので、自分もコディもものの30分ほどでヘバッてしまった。おかわり自由のポップ・コーンマシンとコーヒーのカウンターを横目にガーデンベル売り場で揺れるベルの音を聞きながら、日本の夏、風鈴の音とスイカの味を思い出していると、コディが帰りたそうに催促してきたので、この日はここで引き上げました。




2015年6月14日日曜日

ウィリーのボール

これ以上近づくと逃げてしまう。

 ドッグランでもどこでもいつもかたわらにボールを携えているメスのジャーマンシェパード「ウィリー」。ベンチや木陰で涼む時も、大切なボールを片時も離さず、もはやボールが体の一部になっているようだ。

 ウィリーがレスキューされ新しい飼い主にめぐり合う前、ある家のキッチンの片隅に置かれた、大きな体がぎりぎり入る程度の古びたクレートと、餌皿、ゴムのボール1個がこの犬の持ち物の全部だった。基本的な世話する以外、誰もこの犬の事を気にかけないその家でウィリーは、いつもボールを口に咥え、遊んでくれる誰かが現れるのを待っていた。何年もの間辛抱強く待っていたので、口のまわりに白髪がちらほらしだした頃、ウィリーは「不要な犬」としてシェルターに連れていかれた。シェパード犬専門のレスキューグループに引き取られ、新しい家庭へ行くための訓練が行われたけれど、今まで「ボール」と「キッチン」と、そこから続く裏庭が世界の全てだったウィリーは、見知らぬ人を極度に怖がるようになっていた。前の飼い主を思わせる大柄な男性とみるや口から涎を流して恐れ、逃げ惑い暴れるウィリーにはもはや「ふつうの生活」を送ることが難かしく、この犬の管理はシェパードの更生を長年やっているフォスターファミリー(一時預かり家庭)の手に委ねられ、そのままその家庭に引き取られたのだった。

 ほぼ毎日ドッグランで見かける風変わりなシェパードにそんな悲しい過去があったとは知らなかったので、彼女が一生懸命(ほとんど脅迫的に)ボールと共に行動しているのを見る目が変わった。ボールは彼女にとってライナスの毛布よろしく、心のよりどころだったようだ。しかし、どうしてこんな話になったんだったかな。そうそう、うちの犬「コディ」が、何度体ををリンスしてやっても、ランへ行くたびに鬼ごっこで不必要に転げまわり労力が不意になる・・・というのをぼやいていた時、ウィリーのオーナー兼トレーナーであるリーさんが「走り回って汚れている犬は、幸せな犬よ!」と元気付けてくれたのが、きっかけだった気がする。「世の中のどこかには、こうして遊ぶチャンスのない犬もたくさん居るのだから」と。

 因みに現在のウィリーは、いまだにかなりシャイではあるものの、毎日たっぷり一時間のボール遊びとトレーニングの結果、気が向けば初対面の人にもそっと挨拶にくるほどまでに進歩している。





2015年6月9日火曜日

CGCのクラス、他



 北バージニアは連日最高気温が30℃前後、時には35℃近くまで上がり、かなり暑くなってきました。しかもこんな時に限ってエアコンのキャパセター(コンデンサ)が壊れてしまったんですよ。交換費用として300ドルが一瞬で飛んで行きました。近々、犬連れでロードトリップへ行きたいなと思い少しづつやっていた倹約計画も、こうして一瞬で振り出しに戻ったわけであります。

 家の犬「コディ」の5ヶ月目はそこそこ順調に過ぎて行っています。今週から最寄りの犬の学校でCGC(ケーナイン・グッドシティゼン)のクラスへ行き始めたほか、別の学校で中級オビディエンスのクラスも、試しにとってみました。CGCはアメリカの畜犬団体AKCが定めた、家庭とコミュニティの中で暮らすうえで良いマナーを身に付けている犬を評価するプログラムで、合格するには10項目のテストをパスする必要があります(10項目については、日本の個人の方のウェブページで、とてもよくまとまっているものがありました。こちら)。このテスト、要求されている各項目は比較的シンプルなんですが、衝動の抑制(インパルス・コントロール)を必要とするものが多く、コディのような子犬や若犬にとってはけっこうハードルが高いと感じています。例えばクラスのはじめにインストラクターがサラッと「皆さん、これから7週間の間、あなたの犬がリードを付けているときは片時もヒールのポジションから離れないようにしてください」と指示を出したのですが、それって言うはやすし、行うはきよし難しだよな~!と、一緒にクラスをとっているコディの親友、デヴィちゃんの飼い主と顔を見合わせました。次のクラスまでの一週間はリーシュウォーク強化週間として、おやつを片手にがんばろうと思います。




