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2021年11月16日火曜日

「ミッション・レディネス」


 犬の運動機能の向上についてちょこちょことオンラインの講座を受講したりして、勉強を続けています。日々の生活のすきま時間を利用してなので、自分でも考えたりためしたりしながらだと遅々として進みませんが、徐々に犬の体を見る目が養われてきているような気になって?楽しいです。学んでいるのは主にワーキングドッグ(警察犬、探知犬、救助犬や牧場で働く犬等)、プロテクションスポーツをする犬のハンドラーを対象としたものなので、自分の犬には転用できない事もありますが、参考として全て頭に叩き込むつもりで見ています。

 題材の中に、「Mission Readiness/ミッション・レディネス」という言葉が出てきます。「使命を果たす準備がととのっているか」というような意味でしょう。作業犬にはさまざまな使命がありますが、ペットに毛が生えたようなコディにも、セラピーの訪問という使命があります(日夜命がけの作業に従事する犬がいる中、本当にお気楽な『使命』ですが)。

 犬達は要請があった時、即座に社会の役に立つために、最上級のパフォーマンスが出来る状態を極めておく必要があります。これだけ言うと、使役する人の側の都合を押し付けているみたいですが、心技体がバランスよく整っていることは犬の自信を向上させ、ストレスを軽減し、怪我を防止し、間接的にその犬が長く健康に仕事に従事することが出来るという意味でもあります。犬自身の福祉にとっても非常に大切なことなのです。


 ワシントンDCは新型コロナウイルスの流行下、政府の施設の多くが閉鎖されたため、政府付属の機関に定期的に通っていたコディの活動も休止していました。ワクチンの普及と共に街のようすは元にもどってきたものの、セラピードッグ達が気軽に訪れられる状況はまだまだといった感じで、コディも加齢とともに以前と違った行動を見せているし、もしかするとこのまま引退かなあなどとのんきにしていました。

 ところが先月になって緊急の招集がかかりました。行き先は、最近政権が崩壊した中近東の国のタスクフォースで、土日祝24時間稼働しているとのことでした。ライフワークバランスを重視すると思われがちなアメリカ人が、昼も夜もスーツで缶詰になっている部署というのはふつうではありません。こういう、緊張感の高い場所へ行くほど、犬も人もむしろ平常運転でいることの方が大切です。窓のない政府の建物の中で日夜、冷たい活字と早口の要請の渦の中にいる人々にとって、犬は温かい生命や、日常の象徴ともいえるものです。ふつうの、どうでもいい会話の糸口であったり、落ち葉やよだれや、生き物の温もりを運ぶことがコディの「ミッション」です。夜間の訪問でしたが、準備は万端で臨むことができました。

 この訪問をアレンジしてくれているコーディネーターの方は、この機関にセラピードッグが定期的に訪問するようプログラムを確立したのは「2年前、初めて訪れてくれたコディアック(『The pup who started it all』)が大きなインスピレーション源になった」と、あとでメールに書いてくれました。また、訪問後自宅にブリンケン現合衆国国務長官のサインの入った感謝状が届けられました。セラピードッグの訪問活動を通して、こんなに大きな賞賛を立て続けにもらうことは今後もないと思われますが、「Mission Readiness」を意識しながら日々犬も人も心身の状態を整えていたことが、わかりやすく報われた出来事でした。


2019年11月6日水曜日

犬。おりこうにする


活動ログです。今年の春から、政府関係の機関で定期的に訪問活動を続けてきましたが、この10月の終わりにワシントンDCで行われた内部イベントにおいて、ウェルネスプログラムのアンバサダーとして介助犬達と共に抜擢される出来事がありました。タイミングの問題も大いにあったと思いますが、同じファシリティに来るセラピーチームがいくつもある中で私達のチームが選ばれた事は、今までの地道な活動が評価されたようで嬉しかったです。150名以上の人が入れ替わり立ち代わり会いに来る状況は多分これまでで一番の大舞台でしたが、犬も最後まで指示をよく聞いて、本当によくがんばっていました。

 コディは会場でただ一頭の「触れる犬」だったので、本当に多くの人々の注意をひいていました。広報の人も来て取材を受け、ニュースレターに載るそうです(もらった上の写真は許可を得て、解像度を落としてポストしています)。いつも思いますが、こういった場所で日々激務をこなす全ての人をセラピードッグがたちどころに笑顔にする様子にはほとんどショックといっていいほどの驚きを感じます。自分の育てた犬が、おそらく自分自身の10倍は社会の役に立っているであろう様子を眺めるのは、とてもおもしろい経験です。


