仔犬がくる 1



 数か月間連絡を取り合っていたブリーダーから、仔犬が無事にうまれたという連絡が届いた。嬉しーい、と喜びのビッグウェーブが来るかと思いきや、案外そういったものはなく、むしろ「あーこれからだぞ」と、前線に出る前の歩兵のような高揚したような、憂鬱なような、ヘンな気分となった。仔犬はシェパードで、最終的に先代のドーベルマンよりも大分大きくなるので、しつけをかなりきっちりやらなければいけないという事が大きいかもしれない。気質によっては何らかの作業に従事させることも考えているので、今まで自分がゴロゴロしたり、ダラダラしたり、外の小鳥をボーっと眺めてにやにやしていた幸せな時間の多くは、これからはそういうトレーニングに費やされることになるという予感があるのも大きい(それはそれで幸せな事ですが!)。ともあれ、うちに仔犬が来るおおよその日にちが分かったので、そろそろ飼育用具を揃えないといけなくなった。手始めに愛車のハッチバック部をまるごとカバーする製品をオーダーすることにし、その他の備品は街のペット用品やに見に出かけた。上の写真は、その時の収穫物になる。

 ふつう、餌入れとか首輪、リードやなんかを先に買うものでは?と、家族にも笑われてしまったけど、うちに来ることになる犬のイメージが頭の中に全く湧かないので(見せてもらった写真は黒々・てかてかした濡れネズミのような生き物だった)、首輪などの「ファッション要素」の求められるものを今から買うのは、難しいと判断した。唯一「ファッション要素」があるかも知れないのは犬のコートを買ったことで、これは仔犬にとって重要な社会化の時期が、管理人の住むバージニアではとても寒い時期と重なる事を考慮した。一方おもちゃは、どんなものでもきっと嫌いな仔犬はいないと思うので、選ぶのは比較的楽だ。

 個人的な経験上、使役犬・牧羊犬タイプの仔犬のチュー・トイ(噛むおもちゃ)を選ぶときは、硬さも、硬化ゴムから柔らかくボヨンボヨンするようなものまで(但し柔らかすぎてちぎれるようなのは厳禁)いろいろな種類を日替わりで遊べるよう、最低7こ位用意したいと思う。こういう種類の犬は頭の回転が速く力もあり、ヒトにフォーカスするように出来ているので、「ただ噛めるだけ」とか「振り回せるだけ」のおもちゃはすぐ飽きる傾向にあるから、中に餌や、なにかおいしいものを詰められ、ずっとがじがじしていられるタイプのチュー・トイもあれば理想的ということになる。

 これを踏まえて、まずプラネット・ドッグの「スポーツ/アイスホッケーパック」と、バイオニックの「スタッファー」を購入した。どちらも特殊なゴムで出来ていて水に浮き(何かを詰める場所がある)、食器洗浄機で洗え、リサイクルが可能となっている。バイオニックのおもちゃは個人的に特に好きで、このゴム素材が特殊で三次元的に入り組んだ構造のため、ものすごく丈夫な割に非常に柔軟で弾んだりする。形もよく考えられていて、たとえば「スタッファー」は餌の粒やオヤツがゆっくり出てくるような形と、二種類の大きさの穴を備えている。小さな犬用リュックサックは、将来管理人の狂った散歩癖のお供として、森林や野山を食糧や一眼カメラを背負って歩き回るための英才教育をさせようという、野望によるもの。