 リーシュウォークの練習は実践あるのみ、ということで夕暮れのワシントンDCはアダムスモルガン地区へ。デュポンサークルの噴水のまわりに大勢の人が集まって、ほぼ無言でワサワサと体を揺らしあっています(ときどきキャーという歓声も聞こえる)。何をしている所だと思いますか?

 これはサイレント・ディスコという最近流行り始めたアクティビティで、皆で一か所に集まり共通のアプリや専用のポッドキャストにつないで皆でグルーヴを楽しむ、というものです。個々人のイヤフォン意外には何の音響機材もないので騒音もほとんどないし、路上飲酒禁止のDCなのでアルコール・フリーで、なかなかクリーンなイベントだと思います。室内でもないから踊り放題、汗かき放題。


コディ君も(座ってみてるだけだけど)参加しました。
コディは、なぜか知らないけどゲイのお兄さん達に人気なのです。



 話題その2。週末は銃火器の展示即売会を見に行きました。あまり知られていませんが、こういうショーやエキスポは犬連れOKのものが案外多いです(念のため、事前に電話で確認を)。この日は管理人が探していた目当ての品も見つからず、日曜日の遅い時間で程よく人のはけた会場をのんびり回ることができました。


退役軍人のオジサンに愛嬌を振りまくコディ。
この方は軍用犬の世話もしていたそうで、色々面白い経験談も聞かせてくれた



 話題その3、昨日のコディ。71パウンド(約32キロ)になりました。朝ドッグランで彼の口をのぞき込んだ人が「あらまあ!この子大きいのに、まだ子犬の歯してるわよ!!」とびっくりしていましたが、そうなんです。歯の生え変わりが遅いので、ちょっと心配していました。でも、その直後に異変が起こったんですよ。


下から新しい歯がどんどんせり上がってきてますね。

 遊んでいる間に下の犬歯が両方とも抜け落ちました。今日も今日とて、デヴィちゃんと取っ組み合いをしている最中グラグラになっているのを見つけたので、そっと引っ張ってみたのですが、下の方で繋がっているようだったのでそのままにしていました。こんなにすぐ抜け落ちるもんなんですね。


歯が抜けて、えらい、えらい。
コディ「デへへへ」

 歯の他にも、ランで他の犬のマーキングあとを嗅いで、その上に自分のオシッコをひっかける、という行動もこの日から始まりました。他の犬に対してマウンティングするのもこの一週間でけっこう頻繁に見かけるようになりました(これはトラブルの元になることが多いので見つけたらやめさせています)。家では自分のシッポを追いかけてクルクル回っていたり、タオルにくるまって寝ている所などはまだまだ赤ちゃんのようですが、確実に成長してきているようです。




2015年6月4日木曜日

生後5ヶ月目



 週末、地域のジャーマンシェパード・レスキューグループが催したピクニックに管理人と犬の「コディ」も呼んでもらえたので、行ってきました。愛車の温度計を見ると一時的に104℉(37℃近く!)を指していたり、あまりの暑さに尻込みして「2、30分ほど覗いて帰ろう」と思っていたのが、行ってみたら結構楽しく、あっという間に2時間も経過していました。招待制だったので、人数も20名くらいかなあと思っていたのですが、大勢の人々+過去に里子になった100頭近くのGシェパード、Gシェパード犬系雑種の犬達があつまって、持ち寄った食べ物と犬トークを肴にワイワイと盛り上がっていました。


ピカーっと晴れた晴天ナリ。木陰に集まる犬と人。

 この他に群の警察官とK-9ユニットのシェパードによるデモンストレーションが行われ、プロフェッショナルな犬のカッコよさに惚れ惚れしたり(そして皆後ろを振り返って、自分の犬を見てため息をついていた 笑)、小さなアジリティコースやプールで犬を遊ばせたりと、思い思いに過ごしていた午後でした。コディも、大きいお姉さんやお兄さんに遊んでもらったり、ビシッと躾けてもらったり、なかなか有意義な時間を過ごせたようでした。


コディとパトカー?タクシー?