 コディはこの日、前回のログにも書いた「say hi」を、何十回と根気よく繰り返していました。彼は訪問中は撫でられることも、おやつもないのに、一体何をモチベーションにしながら私の指示を聞いているのかと、ときどき不思議に思う事があります。いつも私の目を凝視しており、「おりこう君だね」と言うと、なんとなく嬉しそうな目をするので、ここまで育っていくどこかの過程で、褒められる事そのものが好きになったのかもしれません。もしかしたら、子犬の頃散歩や自主練でちょくちょく出掛けていたこのDCの街だから、沢山の「楽しい思い出」の欠片がそこここに漂っているのかもしれません。その街にこうして立派に育って(?)戻って来られたことは、ごく個人的なことながら一抹の達成感を感じさせてくれた出来事でした。










2019年10月24日木曜日

元気です

元気です^^

 北バージニアも、ようやく朝夕の冷え込みが秋を感じさせる頃となりました。今、木々の葉もどんどん色が変わっており、数日単位で野山の情景が変わっています。美しい季節となりました。

 我が家では毛の生えた兄に続いて娘・「ちいさいにんげん」が、無事に4歳を迎えました。初めてのお誕生日会は50名近くの人に来てもらえ、それだけで別の記事に起こしたいほど、印象的な日となりました。こういう事があると改めて「友達っていいな」と思います。子供が人生の早い段階において、「暖かい人の輪の中にいられるかどうか」は、親が進んで助けてあげることのできる、数少ない項目のひとつかもしれません。そのことは、いずれ自分の力で「日系/ロシア系アメリカ人」としてこの国で人生を歩んでいかねばならない娘にとって、特に重要なことの様な気がしています。




 友達は犬にとっても結構大事みたいですね。コディは人間中心主義者ですが、そんな彼にとっても、落ち着いた環境で気心の知れた犬と遊ぶ事は、心に刺激を与えてくれるようです。コディは家で、「ショーン」とか「ニック」とか、特に仲のいい友達犬の名前を口にすると、耳をピンとたててワン!と大きな声で鳴きます(単語が「ネコ」とか「アライグマ」だと、ワンワン💢という感じでドアまでダッシュするので、反応の違いは明らか)。名前の指す相手がだれかをはっきりと認識しているようです。犬同士でも、一緒に遊んだ経験が彼の脳裏にしっかりと記憶されている事が伺えます。写真は、最近できたお友達で、しばいぬの「花野」ちゃんです。子犬の可愛さの中にクールさを覗かせる日本犬、最高ですネ。



フサフサ君のとっておきの顔を見てください 笑

 訪問活動ログ。今回、特別に屋内の写真を撮らせてもらえました。アメリカの外務省にあたる所の、付属機関の中で、沢山のセキュリティを通過した先にある場所(セラピードッグも鑑札まで外して身体検査を通ります)。私はコディがいなかったらここに来ることはおろか、こういう場所があるという事すら、一生、知り得なかったでしょう。犬が私の知らない新しい場所に連れていってくれるようです。がんばっているコディの事を誇らしく思いました。

 以前は少し難易度が高かったまるまる2時間の訪問も、きちんとこなせるようになってきました。秘訣は犬を立たせておくことかもしれないと思っています。「say hi」というキューで、立って近くの人にあいさつに行くことを教えたので、受動的に撫でられるばかりでなく、自分から挨拶に行ける事がどうもプラスに作用しているような気がします。ほんの些細な要素を微調整するだけでも、ストレスが軽減されることを実感しています。今後も観察を続けたいと思います。



2019年7月19日金曜日

4歳半の夏

たるみまくり(無精ひげも生えた)

 ボストンから帰って、冷房の効いた部屋でトドのようにゴロゴロしている犬。ベランダに出てセミの声を聞いたり、ホタルを見たりしたいのですが、暑いらしくすぐ家にひっこむ。散歩中も、上り坂をジョギングで上がろうとすると「ゆっくり登ろう」とアピールしてきて、首輪ごとリードがすっぽ抜けた事2度。しかし本犬気付かず、すっかりリードがあるつもりで歩いていました。慣れ親しんだ散歩道だと、リードの存在を感じさせない風船のような犬なので、散歩がしやすく助かるのですが、これはちょっと笑えた。

 ところで、本当にリラックスしている犬って、頭をさわっただけでも分かる気がしますね。人間と同じく、犬も頭部や顔にあつまった筋肉群の緊張がほどけるのかな?フニャフニャした触り心地です。ドッグマッサージって効くのかな~と思っていたけど、こんなに筋肉があるのなら、犬もきっとこったりするのでしょう。


 一週間冷房のない環境で過ごしたからか、帰ってからアンダーコートがごっそりと抜けました。上の写真の、灰色がかったところにアンダーコートレーキをかけるとブラシの歯いっぱいに毛がとれます。背骨に沿ったあたりはピカピカのサマーコートです。やはり、室内犬だと自然にズバッと毛が生え換わるようなことはなく、だらだらといつまでも換毛が続く気がします。バージニアは今の季節雨が多く、泥はねも多いので、脚やお腹の毛は自然に見える範囲で先っちょを切りそろえました。

 散歩中、犬の毛艶を褒めてもらえることがたまにあります。どんなシャンプーを使ってるの?と聞いてくる人もいます。私はいつもコディを食器を洗う中性洗剤をよく薄めたもので洗っているので、そう正直に言うと大そう驚かれます。コンディショナーは、もともと馬用に配合されたMane and Taleという製品です。なるべく地肌につかないように、毛先にちょっとつけてくしで撫でつけてから流します。そのへんのスーパーで買える安物ですが、洗い上がりもその後も、問題なく使えています。匂いもきつくないです。


 そんなこんなで、コディ4歳半の夏。この夏から冬を終えれば5歳になると思うと、イヌの壮年期真っ只中というところかと思いますが、まだまだ毎月ひとつは新しい発見があります。
 
・ボール遊びのあと車に乗る時、口にボールを咥えたまま荷台に飛び上がるようになった。
・ながら散歩でボールを咥えながら帰る時、ボールを咥えたまま排便をするようになった
(オシッコは前からしていましたが、ここへ来て「ながらウンチ」もマスター)
・散歩の時のオシッコの回数が増えた。マーキング的意思を持って故意に分散している感じがある。

などなど、主にボールにまつわる行動にちょっとした変遷が見られました。いつもするわけではないのですが、ボール好きに筋金が入ってきたようにも思えます。年齢と共に、目には見えにくくても、日々何らかの成長?変化?をしていると言えるかもしれません。

 時折ドッグランなどへ行くと会える昔からの犬トモ達の行動も、最近変わりつつあります。特に大型犬仲間の間で元気よく遊ぼうとする犬がすごく減ってきました。コディはプレイバウしたりお尻をドンと相手にぶつけてみたり、一人もみくちゃになって遊びに誘おうとするのですが、疲れているのか、暑いからか、はたまたコディとはもう遊べないと感じるのか、あそびに乗ってきてくれる犬がぐんと減りました。もともと遊び方が乱暴で、いいバランス感で遊べる犬が少なかったので、これは本当に残念でした。コディのでっかいグーパンチではたかれても、頭をすっぽり咥えられても怯むどころか、むしろ大歓喜でコディを追い回していたボーダーコリーのニックが、とても恋しくなりました。




 訪問活動も復帰しました。このファシリティでは、セラピードッグが訪れることの有効性が認められて、正式なウェルネス・プログラムの一環として定期的な犬の訪問活動が採用されたそうです。こんなかわいい看板も立ててもらいました↑。コディが来ると聞いて、早めに来て看板のそばでわくわくしながら待ってる人も居ます。相変わらず、行くと犬のしつけ関連の質問が多いので、答えられる範囲で答えますが、英語が下手なので、満足のいく説明がなかなかできません。いい練習になっています。

 セラピードッグ協会を通してリクエストを受ける時、殆どの訪問先は2時間くらいの指定をしてきます。しかしうちの犬の場合、終わりごろになると出入り口の開け閉めの音に耳を澄ませたり、外を見る動きが少し増えたりと、「帰りたいのかな?」と思わせる行動が増えてきます。1時間30分~45分の間が、「楽しい」と「疲れた」のターニングポイントという感じがします。シェパードはこういう点で他の犬種、たとえばレトリバー系やブリー系の犬とは性質が違うと感じます。タイマーをセットしておき、訪問時間の途中で一旦トイレ休憩を入れ、ほんの少しの間でも小さなおもちゃで遊ぶなどして、犬のメンタルをリセットしてやるといいようです。

 シェパード全般そうかも知れないけれど、コディもまた、普段の生活の事からトレーニング中の癖までちょっとした「調整ポイント」がいろいろあって、対象をジロジロ観察して、どうやったらもっといいパフォーマンスをしてくれるかなあと考える事がとても大好きな自分のようなタイプにとっては、知的好奇心を延々と満たしてくれる最高の題材と言うことができます。けれどもそういう細かいりくつ抜きで、ただただ楽しく犬と付き合っていきたい人々にとっては非常に疲れるというか、めんどくさい犬にもなり得るという点を、理解しておくことは重要だと思いました。


2019年6月4日火曜日

雷が来る前



 仕事から帰ってくる最中、西の方で雷雨警報が出ていたので、2時間程で自分のところまで到達すると考え、このブログにももう何度も登場している(→登場その1登場その2バージニア州ターナーファームへ散歩に行きました。私が出かける日は朝から殆ど動かしてもらえないので、家の中で退屈していた犬です。大喜びで走り回り、ボール拾い、馬用の堀を飛び越えたり、馬糞を味見したり、ワタオウサギの通った後を嗅いだりする横で、いかにも怪しい黒い雲が沸き立つ様子を眺めました。雷雨という気象イベントはわくわくします。こういう時に急に冷たい風などが吹いてくると、おっ、来るな!という感じで、走り出したいような高揚感を感じます。