 この日の夜は別の用事でワシントンDCの方へ。帰りにバージニア州クラレンドンで食事した際、街角の「半分パトカー/半分タクシー」の写真を撮ることが出来ました。この車のことはいつも気になっていたのですが、調べたところ群警察、地域のタクシー会社、そしてワシントン・レジョナル・アルコール・プログラム(WRAP)という団体の連携で、飲酒運転撲滅キャンペーンの一環として作られたそうです。車体には「choose your ride(帰宅の仕方はお好みで)」と書かれており、飲酒運転による自動車事故は、ドライバーの意志によって100%防止可能なアクシデントだという事を啓蒙しているんですね。インパクトもあるし、ユーモアもあってなかなか効果的な宣伝だと思うのですが。


朝、出かける前の典型的な状況。
leave itまたはmineのコマンドで、「人間の持ち物に触らない・遊ばない」という事がようやく出来るようになった。
しかしここで目を離せば何かをしでかしそうな雰囲気がプンプンである

 話題その2。

 上のパトカーの写真を見ても分かるかも知れませんが、コディは生後5か月目に入り、大きくなってきたと感じます。体重は30キロを超え、毎朝通うドッグランでは、子犬(puppy)+ゴジラ(Godzilla)で「パプジラ」というあだ名を編み出した人も居ます。ブリーダーによるとこの犬種の成長は生後半年くらいまでは比較的急激に、その後緩やかに3、4歳まで続くそうなので、今後は育つスピードも落ち着いていくんではないかと踏んでいます。

 並行しておつむのほうの成長の方も進んできてます。但し、こっちのほうは必ずしも飼い主にとって都合の良い「成長」ばかりではないみたいですね。犬は、これから思春期を控えて、精神的にも独立心が湧いてきているらしく、以前は自分と犬との間に強固にあったほぼ「親子」のそれに通じるような絆が薄らいで、もっと自分で考えたい!自分の力で世界を冒険したい!と思っているような素振りを見せる事がちらほら出てきました。子犬時代特有の強固な絆の事をランで誰かが"invisible puppy leash・・・見えない仔犬の鎖"と呼んでいたのが言い得て妙だと感じましたが、とりあえず、どこまでも飼い主に必死でついて回り、言われたことをやみくもにこなす時期(ある意味、かわいい時期)は徐々に終わりを迎え、大人の犬になる準備が始まっているような気がします。




 そんなこともあってかトレーニングの方はちょっと停滞しだしました。特に呼び戻しが退化しています。室内や街中、林道等の環境ではまだ大丈夫ですが、特に気が散る場所(ドッグラン等)の中だとしばらく待っても来ない事が出てきました。マテも退化しています。静かに待てる距離も25メートルくらいまで伸びてきて、遠隔スワレ・フセなどもほぼ完璧に出来ていたんですが、ここの所「マテ」で犬に背を向けた瞬間に勝手について来るようになってしまいました。以前のようにまた短い距離から練習を繰り返していますが、一度はきちんと出来ていただけに飼い主の方もフラストレーションがたまり、よけい根気が要ります。基本のコマンドでこんなななので、衝動の抑制(インパルス・コントロール)がもっと必要な項目などに至っては言うに及ばずというか、まだまだ沢山練習が必要なようです。

 写真はバージニア州グレートフォールズにあるTurner Farm Parkという馬術公園での一コマ。駐車場を確認すると自分達以外に誰も居なかったので、馬用のフィールドに入ってひもを外し、簡単なオビ-ディエンスの練習とフリスビー、ボール投げをしました。下を見ると分かるかもしれませんが、以前は呼ばれると待ちきれないように全速力で走ってきていたのが、最近は「まー気楽にいこうよ!」とでも言うように、のっこのっこ走ってくるようになったのです。野外での練習時はとてもおいしいオヤツのご褒美を用意しているんですが、それよりも外界への興味が勝る瞬間があるようです。