「ここはよく馬糞が落ちているところだよ。おいしいよ。」

 かと思えば急にまぶしい日が照ったり。この心をかき乱す空の様子を見て、昔の人は、妖怪や神様を連想しました。私達の脳は否定形を認識出来ない、と聞いたことがあります。科学が発展する前、天気などの現象の起きる理由についても「(理由が)ない(=わからない)」ものをそのまま「ない」としておくことが出来ず、なんとかして「有る」とこじつけた結果が神話や物語なのだと考えると、空想を産む構造になっている自分の脳に愛着のようなものが芽生えます。


ダニが~~~草のタネが~~~

 コディはセージとかローズマリーとかの刺激臭のする薬草系の匂いが大好きです。ここの牧場の傍に生えている名前の分からない葉が三角形の植物も、つぶすと強いハーブの匂いがして、たまらないようです。葉っぱを見つけるとゴロンゴロンと全身にまんべんなくまぶそうとします。すべてをなぎ倒してめちゃめちゃにするので、娘と一緒に見ていた「しぜんとあそぼ」のイノシシを思い出します。なんか、ドクダミとかも好きなんじゃないかな?生えてなくてよかった。

 好きな匂いと言えば、女性用の制汗剤に含まれている何か特定の物質にも、強烈な反応を示す事がありますね(笑)。この行動、ふだんの生活の中ではただ笑えるだけなので今まで問題視したことはなかったのですが、最近行き始めたややお堅めの訪問先だと、皆スーツやフォーマルな白のブラウス等を着ているので、毛や鼻水が付着することを避けねばならず気が抜けません。突然そういう機会がやってくるので防ぎようもないし、訪問中は場にネガティブな印象を与える「NO」という言葉も使わないようにしているので、困りました。


 10分位思い切りゴロゴロして、そのあとはこうしてひっくり返ったまま頭だけ動かし草の匂いを嗅いでいました。この時、コディの太ももらへんにあるこんもりした草のかたまりの中から、野生のハツカネズミみたいな小さな茶色いネズミが飛び出して、命からがら走り去っていくのが見えました。ネズミにとってはとてつもない大災害でしょう。多分、怖くて固まっていたけど、ガサガサが止まったので意を決して飛び出したのだと思います。さっきヒトの脳はわりとショボいなあ~という話になっていましたが、このように「幸福はいつも知らない誰かの犠牲の上に成り立つ」と、その事を認知出来る点についてはなかなかいいと思いました。

2019年5月4日土曜日

セラピードッグの準備クラス



 愛犬もかつて通ったことのある、セラピードッグのための準備クラスに、お呼ばれしました。と言っても、リクエストは犬の方にではなく、3歳6ヵ月の娘にです。この日、セラピー犬、介助犬、ファシリティドッグ候補の若イヌなど、合計6頭の賑やかなクラスで、簡単なノーズワークごっこや犬のパズル、double leash walkingと呼ばれる二本のリードを使った犬との歩行、読み聞かせ、ブラッシング、犬にコスチュームをつける、などなどのタスクを一緒に練習していきました。クラスの終わりにトレセン長が娘に歩み寄り、「大きくなったら、サービスドッグのトレーナーになってここで働いてネ!」と言ったところ、「私はおひめさまのねこを育てる人がいい」とか言って、自己主張していた(笑)。犬に舐められたり踏まれて泣いたりしながら育った娘は、ネコが好きです。

 娘が将来なりたいものは、「ピンクのウサギをお世話する仕事」とか、「みんなに食べ物をあげるしごと」「お買い物をする仕事」「虹をつくる仕事」などなど、わりかしコンセプチュアルなものが多いです。可愛いものとか、おひめさまが大好きで、アメリカの女の子の王道を行く嗜好の持ち主と言える一方、「お買い物をする仕事」のリストの内容があぶらあげだったり、プリャニキ(ロシアのおやつ)だったり、いきなり懐から小判を出すマネをしたり、文化的にいろいろ混ざっていて、面白いと思います。いつまでもこのユニークさを失わず、強く生きていってほしいと願います。


お風呂に入れられた後

 ここ一週間ほどは、天気が良くて涼しい日が続いていたので、犬も日がな一日ベランダに寝そべって過ごしていました。体重があるのに、痛くないのかなと思うのですが、家の中でも外でも、固い地面に直にゴロ寝します。特に、「屋外の」「半日陰」「固くて冷たいコンクリート」みたいな条件がそろった場所が大好きな様です。雑木林からの風がくるので、いろんな匂いや音もすぐキャッチ出来て、寝ながらでも好奇心が満たされるのだと思います。水も、室内の清潔なボウルにためてある水道水より、外に出しっぱなしになっているお皿の、小枝や落ち葉入りの「はっぱのアロマウォーター」の方が好きです。

 私の住むこのボロ屋は、雑木林に面しややせり上がった台地に建ててあるため、このベランダはちょうど林床から5メートル程度のところに、さながら木の上の秘密基地のように浮遊しています。木陰のおかげで一日中薄暗く、狭く、穴ぐらみたいな場所が好きな私にとってはパーフェクトな家です。ベランダの至近距離まで野生のタカやノスリやフクロウ達が来たりして、住んでいてぜんぜん飽きることがありません。でも、娘にとっては狭すぎることが、だんだんと不便になってきていました。あと数年、いやもしくはもっとすぐに、この家を後にせねばならならなくなるでしょう。