(( come! ))
「いま、呼ばれた気がする!」

「でもまあ、そんなに焦って走らなくても大丈夫かな」


「えっほ、えっほ。」

ペロっ

 しかし、こうして遅いながらも戻って来るうちはいいですが、この調子で行くとそのうち自分で勝手にどこかへ行って、迷子になったりするのではと飼い主としては心配もあります。マイクロチップはもう入れてあるんですが、さらにGPSを内蔵した首輪の購入を考えています(後日談→GPSタグを購入しました)。


(( プレイス!・・・・・・ってアレ? ))

 フィールドも楽しんだし、さあ、帰ろう。「プレイス」のコマンドで車のハッチバック部分に上半身を乗り上げるよう教えていたのですが、この通り。「プレイスってなんだっけ?」という態度なのです。本当は分かってると思うんですが(笑)。こうしてゴネているとたまにオヤツが出てくる事があるのに味を占めてしまったのかもしれません。オヤツ目的で行動を起こすのもなんだかなあだし、かと言って毎回「しょーがないな」とダッコしてやるのも間違っていると思う(第一重すぎて持ち上がらなくなってきた)ので、どうやる気を引き出し・維持するかが、今後の課題になっています。




 帰宅して軽くシャワーしてやり餌を食べさせると、すぐフガフガとヨダレを垂らしながら寝てしまうところはまだまだ子供らしく、可愛らしいんですが。まわりの経験者によると、シェパードの思春期は生後だいたい半年から2歳半頃まで続くものもいるそうで、これからどんな風になっていくのか、興味半分、やだなー半分、入り混じった感覚を味わっています。





2015年5月31日日曜日

びっくりしたこと



 6月になりました。日本列島はもうかなり暑いようですね。こちら北バージニアもむし暑いですが、管理人家の面々は元気にしています。今回、狭くて散らかっている・ちょっと恥ずかしいうちの裏庭のようすをアップしようと思い立ったのは、友達を招いてバーベキューをした日の「アンビリーバボー」な発見を、ここを読んでくださっている人にもどうしてもお見せしたかったためです。

 写真はバーベキューをあらかた片付け終わってひと段落した所です。左のテーブルの上に、茶色いスーパーの紙袋が乗っていますね。これは、家の犬「コディ」がまだもっと小さかった頃、夜中数時間ごとに裏庭でしたウンチを拾うため、スーパーのレジ袋をまとめて入れておいた袋をそのまま忘れて放置していたものです。




 それでバーべキューを片付けるついでにこの袋も始末してしまおうと持ち上げたところ、中に小さな鳥の巣があることを発見しました。セイフウェイ(日本の「サミット」みたいな規模のスーパー)のレジ袋が丸まった所の上に落ち葉や枯れ草、コケ、ヘビの抜け殻(!)などを組み合わせ、ツボ型に仕上げてありました。鳥の巣を見ていていつも思うんですが、器用なもんですね~。小鳥による建造物をそっといじりながら感心していたら、なにかが巣の奥の方で動きました。「まさか?」




 うわっ!ヒナがいるぞ。カメラのピントが合わず、はっきりとは写せませんでしたが鳥の雛です。感じから言って生後一週間経っていないでしょう。てっきり空き家だと思ったら、今まさに育児が始まったばかりのアクティブな巣だったのです。この様子を見てどこかで肝をつぶしているであろう、親鳥の目を気にしながらそっと袋をもとの場所へ戻しておきました。バーべキューでガヤガヤ、煙がモクモクしたのがもとで、彼らの育児が中止にならなければいいのですが。因みに以前近隣の野生動物保護グループの冊子で読んだのですが、鳥は嗅覚があまり発達していないので「ヒナに人間の匂いが付いたから巣を捨てる」ということはないそうです。が、ゴミだと思って無造作にしていた袋なので、完璧にもとの通りに戻せたか自信がありません。陰からそっと見守りたいと思います。




 話題その2です。最近のロボロフスキー・ハムスター三匹娘は、わけのわからない巨大な毛むくじゃら(犬)がもとの棲み場所であったキッチンを占拠したため、応接間の片隅に移されました。望郷の念に駆られているかなと思いきや、個別に家を与えられ&1日に何回も覗きに来ていた人間の注意が逸れたことで、むしろのびのびリラックスした日々を送れているようです。今日は「砂風呂の日」だったので、そのついでに体重も計ってみました。皆、見た目も肥え具合も適正範囲内で、元気なようでした。