 次の家は、住むと予定している年数的に、コディの最後の家になろうかと思います。考えれば考えるほど、犬の命は短く、儚く、本当に寂しい事です。出来ることならば、広い庭とプールにアヒル小屋のある、お屋敷みたいなお家に住まわせてやりたいですが、それは叶いそうにないので、「車で10分以内に空地やきれいな川のある場所」というのを絶対的条件に入れて探しています。全体的に段差が少なくて、小さくても庭がある家を想像しています。他にも、「大きな老犬」が住むのに適する環境とはなんだろうと、今から考えています。

 また最近は件のながら散歩と並行して、「むこうから人がきたよ」だの「犬がきたよ」だのと、犬にせっせと話しかけるようになりました。多分、傍から見たらあぶない人みたいに見えてる可能性もありますが、「今のうちからこうしておけば、もしそのうち愛犬の目が見えなくなったり、耳が悪くなることがあっても、二人五脚で楽しく散歩が出来るのでは」という実験です。

 うちの犬はトレイルのような場所で何かの気配がすると、グッと首を持ち上げて尾を立てますが、そういう時「あれは人だよ。」というとシッポが下がるので、なんとなく意味は分かっているようです。犬が来るときも、「あれは犬だよ。leave the dog.」とか言うと、時々鼻息を荒くしながらも素通りすることが出来ます(※)。散歩道で何かに遭遇する前の段階で、心の準備が出来るか・どうかは、コディの心の平穏度に密接にかかわっていると感じます。(※コディは雑木林のトレイルの様な場所では、他の犬に対して警戒し吠えます。)

 もうひとつ面白いのが、上手にふるまえた時「おりこうさん!あとでオヤツがもらえるね。」と言うのですが、これをちゃんと覚えていて、家に帰ってからおやつの棚の前で待っています。わりと記憶力がいいので感心します。どうも犬の中で、「あとでオヤツ」というアイデア自体が報酬化しているようです。

 効果があるのか、ないのか分からない、細かいことばかりですが、人・犬ともに事故や病などのライフイベントが、いつ訪れるかは分かりません。これは、先代の犬に教わったことのひとつですが、いつも、どこかで、来るべき犬生のシナリオについてなんとなくシュミレーションしておくことは大事だと感じています。


2019年4月15日月曜日

1月~4月のまとめ


 今年の1/4が過ぎ去っていきました。子供の世話と並行して、訪問活動や犬トレに行ったり、趣味のため夜のフィールドにお供してもらったり、自主練に行ったりと出入りの激しかったこの頃でしたが、コディは何かあると分かると夜中でも準備万端とばかり飛んでくるので、この犬は本当の熟睡ってするのかなと、素朴な疑問が芽生えています。

 自主トレは、頑固でなかなか新しいタスクが出来ないわりに全然諦めないので(笑)本犬は何らかの興味・面白さを感じてるように見えます。ダイエットもして「歯も体もパーフェクト」と獣医さんのお墨付きももらい、わりと絶好調な4歳の春です。とはいえ、よく見ると歯はすり減っているし、顔の毛もところどころ更に白っぽくなって模様の面積が増え、改めて眺めると犬の顔面にも「歳月」が刻まれていることに気付きます。これからはイケオジ目指して頑張って欲しい。

 1月から続けてきたモンディオリングの練習は、トレーナーの方の個人的な都合で、3月の終わりでレッスンが終了される運びになりました。モンディオリングはアメリカでは主に西海岸や中南部、ほかは東欧諸国や南米などで盛んに行われている競技で、東海岸の私達の住むエリアでは、他に教われるところがありません。そのためこの競技の練習自体、一旦おあずけという形になりました。

 コディも私も、トレーナーとの相性もとても良く楽しく通えており、またプロテクションスポーツに携わる人々やその犬と一緒に練習する事はとても良い刺激になっていたので、そのような場が失われる事はとても残念です。でも、これまで数カ月の間、犬へのアプローチや、モチベーションを引き出すという観点だけでも本当にいろいろな事を教わりました。面白いと思った単元の練習は、今後も自分で続けていこうと思います。

足に履いたカバーを噛むデモンストレーション。授業時間外のミーティングは寺子屋スタイルで
競技も進度もバラバラの犬が集まるので、横断的な知識を得ることが出来た

 また今回「リングスポーツ」と言われるものの端っこの、そのまた端っこを少し齧ってみて、シェパード・ピープルの輪の中にいると、やっぱり楽しいということが分かりました。ジャーマンシェパードやベルジアンシェパードは、犬の中でも親密に人と関わりあってきた独自の歴史あるカテゴリであるため、犬の性質に沿ったハンドリング方法が確立しているところが面白いです。これはコンパニオンドッグ、所謂家庭犬用に繁殖されているシャイロシェパードにとっても適用できる所があります。また、ジャーマンとベルジアンのハンドリング方法も実は異なるんだよという点など、知れば知るほど奥が深く、魅了されました。