久しぶりの「点々ちゃん」。体重は22グラムあった。
点々は毛並みが脂ぎっしゅで、他のハム達が二週に一回砂風呂をするところ、
彼女は週に一回必要なのです。

「おかめちゃん」です。砂風呂が大嫌いなので平べったくなって抵抗しています。
彼女はこの半年で毛色が退色して、だいぶ白っぽくなってしまいました。

遺伝性の旋回癖を発症したものの、症状の悪化もなく落ち着いた状態の「おもちちゃん」。
夜になると旋回を繰り返すので体力を消費してしまうのか、体重20グラムと適正範囲内ながら比較的スリムだと分かったので、
今日からエサに種子類を足して補うことにした。



 話題その3です。家の犬「コディ」の情報を群に登録するため、近所のアニマルシェルターに足を伸ばしました。日本の保健所のような場所を想像していましたが、思いのほかアットホームで明るい雰囲気で、収容された動物達にもケアがいきわたっている様子でした。自分が動物達の様子をひやかしている間にも、あたりをボランティアのTシャツを着た人々が忙しく動き回っていたので、きっとかれらのような、多くの人々の働きによってこの場所がこんなに清潔に保たれているんだなあと、ちょっと感心した出来事でした。


「今日から正式な群の住人だよ!」と汗をかきかき帰宅したら、
大股開きで寝ていたイヌ。





2015年5月29日金曜日

アナポリスへ

メモリアル・デーの前日、桟橋で潮風にゆらゆら揺れるアメリカ国旗と船。

 アメリカの「メモリアル・デー」は戦没者を追悼する日であるほかに、その前後に三連休となるので、帰省したり小旅行を楽しむ人も多い休日です。メモリアルデー前日である日曜日はちょうど中日にあたり、ワシントンDC近郊は人が出払って道路なども空くので、日ごろ渋滞に悩まされる地元民にとってはちょっと遠くへ足を伸ばす格好のチャンスとなります。管理人らと犬の「コディ」も、メリーランド州の州都アナポリスへ行ってきました。




 チェサピーク湾にかかるチェサピークベイブリッジを渡って、反対側にあるという犬連れOKなビーチを目指しました。午前中の比較的早い時間帯だったので、今まで体験した事がないほど快適なドライブでした(いつもこうだといいのになあ)。




 着いたのはTerrapin Beach Park(テラピン・ビーチパーク)という海岸沿いに続くトレイルのある公園。同行の人間(♂)によると、このトレイルの向こうに小さなビーチがあり、犬達がオフリードにして遊べるという噂を聞いたのだとか。

 日本のヨシのような植物に囲まれた園内の小さな池は、汽水が流れ込む影響で独特の生態系があると聞きました。水面に目をこらすと背中のグリーンがきれいな、グッピーみたいな魚が泳いでいるのが見えました。写真に撮ろうと粘りましたが、かなりすばしこく仲間同士で闘争しており、上手く写すことはできませんでした。




 気温は約24℃。あまり暑くはない筈でしたが、日差しはかなり強く、コディはあまりやる気が出ないようでした。コディは、黒い毛に覆われているのでやはり暑さには弱く、ちょっとした日差しの元でもハアハアと息をしだしてすぐにくたびれてしまうので、気の毒になります。自分達の住んでいるバージニアの夏は結構暑いので今後元気にやっていけるか心配です。


ビーチに到着!大西洋の冷たい水が打ち寄せます。
犬をひもから外して、まだ誰もいないビーチを散策しました。



 初めて見る海に興奮したのか突然マッハで走り出すコディ。暑い砂をものともせずダッシュを繰り返し、その後一瞬で燃え尽きヘロヘロになっていた。日ごろ大好きでせっせと拾っている「木の枝」がこんなにあたり一面に散らばっているのも嬉しかった様子。突然降ってわいたこの富をどうしていいかわからないような雰囲気で、1メートル進むごとに新しい枝を拾っては捨て、拾っては捨て、典型的な成金のような行動をとっていて笑えた。

 ところでメリーランドといえばワタリガニの仲間「チェサピークブルークラブ」が特産品として有名ですが、ここのビーチで困ったのは、そこらじゅうに半分に割れたカニのなきがらが転がっている事でした。犬にとっては干物みたいで良い匂いがするのか、コディもたびたび拾い食いしようとして困りました。コディはとても食い意地がはっているので、食べ物に関して「Lieve It」のコマンドがききにくいです。人間(♂)によると、管理人が目を離したすきに砂まみれで正体のわからない「大人の靴下ほどの大きさのある」海産物の死骸を飲み込んでしまったとか(!)。また夜通しの下痢と夜泣きに悩まされるのだろうか。


そうこうしているうちに海坊主を発見しました!
アメリカにも居たんだな~。

節子 それ海坊主ちゃう 犬や

海面を割って現れたのはロットワイラーの女の子。
飼い主の投げる木の枝を泳いで取ってくるという、使命に燃えていた。
コディも、「かっこいいな~」と見とれていました。
遠くにさきほど渡ってきたチェサピークベイブリッジが見えます。

見よ!水泳で鍛えたこの肉体美。
自分も連休が終わったらプールで泳ぎたいと思います(抱負)



 久しぶりの砂浜とあって、ここまでの道のりを延々三脚・カメラと共に移動していた管理人は早々にくたびれてしまい(体力の衰えを感じた)、ビーチは早めに切り上げてアナポリス市街地へ移動しました。1600年代末ごろ、バージニアから追い出されたピューリタンの入植地としてスタートしたアナポリスは、現代は歴史、海産物、ヨットや船、そして海軍士官学校(United States Naval Academy)のある地として今日まで栄えています。上の写真の左端にも純白の制服に身を包んだ、士官候補生の方が写っていますね。アメリカの軍人達にとってこの学校で学ぶことは、大変名誉ある事とされているそうです。




 ダウンタウンのメイン・ストリート、その名もMain St.を反対側から見た眺め。遠くにスパ・クリークへと続くアリーナが見えています。この小さなアリーナは船から直にダウンタウンに降り立つことが出来たり、また水際に船でアプローチ出来るレストランなどがあることから、ボートやヨットの愛好家で常に賑わっています。


アリーナへ行ってみました。ヒトだけでなくカモも沢山いて賑やか。

綺麗な釣り船です。助手席にはブロンドの女性、ひゅ~ひゅ~。
SUZUKIの外付けエンジンが3つついていました。

こちらのエンジンはYAMAHAですね。日本の会社のエンジンは人気です。
後ろにちょこっと写っているボートは一隻5000万円近くするもの。
それを二隻とジェットスキー数台を繋げて、中学生くらいの女の子たちがパーティしていました。
その脇道ではホームレスが段ボールの切れ端を片手にうつむいていました。
アメリカの社会格差を強く感じる瞬間です。

見渡せば向こうにメリーランド州会議事堂。
1700年代末からずっと実用され続ける、アメリカ最古の立法機関だそうです



 食事は、これまた犬を連れていてもOKなパティオ席のある料理屋で。アリーナを囲むレストランのひとつフェデラルハウスにお世話になりました。店内も綺麗にリモデルしてあり結構いい雰囲気でした。こういう古いレストランにしては珍しく、メニューにはグルテン・フリーの品目にマークがしてあり、小麦粉アレルギーの人間(♂)にとっても嬉しかったようです。


ウェルカムドッグ



 アナポリスに来るといつも思うんですが、自分の住む北バージニアに比べて食費が安い気がします。今回、自分はクリーム・オブ・クラブというスープと、クラブケーキを食べましたが、これと同じくらいのものを北バージニアで食べたなら、20%くらい多く費用がかかる気がしました。これらの場所は車で1時間半くらいしか離れていないので、アナポリスが特別海が近いから・・・というわけでもなさそうだと感じます。




 道端の古いレモネード屋と、日差しに輝くレモンの箱を見ると、もう夏ですね。アナポリスには他にも犬連れOKな公園やスパがあると聞いたので、それらのためにまた訪れるのを楽しみにしながら帰路につきました。