 結果として遠回りする形になりましたが、改めて件の親切なおじさんのいる地域のクラブに、一度見学だけでも行ってみようと思います。クラブの雰囲気やメソッドが合わなかったりした時は、Fenzi Dog Sports Academyなどでオンラインのクラスを受けることなども視野に入れ、今後やりたいことについて再検討してみようと考えています。でも、理想はどこかに通って誰かと一緒に練習したいですね。やっぱり同じ犬好き同士情報交換したり、よくしつけられた他人の犬に感心しながらトレーニングするのが楽しいと思うし、そういう場所を通して友達が出来たらいいなと思っています。


 セラピーの訪問活動も継続中です。今までは単発で行く大学関係のファシリティが主でしたが、今春からはワシントンDCらしく、少しお固い訪問先のチームに加わり、定期的にどこかへ通う形になりそうです。訪問活動や、教育プログラムのデモンストレーション、トラッキングなど、愛犬が今後、例えば加齢や病気、ケガなどで状況が変わったとしても、最後までこなすことの出来そうな「役割」を模索しています。自分たちのコンビで、出来ることを通して、出来る範囲で、実社会に寄与できればうれしい。

 最後に例のボール運びごっこの写真をアップして……、、、この地味な遊びが意外に楽しく未だにブーム(笑)。毎日の短い方の散歩で、近所の空地で遊んだ後、帰り1キロ位の道をひっぱったりひっぱられたりしながら帰るのが面白いです。以前、どこかでコディはタグを殆どしない、と書いたけれど、最近これが本犬なりのタグだったことに気が付きました。たとえ短い距離をただ歩くだけの散歩だったとしても、こうして「ながら」散歩だと楽しいし、犬の満足度も多少上がるような気がしますね。歩きながら出来るミニゲームみたいのをもっと考案してみたいな。何か思いついたら、またここにメモります。




2018年12月30日日曜日

セラピーログ(2018/12)



 12月の初めに地域の大きな大学から要請があり、セラピードッグ協会のメンバー数名と一緒に派遣されました。学期末の集会で学生のストレスをやわらげ、他者とのコミュニケーションをとりやすい雰囲気をつくるという目標でした。こういう活動に参加してみるまで、セラピードッグの効用とは「犬がいる、かわいいね♪」と和むくらいのもの(?)だと、なんとなくどこかで過少評価していました。しかし、「そこに犬がいること」というだけでいとも簡単に人間の行動が変わる事、殆ど即座に人をリラックスさせることを目の当たりにし、その効果の度合いに驚きました。

 若くエネルギッシュでありながらも落ち着いた年代の大学生・大学院生相手の活動で、コディのようなビギナーには丁度いいと思って喜んでいましたが、ふたを開けてみるととにかく人が多くひしめきあっていて(一度、数えてみたら25人の生徒がコディを撫でていたり)、犬にしてみれば非現実的とも言える状況が起こっていました。そこらじゅうに落ちてるピザやポップコーンの誘惑もかなりのものがありました。そんな中、コディも2時間半の間よく指示に反応して頑張ってくれました。とても疲れたようで、帰りは車の中でガツガツ昼ご飯を食べ、帰宅してからは夜までぐっすり寝入っていました。

 最後に大学側のモデレーターと少し話したのですが、彼女によれば普段の集会では、その日集まった人数の5分の1以下程度の学生しか訪れないそうです。滞在時間も短く、犬が居ると居ないとでは「まったく別次元」と言えるほど、場の雰囲気が変わるそう。また、面白かった点は、生徒だけでなく教授達にも犬がとても人気だったことです。特に学期末に教師が晒される様々なプレッシャーについては私もある程度知見があるため、「学校にいる大人」という、「誰かをケアする誰か」を元気づけられたことには、ささやかながら意義を感じました。




 次回への課題は、ファシリティに入るまでのツケを上達させる事。これは、かなりガタガタだった。他の犬が結構リードをひきながら歩いており、そのバタバタした雰囲気につられてしまった所もあったかも知れないけれど、かなりきつめにハンドルしないときちんと歩けていなかった。コディは探査欲が強い方で、まわりの環境をまず自分で見て、ぴっちり匂いをかいで念入りにチェックしておきたいタイプなので、初めて来た場所ではソワソワしがちです。これはもう個体の性格なので良いとして、現地に早く着いて、建物の周辺だけでも好きなだけ点検させてやるなど工夫は必要だと思った。

 他のセラピー犬で一頭リキの入ったタイプがおり、始まる前の集合場所で出会いがしら、ググッとコディの方に顔を出して吠えたのに「売られた喧嘩は…」と吠え返しちゃったことも、その後のドタドタした流れを作ったと思う。もとをたどれば保育園のお見送りの後で、急いで支度と犬の散歩をし、道中思わぬ渋滞に巻き込まれて、かなり急いた雰囲気の中で到着してしまった点も悪かったと思います。セラピードッグは吠えることはタブーであり(上記のように他の犬に吠えられるなど)、どんなに理不尽な理由があったとしても、必ず刺激を無視するように事前に指示を出しておかなきゃダメだと思いました。こういうとこは、レトリバーとかと違ってオートでは出来ないので、いちいちマメに言い聞かせないといけない点です(レトの人がシェパを飼って「疲れる」と言う第一の理由 笑)。

 あと、地味に失敗したなと思ったのが、黒いパンツを履いていってしまったことです。ユニクロのオフィスカジュアルみたいなズボンで、(いつもと違って)多少きれいな恰好していこうと思って出したら、何の素材なのか分からないが見事に犬毛まみれになってしもうた。ただ念のため持って行ったコロコロは弱い犬アレルギーがあると言う生徒さん達にも使ってもらえ、なにげに笑いを誘ったりと、いい小道具にもなったので、良い点もあった。ブラシもとても役に立ちました。「動物の毛をとかしながら会話したい人」がこの世に一定数存在すると分かったことは発見でした。

 ハンドラーとしては、学生からも大人からも犬のしつけについて質問を受けることがやたらと多かったので、もう少し説明もうまくなっておかないとなあと感じました。これは、私の英語の問題ですね(汗)言語があまり得意ではないので一番てこずりそうなところですが…。



2018年5月9日水曜日

セラピードッグのテスト




 ひとつ前の記事で書いた通り、アメリカで受けたセラピー犬のテストについて少しメモしておきたいと思います。まず、私と私の犬「コディ」が受けたテストはTherapy Dogs International (TDI)という非営利団体の行う試験です。アメリカには沢山の登録団体がありますが、大まかな印象で言うと、歴史が長く社会的信用度が高いのがTDI、比較的新しく動物介在活動・療法全般に特化したのがデルタソサエティのPet Pertners Program(PP)というイメージがあります。

 シェパード・ピープルは伝統的にTDIを受ける人が多いようですが、それは1976年にTDIが最初の動物介在訪問を始めたとき、オリジナルのメンバー全員がジャーマンシェパードを使っていたことと関係あるのかも知れません(協会のマークもGSDです)。TDIテストの観点(PDF)と、PPテストの観点(PDF/p59-p85)に、それぞれの細かいルールなどが載っているので、ご興味のある方は、読まれてみて下さい。私はPPのことはあまり詳しくないので、ここから先はTDIにのみ焦点を絞って書いていきます。


🐩


 TDIのめんどくさい面白いところは、TDIに認定された評価員の所に自分から連絡を取り、出かけて行ってテストを受けねばならないところです。この評価員が近場に住んでいればよいのですが、車で往復四時間しないといけないような所だったり、それが天候不順で前日の夜にキャンセルされたり、テストの日程をたてるのが大変でした。自分達の場合は、メリーランド州シルバースプリングにあるCapital Dog Training Club of Washington, D.C.で行われるテストに、運よく滑り込むことが出来ました。試験の費用は25ドルで、人手がいるテストの割にとても安いと感じました。

 試験場はちょっと暗い感じの倉庫を改造したところにあり、東海岸ではよく見るドッグトレーニングクラブのセッティングです。見知らぬ薄暗い部屋で不安に感じて、クンクン始まる犬もいそうだと思いました。今回の試験に参加した犬は5頭で、コディの他にはマルチーズ系の小さなミックス犬、ランドシーア、すごく育ちがよさそうなゴールデンレトリバー、若いジャーマンシェパード、などがいました。

 テスト内容は基本、CGCAで出された課題に毛が生えたようなものですが、先ず気が付いたことは意外と基本のヒールウォークが出来てない犬が多いことでした。おそらく普通のナイロンリードを普通の首輪(か普通のハーネス)に留めたものでテストするルールで、犬の歩き方に補正が一切きかないせいじゃないかと思います。アメリカ人は楽天的な人も多いので、「できるかわからないけど、とりあえず受けてみよう」とテストを受けるケースもあるのではないかと思いました。

 また、テスト中はおやつなどのご褒美も一切禁止なため、食い物命タイプの犬も、苦戦していました。コディはといえばテスト本編とは関係ない、建物に入る前の「おしっこ」の指示を出したのになかなかトイレすることができず、ヤキモキさせられました。普段と勝手が違うと、こういう細かいことで躓く事もあるという、良い例でした。

 とても大変だなと思ったことは、テスト時間の長さです。全行程で1時間半くらいかかっていました。最初は犬達も元気よくがんばっていましたが、一時間過ぎる頃になると、みんな疲れてきます。そんな時に無慈悲に床の上に出される、油の光る大きなペパロニが何枚も乗ったお皿と、新鮮な水の入ったボウルです。「leave it」がどれくらい効くか調べる課題ですが、犬は腹ペコでハンドラーはグロッキーなので、多くのペアがペースを崩されまくっていました。

 あとで考えたのですが、これはマイルドな心理的負荷のかかった状態で、どのくらい犬がリラックス状態を保てるか、ハンドラーの要求に応えられるかを調べる格好のテストだったと思います。「live it」についてはまた、評価員の方が「病院やホスピスなどの環境下では、床に血痕や、薬品の類が落ちている可能性もあります。lieve it はあなたの犬の命と健康を守る最重要スキルのひとつです。」とコメントしていたのが印象に残りました。


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 疲れると素の性格が出てくるのは人も犬も同じなようで、テストを進めていくうち、犬達にもいろいろな事が起きていました。ジャーマンシェパードの子はすれ違う別の犬にワワワン!と吠えて、落とされてしまいました。ランドシーアの子は格好のセラピー犬候補と思われましたが、車いすの評価員が持っていたクラッカーを、見ていて爽快になるほどムシャムシャと食べてしまい、これも、「さらなる訓練の余地あり」として落とされていました。

 特に印象的だったのはマルチーズmixのペアでした。この犬はテストの中盤当たりから犬がストレスを感じているのが明らかで、ハンドラーの指示にあまり従わなくなっていったのですが、飼い主の人は「やりなさい」と、頻繁に犬を誘導していました。結果、最終テスト前に「あなたの犬は、このような作業をやりたいと思っていないようです」と、評価員にはっきりと指摘されていました。

「テストではこのような状況を『耐える』犬ではなく、このような状況下でもハンドラーの要求を聞く事を楽しみ、人と関わりあう事を享受できる犬をフィルターしています。『耐える』ことは必要ではありません、それはあなたの犬にとって体験する必要のないストレスです。彼らにはセラピーとは別の社会貢献への道があります。」という、非常に納得できる説明が審査員からあり、アメリカの人間の学校などでも感じるこの「がまん」してわざわざ得意じゃない事をする(そして能率をさげる)よりも、無理なくできること・得意なことを生かしてコミュニティを助けていきなさいという、極めてアメリカ的アプローチが、犬にも適用された瞬間だと思いました。

 しかし、私も受けるまでこんなに長く感じるとは思わなかったので、TDIのハンドブックに「テストを受けられる犬の年齢は、ミニマム1歳から」と書かれている理由が分かったような気がしました。犬のトラウマ回避策なのでしょう。実際にセラピーワークを模した題材の中でテストしていくと、普通の犬にとって予想以上にストレスフルなものがあるし、ハンドラーの方も、実地へいけば自分なんかじゃ想像もつかないようなタフな人生の問題と戦っている人々に接することもあるだろうから、犬人ともに心身のスタミナが必要なのだと思いました。とまれ、ここまで残った例のピカピカのゴールデンレトリーバーとコディは、本物の子供を交えて行う最終課題を終え、全ての課題をクリアすることが出来ました。晴れて、テストに通ることが出来たのです。


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 もちろんこのテストに通ったからと言って、明日から「うちの犬はセラピードッグよ!」と吹聴するのは、時期尚早と言えるでしょう。今日はただ、自分の犬にセラピーワークをしていく素地が十分にあるとわかっただけで、ここから本物のセラピードッグとなっていくには、今後も能動的に様々な活動の場を作って、人犬共に経験を積まねばなりません。現時点で、自分がどこまでそういった活動に参加できるのか分からないですが、まずは一回体験できるように、知り合い等にあたってみようと思いました。

 今回のテストを受けて嬉しかったのが、全ての評価が終わった後「今後の練習の参考にするので、不十分だった箇所を教えて欲しい。」と評価員の方に聞きに行ったところ、“you performed nearly perfect./あなた達はほぼ完璧に出来ていました。”と言われた事です。人間のカップルとかでもそうかもしれませんが、犬と飼い主も、普段から常に一緒に過ごしていると完璧とは程遠いところばかりに目がいってしまい、ついつい過小評価しがちです。でもこんな風に見ず知らずのドッグトレーナーの人にそう言ってもらえることで、コディも犬なりにがんばってるんだなと再認識し、感謝することができたので、他人の目は大事だなと思いました。

 それと余談ですが、ここでも訓練系のゴールデンレトリーバーのすばらしさに感銘を受けました。本当に素直で優しくて、トレーニングを愛し、ストレスを許し、人を許し、とにかく海とおひさまの様なハートを持った犬たちです。コディと共に最終試験に進んだ一頭もそんな感じの犬で、あとでオーナーの人に聞いたら、ゴールデンだらけのオビーディエンス・トライアル一家で4頭目のセラピー犬だそうです。レトリーバーを飼ったことがないから分からないですが、家に帰ったらあのやきたてパンみたいなニコニコ顔が4つ並んでるのでしょうか(シェパードは目からビーム出してガン見)。想像するだけで癒しだし、最高に楽しそうです。